まえがき

先日ド〇えもんを見ていて、思いつきで書きました。
シャレの分かる方だけお読みください。(笑
















空の秘密道具騒動その3
                              鳴きの虎


変身ビスケットの巻

優春:「ねえ桑古木、ちょっとお願いがあるんだけど。」

桑古木:「何だよ、優?」

優春:「これから倉成が来るから、茶菓子を買ってきてほしいのよ。」

桑古木:「ええっ?俺が?俺だって今仕事で忙しいんだけど。」

優春:「そう言わずにお願い。あなたも好きなお菓子買っていいから。ね?」

−そう言って、桑古木に五千円札を渡す優春−

優春:「じゃあ、お願いね。」

桑古木:「全く・・・。俺だって遊んでるわけじゃないんだぞ。わざわざ買ってこなくても、買い置きしてたお菓子で何か無かったかな。」

−給湯室へ向かう桑古木。すると、そこにお菓子の入っているらしい箱が置いてある。−

桑古木:「ん?何だこれ?どれどれ・・・動物ビスケットか。まあ、これでいいか。」

−一つつまみ食いする桑古木。そしてビスケットを皿に入れ、持っていく桑古木。−

桑古木:「とりあえず丁度いいのが置いてあったぜ。」

優春:「え?何よこれ、ビスケットじゃない。」

桑古木:「ビスケットじゃ駄目なのか?大体来るのは倉成だろ?別に文句なんて言わないさ。」

優春:「そうかもしれないけど、今せっかく高級な紅茶を用意したところなのよ。それに合わせた茶菓子を用意したいの。
お願いだから、早めに行ってきて。じゃあお使いのお礼にあなたの分二つ買っていいし、お釣りもあげるから。」

