バトル・オブ・ライフ
by HELLCHILD

vol.9 例えば今年の夏コミで


俺の名はHELLCHILD。本名じゃねーぞ。ネット上でのHN(ハンドルネーム)ってヤツだ。
現在、俺が御世話になっているHP『BLUE FOREST』。
そこの管理人である『明(みん)』さんに会いに、俺は有楽町線の電車に乗っている。


毎年、東京ビッグサイトで行われる『夏コミ』。そこに明さんが参戦との噂を聞きつけ、俺はそこに行くことを決めた。
未成年の俺にとって、酒を飲み交わしながら夜遅くまでブラつくなんてことは、絶対に不可能なのだ。そんな俺に、生の明さんとで出逢える数少ないチャンスが、舞い降りてきたのだ。行かないわけが無い。


生憎、外には小雨が振っていた。携帯傘を持ってきておいて正解だった。
気温は結構低く、熱気地獄と噂される夏コミも、今年は例外になりそうだ。
俺は勇み足で、ビ●ザムの足にも似た建物の中に入っていった・・・・・・・


「しっかしよぉ・・・・・・・・・・・・・・どこに居んだぁ?」
この中は広い。企業ブースと同人ブースがあるのだが、それぞれが広いのなんの。
「ここでライブとかやれそーだな・・・・・・・・・・・・・・・。」
実際、企業ブースの方では何かのバンドが演奏していた。
「テキトーに、誰かに聞いた方が早いか。」
そう思った俺は、近くにいた一人の男に声を掛けた。
「あの、すいませ・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・ユーがHELLCHILDか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
何故俺の名前(HN)を知っている?
「・・・・・・・・・・・・・あ、あの・・・・・・・・あんた誰?」
「私はFREEBIRD。BLUE FORESTの治安を護るため、貴方はこの私が冥府へ送って差し上げます!」

バサッ!!

突然男の背中からは羽が生え、男は宙に浮いた。
「え・・・・・・・・・・・・ちょちょ、ちょっと待てよ!!」
「お逝きなさい!!」

ゴオッ!!

突然何本もの竜巻が現れ、俺に襲いかかった。
「う、うわっ!?」
何とか避わした。あんなのに飲み込まれたら、一巻の終わりだ。
治安を護る?そんな、いくら俺がBBS内でも浮いた存在だからって・・・・・・・・・・
「そ、そんなあんまりな・・・・・・・・・・・・・・・・・・あんたと俺は同じピエラー仲間では」
「だまらっしゃい!!」
羽根を連続で飛ばしてきた。矢のように地面に突き刺さり、そして小爆発を起こした。
「・・・・・・・・・・・・マジかよ。」
「大人しく、ここで死ぬのです!!」
・・・・・・・・・・・いい加減、俺もブチ切れてきたぜ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・ザケンじゃねええ!!」
俺は、腰に差した五尺の大太刀を抜いた。ちなみに、刀なんて持ってたの?なんて質問はナシだぜ。
「無明神風流殺人剣『みずち』!!」

ザン!!

一瞬でフリバはバラバラとなった。
「ぐはぁ・・・・・・・・・・・・・・み、明サマ・・・・・・・・・・・・・!」
    かぜ  こえ
「お前も聞いただろう、神風の清響を・・・・・・・・・・・・・・・・って、明さん明さん。」
俺は捜索を続けた。


「あっちぃー・・・・・・・・・・・・・」
熱い。人々の熱気が充満しているせいか。確かに普通の夏だったら、熱射病で死人が出ててもおかしくないかもな。
「フリバを倒したくらいで、いい気にならないでもらおうか・・・・・・・・・・・」
「は?」
「我が名は獅子流・・・・・・・・・・・細胞一つ残らず消し去ってくれる!!」
どこからともなく男が現れ、襲いかかってきた。
「テ、テメーもBFの一員かよ!?」
「その通り。これで貴様も最後だ!!!」

ドゴォォン!!

何かが地面に衝突した。それは・・・・・・・・・・・・
「い、隕石!?!?」
「私は星を自在に操れる。これなら貴様など、一瞬でミンチよ!!」
次々と隕石の雨が降ってきた。俺は猛スピードでそれらを避わす。
「ええい、勝つのは俺だ!!喰らえ、爆発の剣<エクスプロージョン>!!」

ドゴォ!!

