夏詩-natsuuta-
freebird presents



   華火



漆黒の夜空に
光の花が咲く
その光を見つめながら
隣に座る君の手に触れる

暖かくて確かな感触が
僕の右手に伝わる
君は僕の方へ振り向いて
優しくニッコリと微笑んだ

そして今年も
夏は消えてゆく
君の瞳に映る
あの花火のように



静かなこの街を
波の音だけが包む
この浜には僕と君だけ
花火の入った袋を持ってる

空には流れる星が見える
街には小さな街灯が灯る
そして無数のホタルが飛び交う
君は花火に火を点けた

火が点き 輝き
そして 消えてゆく
夏が終わりを告げる
この花火のように



線香花火に火を点ける
砂浜にしゃがみながら
「先に落ちた方が負けだからね♪」
なんて君は楽しそうに笑った
線香花火って最後まで落ちなければ
何でも願いが叶うって聞いた事あるよ
だから僕は君に内緒で願いを込めた
「いつまでも君といられるように」と願った
その瞬間 風が吹いた
線香花火は静かに落ちた
その時君は 「私の勝ちね♪」って
とても楽しそうに笑っていた
それだけでいい 僕には今がある
君といられる
今がある



火が点き 輝き
そして消えてゆく
夏が終わりを告げる
この花火のように
儚く 美しく
夏は消えてゆく
線香花火のように
この夏は消えてゆく
儚く 美しく
今年も 夏が終わる





   Firefly



静かなこの丘で
仰向けに寝転んで
夏の星座を見てる
頬に涼しい風を受けて

金魚すくいで僕は
一回で5匹も取った
それを見た二人は
心から驚いてくれた
いつもより可愛い
浴衣姿の二人は
今僕の隣にいる
優しく手を繋ぎながら

この丘の上から
静かな街が見える
夜空に咲く花火は
僕たちを照らしている

この丘の上で踊る
ホタルの光に包まれて
僕たちは手を繋ぐ
夏の夜空を眺めながら



あれから10年が経った
中学の同窓会に来て
懐かしい顔ぶれと
10年ぶりの幼なじみ

この丘の上から
すっかり変わった町が見える
光り輝くネオンは
まるで地上の星空

この丘の上にはもういない
ホタルの光はもう見えない
何もかもが変わってしまった
思い出の夏の故郷(まち)



3人で一緒に走った土手は
今は唯のアスファルトになって
夕暮れ時まで迷った森は
立派な住宅街になっている
3人で泳いだり魚釣ったりしてた思い出の川も
3人で見上げてた澄み渡るきれいな思い出の空も
今はもう魚も鳥もいない汚れきった川と空になって
思い出も見てた夢も全て消えてしまったこの街で僕たちは今
変わらない丘の上で変わらない夜空を見つめている



あの時3人で見つめてた
無数のホタルは何処に行ったの
あの時3人で見つめてた
静かな街は何処に行ったの
思い出のあの森は
思い出の静かな夏の街は
思い出のホタルの光は
今は何処に消えたの
かけがえのない思い出
無数のホタルの光





   Sunflower



地平線に沈む太陽は
青い空を紅く染める
広い草原に仰向けに寝転び
茜色の空を見ている

僕たちはこの町で
幼い頃から過ごしてきた
変わりゆく街をただ眺めながら
今年もまた夏が訪れる

一面に広がる
ひまわりに囲まれて
微笑む君のその笑顔
いつまでも僕の記憶に
焼きついている君の笑顔



夏空の下 輝く太陽
うだるような暑い陽射し
広い青空を唯見上げてる
君の瞳悲しみ色で

砂浜に座る君
並みの満ち干きを見つめている
悩んでる君に気付きもせずに
自分のことだけ考えていた僕

ひまわりの花のように
太陽に焦がれるように
君に焦がれ続けて
君を見つめ続けていれば
何かが変わっていたかもね



北の大地に 太陽は沈む



ひまわりの花のように
太陽に焦がれるように
君に焦がれ続けて
君を見つめ続けていれば
さよならの言葉も無く
振り返らずバスに乗り
この街に別れを告げる
さようなら想い出の街
消えてゆく想い出の夏



一面に広がる 
ひまわりに包まれて
今 僕らの時は
終わりを告げる
Good-bye my memories





   CLOUD



遥か彼方 あの空の向こうで
生まれ出でた あの白い雲達
その向こうに あの夢が待ってる
だから僕は 両手を伸ばし



照りつける光は 真夏の太陽
座り込んだ僕を 容赦なく灼きつくす
目の前を通り過ぎる 子供達の笑顔
遠くから聞こえる ヒグラシの鳴き声

あの日伸ばした この腕が掴んだ
陽炎に消えゆく 君の声

遠く消えた 思い出の向こうで
輝いていた 淡い色の夢たち
もう一度だけ チャンスがあるのなら
飛び立とうか 両手を伸ばし



目を覚まさせたのは 夕焼けの子供達
立ち上がった僕の 思い出の蜃気楼

そして掴んだ この腕を離した
彼方へと飛び立つ 君の声

遥か彼方 あの空の向こうで
生まれ出でた あの白い雲達
その向こうに あの夢が待ってる
だから僕は 両手を伸ばして

いつまでも続いている
夕凪の中 僕は
この空に一番星が生まれる前に
君を見つけて その手を握りたい



叩きつける 夕立の中を
逃げない水を 踏みしめて
あの入道雲の 向こうに広がる
蒼い蒼い 空を目指して
遥か彼方 あの空の向こうで
待ち続ける 君を求めて
雨上がりの 雲の隙間から
漏れる光に 導かれて
たった一つの チャンスを握りしめ
飛び立とうか 両手を伸ばして




あとがき的空間

 どうも、freebirdです。
 今回は夏シーズンちゅうことで、昔の夏ポエミーを引っ張り出してきました。それに書き下ろし一本を加えた豪華版!!(マテ)
 しかしさすがに昔の作品(最初の3つね)はかなり拙いなあ(汗 それに比べて今の作品は……あまり上達が見えないなあ(滝汗
 ちなみにFireflyは既に掲載してもらっている同名小説の原型となった作品です。他の二つの過去作品にも小説があったんだけどいつの間にかお蔵入り(汗 まあいいか(爆
 んでわ、感想お待ちしております!(ぉ
 でわでわ、freebirdでした〜♪



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