夢のかたち
作:ふうらいまつ



//●今のままでいい を選んだ場合*********************************************


オレはリースが人間として生きることが、良いことだと思っていた。
だけど、人間の価値観や生き方をレプリスであるリースに押し付けることが、本当に正しいことなのか?
俺の目から見てリースが可哀想に映ったとしても、それは傲慢な同情でしかない。
なにより、リース本人が今の環境に納得しているんだ。
オレのわがままでリースを苦しめる訳にはいかない。

恭介「……ごめん、リース。俺の思い上がりだった。色々と酷いことを言って、すまない」

それ以上、何も言えなかった。
リースに人間としての生き方を望むということは、リースの命を危険にさらすということだ。
オレはなんて馬鹿なことをしていたのか。

うつむいたオレの頬に、リースがそっと手を伸ばす。
リース「いいえ。恭介さんは、わたしのことを心配してくださったのでしょう?」

//リースの表情:笑顔
リース「嬉しいくらいです」

人として迷いながら生きていくのは、きっと辛いことだ。
主人の役に立つために創られたのなら、そのように生きるのが幸せなのだろう。
レプリスとしての生き方を認めてあげてもいいはずだ。

リース「恭介さん。ここに居ると風邪をひきます。寮に戻りましょう」

リースがそっとオレの手をとる。
小さな手から、彼女の優しさと、包み込むような暖かさが伝わってくる。
何も欠けてなんかいない。
彼女はこのままでいいのだと思う。

//背景:森の小道。夜。晴れ。
//リースの立ち絵(笑顔)
//背景の明るさを落とす。恭介、思考中。
リースと二人で夜道を歩いていく。
歩きながら、リースに他愛の無い話をする。
学校のこと、アニキのこと、友達のこと、夕飯のこと……
これまでの時間を取り戻すように話しかける。
リースは一生懸命、本当に楽しそうにオレの話を聞いてくれている。
……結局オレは、リースに救われているのかもしれない。
アニキがいて、オレがいて、レゥがいて、リースがいる。
なにも難しく考える必要はない。
これでいいのだろう。
//背景の明るさを元に戻す。

リース「雨、やみましたね」

//背景:星空。
空を見上げると、夜空には星が出ていた。
ありのままに輝くたくさんの星々。
遠くで誰かが微笑んでいるような気がした。

//エンディングB(BGM:Rainbow)



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