Metals  Shot
 pranning and presented 千石 狩耶


Chapter-00.  序章 〜The Opening Ceremony〜













―――――宇宙の歴史は、木の枝のように何本も分かれ、連なっているものである。




 今からおよそ四十六億年前、度重なる小惑星同士の衝突によって何も無い黒一色の
広大な空間に出来た紅い惑星。
 溶岩のみが大地を包む灼熱の死の星に突如として降り注いだ大雨。それによりいつ
しか紅から蒼へと変わった惑星、地球の誕生。
 地獄に等しかった星の中で生まれた単細胞生物が水の惑星で多細胞生物となって進
化し、更に複雑な生命体へと発展していった。進化の果てに多くの生命体が生まれも
すれば、滅びもした。生命の種子が作り上げた因果律によって繰り返された進化と誕
生、死、そして滅亡。
 やがて、偶然か必然か、自己の認識、他者への感情、過去と未来に自分の思いを見
出すという複雑な思考を持った人間という名の知的生命体の誕生。しかしそれは、発
展した文明の目覚めと同時に、血塗られた惨劇によって成り立った歴史の目覚めでも
あった。
 虚数領域の世界は、宇宙誕生の時から、見えない形で存在していた。



 二十世紀末。
 人類は、情報ネットワークを介して文明を構築する為に虚数領域の世界に足を踏み
入れた。
 永遠に等しい歴史の果てにようやく日の目を浴びた世界の存在。
 だが、忘れ去られた存在があろうが無かろうが、存在そのものの忘却によって否定
されるものとは決していえない。それが世界であれ物理的に固着された存在であれ。
度重なる生命の種子の誕生の一握りに過ぎない人類が例え絶滅したとしても、過去の
世界に存在していたという事実は変わらない。それは虚数領域も同じ事であり、その
世界は消える事無く存在していた。



 二十二世紀初頭。
 人類は、自分達がこの世界に生まれたその意味を見出す為に発展させてきた文明の
力により、科学技術を飛躍的に進歩させた。だが、どんなに技術を進化させても、地
球そのものが持つ力を追い越すには至らなかった。
 誕生の意味、過去の輪廻を全く知らない人類は、星そのものが持つ特異的な力に思
いを馳せた。それ故に、本質的な自然体としての力に興味を求めた。ある者は霊的な
ものが起因する力を求め、またある者は数ある自然の中に生き続けている力を求め、
またある者は無生物を生み出す神秘の力を求めてきた。全ての力は、自然体としての
『神秘』を見出す為に求められた。
 人類は時に、魔法の神秘を思い描く。それが、東洋呪術、精霊術という自然からの
力を借りた魔法、西洋魔術等の契約を媒介とした魔術、そして無生物や人の手によっ
て生命体を生み出す為の錬金術。その神秘は、人間によって様々だ。そして、その人
類にとっての記念すべき事件こそ、『新世界』の誕生であった。
 その時からである。世界全てが変容したのは。


 世界中に伝説という神秘がもたらされたのだ。ドラゴンや幻獣、悪魔、精霊等と
いった伝説上の存在が姿を現した。
 この事件を境に、研究者達は伝説上の存在や魔法の神秘を新たなるジャンルとして
築き上げ、魔法の研究や伝説上の存在への対抗策をとろうと動き出した。そして彼等
は虚数領域の力を借りる事となる。
 擬似感覚技術の大幅な進化、千差万別と言える人間の意思や魔力を虚数領域を介し
て攻撃魔法及び回復魔法等に変換、発動させる技術等の、未知なる電脳虚数領域、通
称マトリックスの理論を応用した科学技術が台頭した。



 魔法の神秘に目覚めた魔術士、錬金術によって自らの身体に機械を埋め込んだ機
人、錬金術によって生み出された人工生命体ホムンクルス、そして虚数領域の力を借
りて戦うゴースト達。



 彼彼女達はこの激動と混沌の世界の中で、自らの存在を賭けて生きていこうとする
果てに見るものは何なのだろうか、それを立証出来得る者は誰一人として居ない。






To be continued from Chapter-01.











後書き


創作支援サイトという事で、僕からもオリジナルファンタジーを書かせて貰います。
とは言っても試験作品ですが・・・。
大掛かりなのかごった煮なのか微妙な物だなぁこれは・・・。
設定としてはシャドウランというTRPGを基盤にファンタジー要素を繋ぎ止めただけの
物となっていますので、結構型破りです。
その他にも基盤となっている作品は幾分か含まれていますが、分かった人はスゴイ!
文章力、表現技法等の向上を兼ねていますので、甘口辛口問わずの感想を頂ければ幸
いです。





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