----- レジェンド・メイカーズ!! -----
第1章『時は巡り、動き出す』その2
作:メンチカツ




団長の部屋の前につく。
2回ほどノックした後、部屋に入った。
「失礼します」
「おう、はいんな!」
ドアを開けると、そこにはスキンヘッドのがたいのいい男が椅子にふんぞり返っていた。
そう、この男がこのソーサリー・ギルドの団長、我童 梁滋(がどう りょうじ)だ。
「お久しぶりね、梁滋」
「へっ!何言ってんだよ。毎週会ってるだろうが」
「なによぉ、いいじゃない。1週間も会ってなければ充分お久しぶりよ」
「まったく・・・・まぁいいや、座ってくれ。・・・おう!お前はもう持ち場に戻っていいぞ!」
梁滋の言葉に団員は礼をすると部屋を出ていった。
「で?私にお願いがあるって聞いたけど?」
「ああ、・・・・・ありゃ嘘だ」
「・・・・・・・・は?」
唐突な言葉に目が点になる。まさか人を団員に呼ばせておいて嘘とは・・・・
「ちょっと梁滋?私これでも忙しいんだけど?」
「ああ、悪い悪い。言い方がまずかったな。お願いがあるのは俺じゃねえんだよ」
「・・・っていうと?」
「俺も詳しい話しを聞いた訳じゃない。お前を呼んでくれって言われただけだからな」
まったく話しが見えてこない。
「ちょっと、どういう意味よ」
「まぁ詳しい話しは市長に聞いてくれ」
「・・・・・まさか・・・」
「ああ、市長の家に行ってくれって事だ」
まさかいきなりたらいまわしにされるとは・・・・・・
「・・・・・はぁ・・・」
まぁ溜息もでるわよねぇ。ここに来た意味が無いじゃない。そんなことなら最初からあの団員さんにでも言伝すればいいのに。
「じゃぁ私がここに来た意味はこれっぽっちも無いのね?」
右手の親指と人差し指をほとんど隙間も無いくらいくっつけてとことん嫌味を込めて言ってやる。
「まぁそういうな。これも習慣・・・・っていうか、週に一度お前に会わないと調子が出ないんだ」
・・・・・喜ぶべきなのか・・・・少なくともスキンヘッドの男がいうにはなかなか可愛い発言ではある。
「ま、とりあえずありがとうと言っておくわ」
「ああ。・・・・・・・・悪かったな」
「ん。・・・・じゃぁ、またね♪」
そう言い残し、私は部屋を出た。
「・・・・・・ふぅ。・・・・・寂しくなるなぁ・・・・」
誰もいなくなった部屋に、梁滋の言葉が静かに響いていた。
この言葉の意味を知る事になるのは、すぐのことだった・・・・・・。

そして私は市長の家へと出向いた。
市長の家というと大きな家を想像しそうな物だけど、ここの市長の家は普通の民家と同じ物だったりする。
といっても、世界でも指折りのこのBLUE・FORESTの民家は他の都市と違ってかなり大きな方だ。それに、普通の民家と同じといっても、内装は全然違う。
BLUE・FORESTの家族は平均4人住まいなのに対し、市長は一人。さらにメイド2人が住み込みで働いている。
なんていっても、市長はそこそこ善政を行っているのでみんなの信頼は厚い。
かくいう私も、以前仕事上のトラブルで助けてもらったりしている。それが縁で市長とはたまに食事をしたりもしている。もちろん市長の奢り♪
だから市長のお願いは断れ無い事が多いんだけど・・・・・・
「まったく、なんの用なのかしら?・・・・・まさかまたたらいまわしなんてことはないわよね」
嫌な考えを振りきって市長の家のベルをならした。
「はいは〜い♪ちょっと待っててね〜すぐ開けるから♪」
玄関の奥から可愛い声が聞こえてくる。
そう!ここの市長は女性なの!・・・・・まぁ、だから食事も付き合うんだけどね。
「・・・・おまたせ♪・・・・ってあら?明ちゃん?」
「・・・・お、お久しぶりね、ミリア市長」
「明ちゃん・・・・酷いわ!そんな他人のような呼びかたするなんて!!」
・・・・・これがなければミリアも良い人だと思うんだけど・・・・・・・・
「わ、わかったから・・・・んで私に用ってなんなの?ミリア」
「んもう・・・せっかちさんねぇ、明ちゃんは・・・・・って用?なに?それ」
「ちょっと・・・・私、梁滋に『ミリアがお前を呼んでた』って聞いたから来たんだ
けど?」
・・・・一瞬目の前が暗くなったわ・・・・・
「・・・あ〜〜ぁ〜、そのことね♪梁ちゃんちゃんと伝えてくれたのね」
「そうよ、その梁ちゃんに呼ばれて来たのよ。で、用は?」
「・・・・・ひょっとして、明ちゃん怒ってる?」
・・・・・ここでうかつに「怒ってる」などと答えようものなら、「怒っちゃいやいや〜ん」とか言い出すに決まってる。っていうか、前に言われてうんざりした。
「・・・・・怒ってないわよ・・・・・できれば早く用件済ませちゃって、ミリアとお話したいなぁとか思っただけよ」
「・・・・・そうね!それがいいわね♪あは☆」
まったく、ミリアの相手は疲れる。
「でも・・・・明ちゃんにしばらく会えなくなるかと思うと、寂しいわぁ」
「・・・・・ちょっと、どういう意味よ?」
会えなくなる?それって一体・・・・・・・
「実はね?明ちゃんに世界を旅してほしいのよ」
「・・・・・はにゃ!?」
「キャーーー!!明ちゃんの「はにゃ」が聞けたわぁ〜!」
くっ!私とした事がうかつだったわ!ミリアの前で言ってしまうとは!!以前ミリアの前ではにゃ!と言ったが為に、その日一日ミリアに抱き付かれ、さらに耳元で可愛い♪を連発されるという、忘れたくても恐ろしくて忘れられない苦い思い出がある。
「・・・・って、そんなことはどうでもいいから、私に何の用なのよ!」
「・・・・もう、明ちゃんってばつれないんだからぁ」
つられてたまるもんですかっての!
「じゃぁ、これから話すけど・・・・・その前に一つ言っておくけど、これは私のお願いじゃないの」
「・・・・・というと?」
「これはこの日出の国の国王直々の頼みよ」


続く








第1章『時は巡り、動き出す』その3へ



後書き
・・・・・・・・・会社で練ったアイデアと全く違う物を書いてるおいらって一体・・・・・・・・
会社で練ったアイデアは、市長が偉そうな男でって感じだったんだけど・・・・・・・・
書いてたらなぜか「はいは〜い♪」って書きたくなって、後はなし崩し的に。
つーことでミリアがいきなり作り上げられた訳で・・・・・・
まぁ、これからいろいろ詳しく書くから許してくんなはれ♪
いつまで続くかは分からないけど、書くからにはしっかり書きたいです♪
まだまだ稚拙でへたっぴいだけど、読んでくれたら嬉しいです♪



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