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6/24土曜日 午後11時 「ねえ敦、その棒はいったい何なの?」 「棒とは失礼だな。『明帝』っていう日本刀だ。」 「あほかぁ!!」 ゴフッ 敦のみぞおちに右ストレートをいれる。 「今回の任務は潜入調査よ!んなもん邪魔になるだけよ!」 「・・・・別にいいじゃないか・・・・・」 悶えながら敦が答える。 「一つ聞くわ。用途は?」 「もちろん斬るため。・・・・・っておい右手に持ってる『ワルサーP86』をしまえ!」 「・・・・・・わかった、しまうわ。でもあんたもその日本刀をどうにかしなさい。任務の邪魔になるだけなんだから。」 「なんで邪魔になるんだ?」 「・・・・・・・・・・・」 「左手の『ミリタリー』もしまっといてくれ。」 「・・・・・・・・・わかったわよ。もうこんな時間になってる、戻ってる時間もなさそうね。このままいくわよ。」 「へいへい。」 「やるきあるのか・・・・・こいつ・・・・・・」 6/25日曜日 午前1時 私と敦は「磯部製薬」の研究所内で潜入調査をしていた。 「何もないわね。」 私たちはここで作っていると思われる違法な薬品をさがしていた。 「探すところも後一つだけしかないぜ。ないんじゃないのか?」 「まだわからないわ。文句をいわずにさっさといく。」 残っているのは一番警備の厳重な第4研究室。一番あやしいところなので最初に行っとけっという話もあるが、危険なところから行くのがいやだったから最後に回していた。 苦労して行ったところになにもなかった時にショックを受けないためだ。決して面倒だからという理由ではない。決して。 「ねえ、誰かに見られてない?」 何故かそんな風に思ってしまう。見られているならとっくに警備員が来ている筈なのだが・・・・・・。 「俺は見られてないと思うけど。だって見られてるならとっくに警備員が来てる筈だろ。」 「確かにそうね。でも・・・・・・」 「でも?」 「違和感がある・・・・・」 「俺は別にしないけど。」 「あんたがそういうなら何もないかもね。勘だけは鋭いから。」 「おい、どういう意味だ?」 取り敢えず無視。 「そろそろ着くわよ。」 「・・・・・了解。」 --2分後-- 「ここね。」 「そうみたいだな。」 「やっぱり警備は厳重ね。さて、どうやって突破しようか・・・・」 「力ずくで。」 「却下。潜入調査の意味ないし。」 「じゃあどうするんだ?」 「う〜〜ん・・・・・クラッキングしてみようかな。」 「んじゃそれで行こうぜ。でも俺はコンピューターを使うのは苦手だからお前やれよ。」 「そんなこと分かってるわよ。あんたはカンピューターしか使えないっていうのはわかりきってるのよ。」 「をい・・・・・」 「それじゃあクラッキングを開始するかな。」 「無視するなよ・・・・・」 6/25日曜日 午前2時 「誰もいなくなったな・・・・・」 「当たり前でしょ。あれは全部CGだったんだから。セキュリティーシステムを停止させれば消えるのよ。」 「じゃあ最初っからそうすれば良かったじゃないか。」 「できたらしてるに決まってるでしょ。長い間止めるとばれるからしなかったのよ。っつーわけで行くわよ。」 「了解。」 --10分後-- 「何・・・・・これ・・・・・」 「人間・・・・・だな。」 ココは第四研究室・・・・の下にある部屋。私たちは第四研究室の中を調べていたのだが、結局まともな薬品しか見つけられなかった。 しかし、代わりにその下へと続く階段を発見することができた。するとそこには・・・・・人間がいた。得体の知れない液体に満たされた容器の中にいる人間を・・・・・。 「どうする?」 「どうするって言われてもね・・・・・。取り敢えずこれも報告したほうがいいようね。」 そういって私はこの部屋の様子を小型カメラに写し込む。 「じゃあ薬を探そうか。」 「その必要はないと思う。」 「え?」 「だっておかしいじゃない。今回の報酬。いくらなんでも違法な薬品を探させる程度の依頼にしては高すぎるわ。