嘆きの拳 〜Screaming Fist〜
作:刃 仙人




貴女が十字架をくれてから
あたしはどれだけの罪を背負ったのだろう

黒い安らぎに抱かれて 残酷な夢を見る
どうかこれ以上に 絶望を許さないで

『失う中で残された牙が狂気というのなら
無力なあたしは何を救えばいい?』
無意味な問いかけなど 切り捨てたくなる

独りにはもう慣れたわ
感傷なんて捨てたはずよ

それでも あたしの硝子張りの心を
遠い眼差しが撫でる

叫ぶの 叫ぶの 
貴女が望んだこの抗いを
そしてこの手が 紅に染まる月の下
  声にならない声を上げる
 
 
  ――運命なんて決めないで――
 
 
 
  貴女が希望を呟いたとき
  あたしはなぜ救いの手をとったのだろう

  まどろみの中で聞いた囁き
  一度は拒んだ真実が 麻痺した心を揺する
  どうかこれ以上に 愛を見せないで
 
  裏切りと知りながら 貴女はなぜ微笑むの?
  あたしの不安定な憎しみは もう砂の壁に
 
  『自由さえ囚われて
  飛べない翼に何の意味が?』
  今さらだったなんてよくある話

  剣より 盾より 誇れる強さが欲しかった
  哀しみなど 語るのは無駄なだけ

  それでも あたしの乱れた本音が
  静かに頬を伝う

  叫ぶの 叫ぶの
  貴女が望んだこの憤りを
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             そしてこの手が 看取る影に向かい
  言葉にならない詩を歌う


  ――あたしは天使じゃない――



  叫ぶの 叫ぶの 叫ぶの
  この手が叫ぶの
  貴女が望んだこの抗いを

  手さぐりでも
  這いつくばっても
  不滅なる闇の向こう
  あの懐かしい面影に追いつくまで

  あたしは、叫ぶの――




  殺戮にしか使えない能力が進化だなんて
  あたしは認めない





BGM: シャドウ / 鬼束ちひろ





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