この話しは、MOF12話から別れた別ストーリーです。
お気をつけ下さい。読み返すと分かりやすくなると思います。



THE・MEMORIES・OFF・FIGHTERS2001(MOF)
作:メンチカツ
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『時を駆ける戦士達!』
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辺りから光が消えていく。
そっと目を開けてみる。
そこは・・・・・
「!?」
身体がびしょ濡れだった。
「・・・・・なんでプールの中なんだ?」
俺と闘っていたキム・カッファンはいなかった。
プールから上がり、辺りを見回す。
唯笑、信、真吾、神楽がいた。
俺達以外には誰も居ないようだ。
目の前には大きなホテルがたっていた。
「・・・・・・・」
唯笑がボーっとしている。
「どうしたんだ?唯笑」
「・・・・唯笑・・・・ここ知ってる・・・・」
・・・・・・・え?
「ここ・・・・月屋ホテルの温水プールだよぉ・・・」
「月屋ホテル?」
どこだ?それは。聞いたことも無いが・・・・・・・・
「唯笑が子供の頃、旅行に来たんだぁ、ここ」
・・・・・なぜそんな場所に俺達はいるんだ?
「起きてしまったことはしょうがないわ。どうにかして戻ることを考えましょう」
神楽が最もな意見を言う。
「そうだな。とりあえずここらを回ってみよう」
 
俺達は月屋ホテルを出て、この島を探索していた。
どこに何があるのかを覚えておいた方が、後々都合がいいと思ったからだ。
「で、唯笑。ここはどんなところがあるんだ?」
とりあえず、唯一この土地の経験がある唯笑に聞いてみる。
「うん、とりあえず一般の観光客が泊まるのは、この島で唯一の観光ホテルであるさっきの月屋ホテル。島の東南に長く広がる砂丘の月浜って言う観光スポットがあるんだけどぉ、月屋ホテルはその月浜の北端に建ってるの。他に観光スポットは、島の最東端にある展望公園、その展望公園へと続く桜並木が有名だったかなぁ」
観光スポットの場所こそ少ないが、近頃の観光スポットと違って趣のありそうな場所だ。興味が沸いてくる。
「他には何かないのか?飯食う場所とか、レジャー施設とか」
「あの頃はまだ子供だったからわかんないよぉ。行動範囲が狭かったからねぇ」
まぁ無理もないだろう。子供の行動範囲なんてたかが知れている。
最近の子供達の行動範囲は侮れないが、子供とはいえ唯笑だからな。遠出させてもらえなくて当たり前だろう。
「あ!でも一つだけ覚えてるよぉ!ご飯食べる所」
おお!ちょうど腹へってたんだよなぁ。なかなかやるじゃないか唯笑!
「で、どんな場所なんだ?」
「うん、「ルナ・ビーチ」っていうお店でね?月屋ホテルから徒歩で5分くらいの場所にあるの。すっごくオシャレなんだよぉ!」
・・・・・・・あのホテルから徒歩で5分?
「・・・・・唯笑、そのルナ・ビーチってのはこっちなのか?」
「うん。ほら!もう見えてきたよ♪」
少し先の方に、青い屋根の建物が見えてくる。
そのまま近づいて行き、店の入り口まで後少しというとき!
「・・・・ちょっとまって、みんな」
神楽が立ち止まる。
「・・・・どうしたんですか?」
「邪な気を感じるわ」
・・・・・・どういうことだ?
なにか危険なことでもあるのだろうか?
その時だった。
「みんな!下がって!!」
神楽が鋭い警告を発する。
そして、
ドガァァァァッ!!
ルナ・ビーチの入り口を砕きながら何かが飛び出してくる。
飛び出してきたのは女性だった。
唯笑がその女性を見て思わず口走る。
「・・・・沙紀・・・さん?・・・・」
・・・・沙紀?聞いたことの無い名前だ。
「唯笑、あの女性を知ってるのか?」
「うん。子供の頃の旅行の時に知り合った人だよぉ。唯笑、友達になった人の名前とか顔は忘れないもん」
ということはこの島の住人か?
だが、様子がおかしい。
目は白目を剥き、肌は赤くなっていて、口からは何か白い煙のような物を吐き出している。
不意に沙紀の動きがこちらを向いて止まる。
白い煙を吐き出す口を吊り上げ、ニヤリと笑う沙紀。
どうやら俺達を敵・・・・いや、獲物として認識したようだ。
腕を思いきり振り上げ、殴りかかってくる。
「うわ!」
俺達は何とかその攻撃をかわした。
沙紀はその動きを止めようともせず、そのまま地面を殴りつける。
ズドォン!
『!?』
沙紀の攻撃により、地面が砕ける。
物凄い破壊力だ。
とてもあの細い腕から繰り出されたとは思えない。
しかし、
「ここは私に任せて」
冷静にそう言い放つと、神楽は沙紀に向かってダッシュする。
「ギャガアアァァァァァァ!!」
沙紀が雄叫びを上げながら攻撃をしかける。
しかし、その攻撃を紙一重でかわすと、そのまま神楽は超必殺技を放つ。
「裏面八拾伍活・零技の礎!」
右手に生み出した光を沙紀に叩きこむ。
すると、光は沙紀の身体を覆い、沙紀の身体の中に消えた。
光が消えた後には、本来の姿であろう沙紀がいた。
「・・・あ、あれ?私いったい・・・」
どうやら正気に戻ったようだ。
「いったいどうやって正気に戻したんですか?」
「私のあの技は、相手の特殊な攻撃を内側に封じることが出きるのよ」
「内側に?」
「つまり人間にやれば、その人間の中心にその力を封印することが出来るの」
凄い技だ。相手の攻撃を封じることが出きるなんて!
「じゃぁ、もう安心ですね」
「いいえ、まだ安心するのは早いわ」
「・・・・・え?どういうことですか?」
「あの技は、一定の時間しか封じられないの。だから、時間が経てば、彼女はまたさっきの様になってしまうわ」
そうか、封印が解ければ内側に封じられた力はまたその人間に戻る。
・・・・・そうそう美味い話しは無いか。
「・・・・じゃぁ・・・俺達のとる手段は・・・・」
「ええ」
「彼女が正気に戻っている間に、何らかの手を打つ必要があると」
「そういうことね」
それにしても、一体どうすれば良いのか検討もつかない。
時間が経てば彼女もまたさっきの様に暴れ出すだろう。
ならば・・・・・
「んじゃとりあえず・・・・信、やるか?」
「おう!やらいでか!」
俺と信は二人不敵に笑いあい、沙紀ににじり寄る。
「ちょ、ちょっと!何する気よ!?」
「ちょっとの間我慢してて下さい!」
そういうと、俺と信は沙紀に襲いかかり、ロープでグルグルに縛り上げた。
「ちょっと!あたしにこんなことしてただで済むと思わないでよ!!」
「ええい!うるさい!信、月屋ホテルにでも監禁しちまおう!!」
「よっしゃ!それでこそ智也だ!」
そして俺達は月屋ホテルまで戻り、ホテルの一室に沙紀を放りこんだ。
「覚えてなさいよぉーーーーー!!」
バタン・・・・・ガチャッ
そして鍵を閉め、部屋を後にした。
 
