『幸せ』 written by まる |
幸せ。
かけがえのないもの。
傷。
二人を繋ぐ絆。
自分を戒めるために自らが与えた、
忘れることを許されない記憶。
赤の記憶。
忘れようとはしない。
忘れたくない。
だから今日も、雨をじっと眺める。
拒否する身体を無理やりに動かして。
ただ、窓の外、雨に打たれる少女を眺めていた。
許して欲しい。
俺は選ぶことができなかった。
おまえのことも。
あいつのことも。
どちらかなんて選択肢は、俺には選べなかった。
だから。
俺は行くよ、お前のところに。
無理やり植え付けた罪の意識と、
無理やり与えた過去の傷を背負って。
どんなに痛みを感じたとしても。
どんなに苦しんだとしても。
雨に打たれる、少女の肩を抱きしめてやりたい。
その髪を撫でてやりたい。
言葉を失ったその唇を優しく包んでやりたい。
なぁ、唯笑・・・
雨はいつ上がる?
・・・上がってるんだよ。
雨はとっくに上がってる。
俺たちは、雨を求めていた。
上がっていく雨を見て、
あいつの薄れていく記憶を感じて、
自分にあいつの存在を植え付けたかった。
傷に傷をつけて、傷からあいつを感じていたかっただけなんだ。
だけど。
そんなのは無意味だと、気付いてしまった。
求めているものはもっと違うものだと。
だから。
俺は今、おまえを抱きとめている。
俺の近くに、
もっともおまえを感じられる場所に、
抱きとめている。
俺は、幸せを求めている。
・・・・だけど。
何故。
・・・俺と唯笑の目からは涙が零れ落ちているのだろうか。
END
あとがき ども〜、まるです〜。 このSSはとある掲示板で書いたものです。 なので、内容はしょぼいです。 雰囲気を楽しんでね♪ ではまた。 ぐっばいはお〜♪ まるでした♪ |
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