----- トラブルメーカーズ-----
インスペクター AYA 
作:B,M

・・1・・


「いや〜、今日も暑いねぇ。」
「誰のせいじゃぼけ〜〜!!」
げしっ
私の蹴りがまともに敦の頭に直撃する。

「だからあれはしかたなかったんだって・・・・綾、それにこんなに謝ってるんだからそろそろ許してくれよ。」
「なにが『しかたがなかった』よ。あんたがしなくていいことまでするのが悪いんでしょうが!」
「いやだってさ、あそこでボイラーを爆発させなきゃやばかっただろ。あんだけ警備員がいたんだし。」
「それもあんたが悪いんでしょうが!」
ぼふっ
私の怒りの鉄拳が敦の顔面に直撃する。実は、私と敦はさっきまで仕事をしていたのであった。内容は、「大手企業ガリバスに潜入し、不正を働いているという証拠をつかむ」という極単純なもの。ところが、敦のドジで警報がなったため、見つかってしまったのだった。そこで、逃げるために敦がボイラーを爆発させたのだった。ちなみに敦のドジとは、機械を壊してしまったこと。いったい何がしたかったのかは不明。
「とりあえず、依頼人のところへ行くわよ。」

「とりあえず依頼料はもらえたわね。多少文句は言われたけど・・・・・。」
そう言いつつ敦のほうをジト目で見る。
「・・・・・まだ機嫌が悪いみたいだね。」

キーンコーンカーンコーン
4限目終了のチャイムがなり、皆昼食の準備をしている。あんな風に仕事をしているが、私と敦は実はまだ高校2年生。もちろん、仕事をしているのは学校には内緒。ばれたら一発で退学だろう。
「ねぇ敦、あんた次の日曜日暇?」
「ああ、暇だけど。また仕事か?(ぼそっ)」
「うん。」
「おまえら相変わらず仲がいいな。またデートか?」
横から茶化してきたのは敦の親友(悪友?)の桐生 仁。性格は、軽くていいかげんといったところか。いつもこんな風に言われるため、既に慣れてはきているが、いまだにむかつく。
「違うわよ。ところであんたはなんか用でもあるの?」
「いや、特に用なんてないけど。」
「ねえ、綾ちゃん。今度、最近テレビで話題になってる映画見に行かない?」
いきなり横から話しかけてきたのは私の親友の天理 望。物静かで控えめな大企業のお嬢様。私とは正反対の性格である。
「別にいいけど・・・いつ見に行くの?」
「今週の土曜日か日曜日に行きませんか?」
「日曜はだめだから、土曜日に行こっか。」
「日曜は敦とデートだからな(ぼそっ)」
「だから違うっていってんじゃない!」
どふっ
「ぐあっ!」
仁のみぞおちに私の左ストレートが炸裂!ふっ、ばかめ私に喧嘩を売るからだ。
キーンコーンカーンコーン
そうこうしているうちに昼休みが終わる。さて、そろそろ次の授業の支度をしないと。

6月10日日曜日 午前0時
私と敦は任務を達成すべく、港に来ていた。今日の依頼は「麻薬取引の現場を押さえる」というちょっと危ない仕事。コレは警察からの依頼なので、少々やらかしてもなんとかなる。そういうわけで、装備としてナイフとマグナムと手榴弾を持ってきていたりする。兵器おたくというなかれ。
「綾、連中がきたぞ。」
私は持ってきていたビデオカメラで連中の様子を映す。そして連中は取引を始めた。ふっ、今回は余裕かな。そう思っていた矢先。
「おいっ!だれかいるぞ!!!」
うげっ、見つかっちゃった・・・・。こうなれば逃げるのみ。
「敦、逃げるわよ。」
「了解、綾。」
「ふっ、そうはいかん。」
『?!』

私と敦は声の方向に向き直る。あちゃ〜、囲まれちゃったよ・・・・。
「ふむ、がき二人か。いい度胸をしている、そこはほめてやろう。だが、アレを見られたからには逃がすわけにはいかない。?!。おまえらどうした!?何故倒れている」
「ふっふっふっ、あんたがのんびりと口上述べてる間にみんな敦が斬ったわよ。残るはあんただけ・・・。さっさと降参しなさい!」
「くっ、なかなかやるな。だが私はそうは・・・」
ぼふっ
私の飛び蹴りがこいつの顔面に直撃する。
「・・・・・口だけみたいね。」
「んじゃ、さっさとこいつを警察に突き出そうぜ。」
「ほう、おぬしらなかなかやるのぉ。」
背後から、いきなり声が聞こえる!私と敦は声の方に向き直る。そこには一人の老人が立っていた。
「あんた誰?」
「そこは気にしなくてもいいじゃろう。それにしても、あの組織に反抗する輩がいまだにおったとは。ふむぅ、面白くなりそうじゃのぉ。」
「組織?」
「気にするでない。」
いや、普通は気になるって、じいさん。
「それでは、わしはそろそろいくかのう。」
「ちょっと!待ちなさいよ!!」
その言葉が聞こえなかったのか、その老人は深い闇の中へと消えていった・・・・。

「なあ綾、あのじいさんが言ってた組織ってなんなんだろうな?」
あの後、私たちは警察に連中を突き出して依頼料をもらった。今は帰路についている。
「さあ、私にはわかんない。でも、ほっといてもそっち側から動き出すだろうからいいんじゃない。」
「いいのか・・・それって・・・。」
「良くはないけど、今はそれしかないでしょ。無駄なことを考えて疲れるよりは、そっちの方がいいかなぁって言ってるだけよ。」
「そっか。じゃあ俺もそうするかな。」
この時、私たちは知らなかった。今回の出来事が、これから起こる激しい戦いの幕開けだということを・・・・・。
                          つづく



あとがき
どうも皆さん、私はB,Mと申します。このSSは文芸部の大会用作品のボツ作品を編集したものです。ボツの理由が「長い」の一言でしたので、これを「連載型にしちゃおう」などと思ったわけです(汗。あと、主人公の綾の名前は、「橘 綾」で、敦の名前は「小笠原」デス。まだSSをかき始めて間もないので、意味不明な文になっていたら、ご指摘お願い申し上げます。あとがきは、このへんで失礼させていただきます。それでは、ごきげんよう(笑)



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