『水面に映る月』
                             作:メンチカツ


夕焼け・・・
夕日の光が雲を照らし、空を紅く紅く燃え上がらせる。
燃え上がる空は、地上にあるどんな絵画よりも美しく、
人々はその景色に魅了され、虜になる。
しかし、時が流れ、やがて日は沈む。
雲に覆われた空は徐々に暗くなり、日が沈みきると、全ては闇に溶けていく。
そして訪れる夜。
地上の全ては闇に溶け、地上から全ての明かりが消え去る。
全てを包み込む闇。
それは、いかに汚いものでも、そしていかに美しいものでも、
等しく優しく闇色に塗りつぶす。
やがて雲は移り行き、月と星が顔を出す。
星明りが地の全てを照らし出し、月明かりがその全てを優しく包み込む。
人々は、優しい光に見守られながら、やがて夢を見る。
悲しい夢、楽しい夢。
夢は形を変え、人々の頭の中をうつろう。
夜に見る夢。
それは、とても朧げで、儚く、手を伸ばしてもまるで幻の様に、決して掴む事は出来ない。
触れる事すら許されぬ夢。
そう、それは水面に映る月の様に・・・…



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