空の秘密道具騒動その6 鳴きの虎 |
−夏休み、避暑地の優春の別荘にて− メンバー紹介 E17:田中親娘、ホクト、沙羅、桑古木、空、ココ R11:ゆに、穂鳥 ココ:「わあ♪綺麗な場所だね〜。」 ゆに:「こんな素敵な場所で過ごせるなんて、楽しみだね。」 優秋:「そういえばこの近くに、綺麗な川があったわね。」 空:「田中先生が言うには、この近くでは蛍も見られるそうですよ。」 ホクト:「じゃあ、みんなで夜に見に行こうか。」 穂鳥:「(手話)それは楽しみですね。」 沙羅:「田中先生が、暫く川の方で遊んできたらって。」 ココ:「じゃあ、みんなで泳ごう♪」 一同:「さんせーーーーーい!(一人は手話♪)」 優春:「この村の境界を出たらだめよ?この時期は魔化魍が出やすいから。」 一同:「はーーーい!(一人は手話♪) 桑古木:「来るまでにも汗かいたしな、じゃあ涼んでくるか。」 優春:「待った!」 桑古木:「ええっ?なんだよ優!?」 優春:「あんたはここに残るのよ!はいこれ。」 桑古木:「あ?何だこれ?ええっと、箒と塵取り、ハタキ・・・、ってことは・・・。」 優春:「この別荘、暫く使ってなかったから、掃除が必要なのよ。」 桑古木:「・・・避暑地でも結局俺の役目はこんなのかい。」 優春:「じゃあね。この部屋頼むわよ。」 桑古木:「ああ、分かった・・・ってちょっと待てーーーーーー!」 (数分後・・・) 桑古木:「・・・何だ優、それに空も・・・。その小中学校の給食当番みたいな格好は・・・。ご丁寧にマスクまで付けて・・・。」 優春:「見れば分かるでしょ。これから大掃除するんだから、埃を被らないようにするのよ。はいこれ、あんたの分。」 桑古木:「・・・さっきは着替えに行ってただけか。安心したぜ・・・。」 優春:「ちょっとあんた・・・。まさか私があんた一人に掃除を押し付けて遊びに行くほど薄情な女だとでも思った?」 桑古木:「いや、いつもこのパターンが多いからな・・・。」 優春:「あんたに毎回雑用させてる時に、私だって遊んでるわけじゃないわよ!」 桑古木:「・・・夏祭りの時は、俺に大太鼓任せて遊んでただろーが。」 優春:「あれは魔化魍退治のための修行とバイトでしょ。とにかく、無駄話してないで、子どもたちが戻る前に終わらせるわよ。」 桑古木:「なあ優・・・。一つ聞きたいんだが。」 優春:「何よ?」 桑古木:「なんでわざわざ、そんな趣の無い格好なんだ?掃除や家事をするなら、“お約束”の服装の方が・・・。」 優春:「何よ、見たいの?(含み笑い)」 桑古木:「ああ、そりゃ勿論・・・って、何言ってんだ俺?」 優春:「冗談はともかくとして、この別荘和風建築だから、あの格好は不釣合いでしょ。」 桑古木:「なるほど・・・。それともう一つ。武とつぐみはどうしたんだ?」 優春:「仕事が終わったら、夕方にここに来るって言ってたわ。」 −2時間後、掃除終了・・・− 桑古木:「はあ、もうクタクタだぜ・・・。」 空:「桑古木さん、お疲れ様です。麦茶をどうぞ。」 桑古木:「・・・ありがとな。」 優春:「桑古木、のんびりするのはまだ早いわよ。」 桑古木:「ええっ!?まだ何かやるのか?」 優春:「子どもたちがお仲空かせて帰ってくるでしょうから、食事の支度が必要でしょ。今日は庭でバーベキューするわよ。 というわけで、あなたは空と二人で、肉を細かく切ってて。私は周辺の農家から野菜類を調達してくるわ。」 桑古木:「・・・俺達は休む暇が無いよな。ここは避暑地なのに・・・。」 優春:「私達は引率兼保護者なんだから、愚痴らないの。折角遊びに連れてきたのに、働かせたら悪いでしょ。大人なんだから、我慢しなさい。」 桑古木:「へいへい。」 −というわけで、バーベキューも無事終了。そして夜・・・− 武:「ふう、やっぱり夏はビールと枝豆、冷奴だよな。さ、桑古木もグッとやってくれ。」 桑古木:「おっ、悪いな武。」 (優春、井戸の近くにて・・・。) 優春:「さてと、スイカも9時頃には冷たくなるかしら。それじゃ、そろそろ戻って・・・あら?そこにいるのはホクト?」 ホクト:「あ、田中先生。」 優春:「どうしたの?