メモリーズオフ・REVERSE
ゲバチエル

登場人物

稲穂信:
本編の主人公 ある計画を機に智也と唯笑が結ばれる事を計画する

三上智也:
ある雨の日に彩花を失ってしまう。心の傷は癒えないまま唯笑への想いは・・・

今坂唯笑:
智也と幼馴染。彩花の事が振り切れず智也に思いを伝えられずにいる

桧月彩花:
不幸な事故でこの世を去ってしまった。いつ生き返るともしれない状態のままにある。

第一章・償い

思い・想い

「遅いな二人とも・・・・」
信は珍しく30分前にきといてこんなセリフを漏らしている。
こんなに早くきているのも、計画を成功させるためであった。
信は今日のスケジュールについて構想を練りこんでいた。
・・・周りから見れば怪しい顔をしている信だが、
本人はお構い無しに構想を描いている。
「おおお?信が早くくるなんて珍しいな」
「智ちゃん?人のこと言えるの」
唯笑の突っ込みに智也はこれ以上何もいえなくなった。
しかし二人に気づかず信は妄想モード化している。
「信くん!よだれでてるよ!!」
「・・んあ。唯笑ちゃんか。いや考え事してたらつい・・ね」
智也が怪訝そうな顔で信に疑問を投げる。
「怪しい事考えてたんじゃないか?どうせ」
「んなことどうでもいいだろ!!いいから早く行こうぜ!」
3人は光る日の中目的地へと向かった。
三人は電車内では遊園地の話題で持ちきりだった。
盛り上がってるうちに目的の駅に着く。
3人は遊園地の前についてもはしゃいでいる・・・はずだった。
しかし一人だけ先ほどとは違って浮かない顔をしている。
智也は魂が抜けたかのように立ち尽くしていた。
「おい智也・・?これから遊び倒すってのに大丈夫か!?」
「・・・」
だが返事はない。
「智也!!!!」
あまりに大きい声に何人かはこちらを一瞬振り返った。だがすぐに視線は元に戻っていた。
「信・・・・いや大丈夫だ。早く入ろうぜ」
信は一息安心すると入場門に向かっていた。
「智ちゃん・・・」
唯笑の声が聞こえた気もしたが、信は気のせいのように忘れえていった。
信達は、楽しそうに遊園地の中に入っていく。
(ここで俺ががんばらないと!)
信は心で決心しながら作戦を始めていった・・・・。
「智也!唯笑ちゃん!ジェットコースター乗ろうぜ!」
「信くん・・・唯笑ちょっと―」
しかし唯笑の言いかけも無駄と消えて、智也が答える。
「俺は乗りたくないぞ。いってってだー乗らないっての!」
信は無理矢理二人を並ばせた。ここまできたら後戻りはできないように。
「じゃあ俺は一人で席すわっから、唯笑ちゃんと智也で二人並んでくれよ」
「智ちゃんが隣なら怖くないね!」
唯笑が智也の方を輝く瞳で同意を求めている。
「っち。わかったよ。乗るって。そんな目で見るなあ」
智也が仕方なさそうに同意をする。
そして。
目の前にはジェットコースターそのものが待ちかまえていた。
「さあ乗ろうぜ!お二人さん」
信は二人を前に席に座らせて自分は後ろに座った。
そしてそれは動き出した。
「なあいい景色だな。俺の家見えるか」
「唯笑の家は見える?」
前の方からなにやら楽しげな会話が聞こえてきている。
信は心底満足していた。二人のやりとりに。
そんな楽しそうな会話は悲鳴に変わった。
そして信の満足心は恐怖心へと変わっていく・・・。
「うおおおおおおー」
「いやぁあああ」
「ぎゃああああああああ」
もはや驚異の落下速度に3人は叫ぶことしかできなかった。
そして超高速での急カーブ。3人は自我をも忘れて叫び続けた。
3人はようやく現実世界へ生還した。
信は作戦失敗を痛感した。
ジェトコースターの恐怖で何も進展しなかったからだ。
「ふー・・・じゃあ次はあれ乗ろう!」
信は自分の下調べしておいたコースに誘導していく。
ことあるごとに信は二人を一緒にして自分は別行動的な事をしていた。
お昼が過ぎても信のこのスタイルは変わらなかった。そして
それは日本一と呼ばれるお化け屋敷でも信は実行した。
(恐怖のあまりに、智也に頼る。よし完璧だ!!)
信はそう思いながらお化け屋敷に誘導した。
「信君・・・本当にここ入るの・・・?」
「本当だ。俺たちもいるから大丈夫だ。智也もいるだろ?」
「べ・・別に唯笑と俺は」
「智ちゃんなんかいった?」
不思議そうに智也の顔をのぞき込む唯笑。
「な・なんでもない。ほら信行っちゃったぞ・・?俺たちもはぐれないように行くぞ」
しかし信は自分が干渉しないためにも、一人で奥深くへと消えていた。
(こんな状況下で二人ならいやでも意識するよなあ)
信はそんな事を思いながらもお化け屋敷を駆け抜けていく。
しかしさすがの信も日本一と名称される、お化け屋敷に何度も驚かされていた。
恐怖に打つ勝ち信はようやく外に出る事ができた。
あとは二人を待つだけ。信はのんきにジュースを飲みながら二人を待った。

