----- レジェンド・メイカーズ!! ----- |
第1章『時は巡り、動き出す』その4 |
作:メンチカツ |
「・・・・・・とうとう着いたわね」 国王の城についた。まるで昔のヨーロッパの城の様な、壮大で豪奢で、廻りを城壁で囲まれた巨大な建物だった。 ・・・・・まぁ、これはこれでいいんでしょうけど、周りの建物が高層ビルじゃぁその魅力も半減・・・・いや、完全に無くなってしまう。 風が吹いた。その風に私の髪がたなびく。・・・・・いや、まぁ私はショートボブだし、風も高層ビルの隙間風だけどね。 まぁ、そんなことは放っておいて、さっさと国王のもとに行きましょう!・・・・ くっくっく。 そして私は警備員に話しをつけ、国王のもとへと向かった。 余談ではあるが、この頃の警備員は制服は昔のままだが、警棒の代わりに短い杖・・・・通称ロッドを携帯している。・・・・・まぁ、警備員の間の呼びかたは警棒のままだが。 そのため、簡単な魔法も使える。拳銃も火薬を爆発させて鉛の玉を発射するものでは無く、使用者の魔力をエネルギーに変換させて放つ魔法銃のようなものである。 魔法銃は正式名でマジック・ガンと呼ばれ、使用者の意思で弾の威力、大きさを変えられる事から通称トリッキーや、トリック・ガンなどと呼ばれている。 魔法銃にも弾はある。店で売っているものは、精霊の力を込めた魔力弾や、使用者の意思に力をプラスする魔力付与弾などである。 かといって今までの銃が無くなった訳ではない。やはりどんな人間でも扱え、威力も一定で魔力を使わなくて済むからだ。弾さえあればいくらでも撃つ事が出来る。どんな状況であろうとだ。そう、魔法銃は使用者の魔力が尽きれば撃つ事は出来ないのだ。 余談が長くなったが、ここの警備員が装着しているのは魔法銃のようだ。 「この奥で国王がお待ちです」 そういうと、警備員は持ち場に戻って行った。 さぁて、それじゃいきますか。 「日向明です。失礼します」 「うむ、入るがよい」 なかからおうぎょうな声が聞こえてくる。 どうやら国王という地位によって、しゃべり方まで変ったらしい。 私はその声を聞いてから中に入った。 「久しいな、明殿」 「はい、一週間ぶりですね」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・一つ言ってもよいか?」 「・・・・・なんなりと」 「・・・その・・・・・殺気をしまってくれんか?」 「それは無理というものです」 そう、今私は、かすかながらに国王に殺気を向けていた。 なぜなら・・・・・・・ 「どうしてじゃ!」 「むかつくからです」 「なぜじゃ!」 「私の髪を切ったからです」 「誰がじゃぁ!」 「国王でしょうが!!忘れたとは言わせませんよ!?」 「・・・・・むぅ」 国王は小さく唸ると黙りこんだ。 そのまましばしの時が過ぎる。・・・・・・こんなことしに来たんじゃないんだけどね。 でもやはり髪は女の命!!黙ってさがったら私の女が廃るのよ!! 「だが明殿!わたしも・・・・」 「なぁに?国王様。まさか私の髪を「床屋の真似をさせてくれ」なんてお茶目な理由で切っといてタダですむとでもおもってるんですか?あやまりもせずに!!」 「・・・・・・・・・すまん・・・・」 「・・・・・分かってくれれば良いです」 そして私は殺気を収め、話しを先に進ませることにした。 「それで国王、話しはミリア市長から聞きましたが・・・・・・」 「う、うむ、話しはほぼそのままだ。明殿に旅に出てもらいたい」 「お言葉ですが国王、私にその仕事が務まると思えないのですが・・・・・」 「案ずるな。腕利きの仲間を探し出してある。・・・・おい!呼んで来るのだ!!」 「ハッ!」 警備員が敬礼して去っていく。 ・・・・それにしても・・・・・仲間を探し出してあるって、一体どんな仲間なのやら・・・・・ その時、扉が開き、一人の男と警備員が入って来た。 その男は黒髪黒眼の長身の男で、腰に剣を携えている。剣士だろうか? 髪は短いんだけど・・・・・・・妖しい杖(?)も持ってるし・・・・・・ 「・・・・・・・・・」 ・・・・・それに警備員が・・・・・篭をもってるのは何故? 「うむ、明殿、この者達がそなたと旅を共にする仲間だ」 「・・・・・この者達って・・・・一人しかいないではありませんか!」 「・・・ゴホン!・・・・・では頑張ってくれたまえ!!」 「ちょっとちょっとぉ!?」 マジですか!?たったの2人で異形とか闇の使いと戦えと!? 「明様、どうぞ」 警備員が手に持っていた篭を差し出す。 中には小動物が入っている。 「・・・・・これは?」 「うむ、かつて勇者と共に旅をしていたという動物だ」 「・・・・・・・勇者って?」 まさか勇者の伝説があったなんて、知らなかったわ。 「うむ、今より約3000年ほど昔の事だ。魔王の一部が現世によみがえり、世界を破壊したという。その魔王を倒したのが、勇者だ。そして、その勇者と共にいた存在こそ、5人の仲間とその動物、フェレットなのだ」 「あの〜・・・・・・魔法が生まれたのは数十年前では?それに、なぜ勇者が愛玩動物なんて連れて魔王との決戦に臨んだのですか?」 「うむ、ではその動物の事から話そう。・・・・・良くわからんが、勇者の遺体の傍にいたから、きっと共に旅をしていたのだろーとゆー説があってだな・・・・・」 かなりいい加減なセリフである。投げやりな口調がなんかむかつく!! 「はにゃ!?はっきりしてないのですか!?」 いい加減にもほどがあるぞ!ってかこんな国王で大丈夫なのかこの国!! 「んー、まぁいいではないか。・・・・・では魔法が生まれた時の話しだが・・・・」 「ちょ、ちょっと!?この・・・・フェレットとかいう動物の話しは!?」 「話しはまだ科学が世界を支配していた頃に遡る・・・・・」 こうして、私の意見など耳も貸さずに国王の話しは進んだ。 だが、この後私は、この世界の知られざる話しに驚かされる事になるのだった・・・・・・。 |
後書き ふぇ〜ちゃん登場〜♪ ってかこの続きどうしよう〜。 まだ自己紹介すらしてない仲間の正体は!? 次回をまて!! |
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