バトル・オブ・ライフ
鏡丸太



Vol.17  例えば自動販売機の前で


 これは……とある夏の日の鏡丸太のお話。


「ふう〜、今日も暑いよ」
 そう、今日も外は暑かった。
 お外で仕事だから、日差しが当たって凄く暑いんだよ。
 ちなみに家は、皆が食べてる野菜を作ってる農家さ。
 さて話を戻すが、東京なんかは39,5度なんていってるし。
 兎も角、夏の日差しの暑〜いお外で仕事してたら汗は掻く掻く。
 


 そりゃ、夏だからね!
 

 まあ、時間も良い頃合だし、一休み〜一休み〜。
 慌てない、慌てない。
 
 畑の傍に止めた車に積んでいた小銭を持って、水分補給の缶ジュースを買い行くか。
 何せ、熱射病で何人も倒れてるから怖い怖い。
 歩いて一分の所にあるバッティングセンターに向かう。
 駐車場には無数の車と自転車が……。
 ……羨ましくないもん、羨ましくないもん。
 
 気を取り直して、自動販売機の前に立つ。
「さて、お金お金と」

 チャリン。
 チャリン。

「え?」
 何故か硬貨が返ってきました。
 また入れました。

 チャリン。
 チャリン。

 また返ってきました。
 またまた入れました。

 チャリン。
 チャリン。

 またまた返ってきました。

 おもむろに硬貨を見ると……。
「旧500円玉やった!?」
 オオボケ超人ウッカリマン並のうっかりで、旧500円玉を持ってきてしまったのですよ。
 そりゃ中に入らんのよね、うん。
 
 仕方無しに車まで戻って、100円玉3枚持って再びリベ〜ンジ!
 何故300円?
 一本では足りないからさ〜。

「今度こそ……ノーマンタイ!」
 チャリン、チャリン、チャリン。
 今度は大丈夫。
「よし、ど・れ・に・し・よ・う・か・な? ……これだ!!」
 ポチッとな。
 ……。 
 ……。
 ガコンっ、て落ちてこないんですけど?
 ポチッとな。
 ……。
 ……。
 やっぱり、ガコン、と


 落ちてこないんですけど?


 これは……弟(終焉の鮪)の電波か?

 ともかく、何故出ないか解らないが……。
 こんな時は、
 
 全てのボタンを……押すべし、押すべし!

オラオラオラオラオラオラオイラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!

 押す、押す、押す。
 とにかくボタンを押しまくる。
 高橋名人の16連射には及ばない遅さで押す、押す、押す。
 ちなみ俺はお茶は飲まないので、お茶系のボタンは見事に回避。
 
「オラッ!!! はあ、はあ、はあ……」
 それでも缶ジュースは落ちてこない。
 自動販売機が「ひでぶうぅっ!」と、奇声を発して破裂もしない。
「こうなったら……禁断の奥義を使うしか」
 そっと、手をじゃんけんのチョキの形にする。
 そして、向かって中指を右側のボタン、人差し指を左側のボタンに添える。
 そして、2つ同時にボタンを押す。
「名付けて、奥義同時押し!」
 ポチっとポチッとな。
 一回では効果がはっきり出ないので、連続発動。
 ポチっとポチッとな。
 ポチっとポチッとな。
 ポチっとポチッとな。
 同時押しの秘訣は、同じジュース同士でやるとより効果的。
 
「何故出ない? はっ、もしや……売れ切れ!?」 
 だが売れ切れのランプは点いてない。
 というか、販売可能のランプも点いてない。
 おかしい。
 何かがおかしい。
 ふと、目線を下げると電子板になにか見えた。
 
 
釣銭がありません


 ……念の為にもう一度、ボタンを押すと。


釣銭がありません


 ……

 
 10円玉、一枚もない状態だよ。
 

 仕方無しに2度目の撤退を行い、車に戻る。
 もう、面倒くさいから120円で一本だけにしておく。
 500mlサイズの缶ジュースにしておこう。
 話は変わるけど、500mlの缶[120円]とペットボトル[150円]の金額の差って何だろう?
 あれか。
 蓋が出来るのが30円の差。


 チャリン、チャリン、チャリン。
 ポチッとな。
 ガコンッ!

 無事、缶ジュースを手に入れた俺。
「やっと、買えたよ〜」
 思わずまた出ないと思っていたが、無事に出て安心だ。
 よく諺で「2度あることは3度ある」っていうから。

 
 しかし、この自動販売機には参った。
 10円玉が無い事がこれで3度目だからな。
 まあ、なんていうか、「試合に勝って勝負に負けた」かね。
 
 ともかく無事水分補給を行い、再び仕事に戻る。 
 ちゃんとこの自動販売機は、時たま10円玉が無い事を覚えておこう。
 でも、忘れるんだろうな〜。
 実際忘れてたし。
 
 
「さて、今日も頑張ろう〜」
 缶ジュースを飲み終えて、仕事を再開。

 







 余談だけど、畑から家まで歩いてほぼ2分。
 家の冷蔵庫には、冷たいジュースやら氷水などある。
 後、自動販売機で缶ジュースを買うのに掛かった時間は約7分。
 ……それだけ。


 書き終わってから見直して……これは何だろうと?とまじで自分自身に問い詰めてる鏡丸太です。
 ともかく、実際に7月23日に起きた出来事があまりにもおかしかったので、BOLにしてみました。
 なんというか、暑さにやられた所為か?
 でも・・・比喩表現以外、全部本当のことだからな。
 まあ、普段からこんな阿呆してますけど、見捨てないでください(汗)
 では〜。
 脳内BGM:『北斗のメモリアル』
 



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