俺達は月屋ホテルの最上階に向かっている。
そこには展望レストランがあるからだ。
とりあえず腹がへっていた。腹を満たしたかった。
ルナ・ビーチは、沙紀のあの様子から営業していないだろうと言う事になり、急遽ここ、月屋ホテルの展望レストランで食事・・・・ということになったのだ。
・・・・・チーン・・・・
エレベーターが最上階に着いた。
ドアが開いていく。
目の前に広がる広大な空間。
椅子やテーブルが綺麗に並んでいる。
だが、客は一人もいなかった。
「まだ開店してないのか?」
「おい、智也。もしかしたらみんなさっきの沙紀みたいになってるんじゃないか?」
・・・・・・まさか・・・・
もしそうだとしたら・・・・・一体どうすれば良いんだ?
「まって、人の気配があるわ」
突然神楽が囁くように言う。
人の気配?誰かいるのだろうか?
「厨房の方に一人いるわね」
「・・・・よし、行ってみよう」
俺達は足音をなるべく消して、そろりそろりと厨房の方へ近づいていった。
ゴソゴソ・・・・ゴソ・・・・ゴソソ・・・・
そこには、一人の男がいた。
冷蔵庫を漁っている。
「おい!なにやってるんだ!」
真吾が叫ぶ。
「うわぁ!」
男が驚き、こちらを振り向く。
神楽と真吾が闘いの構えをとる。
こういうとき、とても頼もしく感じる。
「ちょ、ちょっとまってくれ!」
男が叫ぶ。
どうやら普通の状態のようだ。
「お、俺の名前は誠。石原誠だ!」
「あ!」
男の名前を聞き、唯笑が声をあげる。
「どうしたんだ?唯笑」
「唯笑、この人知ってる。沙紀さんの友人だよぉ」
「え!?」
唯笑の言葉に驚きの声を発したのは、誠だった。
「沙紀を知っているのか!?」
あの沙紀を呼び捨てに出来るとは・・・・・結構親しい間柄なのかも知れない。
「ああ、さっき会ったけど・・・・」
「・・・・どうだった?」
誠も沙紀が狂っていたことを知っているのだろう。
「とりあえず、暴れるからグルグル巻きにして縛って下の部屋に閉じ込めているけど・・・・」
「え!?・・・・あんな状態の沙紀によく近づけたなぁ」
「ここにいるこの神楽さんと真吾は、格闘家なんだ」
「・・・・そうか、それは心強いな」
誠もなっとくしたようだ。
「所で誠は何をしてたんだ?」
「ああ、腹が減ったから何か無いかと思って・・・・」
「ここのホテルの従業員達は?」
「シーズンオフとやらでみんないないらしい」
ということは・・・・飯が食え無いのか・・・・
「安心なさい。私が料理してあげるわ」
神楽がそんなことを言い出す。
「料理できるんですか?」
「ええ、これでも結構上手なのよ?」
嬉しい事実が発覚した。
俺達はとりあえず神楽に料理をたのみ、テーブルについた。
 
