中学生日記 

第5話

俺は特別大きなバッグを押し入れから引っ張り出してきた。
中は空っぽ。
よし!
俺は本棚に近づいた。
「上から3段目右から9番目の本・・・と」
俺はその本を取り出した。
その奥には小さなボタンがあった。
俺はボタンを押した。
本棚はドアのように開いた。
そこには上へ続く階段があった。
昔、じいちゃんが使っていた屋根裏部屋に続く階段だ。
俺はそっと階段を上がった。
屋根裏部屋には箱が大量にあった。
俺は近いところから順番に箱を開けていった。
色々でてくる。
刀、ショットガン(これを見て俺の顔が少し青ざめた)、ナイフ、剣、ハンドガン・・・。
まだまだでてくる。
方位磁石、トランシーバー、盗聴器、双眼鏡、望遠鏡、懐中電灯、ライター・・・。
まだあるぞ。
止血剤、薬草、鎮静剤、包帯、傷薬、・・・。
さすがじいちゃん。
結構、色々な物(中にはヤバイ物)を持っている。
俺はそれらを武器、薬品、その他と書いた袋に入れた後、バッグの中に詰め込んだ。
ん?
俺の足元に1冊の本が落ちている。
俺はそれを読んでみた。

5月12日
やはり雄一に念力が存在していた。
雄一にはわしのような目にあってほしくない。
すぐに手を打たなければ・・・。
5月13日
雄一の力はどんどん強くなっていく。
このままではまずい。
5月18日
やっと力を封じ込める方法を思いついた。
明日、さっそく試してみよう。
5月19日
見事に成功した。
雄一は別の人格をちゃんと受け入れている。
拒絶反応も無い。
元の人格が覚醒しなければいいが・・・。
5月25日
経過は順調だ。
このままいけば覚醒はありえないだろう。
5月27日

ここで終わっている
俺は本を元の場所に戻した。
俺を封じ込めるために別の人格を作ったのは薄々感ずいていたぜ、じいちゃん。
俺はそっと階段を下りた。
次に俺は台所へ行き食料をごっそり別のバッグに詰め込んだ。
今日は11月25日。
時刻は8時
まだ皆寝てる。
俺は母さんが寝てる部屋の前に行った。
「母さん・・・。真理を宜しく頼むぜ。」
俺は島崎家を出た。

駅に着いたのは9時だった。
俺は新幹線に揺られながら色々考えていた。
正直、家を出るのは辛いし悲しい。
それに真理の事も気になる。
学校のことも・・・。
でも俺は行かなければならない。
これは宿命だ。
俺は食料バッグからパンを取り出した。
まだ朝飯を食べていなかったのだ。
俺はもう一度食料バッグの中を整理した。
これだけあれば1ヶ月は持つだろうか。
そんなことを考えながら俺はパンにかじりついた。

私が目を覚ましたのは8時半だった。
「さてと・・・お母さん起こすか。」
私はお母さんが寝ている寝室へと向かった。
「お母さん、起きてー!」
お母さんはすぐに起きた。
次に雄一を起こしに行った。
「雄一、起きてー!」
・・・返事が無い。
もう一度呼んだが何も返ってこない。
「入るよ。」
私はゆっくりドアを開けた。
誰もいない。
私はベッドの下も探した。
いない・・・。
「真理!すぐ来て!」
お母さんが呼んでいる。
私は台所に行った。
「これ見て!」
お母さんは私に小さな紙切れを渡した。
そこにはこう書いてあった。
”家を出ることにする。探さないでくれ。雄一”
私は固まってしまった。
嘘よ・・・。
絶対嘘だ!
雄一が家出するはずない!
でも・・・どうして?
私の頭の中はパンク寸前だった。
お母さんも頭を抱え込んでいる。
ピーンポーン。
チャイムが鳴った。
こんな朝早くに誰だろう?
私はお母さんの代わりに出ることにした。
「あのーすいません。私この娘を・・・あ!」
二十歳ぐらいの女の人が写真を片手に立っていた。
「真理?真理だよね?」
彼女は私に問い詰める。
私は、はいと返事をした。
すると彼女はいきなり私に抱きついた。
「よかった。ずっと探してたんだよ。」
彼女は泣きながら私を強く抱きしめる。
目に涙を一杯浮かべていた。
なんだろうこの気持ち・・・。
匂い、温もり、肌・・・。
全てが・・・懐かしい。
「お・・・姉・・・ちゃん。」
私はそっと呟いた。