剣が当たった瞬間、大爆発が起こった。
「ぐおお!?」
「姉ちゃんが言ってた!!・・・・・・・・・・・・・・どこだよ明さん。」


遂に辿り着いた。恐らくこのブースのはずだ。
「明さ〜ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
不意に、後ろから寒気が走った。
「「「我らBF軍団、貴様ごときにやられるほどヤワではない。」」」
ブースの4分の1を埋め尽くすほど大量の、BF軍団が集結していた。
「「「死ねーいっ!!」」」
「そ、そんな〜・・・・・・・・・・・・・・・無理だよ〜。」

(諦めるのはまだ早い)

(俺達がついてんだろ?)

(ムチャばっかしちゃって・・・・・・・)

三人の男女が降り立った。
「お、お前ら・・・・・・・・・・・・ちまたにBB、薫まで!!」
「よぉ、ピンチっぽいから助けに来たぜぇ。」
「大勢集めたな。流石は明さん。」
「でも、私たち4人には適わないわよ。」
最初に、ちまたが前に出た。
あか
「明き目覚めを―――――――――――――」
次に、BBが。
くら
「冥き眠りを―――――――――――――」
そして薫。
「健やかなる癒しを――――――――――――」
最後に俺が前に出た。
「そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・価値ある死を。」


「やったか・・・・・・・・・・・・・・・・」
「じゃな、もうピンチはくぐり抜けたろ?」
「へ!?ちょ、ちょっと・・・・・・・・・・・」
「俺も他のトコの同人誌買ってないんだよね。」
「私も彼との約束入ってんの。じゃね。」
3人とも、ピンチをくぐり抜けると帰ってしまった。
「は、薄情者〜〜〜!!!」


「「ふふふ・・・・・・・・・・・・・・・・」」
また背後で、2人の声がした。
「あれだけの人数を倒すとはな・・・・・・・・・・」
「いいだろう。今度は明さんの懐刀の、俺等が相手だぜ。」
2人の男が現れた。
「まずはミー、暇人からだっ!!」
薄いサングラスをかけた男が飛び掛かってきた。
「てぇい!!」

ドゴォ!!

「え!??!」
手をかざしただけで、地面が抉れた。相当な衝撃だ。
「ミンチのミートにしてくれるぜベイベェ!!」
どうやら衝撃波で敵を倒すらしい。相当な威力とリーチを誇っている。今までの奴らとは、格段に違う。
獅子流の隕石攻撃と違って、この攻撃は連射が効く。命中率も高いはずだ。俺は立て続けに攻撃を喰らった。
「ほらほらどうしたぁ!!ファストに動かねえとデスになっちまうぜぇ!?」
「くっ・・・・・・・・・・・・・・!!」
このままでは分が悪い。俺は一発逆転の賭けに出た。
「一気にケリつけてやるっ!!」
俺は刀を構えた。
「無明神風流奥義『朱雀』!!!」

その刹那、俺は火の鳥と化した。

「ヘッ、ユーのスロウなアタックなど・・・・・・・・・・・・・」
余裕で避ける暇人。俺は近くの壁に激突した。
「ふっふっふ・・・・・・・・・・・・さあて、ゆっくりとキルしてや・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・く・・・・・は・・・・・・・・・・・・!?」
暇人の動きが止まった。こちらの予想通りだ。
恐らく、奴も気付いたはずだ。火の鳥とは、何度でも死の淵から蘇る『不死鳥』なのだと。
俺は炎の翼を纏い、暇人に突撃した。
「お前も聞いただろう・・・・・・・・・・・・不死鳥の息吹を。」

ザン!!

「ぐほお・・・・・・・・・・・・・・・・・ば、ばかな、このミーがぁぁ・・・・・・・・・」
暇人は倒れた。
「この死合・・・・・・・・・・・・・オレの勝ちだ。」
「何ひたってやがる!!次は俺だっ、メンチカツ!!くらえやっ!!」

ズガァァン!!