「さぁ、どうぞ」
神楽が作った料理が目の前に並んでいる。
見事な出来だった。
まるで芸術の様に盛られた料理。
見ているともう腹がなってしかたがない。
『いただきます!』
みんなも腹が減っていたのだろう。
無心で料理にかぶりつく。
「美味い!」
とてもおいしかった。
まさかこれほどのものとは・・・・
「いづみさんの料理に負けない味ですねぇ!」
誠がそのあまりの美味しさに舌をうならせる。
「・・・・いづみさん?」
誰のことだ?
「ああ、ここの近くにルナ・ビーチって言うレストランがあるんだけど、そこの臨時店長さんがいづみさんっていうんだ」
ルナ・ビーチ。
沙紀がいた場所か・・・・
そう言えば他にもまだ人はいるのだろうか?
「誠、他にもまだ人はいるのか?」
「ああ、とりあえずここにいる俺達以外に、明さん、沙紀、くるみ、いづみさん、遙、億彦がいる」
それしかいないのか・・・・
「・・・・・みんな沙紀みたいになってるはずだ」
「!!」
6人もあんな状態になっているのか・・・・
「じゃぁ、その6人以外は大丈夫なのか?」
「・・・・・分からない」
「分からない?」
「ああ・・・・・島中歩いたけど・・・・誰もいないんだ」
一体この島で何が起きているのだろう。
「なぜそうなったのかは分からないのか?」
誠に聞いてみる。
「分からない」
即答だった。
「とりあえず、その時の状況を話してもらえないかしら?」
神楽が誠に問う。
「はい。・・・・まず、俺達はみんなで飯を食ってました。全員で。んで、遙がいないのに気付き、億彦に聞いたんです。そしたら、外にいるっていうから、外に行ったんです。そうしたら遙はもう・・・・」
「どうだったの?」
「なんか・・・なにしてるんだ?ってきいたら、『電波を集めてる』とか言い出して・・・それで、おかしいから放っておこうと思って、ルナ・ビーチに戻ったんです。でも、もう中は・・・・みんな変になってました」
訳が分からない。
「ということはぁ・・・・・・」
唯笑が何か分かったらしい。
しかし・・・・・唯笑かぁ・・・・心配だ。変なことを言わなきゃ良いけど。
「誠君がいない時にみんなが変になったんだねぇ・・・・」
!!そうか!みんなが変になったのは、誠がいない時だ!
唯笑・・・・なかなかやるじゃないか!
「ふぅ・・・・ごちそうさま!」
信はのんきに飯を食っていたようだ。
「信・・・・・お前・・・・」
「なんだ?まだ食ってないのか?早く行かなくちゃだめなんだろ?」
早く行く?どこへだ?
「行くって・・・・どこだよ」
「・・・・どこって・・・今の話しの流れからすると一個しか無いだろォ?」
なんだ、ちゃんと聞いてたのか。
「沙紀さんの所だよ」
「え?」
「誠はみんなが変になったところは見て無いんだろ?なら当人に聞けば良いじゃねえか」
「そうか!信がまさかそこまで考えられるとは・・・・」
「智也・・・・お前・・・俺を馬鹿だと思ってるだろう?」
当たり前だ。毎回テストで最下位争いを繰り広げてるんだ。
馬鹿以外の何者でも無い。馬鹿じゃないとすれば、阿呆か愚か者だろう。
「んで、なんで早く行くんだ?」
「だって、神楽さんのあの技はいつまでも続くものじゃないんだろ?早く行かないとまた変になっちゃうじゃないか」
・・・・・そうだ。そうだったんだ!
神楽のあの技は、一定時間封印するだけと聞いていた。
ならば話しを聞くチャンスは今しか無い!
俺達は急いで飯を食べ、沙紀を閉じ込めてある部屋に向かった。
その時!
「ハァ、ハァ・・・ウアアアアアアアアァァァァ!!!」
叫び声が聞こえた。
まさか!
バンッ!
部屋を開け放つ。
そこには縄を引き千切り、肩を振るわせながら叫ぶ沙紀がいた。
そしておもむろに振り返り、俺達の反対側・・・・窓に向かって走る。
まさか!ここは15階だぞ!?
ガッシャーーーーン!!
止めるまもなく沙紀は窓ガラスを突き破って、飛び出していた。
「沙紀ーーーーーー!!」
誠が窓に駆け寄る。
続いて俺達も窓に駆け寄る。
そして下を見る。
ズダンッ!!!
激しい音を響かせながら沙紀が着地する。
驚いたことに沙紀は怪我一つ無く、逆に地面がへこんでいた。
沙紀が着地した辺りの地面はひび割れている。
そして沙紀は辺りを見回し、物凄い速さで走り去っていった・・・・・
 
