ミニコント裏シリーズ 怪盗ホクたんの重奏編 制作者 美綾 |
【基本の再確認】 沙:お兄ちゃん、お兄ちゃん。もうすぐ私、誕生日なんだ。 ホ:奇遇だね。ぼくもだよ。 沙:それでね。この美術館に寄贈された『人魚の瞳』っていう宝石が欲しいな〜なんて 思ってみたりして。 ホ:一応聞いておくけど、ぼく達、義賊だよね? 【鮪の目玉は美味らしいけど】 ホ:ところで、『〜〜の瞳』って宝石、たまに見るけど動物の眼球って、結構エグイ形 してるよね。 沙:乙女の夢を奪う行為は感心せぬでござるな。 【一般人より冷静】 ホ:はぁ……年が明けても力関係は変わらないんだなぁ。 沙:文句を言わないでござる。馬車馬の様に働いて尚、愚痴の一つもこぼさないのが真の 漢でござるよ。 ホ:それ、絶対間違ってると思うんだけど。 桑:な〜はっは! ノコノコ現われやがったな、このコソ泥共。正月だと思って警察が 休みだと思うなよ! ホ:そりゃまあ、正月に警察が休みなんてよっぽどダメダメな国か、相当に平和な国 だと思うけど。 沙:うんうん。 桑:お前ら、少しは動揺しろよ……。 【宛名は『警視庁捜査三課御中』のみ】 沙:あ、そう言えば拙者が出した年賀状は届いたでござるか? ホ:そんな大胆なことしてたの!? 桑:ああ……何が『今年も宜しく』だ! しかもご丁寧にくじ部分は 切り取って送りつけやがって!! 沙:だって、もし当たってたらと思うと腹が立つんだもん。 【日本の警察は優秀です】 ホ:でも、そんな宛名で届くなんて日本の郵政事業はなんだかんだ言って優秀だよね。 沙:それに比べて警察は……でござる。 桑:その冷ややかな瞳は何だよ!? 【漫才クインテット結成】 春:ふう。今年もあんた達の漫才デモは変わらない訳ね。 桑:漫才デモ!? 空:御二方、明けましておめでとうございます。 ホ:こっちは何か礼儀正しいし!? 春:さてと。ここで会ったが百年目。去年までの戦績は全く無視して、今年こそあんたら を刑務所にぶち込んでやるわよ! 沙:ぶち込むって言葉、かなり久々に聞いたわね。 ホ:ここで会ったが百年目って言うのも。 沙:所詮、世代間断層というものは埋めきれぬものなのでござるな〜。 春:その冷め切った眼差しは何なのよ!? 【変身シーンの怪人並に】 春:ふふふ……去年までの私だったら、ここで腹いせに手近な部下を殴り倒してるところ だけど、今年は一味違うのよ! 桑:殴られるところだったのかよ!? 空:それは痛そうですね〜。 沙:何か、あっちはあっちで話が盛り上がってるみたいなんだけど、私達、美術館に 侵入して良いの? ホ:待ってあげるのが、大人の余裕って奴だと思うよ。 【信念皆無】 春:とにかく。戦術の基本は物量戦よ! 各員に通達。全軍を以って怪盗ホクたん並びに マヨを包囲した後、身柄を拘束しなさい! ホ:――って。他に警察の人、見えないけど? 春:こら! 桑古気、空! 命令通り突撃なさい! 桑:俺ら三人だけしか居ないのかよ!? 空:わ、私もですか〜? 沙:何と言うか……相当に人材が不足してるのでござるな〜。 春;うるっさいわね! 少数精鋭主義なのよ! 【ちなみに会話はアイコンタクト】 秋:お母さん……大分苦戦してるみたいね。 春:ユウ!? あなたが何でここに!? 秋:手を貸してあげようか? やっぱり、そこそこ名の売れた怪盗には美少女探偵が 付きものだし。 春:私はまだ美少女で通るわよ――じゃなくて、ここは危険よ。何しろ、極悪無比な 凶悪犯罪者達が居るんだから。 ホ:いや。自慢じゃないけど、ぼく達、人を傷付けたこと無いし。 桑:俺の心はズタズタだけどな。 沙:(ねえねえ、なっきゅ先輩。何しに来たの?)。 秋:(ん? 部屋でゴロゴロしてるのも暇だったし、何か面白そうだったから)。 【当たらずとも遠からず】 秋:大丈夫よ、お母さん。私はこの二人の弱点を知り尽くしてるんだから! 先ずは ホクたん! 彼は勝気なお姉さんに弱い! ホ:うっ……。 秋:そしてマヨ! 彼女は最新鋭のコンピューターで釣ることが可能よ! 沙:そう並べられると、拙者が男に興味が無い上、怪しい趣味の持ち主に聞こえるで ござるよ。 