こんなところに一人で。」 ホクト:「実は今晩、みんなで怪談することになったんです。でも、僕はあんまり怖い話を知らないから・・・。」 優春:「なるほど、それで頭を悩ませているわけね。」 ホクト:「田中先生、何か怖い話を知りませんか?」 優春:「そうね・・・。昔々、おばあさんが山奥に一人で住んでいたの。重い病気にかかって七日目に・・・。」 ホクト:「あのー、それで七日目の病気が治って、七日ぶりに食べたご飯が強(こわ)かった(方言で、“固い”という意味) とか言うんじゃありませんよね?」 優春:「え?あ、あはは・・・。バレちゃったみたいね。ゴメンね、実は私もあまり知らないのよ。倉成か、空にでも聞いてみたら? それから、ネタにはなるかもしれないから、この本あげるわ。」 −著書名「リ○グ」 角○ホラー文庫− ホクト:「あ、ありがとうございます。」 −早速居間に入るホクト・・・− ホクト:「お父さん、ちょっと話が・・・」 武:「ぐかーーーー・・・・・。」 桑古木:「ぐー・・・ぐー・・・ぐー・・・」 つぐみ:「ZZZZZZ・・・・ううん、武・・・」 ホクト:「だめだこりゃ。(笑」 −居間でさっきの小説を読んでいるホクト・・・− ホクト:「ふう、一通り読み終えたけど、もっと他に無いかな・・・。」 空:「あら、ホクトさん。どうしたんですか?こんなところで。」 ホクト:「あ、空さん。実は・・・。」 −一部始終を説明するホクト− 空:「なるほど、怖い話ですか・・・。」 ホクト:「うん、どうにかなりませんか?」 空:「そうですね・・・。私はあまり詳しくはありませんし・・・。あ、そうです。いい道具があります。」 ホクト:「え?」 空:「これは、怪談ラ○プといいます。これを出して怖い話をすると、そのとおりの出来事が起こるんです。」 ホクト:「そ、空さん・・・。それで、お化けに襲われるとかいうことにはなりませんよね!?(震」 空:「命に関わるような事態には決してなりませんから、安心してください。とりあえずは、楽しめると思いますよ。」 ホクト:「ありがとうございます。」 −そしてその夜・・・。− (怪談に集まったメンバー、優秋、ホクト、沙羅、ココ、ココに無理矢理起こされた桑古木(笑)、ゆに) 優秋:「蝋燭も用意したし、それじゃ始めるとしますか。」 沙羅:「それでは、皆の者をたっぷりと怖がらせるでござる。」 ココ:「ココも負けないよ♪」 ゆに:「じゃあ、一人目は誰にする?」 優秋:「大事なお皿を割ったので、お菊さんは殺されて・・・。そして夜になると井戸からいちま〜い、にま〜い・・・」 ゆに:「お菊さんだけど、実はこんな落語にも使われているんだよ。」 ココ:「え?どんなのどんなの?教えて。」 ゆに:「お菊さんは怖い幽霊だけど、美人だという評判だから、夜中に見に行く男の人が多かったそうなんだ。 そしたらある日、お菊さん、皿を18枚まで数えたんだって。何で18枚数えたのって聞くと、お菊さんは、 明日お休みするから、今日のうちに18枚まで数えたって答えたそうだよ。」 ココ:「にゃはははははは♪」 ホクト:「なるほど〜、それは傑作だね。」 桑古木:「・・・おい、俺達は怪談をするために集まったんじゃないのか?いつの間にか寄席になってるぞ?」 一同:「あ」 −その後、のっぺらぼう、鬼婆などの話が出るが、盛り上がりに欠ける・・・− ゆに:「何だか聞いたような話ばかりだね。」 沙羅:「ちっとも怖くないでござる。」 ホクト:「今度は桑古木さんの番だよ。何か無いかな?」 桑古木:「ええっと、そうだな・・・。アメリカのニュージャージー州にクリスタル・レイクという町があって・・・」 作者:「・・・怖いというより物騒だから止めとけ。」 桑古木:「何だよ・・・。いちいち出てきてケチつけるなよ。じゃあ、アメリカにエルム街という街があって・・・。」 作者:「・・・それもこの御時世に物騒だから止めとけ。」 桑古木:「うるせーな・・・。それで、ホッケーマスク男とカギ爪男の世紀の大決戦は・・・。」 ココ:「で、で、どっちが勝ったの?」 ゆに:「パワーならホッケーマスク男、テクニックならカギ爪男だね。」 