桑古木:「まあ、それなら悪くないか。分かった。じゃあ行ってくるよ。」

−そして桑古木、ケーキ屋へ−

桑古木:「ええっと、どれにしようかな。じゃあこのショートケーキとチーズケーキ、それと・・・それと・・・ニャン。」

店員:「え?ニャン?」

桑古木:「え?何か俺おかしなこといいました?」

店員:「あ、いや・・・。」

−注文した品を受け取り、勘定を済ます桑古木−

店員:「ありがとうございます。2457円のお返しです。」

桑古木:「どうも・・・。」

−だが、その時対応した女性の店員が妙ににやけた表情をしているのが気になる桑古木・・・−

店員:「それでは、ありがとうございました。お客さん、結構似合ってますよ♪」

桑古木:「はあ?」

−商店街を歩いていく桑古木。だが、周囲の視線がチラチラと向けられているのに気付く。−

通行人:「(小声)何よあの人・・・。男の人なのにあんなの付けてるの?」

通行人:「(小声)でも結構いい男だし、意外と似合ってるかも♪」

桑古木:「(一体何なんだよ?そんなに俺が目立つのか?慌ててきたから、白衣着たままだったけど・・・。)」

???:「うぐぅ、そこのひとどいて〜!」

???:「こらあ!待て〜!返せ〜!」

桑古木:「え?うわあっ!」

−走ってきた少女と見事にぶつかる桑古木−

桑古木:「おい、大丈夫か?」

天使?:「う、うん、ボクは大丈夫・・・わわっ、助けて!」

桑古木:「お、おい?」

−桑古木の後ろに隠れる少女・・・−

親父:「はあはあ・・・。今日という今日は逃がさんぞ。」

天使?:「うぐぅ、助けて・・・。」

桑古木:「な、何なんだ?」

−目の前の親父と少女を交互に見比べる桑古木。親父の格好と、少女の手にした紙袋からある程度の事情を察する・・・。−

桑古木:「やれやれ・・・。そういうことか。おい親父さん、これで足りるかい?」

−親父に千円札を差し出す桑古木−

親父:「え?ええ、でも、あんた・・・。」

桑古木:「細かいこと気にすんなよ。払えばいいんだろ?その子、俺の知り合いなんだ。」

親父:「そ、そうかい・・・。じゃあ、今日はこれで帰りますが、その子にはよく言い聞かせてやって下さいよ。」

桑古木:「ああ・・・。分かってるよ。」

−お釣りを渡して、引き上げていく親父。−

天使?:「ふう・・・。助かったよ。お兄さん、ありがとう。」

桑古木:「助かったじゃないっ!」

−ゴツン!桑古木のゲンコツが炸裂・・・−

天使?:「うぐぅ、痛いよう・・・。」

桑古木:「その様子だと、お前お金払わずに食い逃げしてきたな?」

天使?:「うん・・・。ご、ごめんなさい・・・。」

桑古木:「今日という今日は大目に見てやる。だけど、次こんなことしたらゲンコツくらいじゃすまないぞ?分かったな?」

天使?:「は、はい・・・。」

桑古木:「分かったら行けよ。もうこんなイタズラするんじゃないぞ?」

天使?:「う、うん・・・。もうしないよ。今日は本当にありがとう。それじゃネコのお兄さん、さようならっ!」

桑古木:「ああ、それじゃあな・・・って、ね、ネコのお兄さん!?」

−ショーウィンドウに顔を移す桑古木。そこには、ネコ耳が生えた桑古木の顔が写っている・・・−

桑古木:「こ、これが、俺の顔?ということはさっきの店員のにやけた表情も、周囲の視線もこいつのせいか!?
     うわあーーーーーーっ!どうなってんだよ一体ーーーーーーーっ!?」