【総ツッコミはEver17のお家芸】 春:勝気なお姉さん〜? 仕方ないわね。ここは久々に一肌脱いで――。 桑:おいおい。 空:た、田中さん。やはりお仕事続きでお疲れなのでは。 秋:お母さん……。 沙:敢えて何も言わないでござる。 ホ:え、え〜っと。 春:その反応は何なのよ!? 【兄を売る気らしい】 空:最新鋭のコンピューター……如何でしょう。司法取引に応じていただければ、警視庁 のホストコンピュータをこっそり使わせて差し上げますけど。 春:あのねえ……そんなのに乗るような奴らなら苦労しないでしょ。 沙:そうでござる。それは拙者を甘く見すぎでござるよ。 ホ:でも、身体はそっちに行こうとしてるよね。 【母性に火が付いた】 沙:お兄ちゃん、ごめんね。乙女心って貪欲なんだ。 桑:本当にこっちに付きやがった。 春:メチャクチャ複雑なんだけど……まあいいわ! 片羽が折られてしまっては、 ホクたんも終わりね。諦めて投降すれば、調書に手心を加えてあげても良いわよ。 ホ:ぼくを甘く見ないでよ! 例え世界中でたった一人になったって、警察に屈する ような情けない覚悟で怪盗なんてやってないんだから! 空:でも、瞳からは涙が溢れているんですね。 ホ:……えぐえぐ。 秋:(胸元に抱え込んだ頭を撫でつつ)よしよし。 【警察より敵に回したくない】 春:ってユウ!? 何でそっちの味方になってるのよ。 秋:いや……何だかものすご〜く可哀想でつい。 沙:ならば拙者もそちらに戻るでござるかな。 桑:変わり身早っ!? 【策士、策で溺死】 沙:離れてみて心の底から分かったわ。ここが私の居場所なんだ、ってね。 ホ:何処のドラマの台詞なのさ。 沙:ん? 昼メロの「真昼の太陽」。 ホ:実在してるし……。 桑:な、何だか良く分からんが、状況が悪化したってことで良いのか? 春:ええ。そうとった方が良さそうね。 空:本当、困ったことになりました。 春:元を糺せば、あんたのせいでしょ! 【田中さんちの家庭の事情】 秋:まあ、成り行きでこうなっちゃった訳だけど、敵に回った以上、本気で相対させて もらうわよ、お母さん。 桑:流石はお前の娘だな。ノリがそっくりだ。 春:ユウ、戻ってきなさい〜。今なら、あなただけは書類送検しないであげるから。 ホ:警察官の台詞じゃないよね。 秋:ふっふっふ。小さな時から嫌いだって言ってるのに、ピラフにグリンピースを入れ 続けられた恨みをここで晴らさせてもらうわ。 沙:根は私怨でござったか。 【人員削減されるわけだ】 ホ:ところでぼく達、美術館の前で掛け合ってるだけだけど、『人魚の瞳』って どうなったの? 空:それでしたら、厳重な保護の下、一時的に警視庁へと接収させていただきました。 沙:あらら。ってことはここに居るだけ無駄じゃない。 秋:撤収ね。お疲れ様〜。 沙:お兄ちゃん、帰ろ〜。 桑:コラコラコラ。お前ら、そのまま帰れると思ってんのかよ!? 空:ですけど、現状、彼らは何一つとして犯罪を犯してませんよね? 桑:……。 空:その上、現場に何一つ証拠を残さない彼らには、逮捕状の一つも発行されて いませんし。 春:……えくえく。 |
あとがき 何とはなしに、設定協力の大根メロンさんに謝辞を述べてみたり。本人も記憶の片隅に追いやっていそうですけど。 それにしてもこの作品、掲示板での初掲載から、一年半のロングランですけど、小ネタ掲載本数は三本、掲示板では二回だけと某御方に比べると、全然伸びてません。 その理由として思いつくのは……。 ・一応、ストーリーがあるので、テンションが上がっただけでは書けない。 ・世界観に少しクセがある(?)ので、作者自身が入りにくい。 ・空が黒くない(マテ)。 とかですかね。まあ、小ネタ換算で六十も書いていれば、それはそれで一つの作品でしょう。これからも、忘れた頃にのポジションでいってみようかと思います。 ではでは、ホクトと沙羅、お誕生日おめでとうということで。 平成17年1月某日 |
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