「本当にありがとうございました。」
姉はお母さんと話をしていた。
「今からあの時のことをお話します。あ、私は邑橋愛子(おおはしあいこ)です。」
姉は少しずつ説明を始めた。
姉の話しはあまりにも長かったので私が要点だけをまとめました。
・私達、邑橋姉妹には親がいない。
・私は塾に行ったきり帰ってこなかった。
・私は塾に行く途中に記憶喪失になったものと思われる。
・雄一が見つけてくれたのは私が行方不明になってから2日後のことだった。
お母さんは頷きながら話を聞いていた。
私はそっとその場から抜け出した。
「ミラー、どうしたの?」
実はミラーが私を呼んでいたのだ。
ミラーは私の部屋に着くとすぐ
「雄一君の居場所が解ったの。」
と言った。
「え?本当?」
私はつい大声で叫んでしまった。
「どうする?今から追いかける?」
「もちろんよ!」
私はすぐに必要最低限な物を用意した。
「お姉ちゃん!すぐ来て!」
私は急いで靴を履き姉を急かした。
「一体何よ!」
姉はどうしたらいいのか困っているようだ。
「お母さん!雄一の居場所が解ったから追いかけてくる!」
私はそれだけ言うと急いで家を飛び出した。
姉は私の後を追ってついてくる。
「気をつけてね!」
お母さんは私の後ろからエールを送った。
「雄一君は新幹線に乗ってるわ。」
ミラーが道を教えながら私に教えてくれる。
とにかく急がなきゃ!

「お父さんも・・・あの子を見守ってあげて。」
私はお父さんの写真に祈り続けた。
私には・・・これぐらいしかできないから。
私は警察に連絡しようと思った。
だが、できなかった。
いや、あえてしなかった。
何故か警察には連絡してはいけないような気がしたからだ。
大丈夫。
きっと真理と愛子さんが何とかしてくれるわ。
私は連絡を待つことにした。

「ジャムも持ってきた方が良かったな。」
俺はパンを片手に呟いた。
はっきり言ってパンだけでは物足りない。
それに電車内では飲食禁止だ。
おっと、これは新幹線だから大丈夫だったな。
俺は食料バッグをあさった。
やっぱりパンに合う物は無い。
「隣に、座ってもいいですか?」
声をかけられたので俺は顔を上げた。
そこには小学生ぐらいの男の子が立っていた。
「いいよ。」
俺は隣に置いていたバッグを自分の足元に置いた。
「ありがとうございます。」
男の子はゆっくりと座った。
俺は男の子が担いでいたバッグを見た。
俺と同じぐらい大きい。
しかもガシャガシャと金属と金属がぶつかる音が聞こえる。
男の子は俺が怪しんでいるのに気付いたようだ。
音を立てるもんかと一生懸命バッグを担いでいる。
しばらくすると二十歳前後だと思われる若い男が横にやってきた。
「座っていいかな?」
男は俺に訊いてきた。
「どうぞ。」
俺は一番端に座った。
せっかく荷物を置いていたのに・・・。
俺は自分の足元に武器バッグを置き、食料バッグは自分で抱えることにした。
男の子と若い男が何かを話している。
どうやら知り合いのようだ。
俺は少しばかり寝る事にした。

目が覚めたのは降りる駅に丁度着いた時だった。
俺は急いでバッグを担ぎ猛スピードで新幹線を降りた。
目の前に、隣に座っていた二人がいた。
とても楽しそうに話しているようには見えなかった。
目の前の二人は深刻な顔をしている。
俺は二人をつけるつもりは無い。
ただ進行方向が一緒なだけだ。
駅を降りてからもずっと同じ方向だった。
たまに男の子が俺の方を振り返っては若い男に話しかけていた。
あの二人・・・もしかして!?
俺と同じ超能力者?

俺の目的地はとある学校だ。
今は廃校と化している。
そこを闇の連中が研究所にして使っているのだ。
そして12月にあの作戦が決行される。
あの作戦というのは上空から毒薬を撒き散らすというもの。
毒薬を作るのに12年もかかったという。
この毒薬は上空で散布されると雨雲に変化する。
雨雲は雨となって地上に落ちる。
そしてこの雨に触れた物は溶けて無くなってしまうとても恐ろしい毒薬なのだ!
だからこの作戦を中止させようとする運動が起こった。
善良で強力な超能力者22人を集めて会議が何回も行われた。
そして今日・・・。
毒薬散布計画中止作戦が実行される。

