----- トラブルメーカーズ----- インスペクター AYA |
作:B,M |
・ ・・・私の目の前には燃えゆく家があった。 「お母さん、お父さんどこにいるの?」 私は泣きながら、母と父を探していた。いつまでもいつまでも、その死を聞かされるまでずっと。そして私は一人ぼっちになった。私はいつまでも泣き続けた。私を支えてくれる「人」が現れるまで・・・・。 がばっ ・ ・・・なんだ夢か。それにしてもいやな夢・・・昔を思い出してしまういやな夢・・・。 「さてと、支度して敦を起こしに行こうかな。」 私は朝食の準備を始める。準備といっても食パンにバターをぬってトースターに入れるだけだけど。焼いている間に着替えと学校へ行く準備をする。そして、焼けたパンを食べ、家をでて敦を起こしに行く。敦の家は私の家の隣。あいつは一人暮らしで、しかも朝は弱いのでいつも私が起こしに行く。 「敦、そろそろ起きなさいよ。」 「あと五分・・・・・」 「起きなさいって。」 「まだ眠い・・・・。」 「ふむ、あくまで抵抗するきか。」 どふっ 私の拳が敦の腹の辺りに直撃する。 「うっ?!・・・もうちょっと優しく起こしてくれないか・・・?」 「こうでもしないと起きないのはどこの誰?」 私は拳を握り締めながら言う。 「・・・・・・すいません、僕が悪かったです。」 「う〜ん、ねむいなぁ・・・」 「まったく、さっきから眠い、眠いうるさいわよ。さっきのをもう一発喰らう?」 「それだけは勘弁してくれ・・・・・・・」 「それよりも、一つ言うことがあるんだけど。って、聞いてる?」 「ああ。」 さらりと流す敦。こ、こいつ・・・・・。とりあえず殴ってやるか。 ぼふっ 今日二回目の攻撃。横で敦が腹をおさえている。 「とりあえず目は覚めたようね。というわけで本題に入るんだけど、今度の土日は暇?」 腹をおさえつつ敦は答える。 「ああ、暇だけど・・・・また仕事か?」 「う〜ん、どうだろ・・・。警察の方から呼ばれてるんだけど、なんか仕事の依頼とは違うみたい。ちなみに、説教の可能性は0だから大丈夫よ。」 「ふ〜ん、まあいいや。じゃあ、土日はあけとくよ。」 キーンコーンカーンコーン 4限目の終了をつげるチャイムが鳴る。 「ねぇ、綾ちゃん。今日の放課後暇?」 望がいきなり話しかけてくる。 「うん。暇だけど。どうしたの?」 「別にたいしたことじゃないのだけど、ひさしぶりに遊びに行こうと思ったから聞いてみたの。」 「なるほどね。そういうことなら構わないわよ。何時頃にする?」 「帰りによっていい?」 「うん、いいよ。」 「あっ、そういえば私先生から呼ばれてたんだ。じゃあそろそろいくね。」 そういって望は教室をでていった。さてなにしようかな。 そして放課後、私の家。私と望は、私の部屋でごく普通な会話をしていた。 「ねぇ綾ちゃんってひとり暮らしなんだよね?」 「うん、それがどうしたの?」 「おばさんとか、おじさんとかはいるの?」 「・・・・・いないよ。」 私は少しかすれた声でいった。 「親戚の人とかは?」 「それもいないよ。」 ・ ・・・・・・少しの間に若干の静寂が二人をつつむ。だが、すぐに望がその雰囲気を打ち砕く。 「前から少し疑問に思ってたのだけど・・・・綾ちゃんってどうやって生活を立てているの?もしかして、仕事してるの?」 ぎくっ ・ ・・・・や、やばい・・・。当たってる・・・・。ここはなんとかごまかすしかない! 「あはははは、そんなことないわよ。遺産よ、遺産をつかってるの。」 私は全身汗だらけになって言う。・・・ばればれか・・・。 「確かにそうですよね。仕事なんてしてないですよね♪。」 望はなぜか嬉そうだ。ふう、まあごまかせたからいっか。 6月17日土曜 午後一時 「橘 綾くん、小笠原 敦くん、よくぞ来てくれた。」 私と敦は秋野森警察署所長室にいた。 「実は頼みごとがあるのだが・・・・・、それと一つ、これは私からではなく警察庁からの頼みだ。」 私と敦は顔を見合わせる。いやな予感が・・・・・。 「君らに、「インスペクター(秘密特別捜査官)」になってもらいたいのだ。まあ無理にとは言わんが・・・・。」 『はい?』 私と敦は同時に言う。待て、なんじゃそりゃ?! 「質問があるんですが、それはどんなことをするんですか?」 すると所長は、 「君らがいままでやってきたこととほとんどかわらない。ただ一つ違うところは、報酬がいっていだということだ。一定とはいっても多少増減するが・・・・。基本的には一回百万だ。」 ひゃ、100万?!よし、これはやるしかない! 「やります!!!」 「おおっ。ありがたい。」 「っておい、綾、勝手に決めんなよ!・・・・ま、いっか。」 こうして私は何の思慮もせずにインスペクターになった。これから起こることも知らずに・・・・・・。 つづく |
あとがき こんにちは皆さん、B,Mです。あとがきといってもなにも書くことがなかったりします(汗。とりあえずここでは、何故にインスペクターなのかと、綾の境遇と仕事をしている理由を述べました。敦のほうはまたそのうちに。では、今回はこの辺で失礼させていただきます。それでは、ごきげんよう(笑)。 |
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