「さて、誠」
「ん?なんだ?」
俺達は誠の案内により、この島の西岸にあるログハウス風のロッジの中にいた。
そこでこれからの対策を練ろうという訳だ。
「沙紀が走って行った方向に何があるか分かるか?」
「ああ、それなら・・・・これを見るといい」
そういうと誠は、この島の地図を出した。
みんなで地図を除き込む。
「ええっと・・・ここからこっちへ走っていったから・・・・・南南西の方角か」
俺の推測に唯笑が口を出す。
「でもぉ、途中で違う道にいっちゃうかもよぉ?」
たしかに、その可能性はある。
だが、俺にはある考えがあった。
「唯笑、あの沙紀さん、どう思った?」
「え?」
「俺には理性より、本能で動いているように見えた。つまり、俺達の追跡なんて気にしちゃいないってことだ」
そう。どうみてもあの沙紀は正気を保ってはいなかった。
考えて行動している様には見えなかった。
「誠、月屋ホテルの南南西には何があるか分かるか?」
「ああ、ちょっとまってくれ。・・・・ええと・・・!!」
誠の顔が青くなる。
「どうしたんだ?」
「神社だ」
「・・・・神社?」
「司紀杜神社だ」
司紀杜神社・・・・なぜ誠は青くなってるんだ?
「その神社が・・・・どうかしたのか?」
「・・・この神社には、ある言い伝えがあるんだ」
言い伝え・・・・誠の表情から察するに、決して良い話しではないことだけは分かる。
一体どんな話しなんだろう。
やがて、誠がポツリポツリと話し出す。
「司紀杜神社・・・・・死ぬの「死」に「鬼」と書いて死鬼。つまり、死鬼を祭った神社だといわれているんだ」
「死鬼・・・・」
「そう。そしてこの神社では、昔よく神隠しが起きたといわれてるんだ」
「神隠し!?」
「島の最南端に建っていて、後ろは断崖絶壁。だから身投げや事故が良く起こってたんだ。それが神隠しの真相さ」
なんだ、本当に消えたりしたんじゃないのか。
俺がホッと胸をなでおろす。
しかし、
「ただ、その数が半端じゃなかった。だからあそこには人を死に引き寄せるなにかがあるんじゃないかと地元の住民が怖れ、やがてそんな話しが浸透していったんだ」
誠はそう言い、話しを締めくくった。
確かに気になる話しではある。
人が死に引き寄せられる場所。
俗に言う自殺の名所みたいなものか。
そんな場所に沙紀は走り去っていった。
まさか本当にその司紀の杜神社にはなにかあるのか!?
「とりあえず行ってみよう」
俺がそういうと、みんなが立ちあがる。
「あ、そうだ。ちょっとまってくれ」
誠が待ったをかける。
「なんだよ?」
「これを渡しておくよ」
誠はそういうと、鞄の中からなにかのクスリのような物を取り出した。
「これは?」
「これを飲むと、一定時間だけ特別な力が使えるようになる」
『!?』
特別な力!?
「一体どんな力なんだ?」
俺が問うと、誠はにやりと笑い、
「飲めば分かるさ」
と言った。
「残りは20粒。どうやってわけるかだけど・・・・・」
「私達はいらないわ」
神楽が言う。
「そうっス!俺と神楽さんは格闘家だからいらないですよ。みんなで分けて下さい」
真吾もそう言ってくれた。
「よし、じゃぁみんなに5粒ずつ渡そう。間違っても一気に全部飲まないでくれよ」
誠はそう言いながら俺、信、唯笑にクスリを渡した。
「これを飲めば俺達でも闘うことが出来るんだな?」
「ああ」
「よっしゃ!準備万端だ!行こうぜ!!」
今度こそ俺達は司紀の杜神社に向かってロッジを飛び出した。
 