俺は廃校に着いた。
22人の超能力者はもう集まっていた。
はっきり言って、俺は部外者だ。
善良な超能力者を募集しているという情報を聞いたから来ただけなのだ。
「君が島崎雄一君だね。」
中止運動を起こした張本人が俺の目の前にやってきた。
さっきの若い男じゃないか!
やっぱり超能力者だったんだ。
「君の噂は色々聞いている。何でも、島爺の孫なんだって?」
俺は、はいと答えた。
ちなみに島爺っていうのはおれのじいちゃんのニックネームみたいなものだ。
「僕はこの運動のリーダーの卯月海斗(うづきかいと)だ。」
え?
俺は自分の耳を疑った。
あの超有名な卯月海斗さんが目の前にいるというのか!?
俺はすぐに握手を求めた。
卯月さんは快く手を出してくれた。
その瞬間が俺にはスローモーションに見えた。
有名人の掌が少しずつ近づいてくる。
触れた!
その瞬間、俺はものすごい勢いで後ろに退いた。
自分でも何が起こったのかさっぱり解らなかった。
ただ、もの凄い力を感じたのは解った。
「あの、す・・・すいません!」
俺はすぐに謝った。
卯月さんはニコニコしながらこう言った。
「僕と握手した人は皆そうなるんです。だから気にしていませんよ。」
よかったー。
俺は安心のため息を吐いた。
「君が持ってきた物を見せてくれないか?」
卯月さんは俺のバッグを指差しながら言った。
俺はすぐにバッグを渡した。
卯月さんは色々呟きながら俺のバッグの中を見ている。
俺は卯月さんの方へ近づいた。
今はショットガンを見ているところだった。
「これ全部、島爺の物だよね?」
卯月さんはバッグの中を見ながら言った。
「はい、そうです。」
俺はすぐに返事を返した。
少し間を置いてから卯月さんは
「さすが島爺だ。今は元気にしてる?」
と言った。
俺は少し本当の事を言うのをためらったがやっぱり言うことにした。
そしてじいちゃんが3年前に他界したことを話した。
「そうだったのか・・・。できれば恩返しがしたかったんだけどな。」
卯月さんは残念そうな顔をして言った。
「卯月さんとじいちゃんはどういう関係なんですか?」
俺はさっきから気になっていた質問をした。
卯月さんはゆっくり立ち上がると一部始終を聞かせてくれた。

・・・死んだ。
・・・みんな死んだ。
友も、親も、やる気も、生きがいも・・・。
人生って一体何なんだ?
俺はあの事件以来、学校に行かなくなった。
1ヵ月後に両親が交通事故で死んだ。
死ぬと解っていながら助けられなかったのだ。
友が死んだのは自分のせいじゃない!親が死んだのは自分のせいじゃない!と言い聞かせてもダメだった。
俺は自分で自分を責め続けた。
自問自答も何回もした。
でも、何も見つからなかった。
俺は家を出てぶらぶら歩くことにした。
2日ぐらい経っただろうか・・・。
いつの間にか雨が降っていた。
俺の心の中は寂しさという感情が溢れていた。
自然と涙が流れる。
ん?
雨が止んだ?
俺は空を見上げた。
そして雨が止んだ訳では無いという事が解った。
傘だ。
老人が俺の隣に立っていた。
「あんた、わしのところに来ないか?」
俺は最初は断ったが結局ついていくことにした。
お腹と背中がくっつきそうなぐらい空腹だったからだ。
老人はしばらく居候になってもいいと言ってくれた。
俺は老人の言葉に甘えることにした。
「まさか・・・その老人が・・・。」
俺の声は何故か喉元で詰まってしまった。
卯月さんがこんなに辛い過去を歩んでたなんて・・・。
知らなかった。
そのせいかもしれないな。
「そう。島爺だ。」
卯月さんは空を見上げながら言った。
そのとき大きな爆音が聞こえた。
「大変だー!卯月さん!すぐに来てくれ!」
卯月さんはもう走っていた。
俺は慌てて追いかけた。
そしてその光景を見た。
目の前には100人近い人がいた。
みんな白衣を着ている。
こいつら・・・ここの研究員か?
「くそっ。こんなに出てくるなんて・・・。」
卯月さんの顔の表情も険しい。
白衣を着た研究員達は全員マシンガンを構えていた。
そしてまた爆音が鳴り響いたとき一斉に発砲してきた。
非常に不利な戦いが始まった。

私は急に立ち上がった。
妙な胸騒ぎがしたからだ。
今は雄一を追いかけるため新幹線に乗っている。
雄一・・・大丈夫かな?
私はお姉ちゃんの顔を見た。
「大丈夫よ。きっと・・・。」
きっと大丈夫だよね?
きっと・・・。
続く

