THE・MEMORIES・OFF・FIGHTERS2001(MOF)
作:メンチカツ
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11話 『一時の休憩・2』
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「ともちゃん!棄権しないってどう言う事!?」
「・・・・そのままの意味だよ。俺は戦う」
「無理だよぉ!唯笑達素人なんだよ?勝てるわけないよぉ!」
「別に勝てなくても良いんだ。ただ、何もしないで終わりにするのは嫌だ」
「でもぉ!」
「・・・・唯笑、聞いてくれ。俺の周りには、いつも唯笑や信、
・・・・それに彩花がいた。今までの俺は、お前達に甘えていたんだと思う。
いつもみんなには笑っていて欲しくて、いつでもみんなにはそばにいて欲しくて、
みんなが良いと思う選択をしてきた。」
「・・・・・智ちゃん」
「だけど今回は違うんだ。
今回は、俺が、俺のために選んだ、初めて俺の意見で選んだ答えなんだ。
・・・だから、唯笑が何を言おうと、信が何を言おうと、俺はこの答えを変えるつもりはない」
「・・・・・わかったよ、智ちゃん」
「・・・・唯笑」
「はい!そのかわり、これもってて!」
そういって差し出されたのは、彩花の誕生日の時に俺があげた、紅の紐のついた鈴だった。
「・・・・これは?・・」
「別に智ちゃんにあげるんじゃ無いからね?
これは唯笑のものだから。だから、・・・きっと返して。
この大会が終わってから。唯笑に返して!!」
「・・・・・唯笑」
きっと唯笑はこう言いたいのだろう。
この大会に素人の俺が参加するんだ。もしかしたら怪我をするかもしれない。
最悪の場合、死ぬ事もあるかもしれない。
だから、唯笑はこの鈴を俺に託したのだ。
きっと、無事に帰ってくるように。
俺は、そんな唯笑のやさしさに、胸がいっぱいになった。
普段から感じていた唯笑のやさしさ。
ただ、今回特殊な状況に置かれたためか、そのやさしさが新鮮に感じられていた。
「わかった、唯笑。必ずこの大会が終わったら、鈴は返す。だから、何も心配はするな」
「うん。智ちゃんがそういうなら唯笑信じるよ!
智ちゃんこういう約束破ったりしないもん。だから、唯笑信じるよ!!」
「ああ!一緒に頑張ろうぜ!!」
「うん!」
俺と唯笑は、二人肩を並べてみんなのもとへと帰った。
 
そして次の日。
『それでは、今大会2日目の試合を始めたいと思います!
今大会初出場ながらも第一回戦を見事進出した澄空チームに対するは、KOF常連チーム、韓国チームです!!』
 
ワアアアアアァァァァァ!!!
 
「今回の相手はキム・カッファン率いる韓国チームか・・・・」
こうして、KOF第2試合の幕が上がった・・・・・。


>>次回へ続く




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