俺達は神社へと続く階段の前にいる。
ここに来る途中は何事も無かった。
しかし、ここからが本番だ。
神楽の表情はすでに険しいものになっている。
神社にいるみんなの気配をもう感じたのだろうか。
「よし、じゃぁ行こうぜ」
そういうと、誠はあのクスリを一粒飲み込んだ。
それにならい、俺達も一粒飲み込む。
すると・・・・・
「!?・・・・くぅぅ・・・・!!」
力が溢れて来る。
身体が熱い。
まさかこれほどとは・・・・・
これなら・・・・いけるかもしれない!!
「突撃だぁ!!」
俺達は階段を駆け上がって行った。
階段を登りきる。
しかしそこには誰もいない。
本能的に敵を察知して隠れたのだろうか?
それとも逃げたのか?
「・・・・1・2・3・4・5・6・・・・気配はあるわね」
神楽が言う。
どうやら隠れているらしい。
俺達はそのまま境内の真中まで進んだ。
そこに一つの人影が襲いかかる!
「キシャアァァァァッ!!」
「俺に任せろ!」
誠が飛び出す。
「サイキックソーサー!!」
誠の右手から円盤状の光が飛び出す!
それを腕で無理やり弾こうと右腕をぶつける敵。
しかし、意外にもそのサイキックソーサーは威力があり、逆に吹っ飛ばされた。
倒れた何者かに誠が話しかける。
「遙!正気に戻ってくれ!」
どうやらこの女性は遙という名前らしい。
あの6人の内の一人だ。
ということはやはり、全員ここにいるのだろう。
かんがえていると・・・・・
「ハアァァァァァァッ!!」
遙に近寄ろうとする誠に、更に飛びかかる人影。
「誠!危ない!!」
「!?」
誠が振り返る。
「させるかぁ!」
真吾が飛び込む!
「うおぉりゃぁ!!」
真吾の必殺技、鬼焼き・未完成が決まる!
倒れ込んだ人影を見ると・・・・
それは沙紀だった。
「誠、力ってどうやって使うんだ?」
「・・・・ああ、どんな風にしたいかを頭の中にイメージすれば良い」
「頭の中に?」
「イメージしてみれば分かるさ」
「・・・・分かった」
俺がそう言うのを待っていたかのようにぞろぞろと姿をあらわす。
誠が呟くように言う。
「くるみ・・・いづみさん・・・明さん・・・・・・・億彦?・・・・」
誠が一人一人の名前を呼んでいく。
これで全員の名前と顔が一致した。
しかし誠が億彦と言った時、声が震えていた。
それもそのはずだ。
女性陣はみんな普通の服を着ているのに、億彦と呼ばれた男だけはなぜか近未来的な銀色の全身スーツ姿だった。
しかもその背中には、でっかい乾電池のような物を背負っていた。
「・・・・・出来る」
なにがどう出来るのかは分からないが、信が呟いた。
億彦の不思議な服装に気を取られていると、遙と沙紀が起き上がる。
・・・・・・時間稼ぎか!?
くだらないことを考えている場合では無い。
俺達もイメージを開始する。
この時、俺と信と唯笑のイメージが一致していた。
《離れた所から攻撃!!》
・・・・なんか卑怯な感じもするが・・・・・
そんなことを気にしている暇は無い。
命がかかっているのだ。
俺達の手の中に何かが生成される。
「・・・・これは?」
綺麗な球状の青い物体だった。
大きさで言えばスーパーボールくらいだろう。
それを見た誠が叫ぶ。
「それは文殊だ!」
「文殊?」
「それになにか念を込めるんだ!攻撃出来そうな一文字の字を念じるんだ!」
攻撃出来そうな一文字・・・・・・
考えていたその時、
「クイィィィアァァァァ!!」
くるみが大きくジャンプして俺に襲いかかって来た!
(やられる!?)
俺がそう思ったその時!
「百活・天神の理!」
神楽が対空技でくるみの攻撃をカウンターで返す!
「しっかりしなさい!周りを良く見ていないと、殺られるわよ!」
「ああ、すまん!」
神楽はそう言い残して遙の方へと駆けていく。
俺は一つためしに文殊に念を込めてみた。
(全員吹っ飛ばせ!)
すると、文殊が輝き、その中に「吹」という文字が浮かび上がる。
・・・・しかしこれをどうすれば良いんだ?
「誠!文殊に文字が浮かび上がったが、どうすれば良いんだ!?」
「文殊に文字が!?良し!なんでもいいから沙紀達の誰かに投げつけろ!」
「わかった!!」
逃げながら教えてくれた誠の言う通り、投げつけようとしたが・・・・
・・・・・誰に投げよう?
とりあえず、一番苦戦してそうな誠を助けるべく、沙紀に投げつける。
しかし、
「ば、馬鹿やろう!こっちに投げるなぁ!!」
そういいながらサイキックソーサーを文殊に投げつける。
文殊はサイキックソーサーに空中でぶつかり、その力を発揮する!
ビュゴワァァォォォォウ!!
物凄い強風が吹き荒れる!
その範囲内にある全てが吹き飛ばされる。
大地にしっかりと根をはった大木ですら根っこごともぎ取られ、神社の裏へと落ちて行った。
神楽や真吾でさえも地に膝をつき、この強風が収まるのをただひたすら待っている。