1千万よ、1千万。」 「確かに・・・・・・・。ってことは、これを探させるための口実だったってわけか?!」 「おそらくそうよ。まあこれについては後でみっちり話すとして、今はココから出るのが先よ。」 「そうだな。じゃ、行くか。」 敦がそう言うといきなり前方から誰かの声がした。 「それは無理だよ・・・・・だって君らはココで死ぬんだから・・・・・」 「ど、どこにいる?!」 「ココだよ、ココ。」 私達が前方へと歩み進んで行くと・・・・そこには一人の少年がいた。 「あんた誰?ココにいるっていうことは只者ではないみたいだけど。」 「僕?僕はね、人間からは『デーモン』って呼ばれているんだ。仲間からはシンゴって呼ばれてるんだ。」 「人間からはって・・・あんた人間じゃないわけ?!」 「うん。そうだよ。」 「で、その化け物が俺らになんかようか?」 敦はそういうと、明帝を構えて戦闘態勢になる。するとシンゴと名乗る少年は不敵に笑いながら、 「君たちを消すためさ。覚醒されると邪魔だからね・・・いろいろと」 と、言い放った。 「覚醒??」 「知る必要のないことだよ、君らは今ココで死ぬのだから!」 「やれるもんならやってみな!」 「同感!」 相手を挑発する敦と私。 「それじゃあ遠慮なく殺らせてもらうよ。」 そういうとシンゴは敦に向かってするどくとがった爪で攻撃を開始した!敦も明帝で応戦する。 「くらえ!!」 私はそういってワルサーP86を連射する!狙いは正確・・・・が、その銃弾はシンゴの手前で弾けとんだ! っつ?!何故?!敦とシンゴはそのあいだも激しい攻防を繰り返す! 「龍絶連斬!!」 「ぐあっ?!」 敦の攻撃がシンゴにヒットする!私ももう一度ワルサーP86を連射する!が、銃弾は届かない。私は今度はミリタリーを連射する。すると、 「ぐはっ?!」 銃弾がシンゴにヒット!そこへ敦がトドメの一撃を加える! 「連牙撃!!」 「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」 シンゴは断末魔の叫びを上げる! 「バ、バカな?!僕が人間なんかに・・・人間なんかに・・・ぐあぁぁぁぁぁぁ!!!!」 シンゴはそう叫ぶと塵になり闇の中へと消えて行った・・・・・。 6/25日曜日 午前3時 私達は研究所の前の公園にいた。 「ふぅ・・・・つかれた・・・・」 「俺も・・・・・」 「なんだったのかな・・・あれ・・・」 「人間じゃなかったな。でももういいだろ、過ぎたことなんだし。」 「そうね・・・・・」 するとその時、 「本当に終わったことなのか?」 背後からいきなり話しかけられた。私達が後ろに振り向くと、木の上で緑髪の男が寝転がっていた。 「どういう意味?」 「決めつけるのはよくないってことさ。」 「どういうこと・・・・?」 「自分で考えろ。」 「っていうか、あんた誰?!」 「通りすがりの『渡る者』さ。」 「何・・・・それ?」 「気にするな。それとお前らに言いたいことがある。」 「何?」 「別にたいしたことじゃないんだがな、今から言うことを覚えておけ。今は・・・・な。」 すべての中心に扉がある。それはこの世界でたった一つですべてである存在への道。かの者に会いしとき、汝はすべてを知る。汝が宿命とともに・・・・。 |
あとがき 数ヶ月間があいてやっと3話となりました。ペースが遅いと自分でも思っているのですが、別にネタがないわけではありません。時間がちょっと足りてないだけです。この話のなかには超重要人物がでています、だれかはあえて言いません。(わかると思いますし・・・)この話の中にはこのSSの核心部分に関係あることがいくつか記されています。まだ第一章も終わってないのに何を言ってるんだということもありますが・・・(汗 第一章は10話いくかいかないかで終わる予定です。なるべく年内に終わらせれるように努力します。それでは今回はこの辺で。 |
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