「げっ!?」
「はーっはっはあ!!俺のテクノライズは一味違うぜぇ!?」
テクノライズ・・・・・・・・・・右腕を機械化している。どうやら右腕がビームキャノンとなっているようだ。
「死ね死ね死ねぇ!!!」

ドゴォン!・・・ドゴォン!・・・ドゴォン!・・・

『死ね』を早口で連呼している割には、ビームの連射速度が低い。どうやらエネルギーチャージに若干時間が掛かるようだ。
「ひゃははははは!!貴様ごとき下賤の民が明様に謁見しようなど、一億年は早いわ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・誰が下賤の民だコラ!!!!」
下賤の民呼ばわりされて黙ってられるほど、俺のプライドは低くはない。
「っきしょー、ナメてんじゃねーぞゴルぁ!!こうなりゃ奥の手じゃあ!!」
俺は注射器を取りだし、紫色の液体を腕に注射した。
「ぐ・・・・・・・・・・・ぐうぉぉ・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
頭が割れそうに痛む。目眩と吐き気が体中を横殴りする。
「へっへ〜っ、これでテメエも終わりだぁ!!」
メンチカツがビームキャノンを構える。俺も目眩が収まってきた。
「・・・・・・・・・・・・『ブレイカロン』!!」

ズガァァン!!!

空から稲妻が落ちてきた。それはメンチカツを直撃した。これだけタイムラグがあるのなら、タメ時間の長い超能力を使っても大丈夫なはずだ。
「ぐぅ・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・」
「オレの勝ちだぜ・・・・・・・・・・・・・・沈みな。さて・・・・・・・・・・・・あの人か?」
眼鏡の女性が見える。恐らく、あの人が・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・明さん、ですか。」
   わらわ
「ふふふ・・・・・・・・・・なかなかの者よ。最後の敵は妾じゃ・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラスボス?」
「ハアアァッ!!」

ゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・!!

明さんが本当の力を発揮した。その力は、ビッグサイトの全てを揺るがした。
「死にさらせぇ!!」
「俺が勝つ!!」
死闘が始まった。
「BFファイヤー!!」
どデカい青色の炎の塊が襲いかかってくる。地面に着弾する度、大爆発を起こす。
「んのやろぉ・・・・・・・・・・・・埒が開かねぇ!」
「ヌルいわっ!!」
いつの間にか、明さんは背後に回り込んでいた。
「げっ・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
「トドメだ!! −sinブラスト・ボム− !!」

ドゴォォォン!!

トマホーク並の大爆発が起きた。
「ふふふ・・・・・・・・・・・・・・・・脆い者よ。二人を倒したのはまぐれか・・・・・・・・・・」
「ぐ・・・・・・・・・・・・ぐぅ・・・・・・・・・・・・・・・」
「安心しろ、すぐにあの世へ送ってやるわ・・・・・・・・・・・・・」
そういうと、その右手に力が宿り始めた。
「 ―ビタスイ・クラッシュ― !!」

ズガァン!!

間一髪で避けた。これも相当な威力を誇っている。
だが、これで隙が生まれた。一気にカウンターを狙えるはずだ。
「これでキメるぜ!!」
「くっ!!」

「超究武神覇斬!!!!」


あの連続攻撃が決まった。いくら明さんでも、これでは生き残れないだろう。
「ぐほぉ・・・・・・・・・・・・・こ・・・・・・・この妾が・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・さらばだ。涅槃でまた会おう。」













『次は〜、新木場〜新木場です。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
有楽町線の中だった。どうやら眠っていたらしい。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・何か凄まじい夢を見たような気がするのだが。」
・・・・・・・・・・・・・・・忘れてしまった。
まあ、知らぬが仏って事もあるし、別にいいや。
んなわけで、俺は新木場駅に降り立った―――――――――。











あとがき

夏コミには行きましたが、明さん以外のBFメンバーとは会えませんでした。
明さんとは顔を合わせました。つっても、本当に2,3言しゃべっただけなんですけどね。
初対面でいきなり「あ、ひょっとしてHELLCHILDさんですか?」と言われたので、かなりビビりました。

ん〜・・・・・・・・・・・・・・「くだらない」がテーマの割には真剣にやってましたw。
これで本家デビューなんで、感想よろしくお願いします。どしどし下さいね。




何時の日か、本格的に本家に殴り込みかけるんで、待っててください(マテヤ



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