中尉殿 
作:Lu;na 



山吹色の強い優しい光が差し込んでる
僕は走っても走ってもゴールが見えてこない丸い物の中を走ってる
僕の名前は町田中尉
生物室で飼われているネズミだ…解剖用じゃない
隣にはガイコツの模型が直立してる

怖そうな科学教師が僕のご飯を持ってきた
毎日同じご飯だと正直なところ飽きるな
僕が食べるのを見届けると科学教師は
「明日の実験の準備でもするか…」
と呟きながら準備室へとつながる扉をくぐってった

10分ほどたった…
科学教師は出てこない
僕は食べるだけ食べてまた丸い物の中を走っている
と、そこに一人の少年が現れた
手には裁縫道具が抱えられてる
確かこの人は……
皆が実験してるのに居眠りしたり、ぼー…としてたり……
まぁ、とにかくやる気の無い人だ
あ、解剖の時だけエキサイトしてたな
そんな人がここに何の用だ?

少年は道具の中から針と黒い糸をだし僕のいるオリへ近づいてくる
え?針と糸?ま、まさか……
少年は針に糸を通すのに手間取っている
今のうちに逃げるしかない!
僕は走った!走りまくった!
しかし走っている所は例の丸い物の中だった
「こんだけ元気なら大丈夫だな」
んなわけあるかぁ!
少年はオリのふたを開け必死に走っている僕をいとも簡単に捕まえた
「………やっぱり縫うのはまずいか…」
あったりまえだ!このボケ!
少年は糸を針からはずし僕の尻尾に結びつけた
そしてその糸を隣に居るガイコツの下顎にも結んだ
「こんなモンかな…」
とか言いながら少年は出てった
僕は気を取り直してまた丸い物の中に入り走り始める
!?
なんか知らないけど隣のガイコツが笑ってるーーー!
こ、怖ーーーーー!
僕はその場に丸まった………そして少年に襲われて体力を使ったせいかそのまま寝てしまった



「………ー、ォー、ゥオーッ、ウオーッ!」
うるさいなぁ
「だぁっ!だぁっ!」
なんだぁ…?
僕は苛立ちを抑えながら奇声の発されている方向へ目を向けた
教室内は不気味なほどに青紫色で包まれていた……
なんとそこには窓越しによだれを垂らしながらこちらを物凄い顔で見ているあの少年
そして、少年の顔を見て泣きそうになっている少女がいた
!!!!!?
「めーーをーーさーーまーーせーー!!」
何だありゃぁー?
完璧に僕の意識は覚醒した
名前が原因か、動物的勘かは分からないけど僕はその場で伏せた(寝たふり)まま動かなくなった
「町田中尉ィーーーーーーーーッ!!!」
本日二度目のピンチ!
反応したら絶対に殺られる……
(くっそぉーーっ……どうする……どうする……
 どうする………どうする………どうする………
 どうする………どうする………どうする………
 どうする………どうする………?)
……すると突然、一筋の救いの光があたりを包み込んだ
「おいっ!?」
ドスのきいた重低音が強烈に響いた……科学教師だ
まだいたんだ…
科学教師は懐中電灯で教室内を見回している
すると廊下から何かが走り去っていった……間違いなくあの二人だ
「おいっ、こらぁー、待てぇー!」
科学教師は扉を開け、暗闇に怒鳴りながら追いかけてった
とりあえず生命の危機は去って行ったということで…
さてさて、これからどうしようか?
今出来る事といえば……走る・寝るぐらいだ
寝るはさっきしたので………ここは走るしかない
…………行くぜー!
走り始めた直後、物凄い形相で科学教師が帰ってきた……
きっと二人に逃げられたのだろう…
………………何だ?様子かおかしいぞ?
科学教師の顔がどんどん土気色になっていく…
「………………」
(………………?)
「…………………………」
(…………………………?)
「びえぇーーー!」
(びえぇーーー!?)
物凄い勢いで飛びだしていった…
…何だ今のは?
気にせず走り続けているとある異変に気付いた
横でカタカタカタカタと妙な音が鳴っている………


翌日学校は、
『恐怖、深夜0時になると動き出す生物室の骨格標本を見た!』
                      の話で持ちきりだった…
  あとがき
こんちわーLu;naです
皆々様のSSを読んでいたら、なんか衝動的に書きたくなってチャレンジしてみました

えーとこの話はメモオフの『恐怖、深夜0時になると動き出す生物室の骨格標本を見た!』
を智也と唯笑が調べるという部分を町田中尉の視点で書いたものです
ちなみに丸い物と書いてありますがあれは名前が分からんだけです

いざ書いてみると、やはり皆さんのようにはいきませんねー
これからはまじめな話も書ければ書いて逝こうと思いますのでつまらなくても目ぐらいは通してくださいねー



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