誠は地べたにねっころがり、風の影響を最小限にしようとふんばっている。
信と唯笑は神社の中に避難したようだ。
億彦といづみさんはその強風に吹き飛ばされ、神社の屋根に落ちた。
くるみは強風の範囲から外れていた為、何の影響も無いようだ。
沙紀と遙は強風の力に直撃し、空高く吹き上げられ、そのまま地面に叩きつけられる。
強風は俺を避けるようにして吹き荒れていた為、俺は何の被害も無かった。
「・・・・・・凄い・・・」
俺は目の前の光景にただただ驚いていた。
しかし驚いてばかりはいられない。
くるみは何の被害も無く獲物を探し始めたし、億彦といづみさんも屋根から起き上がり、ふらふらしながらも地へと降り立つ。
さすがに沙紀と遙はいまだに地面の上でもがいているが、それも時間の問題だろう。
それよりもだ。
さっきまでいたはずの明さんがいない。
どこへいったんだ?
ガシッ!
その時、いきなり後ろから首を締め上げられた。
「・・・が・・ぁ・・・誰だ!?」
首を締め上げてきたのは明さんだった。
「グ・・・ゥゥ・・・・」
低い唸り声を上げながら、物凄い力で締め上げてくる。
(・・・もう・・・だめか?)
俺が覚悟を決めたその時!
「智ちゃんを放せぇーーーー!!」
唯笑が突進してくる!
「唯・・・笑・・・・・逃げろ・・・・」
何とか声を絞り出す。
しかし唯笑は俺の声を無視して突っ込んでくる。
その手には・・・・・文殊が握られていた!
「ええぇぇーーーーい!!」
唯笑が文殊を明さんに投げる。
しかし俺の使った文殊があの威力だ。
唯笑がどんな文字を込めたかはわからないが、こんな至近距離で俺にまで影響があった場合、俺もかなりのダメージを食らう。
しかし、そんな俺の考えは杞憂だった。
文殊は明さんにぶつかると、その力を解放する。
そして・・・・明さんが後ろに吹っ飛んでいった。
「ゲホッゴホ・・・・唯笑・・・助かったよ」
「智ちゃん、大丈夫!?」
「ああ・・・・だけど一体どんな文字を込めたんだ?」
「うん、離れろーって念じたら、「離」って言う字が浮かんだんだよぉ」
・・・・・単体に効く文字もあるのか・・・・
文殊か・・・・・色々と使い道がありそうだ。
信が駆けつける。
「智也!大丈夫か!?」
「ああ、唯笑が何とか助けてくれたから」
「唯笑ちゃんが?凄いなぁ!唯笑ちゃん!」
「信君!後ろ!!」
唯笑の声に振り返ると、くるみと億彦がこちらに走ってくる。
いづみさんは神楽と闘っていた。
真吾は遙と応戦している。
誠は沙紀を介抱していた。
俺もまた文殊を生み出す。
「!?」
文殊が2個でた。
しかし驚いている暇は無い。くるみが多きくジャンプし、億彦はそのまま突っ込んでくる。
「まかせろ!」
くるみと億彦の手が後もうすこしで信に届くというときだった。
「おりゃぁ!」
信が手にもっていた文殊を地面に叩きつける!
ブワッ!
叩きつけられた文殊から光が溢れ出す。
その光に押し戻され、その反動で吹き飛ぶ二人。
しかしその光は、俺達まで弾き飛ばすことは無かった。
「信、一体何を念じたんだ?」
「ああ、防御さ」
「防御?」
「智也のあの文殊で威力は分かったからな。これならいけるかなと思ってさ」
確かに凄い。
これなら俺達にはなんの被害も無く沙紀達だけを吹き飛ばせる。
しかしこのままでは、沙紀達の体が持たない。
あくまでも俺達は沙紀達を助けに来たんだ。
そのことを忘れてはいけない。
その時、俺にある考えが浮かんだ。
「誠!文殊って一つに一文字だけなんだな!?」
「・・・く!・・・ああ!そうだ!!」
「それを繋げることは出来ないのか!?」
「繋げる?・・・・・そうか!出来るはずだ!!」
「分かった!!」
これならいけるかも知れない。
「おい智也、なんの話しなんだ?」
「ああ、文殊には一個につき一文字しかいれられない。なら、もう一個の文殊と文字を繋げれば、何文字でも出来るんじゃないかって思ってな」
「・・・・すっごーーい!智ちゃん凄いよぉぉ!!」
唯笑が叫ぶ。
「とりあえず文殊をもっと用意しなくちゃ」
『わかった!』
誠にもらった薬を一粒飲む。
そして文殊を手に生み出す二人。
俺も更に文殊を生み出す。
合計なんとか10個用意出来た。
「誠!神楽さん!真吾!俺達に考えがある!しばらくがんばってくれ!!」
「わかったわ!まかせなさい!」
「まかせてください!」
神楽と真吾が心強い返事をくれる。
「・・・お、俺はそう持たない!はやくしてくれよ!!」
誠もふんばってくれる。
「よし!唯笑!信!俺の言う通りに文字を入れるんだ」
「わかった」
「うん!」
そして準備が出来上がる。
「よし!じゃぁ出発だ!急ぐぞ!」
『了解!!』
そして俺達は走りだした。
事前にもらったトランシーバーで唯笑達と連絡を取り合いながら移動する。
 
