俺たちは進んでいる。
自らの「死」を得るために。









それは
   「罪滅ぼし」
         なのかも知れない。











しかし、そんなことでは「足りない」ことを知っている。
・・・やはり俺たちは馬鹿なのかもしれない。











俺たちは"ここ"に来た時点で 
             「罪」
                を犯した。






そう、






今まで、誰もやったことのないような・・・・。



無限ループは終わらない〜The endress of infinity〜
                              横右


第4話:贖罪の儀式



                        

陸「久しぶりだな。会うのは。」
日「そうね・・・。60年ぶり、ぐらいかしら。」
陸「だが、当然あっちは覚えていない。」
日「・・・・。」
陸「・・・・。」
日「そろそろつくわ・・・。」


ガラガラッ!
陸斗は病室の扉を開けた。

陸「よう。ココ、桑古・・・涼権。」
コ「あっ!たけぴょん&つぐみん!久しぶりだね♪」
日「そうね、ここ数日会ってなかったから・・・。」
涼「武もそんなに気を使わいでくれよ。前にも言ったろ?桑古木でいいって。」
陸「・・いや、しかしココはもう別姓を名乗らないんじゃなかったのか?」
涼「・・・・!」
コ「うん。ココは『八神ココ』から『桑古木ココ』になっちゃいました〜♪」
日「でも、どうして突然?」
コ「それはねぇ・・・パパとの約束なの。」
日「・・・約束?」
コ「パパがね、『結婚するんだったら、苗字だけはちゃんと旦那さんの苗字をもらいなさい』
  って言ったんだ。」
陸「うむ。やはりいつでもそういう伝統は残るもんだな。」
日「そういえば、この子達の名前、決めたの?」
涼「いや、それはまだ・・・。」
陸「やっぱり双子ってのは大変だよな。」
コ「うんうん。・・・産むのも大変だったんだよ?」
日「それ、分かるわ。やっぱり・・・」

日真理とココは出産時の苦労について語り始めた。日真理は実際二人ではないがその様子は見たことがあるし、見当がついた。

涼・陸「・・・・。」

取り残される二人。こういう時に男というのはとことん弱い。

陸「かーっ、俺はこういうときに取り残されんだよなぁ。」
涼「・・・どうして?」
陸「出産。立ち会えなかったろ?」
涼「・・・それは・・・・立ち会わなくて正解だったかも。」
陸「どうしてだ?」
涼「・・・あのココでさえ、出産のときはすんごく苛立ってたのに、つぐみなら・・・」
陸「・・・なんとなく、分かる気がする・・・。」

実際のところ、陸斗は日真理の出産に立ち会っているのでよく分かっているのだが。
その時のことは思い出したくないらしい。
あの日陸斗は仕事の都合で遅れてしまったのだ。
その時の日真理はまさに鬼神の如き怒りようだった。

涼「・・・少し外に出ないか?武。」
陸「・・・そうだな。」

居心地の悪い二人は、病室を出て行った。











と、







とたんに病室は静まり返った。














いくら子供たちが寝静まってるとはいえ、この静けさは異常だった。














病室を出た陸斗たちは、病院の人気の少ない庭に来た。


陸「しっかし、お前もいろいろ大変だったみたいだな。」
涼「・・・。」

涼権は黙っている。
陸「なんといってもあれか、とうとう父親になったってのが一番うれしくて・・・。」

とたんに陸斗は黙った。










後頭部に銃口を当てられたから。





涼「そう、うれしくてたまんないからこうするんだ。」
陸「・・・・。」
涼「ココはうまくだませたみたいだが、この俺はそうはいかない。
  失敗だったな。ライプリヒだろ?あんた。」
陸「・・・どうして、気づいた。」
涼「残念だったな。調べすぎがあだになったな。
  俺はまだ武には別姓の件は話してないんだよ。」
陸「・・・そうか。」
涼「しかし、お前は武に似すぎている。・・・一体何者だ?」
陸「・・・・。」

陸斗は答えなかった。
間違いなくコイツは真実を述べたら引き金を引く。
そしたら日真理は間違いなくあの病室にいるすべての生物を殺すだろう。 
そう、それが「過去に犯した以上の罪」であるとしても。

涼「まあいい。大方、クローン技術みたいなので生まれたんだろうな。じゃあそろそろ殺らせてもらうとするか。」
陸「・・・やめておけ。今俺を殺すと、無条件であいつに連絡が入りあそこにいる奴らが皆殺しにされるぞ?」
涼「なっ・・・・!」

今度は涼権が黙る番だ。
その沈黙は長い。
当然だ。


これは俺に服従するのに等しい決断なんだから。


涼「・・・何が望みだ?」
陸「・・・たいしたことじゃない。今日、田中研究所に来てくれればいい。
  時間は午後八時。もちろんココも連れて。子供たちは好きにしろ。」



そして、短い沈黙・・・。





陸「もし、こなかったときは
  俺らが子供たちを殺しに来る。」


長い、永すぎる沈黙が訪れる・・・。


涼権にとっては、あの17年に継ぐ、深い沈黙だった。


そして、






陸斗にとっても。










コ「・・・・・。」
日「・・・・・。」

お互いがお互いを牽制し合っている結果か、二人とも沈黙が続いている。

日「さすがは第三視点を持ってるだけあるわね。」
コ「・・・。」
日「あなたの第三視点能力は完全じゃない。
  だから倉成ホクトのようにブリックヴインケルの召還を行うための器にはなれない。
  しかし、彼のように不安定じゃないから、未来や過去を若干意図的に見ることが出来る。」
コ「ということは、ひまりんも・・・。」
日「そう、私も第三視点を持っている。あなたたちと違うのはそれが完全なだけ。」
コ「ライプリヒの人が何しにきたの?」
日「・・・ただ、用事を伝えただけよ。・・・もう済んだわ。お邪魔したわね。」
コ「・・・何もしないの?」
日「ええ。信じなくてもいいけど。・・・・それじゃあね。『花穂』『涼真』」




そのあと、二人は落ち合った。

日「遅かったわね。」
陸「どうだったんだ?」
日「・・・ココは私たちのことを知ってたわ。」
陸「そうか・・・。涼権は俺のドジった所を見極めてやがった。」
日「・・・さすがにあなたは知らなかったものね。いいわ、結果オーライってことで。」
陸「ふぃ〜・・・。お咎めなしとは珍しいな。」
日「じゃあそろそろ、行きましょうか。」
陸「ああ。」






日・陸「死に行く場所へ」








あとがき
ども、お久しぶり&初めまして。横右と申します。アクシデントの数々のおかげやテストの悲惨な結果のおかげで、すばらしいほど更新が止まってました。
今回はちょっと前作を見直して、読みにくいので少し改善してみました。いかかでしょうか?

今回の話は以前の話の更に上を行く、訳の分からん始まり方ですが最後に疑問は解けますのでご心配なく。
ココ&涼権編ということで、だいぶ年期の入った語りを展開していきました。(17年時のココなら絶対沈黙なんか作らないし。)
とりあえずここですべて明かされた子供たちのことを話しておきます。

    倉成可憐(秋香奈&ホクト) 石原流星(沙羅&尚人)  桑古木花穂&涼真(ココ&涼権)

となっています。陸斗や日真理みたいに名前に深い意味があるってことはありません。
次はバトルが入ってきます。(多分)乞うご期待!
では〜♪


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