もう一つのmemories  off
〜降り続く雨〜  
作:ニンニン



信の告白から数日が過ぎた。
智也と唯笑はもう"ただの"幼馴染ではなくなっていた。
これはハタから見ても一目瞭然だった。
しかし信と智也、信と唯笑の間には変化が無かった。
あるとするならば智也が信にしばらくの間、頭が上がらなくなったことぐらいだった。
信はすっかり悪夢は終ったものと思い込んでいた。
しかし、事件がおきた、さらに数日後の信の夢の中で・・・。
「やぁ、久しぶりだね。」
「なんでここに!悪夢は終ったはずだ!!」
突如信の前に現れたもう一人の自分に信は激しく動揺した。
「フフッ、何を勘違いしてるんだい。何が終っただって。
自分の罪も弱さも告白しないで親友ヅラをしている君の事があまりにも癪にきたからね。
もう一度来てもらったよ。」
「・・・確かに俺は罪も弱さも打ち明けなかったけど、いつかは必ず打ち明けるつもりだ。」
「無理だね。」
「何だと!」
「君にはそんな勇気は無いよ、僕には分かる。
何ていったて僕は君自身でもあるのだからね。」
「ぐっ・・・。」
信が言い返せなかった。
自分でも分かっていたのかも知れない、打ち明ける勇気が無い事を。
「しかし、智也と唯笑ちゃんの雨を上がらせる事は出来たはずだ。
これで少しは罪滅ぼしを・・・」
「君は馬鹿かい。」
信(影)は信の言葉を遮って言い放った。
「本当にあの二人の雨が上がったと思っているのかい。」
「!?」
「いやそれ以前に二人を結ばせる事が罪滅ぼしになるのかい?」
「そ、それは・・・。」
信は何も言葉が出てこなかった。
「まぁ、いいさ。それよりもこれからあの二人がどうなるか楽しみにしてなよ。」
「それはどういう意味だ!?」
「フフッ、見てのお楽しみと言いたいところだが、一つだけ教えてあげるよ。
君の罪がもう一つ増えるということさ。」
「何!?」
「それじゃあね、またここで会おう。」
そう言い残すと信(影)は消えていった。
信はよく分からなかった。信(影)の言った意味が・・・。
しかし、すぐ理解するものとなる。
それは最悪と言ってよいほどの展開だった。

次の日、信は学校に行った。
するとそこにはいつもいるはずの二人がいなかった
智也と唯笑だった。
(二人とも欠席?何かあったのだろうか)
とりあえずHRの後クラスメートの音羽かおるに尋ねてみる事にした。
「あのさ音羽さん。」
「ん、何?」
「智也と唯笑ちゃん何で休んでいるのか知ってる。」
「えっ、信君も知らないの。」
「信君もってことは・・・。」
「うん、知らないよ。てっきり信君には何か言っていると思ってたんだけどな。」
「じゃあ、誰も知らないかな。」
「先生にも言ってないみたいだし、信君が知らないならそうじゃない。」
「ふーん、そっか・・・。」
「でも、あの二人のことだからきっと今ごろ仲良くデートでもしてるんじゃない。」
「アハハ、意外とそうかもね。」
そう答えたものの信は何故かイヤな予感がした。
それは今朝見た夢のせいと信は言い聞かせた。
だが、結果的には予感は的中してしまったのである。

放課後、信は智也の家へと足を運んだ。
いつもならそれ程気にしなかっただろうが、今朝見たあの夢でアイツが言った言葉、
『あの二人がどうなるか楽しみにしてなよ』
この言葉が異様なまでに気になっていた。
(心配しすぎかな・・・でも何だこの胸騒ぎは?)
何もない事を祈りつつ、信は智也の家に到着しチャイムを押した。
ピンポーンという音のしばらく後に返事が帰って来た。
「・・・ハイ。」
その声はとても暗く沈んだものだった。
この声を聴いた途端に信は智也の身に何か起きたのだと直感した。
「オイッ!!智也か?何だその声は?
一体何があった!?」
しかし、智也の反応は素っ気無いものだった。
「信か・・・悪い。今は誰とも会いたくない。帰ってくれ。」
「オ、オイ。智也、返事をしろ!」
何度もドアを叩いたが、智也の反応が返ってくることは無かった。
(一体、智也の身に何が起きたんだ?)
信は困惑の表情のまま帰路に着いた。



〜作者の戯言〜
ようやく4話目です。
この辺で気付いたのですが、どうやら私には文章を短くまとめる能力が無いようです。
こんな訳なので残りの話しも長くなりそうです。
感想お待ちしております。




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