−全速力で研究所へ向かって走り出す桑古木。そして、研究所の庭では空が掃除をしている。−

空:「あら、桑古木さん。お使いごくろうさまです。あら?あらら?」

桑古木:「空ーーーーっ!こいつを何とかしてくれーーーーっ!」

−自分のネコ耳を指差す桑古木。−

空:「あらあら・・・。つまりそういうことですか。つまみ食いはダメですよ、桑古木さん♪」

−ニコニコと微笑んでいる空・・・−

桑古木:「この非常時に、何のんきに構えてんだよ?」

空:「別に非常時というほどのものではないと思いますが・・・。でも、意外と似合ってますよ、桑古木さん♪」

桑古木:「似合うとかどうとかそんなことは別にして、はやく元に戻してくれよ・・・。」

空:「大丈夫ですよ。そろそろ効き目が切れますから。この道具の効果は、せいぜい5分です。」

桑古木:「え?」

−ポン、と音がして、その瞬間桑古木のネコ耳が消える・・・−

桑古木:「あ、本当だ、もう何も無い・・・。ところで空、つまみ食いしたのは俺が悪いと思うけど、あのビスケットは何なんだよ?」

空:「ああ、あれですか。あれは、“動物部分変身ビスケット”です。」

桑古木:「部分変身?ってことは、さっきのあれは・・・。」

空:「桑古木さんは、ネコのビスケットを食べましたからその一部分として、ネコ耳が出てきたというわけです。」

桑古木:「なるほど・・・。じゃあ別の動物のビスケットを食べても、その動物と同じ部分が一定時間現れるということか?」

空:「そのとおりです。例えば、ほら・・・。」

−何故か袋に入れて持っていたビスケットを一つ口に入れる空。空が食事を食べられるかどうかはツッコミ入れないでね。(作者)−

空:「ほら、この通り。」

−空の背中に、大きな白鳥の翼が出現する−

桑古木:「なるほど、白鳥型ビスケットだな。」

空:「で、どうです?似合ってます?」

桑古木:「・・・イメージとしては似合いすぎてるよ。(苦笑)」

−この後、事情を説明する桑古木−

空:「あらあら・・・。既に倉成さんにお茶菓子として出してしまわれたんですね?」

桑古木:「そうなんだよ・・・。どうにかならないか?」

空:「別に変身しても身体には無害ですから、問題は無いですよ。」

桑古木:「ならいいんだけど・・・。ところで空、この道具が登場する本編に関して質問があるんだが、いいか?」

空:「何でしょう?」

桑古木:「この道具って、何のために作られた道具なんだ?」

空:「さあ・・・。変身時間が5分という短さから、幼稚園のお遊戯や、小学校の学芸会にでも使われるのではありませんか?」

桑古木:「作者の兄貴も、そんなことを言っていたような・・・。それともう一つ。
何でこの道具は、“部分変身”で本編のように動物そのものには変身しないんだ?」

空:「桑古木さんに現れたのが“ネコ耳”だったことを考えれば、聞くだけ野暮というものですよ♪」

桑古木:「ははは・・・。(苦笑)」

空:「それより、監視カメラで先生と倉成さんがどのような動物に変身するか見てみましょう♪」

桑古木:「・・・お前、こうなるのを予想して給湯室に置いていたな?」

−映像に、楽しそうに談笑している優春と武の姿が映っている。
 そして数分後、優春にウサギ耳が、武にオオカミの耳が出現・・・−

空:「うふふ・・・。田中先生。早く逃げないと食べられちゃいますよ♪
もっとも、ご本人はそれを望んでいるかもしれませんけどね。」

桑古木:「食べられるって、オイ・・・。(苦笑)」

−そして数分後、今度は優春に豹の耳、そして武に虎の耳が・・・−

空:「これもなかなか面白いですね。豹は妖艶な女性のイメージですし、イメージカラーはイエローですから。
倉成さんには虎ですか・・・。“孤高の虎”カッコイイ倉成さんにはお似合いです♪」

桑古木:「別に武は、“孤高”というイメージじゃないと思うぞ・・・。」

−そして更に、優春にキツネ耳、武にハスキー犬の耳が出現・・・−

空:「これもまた、早く逃げないと食べられてしまいますね♪」

桑古木:「・・・妙に都合の良い形のビスケットを二人が食べてる気がするのは偶然か?」

−そして1時間ほどが経過・・・−

武:「それじゃあな優。桑古木も、美味しいケーキありがとさん。」

桑古木:「ああ、またな。」

空:「あ、待ってください倉成さん。」

武:「何だ?空。」

空:「これ、お土産です。よろしければ、小町さんに渡してあげてください。」

武:「つぐみに?何だ珍しいな・・・。空がつぐみにお土産だなんて。
まあいいか、わざわざありがとな。」

空:「それでは倉成さん、お気をつけて。」

桑古木:「空・・・。あれってさっきの変身ビスケットだろ・・・?
同じ形の物ばかり入っていた気がするけど、一体何型ビスケットを入れたんだ?」

空:「コウモリ型ビスケットです♪
あ、そうだ、敵襲に備えて、着替えてきませんと。」

桑古木:「て、敵襲?」

−十分後、背中に大きな白鳥の翼を生やし、白い純白のワンピースを身に纏い、弓矢を持った空が更衣室から出てくる・・・−

桑古木:「・・・お前が食べたのは、さっきの白鳥型ビスケットだな?つぐみに送ったのはコウモリ型ビスケット・・・。
そしてその格好、まさか・・・。」

空:「桑古木さん、もうすぐ天使と悪魔の愛を賭けての頂上決戦が始まります。
危険ですから、半径5キロメートルより外へ避難して下さいね♪」

桑古木:「お前なあ・・・。(呆れ)」

−その頃、倉成家では・・・−

つぐみ:「きゃあ!ちょっと何するのよ、武?」

武:「いいから動くなって。髪をこうして、こういうメイクを施して・・・。」

つぐみ:「私は、デ〇ルマンレ〇ィーの不動ジ〇ンじゃなーーーーーーい!」

武:「抜群のスタイルとロングの黒髪で、イメージとしてはピッタリなんだけどな。」






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