「虹を見た小径」
作:刃 仙人


行き交う人並みの中で
私はふと立ち止まる
繰り返す季節の中に 
あなただけがいなかった

伝えたい言葉 雨音がさらっていく
空回りする気持ち もう届かない

世界中で私だけは 覚えているのに

放課後 二人で過ごした時間
忘れないでいいの?
愛しさでそっと抱き留めていたい

あなたのいない無意味な日々
いつまで数えればいい?


にぎわう街の片隅で
今日も一人待ちぼうけ
移ろいゆく季節の中で
私だけが変わっていない

渡せなかった時計は 引き出しの奥
お返しの約束 果たしにきてほしい

振り返るの止めて 笑顔で歩いたの

たたんだ傘 止まない雨が上がる
信じてもいいよね?
優しさでギュッと抱きしめていたい

二人で歩き出す 虹の見える小径
ずっと待っています



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