「信!先に行くなんて酷いじゃないか。行くなら行くって言えよな。まったく」
「いやあ二人とも遅かったからもしかして先行ったのかなて思ったからさあ。
 きてみたらいなかったって始末(笑)」
「でも智ちゃんと一緒だったから楽しかったよ?」
智也はあきれた顔で答える。
「お前は子供か!やれやれだからだまされやすいんだ」
「ぶぅー唯笑子供なんかじゃないも〜ん!」
しかし見ていた信は楽しそうな表状を浮かべている。
(中で仲良くなったのかな?成功だな!)
信は心でガッツポーズを決めて最後の作戦へと踏み込んだ。
「二人とも。悪いんだけどさ・・・遊園地のグッズとか友人に頼まれちゃってさあ。
 観覧車一周大体30分だろ?だからそれでも乗って時間つぶしてくれないか?」
「えーなんでぇ?唯笑たちも一緒に買ってもいいじゃない?」
信は言い返す
「いや・・・なに買ってるか見られたくないしさ・・・」
智也は呆れ顔で反論する。
「やれやれ。人に見せられないもの買うのか?まったくこれだから信は・・・・。
 おい唯笑。こんな阿呆ほっといて早く観覧車でも乗って暇つぶしてようぜ」
「信君を待っててあげようよ」
「いやたまには二人っきりってのもいいんでないの〜お二人さん!」
「唯笑は顔をほのかに赤く染めて照れた。
「やだなあ信くん。そんなんじゃないってばあ」
信は二人の返事も聞かずに一人消え始めていた。
「じゃあ一周するころに観覧車のしたいくよ」
そうして無理やり二人にして信はその場を消えてしまった。

信は30分後買い物を済ませて約束の場所に向かった。
すると目の前にはさきほどよりも幾分仲のよさそうな二人の姿がそこにあった。
信は二人の様子を見て満足した。今日の作戦は成功だな―と。
「ゴメンゴメン。ほい二人にも買ってきたぞ。ほらこれ。お!もう5時だ」
「そーだな。遊び倒したしそろそろ帰るとするか?」
「うん!そうするよ!唯笑暗くなる前には帰りたいな」
「よっしじゃあ帰るか!」
三人は今日と言う日を満喫して夕日の向こうへと溶け込んでいった。
笑顔を照らす、鮮やかな夕焼けとともに。

(でも何か足りないかもしれないな?三人で遊ぶ機械もないわけだし・・・・)

信は考えた。このまま三人で帰るのか、無理やり冷たい態度を取ってでも二人で帰らせるかを。
信は言葉を振り絞った。






感想BBS



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送