神楽は明さんといづみさんとくるみの繰り出す息のあったコンビネーションを何とかかわしていた。
さすがの神楽も3人相手はキツイようだ。
少し離れた場所では、真吾が遙と億彦の相手をしていた。
真吾は少し押され気味だ。このままではそう長く持たないだろう。
そして誠は、沙紀の相手をしていた。
誠は一生懸命に沙紀の攻撃を避けている。
一番怪我が酷いのは沙紀だ。
誠はこれ以上沙紀を傷つけたくないのだろう。
たまに避けきれない攻撃を手にはりつけたままのサイキックソーサーで受け流し、やり過ごしている。
しかしこのままではあまり長くは持たないだろう。
「智也・・・・早くしてくれよぉ!」
誠は沙紀の攻撃を必死に避けながらそう呟いた。
 
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・はぁ〜・・・・」
なんとか目的地についた。
俺は今展望公園にいる。
『智ちゃ〜〜ん・・・はぁ・・はぁ・・・唯笑も着いたよぉ〜』
どうやら唯笑も目的地に着いたようだ。
後は信だけか。
『ひぃ、はぁ、ふぅ・・・・智也ぁ〜、ついたぞぉ〜』
信からも連絡が入る。
これで全員スタンバイOKだ。
「よし!みんな待ってるはずだ。早速行くぞ!」
《了解!》
トランシーバーから決意を込めた二人の声が聞こえた。
「せーのぉ!」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・?
何も起こらない。
「・・・・なんでだ!?」
『智ちゃん、どうしたのぉ?』
『智也、どうしたんだ?何も起こらないぞ?』
分からない。何が悪いんだ?
俺の手には文殊が3つある。
唯笑にも3つ。
信は4つもっている。
それらの文字を繋げると、「裏面八拾伍活・零技の礎」と読む事ができた。
そう、神楽の超必殺技だ。
俺はこれをこの島の端っこの3箇所で発動させることにより、この島全体を封印の光で包み込むことが出来ると思っていた。
しかし発動しない。
一体なぜ?
「・・・・・まさか・・」
俺は一つのことに気がついた。
みんなと分かれてしまったからか?
距離が開きすぎているのかも知れない。
『智也!』
『智ちゃん!』
信と唯笑の焦った声が俺をせかす。
こうしている間も誠達は闘っている。
「・・・・・よし!」
俺は覚悟を決めた。
俺は残りの3粒のクスリを出し、それを飲み込んだ。
「・・・ぐぅ!」
物凄い力が俺の中を駆け巡る。
「ぐあああああああ!!!」
全身の血管が浮き上がり、その所々から血が吹き出す。
『どうした!?智也!!』
『智ちゃんどうしたの!?』
二人の心配そうな声が聞こえてくる。
「ぜはぁ、はぁ・・・・・なんでもねぇ!」
俺はトランシーバーに向かってそう言い、更に4つの文殊を作り出す。
そしてその文殊に念を込め・・・・・俺の念で発動させる。
文殊の文字が光輝き、その力を解放する。
<力門開通>
文殊にはそう浮かびあがっていた。
俺にはこんな言葉しか思いつかなかったが、今は成功することを祈るのみだ。
とりあえず今の文殊は発動した。
後はこれが発動すれば・・・・・
「唯笑!信!もう一度行くぞ!」
『うん!』
『わかった!』
再度文殊に念を込める。
そして・・・・・文殊が光を放つ。
「・・・・・やったか・・・」
意識を失いそうになる。
「・・・・くっ!まだだ!」
文殊から光が溢れだし、その光が円を描くように飛んでいく。
北の方向・・・・防波堤にいる信の方角だ。
そしてしばらくして南西の方角から光が飛んで来る。
その光は俺のもっている文殊と重なり・・・・・・
そしてドーム状に膨れ上がった光がこの島を包み込む。
それを見届けた俺は、その場に崩れ落ちる。
「・・・・よかった・・・」
地面に倒れ込んだ俺の手には、知らぬ間に二つの文殊が生み出されていた。
その文殊にはある文字が浮かび上がっていた。
<彩花>
俺の手から二つの文殊が零れ落ちる。
そして光を放った。
だが、俺の意識はすでにもうなかった。
 
