----- トラブルメーカーズ-----
インスペクター AYA 
作:B,M

・・2・・


・ ・・・私の目の前には燃えゆく家があった。
「お母さん、お父さんどこにいるの?」
私は泣きながら、母と父を探していた。いつまでもいつまでも、その死を聞かされるまでずっと。そして私は一人ぼっちになった。私はいつまでも泣き続けた。私を支えてくれる「人」が現れるまで・・・・。

がばっ
・ ・・・なんだ夢か。それにしてもいやな夢・・・昔を思い出してしまういやな夢・・・。
「さてと、支度して敦を起こしに行こうかな。」
私は朝食の準備を始める。準備といっても食パンにバターをぬってトースターに入れるだけだけど。焼いている間に着替えと学校へ行く準備をする。そして、焼けたパンを食べ、家をでて敦を起こしに行く。敦の家は私の家の隣。あいつは一人暮らしで、しかも朝は弱いのでいつも私が起こしに行く。
「敦、そろそろ起きなさいよ。」
「あと五分・・・・・」
「起きなさいって。」
「まだ眠い・・・・。」
「ふむ、あくまで抵抗するきか。」
どふっ
私の拳が敦の腹の辺りに直撃する。
「うっ?!・・・もうちょっと優しく起こしてくれないか・・・?」
「こうでもしないと起きないのはどこの誰?」
私は拳を握り締めながら言う。
「・・・・・・すいません、僕が悪かったです。」

「う〜ん、ねむいなぁ・・・」
「まったく、さっきから眠い、眠いうるさいわよ。さっきのをもう一発喰らう?」
「それだけは勘弁してくれ・・・・・・・」
「それよりも、一つ言うことがあるんだけど。って、聞いてる?」
「ああ。」
さらりと流す敦。こ、こいつ・・・・・。とりあえず殴ってやるか。
ぼふっ
今日二回目の攻撃。横で敦が腹をおさえている。
「とりあえず目は覚めたようね。というわけで本題に入るんだけど、今度の土日は暇?」
腹をおさえつつ敦は答える。
「ああ、暇だけど・・・・また仕事か?」
「う〜ん、どうだろ・・・。警察の方から呼ばれてるんだけど、なんか仕事の依頼とは違うみたい。ちなみに、説教の可能性は0だから大丈夫よ。」
「ふ〜ん、まあいいや。じゃあ、土日はあけとくよ。」

キーンコーンカーンコーン
4限目の終了をつげるチャイムが鳴る。
「ねぇ、綾ちゃん。今日の放課後暇?」
望がいきなり話しかけてくる。
「うん。暇だけど。どうしたの?」
「別にたいしたことじゃないのだけど、ひさしぶりに遊びに行こうと思ったから聞いてみたの。」
「なるほどね。そういうことなら構わないわよ。何時頃にする?」
「帰りによっていい?」
「うん、いいよ。」
「あっ、そういえば私先生から呼ばれてたんだ。じゃあそろそろいくね。」
そういって望は教室をでていった。さてなにしようかな。

そして放課後、私の家。私と望は、私の部屋でごく普通な会話をしていた。
「ねぇ綾ちゃんってひとり暮らしなんだよね?」
「うん、それがどうしたの?」
「おばさんとか、おじさんとかはいるの?」
「・・・・・いないよ。」
私は少しかすれた声でいった。
「親戚の人とかは?」
「それもいないよ。」
・ ・・・・・・少しの間に若干の静寂が二人をつつむ。だが、すぐに望がその雰囲気を打ち砕く。
「前から少し疑問に思ってたのだけど・・・・綾ちゃんってどうやって生活を立てているの?もしかして、仕事してるの?」
ぎくっ
・ ・・・・や、やばい・・・。当たってる・・・・。ここはなんとかごまかすしかない!
「あはははは、そんなことないわよ。遺産よ、遺産をつかってるの。」
私は全身汗だらけになって言う。・・・ばればれか・・・。
「確かにそうですよね。仕事なんてしてないですよね♪。」
望はなぜか嬉そうだ。ふう、まあごまかせたからいっか。

6月17日土曜 午後一時
「橘 綾くん、小笠原 敦くん、よくぞ来てくれた。」
私と敦は秋野森警察署所長室にいた。
「実は頼みごとがあるのだが・・・・・、それと一つ、これは私からではなく警察庁からの頼みだ。」
私と敦は顔を見合わせる。いやな予感が・・・・・。
「君らに、「インスペクター(秘密特別捜査官)」になってもらいたいのだ。まあ無理にとは言わんが・・・・。」
『はい?』
私と敦は同時に言う。待て、なんじゃそりゃ?!
「質問があるんですが、それはどんなことをするんですか?」
すると所長は、
「君らがいままでやってきたこととほとんどかわらない。ただ一つ違うところは、報酬がいっていだということだ。一定とはいっても多少増減するが・・・・。基本的には一回百万だ。」
ひゃ、100万?!よし、これはやるしかない!
「やります!!!」
「おおっ。ありがたい。」
「っておい、綾、勝手に決めんなよ!・・・・ま、いっか。」

こうして私は何の思慮もせずにインスペクターになった。これから起こることも知らずに・・・・・・。

                                 つづく



あとがき
こんにちは皆さん、B,Mです。あとがきといってもなにも書くことがなかったりします(汗。とりあえずここでは、何故にインスペクターなのかと、綾の境遇と仕事をしている理由を述べました。敦のほうはまたそのうちに。では、今回はこの辺で失礼させていただきます。それでは、ごきげんよう(笑)。




 感想BBS




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送