作者:「・・・もうホラーじゃねーよ・・・・。面白かったけど。」 ホクト:「・・・だいぶ話が脱線しました。読者の皆さんに、この場でお詫び申し上げます。」 −数分後・・・− ココ:「最後は、ホクたんの番だよ。」 ホクト:「じゃあ早速、これの出番だね。」 −怪談ランプを取り出すホクト・・・− ホクト:「・・・じゃあ、始めるよ?」 一同:「(ゴクリ)」 −そのころ、庭では・・・− 優春:「あら、穂鳥ちゃんじゃない。怪談には参加しなかったの?」 穂鳥:「(手話)怖い話が苦手なんです。」 優春:「そう・・・。まあ、しょうがないわね。女の子ですものね。」 穂鳥:「・・・・・・」 優春:「そうだ、穂鳥ちゃん、井戸の桶の中に、スイカを冷してあるのよ。悪いけど、取ってきてもらえる?」 穂鳥:「・・・(こくこく)・・・」 −井戸へ向かう穂鳥・・・− ホクト:「で、貞○は殺されてしまい、井戸へ投げ込まれ・・・」 −何とか桶を引っ張り上げた穂鳥。だが、その後立ち眩みがして・・・− 穂鳥:「!?」 −井戸の中へ落ちてしまう穂鳥・・・。そのご、ドボンと大きな音が・・・!− 優秋:「な、何?今の音!?」 沙羅:「な、何か井戸へ落ちる音がしたでござる・・・。」 桑古木:「あ、ああ、確か優が、スイカを井戸で冷しているとか言ってたな・・・。大方、スイカを落としたんだろ。」 ホクト:「スイカが落ちたとしては、大きな音だったけど・・・。」 −話の再開・・・− ホクト:「で、井戸から貞○が這い出してきて・・・。」 −ピチョン・・・ピチョン・・・水の滴る音が・・・− 優秋:「い、井戸の方から水の滴る音が聞こえてくるわよ!?」 沙羅:「ま、間違い無く何かがいるでござる・・・。」 ゆに:「ぼ、僕、行って確かめてこようか?」 ココ:「ダメだよ!みんなで一緒にここにいなきゃ・・・」 ホクト:「・・・それで、両手両足を付いたままの貞○がこっちに向かってきて・・・。そして顔を上げると・・・。」 一同:「!?」 −月明かりに照らされて、障子に長い髪の何かが写る・・・。そして、襖が開くと・・・− 一同:「うわあーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!」 一同:「きゃーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!」 ホクト:「え?、ほ、穂鳥ちゃん!?」 一同:「!?」 穂鳥:「ぐすっ・・・。ひっく・・・。」 桑古木:「ああっ!穂鳥ちゃん、足に怪我してるぞ!」 ココ:「ココ、すぐに救急箱持ってきてあげる!」 −とりあえず治療は終了・・・− 桑古木:「なるほど、スイカを井戸から引っ張り上げる時に、井戸に落ちちゃったのか。」 優春:「それで、床を這ってここまで来たというわけね・・・。」 ゆに:「災難だったね。穂鳥、大丈夫?」 ココ:「お布団敷いたから、横になってた方がいいよ。」 穂鳥:「(手話)ありがとう。」 ホクト:「(もしかして穂鳥ちゃんが怪我したのって僕のせい?穂鳥ちゃん、ごめん・・・。)」 空:「皆さん、スイカを切ったのでお持ちしました。あら、怪談はもう終わったんですか?」 一同:「あ、あはは・・・。」 −後日談− 優春:「明日はこの村の夏祭りよ。浴衣は用意してる?」 一同:「はーーーい!」 優春:「それなら大丈夫ね。それから、お祭のゲストでこの村に来てもらった赤鬼、青鬼、黒鬼の3人が 太鼓、トランペット、ギターを使って特別ライブをやるそうよ。」 桑古木:「この時期、あいつらは大変だからな・・・。」 −そのころ、3人の鬼は・・・− 赤鬼:「音撃打 灼熱真紅の型!」 青鬼:「音撃射・疾風一閃!」 黒鬼:「音撃斬・雷電激震!」 |
あとがき ・・・結局今回も秘密道具騒動を書いてしまいました。一応、連載も進めてはいるんですけどねー。 ちょうど時期が時期なので、どうしても書きたくなっちゃいました。(汗 後日談のネタは、かぱちゃぱさんに捧げます。(笑 |
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