『真理の部屋』
今日はゲストでこのお話の製作者が来ています!
真理:暁さん、どうぞ〜!
暁:どうも。
真理:では早速話しを聞いてみましょう!
真理:とうとう出ましたね、例のあの人。あの人を何故出そうと思ったんですか?
暁:何故と言われるとちょっと・・・(汗;
暁:最初は出すつもりなんて全く無かったんですけどなんだかこの話しにピッタリなんじゃないかなと思って・・・。
暁:で、出してみたら結構マッチして、なかなかいい感じになりました。
真理:なるほど。あの人の念力は一体どんな物なんですか?
暁:それ言ったらおもしろくなくなるのでは?
暁:まあ予知夢ぐらいなら言っても大丈夫ですね。
真理:次に念力というのは何なのですか?
暁:ちょっと説明が難しいですね。
暁:頑張って説明します。
暁:まず地球の大気には無数のエネルギーが存在します。
暁:人間はそのエネルギーを吸収して生きています。
暁:しかし、人間にとって良くない事もエネルギーによって起こります。
暁:例えば地震や津波、台風や竜巻です。
暁:エネルギーは自然災害の引金にもなる訳です。
暁:そして、そのエネルギーを自分でコントロールできる力が念力なんです。
暁:例えば第3話で雄一が人を浮かして放り投げた時。
暁:まず集中します。
暁:集中すればするほど念力が増幅されより強力になります。
暁:念力が強力になればなるほどより多くのエネルギーをコントロールできるようになります。
暁:そして念力を解放します。
暁:念力を解放するとその場所にエネルギーが集まります。
暁:集まったエネルギーは念力解放者の指示に従って動作をします。
暁:そうやって人を浮かせたりすることが出来る訳です。
暁:でもこれでは辻褄が合いませんよね?
暁:雄一は何の指示も出さずに念力を解放しています。
暁:なのに人を浮かし放り投げることが出来ました。
暁:何故でしょう?
暁:鍵は腕輪です。
暁:実はあの指示は腕輪が出していたのです。
暁:初心者には念力を解放しながら指示を出すというのが非常に難しいのです。
暁:だから初心者はアシストリングというものをはめます。
暁:それがミュートやミラーな訳です。
暁:念力は誰にでもある訳ではありません。
暁:長年、トレーニングを積んだ人が初めて収得できるのです。
暁:しかも、子孫には受け継がれません。
暁:だから島崎雄一や卯月海斗は特別と言えるでしょう。
暁:こういうのは遺伝子の突然変異で起こると言われています。
暁:話が長くなったのでそろそろ止めます。
真理:zzzzz。
暁:・・・。
真理:zzzzz。
暁:寝るなー!
真理:zzzzz。
暁:真理さん?真理の部屋、閉鎖しますよ〜。
真理:!
暁:起きましたね。
真理:お話し、ありがとうございました!
暁:調子いいな〜。
真理:という訳で、暁さんでした。

舞台裏
雄一:さすが真理だ。
海斗:調子いいですね。
雄一:やっぱり海斗さんもそう思いますか?
海斗:はい。
雄一:お、暁さん。
暁:まさか寝ているとは・・・。
海斗:まぁまぁ、いいじゃないですか。
雄一:そうですよ。あの説明凄く上手かったですよ!
暁:そりゃそうだ。だって俺が考えたんだから。
雄一:・・・。
海斗:・・・。
暁:じゃ、続き書かなきゃいけないんで帰ります。
海斗:さようなら。
雄一:続き、期待してますよ!

暁さんの説明凄かったですね〜。(適当に言っている)
ってことで次回予告!
の前に・・・。
なんか今回も全然活躍しなかったような気がするんですけど・・・。
暁さん!
何故私を出さない?
もっと出してくれ〜!
じゃあ次回予告します。
次回は私が活躍するらしいです。
でも暁さんが言う事だから信用できない。
とにかく次回は戦闘の嵐!
戦って戦ってまた戦っての繰り返し!
そして私も戦いに参加します。
雄一達は毒薬散布作戦を阻止できるのか?
次回もお楽しみに〜!
え?
(スタッフが真理に指示を出している)
あ、ああ。OK!
(どうやら指示が伝わったようだ)
何故か私の部屋で暁さんの苦労話をすることになりました。
今回は大変だったそうですよ。
なんか私の部屋のために3日も使ってくれたらしいんです。
念力の説明に大変苦労したんだって。
暁さんありがとう!
ってことで次回もお楽しみに!






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