辺りを光が包み込んだかと思うと、沙紀がその場に崩れ落ちた。
「沙紀!」
誠が走り寄る。
辺りを見回せば、沙紀以外の5人も地面に倒れていた。
とりあえず沙紀の様子を見る。
・・・・息はしているようだ。
「・・・・・ふぅ・・」
誠は安心してその場にへたり込む。
神楽もその場に座り込んでいた。
真吾はもう動けないとでも言うように寝ころんでいる。
「終わった・・・のか・・・?」
誠は一人呟き、空を見上げた。
 
それから一年が過ぎ、みんなの怪我も回復した。
俺達は今、司紀杜神社に来ている。
誠が俺達を元の世界に戻す方法を知っているというからだ。
「色々世話になったな」
「なにいってんだ、結構楽しかったよ」
俺と誠で短い会話をした後、みんなと別れを告げる。
「お兄ちゃん達、こんどはゆっくりルナ・ビーチで食事して行ってね!」
「こぉら、くるみ!他に言う事があるでしょ!」
「はぁい。・・・・またね。お兄ちゃん達!」
「うん!唯笑、楽しみにしてるよぉ!」
まずくるみといづみさんが別れの挨拶をする。
それに対して唯笑が受け答えた。
「迷惑・・・・かけたわね」
沙紀が少し恥ずかしそうにしながら言う。
「でも!私は忘れちゃいないからね!」
「・・・・?」
なんのことだ?
「月屋ホテルで監禁したでしょ!」
・・・・・・覚えていたのか・・・
「で、でもあれは・・・」
言い訳しようとする信の言葉に割って入ってくる奴がいた。
「何ぃ!?沙紀ちゃんを監禁しただとぉ!?」
億彦だ。
「許さんぞォ!沙紀ちゃんを監禁するなんて・・・」
「あなたはだまってて!恥ずかしいじゃない!」
「で、でも、沙紀ちゃん・・・」
「あたしが良いって言うまで話さないで!」
ぴしゃりと言われ、黙り込む億彦。
「・・・・でもま、今度はゆっくりとお話したいわね」
「・・・ああ。機会があったらお茶でもしようぜ」
信はここへ来てもナンパ精神を忘れてはいないようだった。
「・・・・・・・・・」
遙はこちらを見たままだまっている。
「御迷惑をおかけして、すいませんでした」
変りに明さんが話して来る。
「いや、みんな無事で何よりですよ」
本当に心からそう思う。
良くみんな無事だったものだ。
「そうですね。これでお別れなんて・・・・少し寂しいです。またどこかで会えると良いですね」
「ええ。それじゃ」
明さんが丁寧な挨拶をして来る。
「あ、もしよろしければ・・・今度私のHP「BLUE FOREST」にも来て下さいね♪」
「あ、は、はい。機会があったらアクセスします」
・・・・・ちゃっかり宣伝までしてる。
それに俺も返事をし、別れようとした時。
「・・・・・ありがとう・・・・」
遙が感謝の意を述べた。
「・・・・今度はもっと楽しく話しをしよう!」
俺の言葉に・・・・
「・・・・・うん!」
遙は笑顔で応えてくれた。
そして別れの時が来た。
誠が連歌を紡ぐ。
そして現れる時空の歪み。
「皆の帰る場所を強く思いながら中に入ってくれ。そうすれば元の世界に戻れるはずだ」
「ああ、わかった」
「・・・じゃぁ・・・・・またな」
「ああ、また会おう」
その言葉を最後に俺達は時空の歪みへと入った。
 
気が付くと、俺達はKOFの試合会場にいた。
俺は一人違う事を考えていた。
俺が倒れて意識を失う寸前のことだ。
彩花がいたような気がした。
「・・・・・彩花・・・・」
俺が考えていると、
「さぁ、KOFが待っているわよ」
神楽が話しかけて来る。
そうだ、俺達はKOFの試合の途中だったんだ。
(誠達は大丈夫かな?)
固い絆で結ばれている彼等のことだ、きっと大丈夫だろう。
俺は目の前の試合に集中することにした。
そしてKOFの試合が再開する。
「さぁ行こうぜ!生まれ変わった俺達の力をみせてやる!」
『おぉーー!!』
 
 
 
 
                  END



後書き----------
長い間お付き合い下さり、誠にありがとうございました。
もうお分かりの通り、これはinfinitySS『遥かなる想いは時を超えて〜優夏との約束〜』で語られなかった誠の戦いを書いた物です。
ご満足いただけたでしょうか?
このSSが少しでも皆様の御期待に添えるようなものであれば幸いです。
それではメンチカツの次の作品をお待ち下さい!



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