----- レジェンド・メイカーズ!! ----- |
第1章『時は巡り、動き出す』その5 |
作:メンチカツ |
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・?」
どうしたのかな?国王は一向に話すそぶりを見せない。
「・・・・・・国王?」
「・・・・ん?なんじゃ明殿?」
「いや、あの・・・・3000年前がどうのっていう話しは・・・・・」
「ああ、そのことか。実はわしも良く知らんのじゃ」
「国王!?」
国王の余りと言えば余りの発言に非難の声をあげたのは、私では無かった。
そう、国王が探させたという、私の仲間・・・・になるはずの男のものだった。
男は私の横に来て膝を付き、国王に申したてた。
「怖れながら国王よ。先ほど私が詳しく説明したではありませんか!」
「うむ、確かに。だがな、1回聞いたくらいじゃ覚えられぬ」
やっぱりこの国王はたよりになら無いわね。
「時に明殿、旅の支度は出来ておるか?」
「え?・・・・ええ、一応は・・・・」
「うむ!ならば行くがよい!詳しい話しはその男に聞け!」
「え!?ちょ、ちょっと国王!?」
それだけいうと国王は、玉座の肘掛けの辺りを押した。
・・・・・・・押した?
ガゴンッ!
唐突に浮遊感にとらわれる。
「・・・・・・健闘を祈る!」
「あひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
「ぬはあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
「ふみぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・・」
そして私達は謁見の間に突如として現れた床の穴に間抜けな悲鳴を残して落ちて行った・・・・・・・・・。
シュゴォォォォァァァァァアアアアアア・・・・・・ヒュポッ!
ドサドサガシャッ!
どうやらあの穴は途中から滑り台のようになっていたらしく、私達は出口から放り出された。
「・・・・ったたたた・・・・」
私はお尻をさすりながら立ち上がった。
「・・・・まったく、国王も無茶なさる・・・」
みれば男も腰をさすりながら立ち上がる所だった。
・・・・・これで腰を痛めて旅が出来ないなんて事になったらシャレにならない。
更に少し離れたところに、フェレットの入っている篭が落ちていた。
私はそれを拾い上げ、男に近づいた。
「えっと・・・・自己紹介でもしましょうか。・・・・私は日向明。明でいいわ。あなたは?」
「俺は・・・・葵椋華(あおい・りょうか)。みんなからはコスモスって呼ばれてるから、コスモスって呼んでくれれば良いよ」
「わかったわ。これからよろしくね、コスモス」
「ああ、こちらこそよろしく」
・・・・それにしても、なんでコスモスなんだろう?
まぁ、いいか。
「ところで・・・・ここはどこなのかしら?結構長い事滑らされたけど・・・・・」
「多分・・・・元渋谷と呼ばれていた都市だと思う」
「元渋谷・・・・ああ、エレディーンね」
エレディーン・・・・かつて最新のファッションで溢れていた渋谷は、いまでは最新鋭の科学による科学都市の一部となっていた。
今現在この日出の国は、大きく分けて7つの大都市と、一つの街で構成されている。
元札幌が治める、魔法都市=プリズムスノウ
元青森が治める、魔法科学都市=アップルアイランド
元東京が治める、科学都市=SSシティー(SS:スパイラルサイエンス)
元滋賀が治める、精霊都市=ブルーフォレスト
元広島が治める、魔法科学都市=ロストスピリット
元高知が治める、魔法都市=オレンジサンシャイン
元別府が治める、温泉街=ハッピーレインボウ
元九州が治める、自然都市=ファインカインド
それぞれの大都市の中にも、このエレディーンのように小都市が存在している。
小都市を市とした場合、大都市が県。そういえば分かりやすいだろう。
「それで、これからどうします?」
コスモスが聞いてくる。
確かに行き先を決めなければならない。国王は闇の使いが目撃された場所も結界を破る異形が発生している場所も教えないままに落とし穴に私達を落としてくれたからねぇ。
…………思い出しただけでも腹が立つ。国王め、次にあったら覚えてなさいよ!!
それはともかく、私はすでに次の目的地を大体決めていた。
「とりあえず、ハッピーレインボウに行きましょう」
「…………あの温泉街?何故?」
「簡単にいえば一番確率が高いからよ。あそこは結界が薄いから」
そう、ハッピーレインボウは結界が薄いのである。
本来ならばファインカインドの結界で護られるはずなのだが、ファインカインドの市長がハッピーレインボウが得る温泉による利益を独占しようとした為、ハッピーレインボウの市長がファインカインドの地域から独立してしまったのだ。
そのため、ファインカインドの市長はハッピーレインボウを結界の範囲から外してしまったのだ。
元九州地方と呼ばれたあの大陸全部を覆う結界に対して、ハッピーレインボウの地域は小さすぎ、結界もそれにともなって薄くなってしまったのだ。
それでもハッピーレインボウの温泉街としての知名度は余りに有名で、訪れる客も後を断たないのだが、それが逆にファインカインドの市長を意固地にさせている原因でもあった。
「……なるほど、そういうことでしたか。てっきり温泉に入りたいだけかと思いましたが」
ギクッ!
なかなか鋭いツッコミだ。……だって、女の子として綺麗になりたいという思いはいつでもあるものね。
とりあえず話しを逸らす為に、私は違う話題に切り変えた。
「ま、まぁ、それはいいとして、旅をしながら聞かせてもらいましょうか?」
「……聞く?なにを?」
「この世界の歴史についてよ」
「……そうですね。じゃぁ、そろそろ行きましょうか」
そして私達はエレディーンの街を出た。
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後書き
いっつも思うけどやっぱり1話1話が短いなぁ・・・・・・
さてさて、とうとう旅が始まりました!
この先一体明達の前に立ち塞がる壁はどんなものなのか?
明達はそれを乗り越えられるのか!?
次号、またひとつの謎が明かされる・・・・・・・
(まぁ、世界の話しだけど)
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