「白銀の翼」
作:刃 仙人


幼子の瞳に 映される面影
静寂の水面に 光る月が揺れてる
小さき手に残る 母御のぬくもり
先立つ身の嘆きが 雪に溶けていく

待ち人の夢に似た 願いを乗せた揺り篭
若草の香りが届く 春の丘にいつか
鳴り止まぬ風歌の やさしさに舞う

さよなら・・・ ひと雫


悔いと迷いの中で 頬をなぞる指先に

ただ一つの心 残す    


悲しみを埋め尽くして 煌めく大地に
舞い降りる白銀(しろがね)の翼よ

ひとひらの羽根が呼ぶ 生命の灯を

照らして・・・ 一夜





碧落の空・・・蒼き月とその民の為に、捧ぐ



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