2051年8月15日午後6時17分 新国連キュレイ種保護委員会委員長室


「…以上で引継ぎを終わる。いいかい?」
「…了承」
「よろしい。後のことは任せた。新国連特別区現地時間2051年8月16日午前0時より、君が新国連キュレイ種保護委員会委員長兼国際ノアプロジェクト遂行機構最高運営責任者だ。君の好きなようにしてくれて構わない。
 それでは、お別れだ。Good Luck!」






未来へと続く夢の道 ―エピローグ1 46年間の代償―
                              あんくん



〜トム&ジュリア〜





「どこに行っていたんだい、ジュリア?」
「返事はいつもと一緒よ、トム。『秘密の場所』」
「『女には秘密は付物』と繫ぐか。…似合わんな、お互い」
「そういう所ばかり似ていても、嬉しくないわ」
「同感だ」
 悪口雑言の応酬。新国連機関の委員長と首席補佐官の会話とは、とても思えない。
 増してこの二人が結婚して16年になる夫婦であるとは、だれも信じないであろう。
「さて、無位無官の民間人になった気分はどうかしら?トム」
「いい気分だ。もっとも、何日保つか分からないけど。『権力の水を飲むと、他の水は体が受け付けなくなる』と言うが、さて、僕はどうかな」
「私にとってはどうでもいいことだけど。とりあえず、私を巻き込まなければ」
「結局、それが言いたかったわけだな」
「正解」
 慣れた通路を廻り、そのまま新国連ビルの関係者用玄関へ。
 報道各社には事前に声明を発表し、直接取材をシャットアウトしている。
 第一…
「今日は世界中お祭り騒ぎだ。過去の人間に注目する余裕なんかないだろうしね」
「その仕掛け人が言っても、様にならないわ。どう?野望を叶えた感想は」
「…まだ、第一歩目だ。アルファケンタウリまではまだまだ遠い。それでも、人類が初めて太陽系を脱出した。まあ、悪い気分じゃないね」
 世界中が協力して建造した恒星間亜光速有人探査船『ノア』が、今日、太陽系第10惑星軌道の外へ離脱する。RFTL-TS(量子利用超光速通信・テレポーテーションシステム)も正常に稼動。実に予定より10年も早い実現であった。
 既に、『ノア』の二番艦である『フォーチュン』も建造がスタートしている。目標星系は、シリウス。
 太陽系内有人探査船も建造が開始され、遅くとも来年にはロールアウト。夢物語とされていたコロニー植民や太陽光エネルギープラントによる無限エネルギー計画が、現実に手の届く所までやってきていた。
 人類の未来の象徴としてノアの太陽圏離脱は捉えられ、世界中がTVに釘付けになっている。文字通り、世界中の目がその一点に集中していたのである。
 トム・フェイブリンは、あえてそんな日を自身の引き際としたのだ。15年に渡り事実上のノア計画の総責任者として辣腕を振るい、巨大な権力を欲しいままにした大物としては余りに寂しい終わりと世間は捉えるだろう。
「老兵は死なず。ただ去るのみね」
「言ってくれるねジュリア。僕がキュレイとなった理由、存在した証は十分に手に入れた。
 権力自体が最終目的の連中と一緒にしないでくれ。権力は正しく使ってこそ、生きる」
「…あら、いつから真人間になったのかしら?フリしたって誰も理解してくれないわよ、多分」
 言葉とは裏腹に、ジュリアは笑っている。いつもと違う、純粋な喜びの笑み。
「ふん。違いない。もはやどうでもいい事だけどね」

 流石に関係者用玄関には、幾人かの人影がある。そんな人々と挨拶を交わし、玄関を出る。
夏の夕暮れ。やっと空が赤くなり始めた時分。裏門前には、人影が無い。
そんな中…


  一瞬。閃光が、瞬いた。


 新国連特別区。そんな地域では有り得ないはずの、光。
 「どいて!!!」
 瞬時に反応したのは、ジュリア。
 光源とトムの間に割り込む。その直後、


 轟音と爆風が、静寂な空間を征服した。


 木の葉の様に吹き飛ばされる。
(くっ、携帯型ランチャー用の誘導榴弾、しかも対人近接信管かっ!)
 トムとて要人の端くれ、テロに備えるためにそれなりの軍事知識を有している。吹き飛ばされながら、冷静に凶器を分析していた。
 誘導榴弾。ミサイルランチャー用のミサイル弾頭の一種である。
 対人用に特化した弾頭であり、主に殲滅戦や無差別テロに使用される。だが、今回の弾頭はその目的で作られたものではない。
 対人近接信管。人体の赤外発熱に反応するタイプ。標的の遠赤外線放射のパーソナルパターンを入力すれば特定の目標に射ちっぱなしで自動誘導可能な上、命中直前に破裂。慣性のまま円錐状の範囲に弾片を撒き散らす。仮に射線から逃れられたとしても、その散弾から逃れる術は、無い。
 これからも判るように、このタイプの弾頭は要人テロに最も適した兵器の一つ。これの直撃を受けて、まず生きていることは考えられない。たとえ、キュレイでも。
 つぐみや武であれば、別であろう。だが、トムやジュリアのキュレイは『キュア』。即死してしまえばそれまで。外傷に対する耐性が低いのが『キュア』の泣き所なのだ。
 そして対人近接信管型誘導榴弾は、その性格上爆圧の指向性が強い。直撃しない限り派手に吹き飛ばされるはずが無いのだ。そして、直撃した場合身体は散弾に蹂躙される。だが、トムはその散弾を浴びておらず、それにもかかわらず吹き飛ばされた。その事が暗示する事実は一つ。
 自身が吹き飛ばされたのではない。吹き飛ばされた何かが自身に激突し、共にその衝撃で吹き飛ばされたのだ。そしてその『何か』の可能性は、一つしかない。
 そして、そこから導き出される結論に至った瞬間。



 トムの理性は、吹き飛んだ。



 衝撃。地面に叩きつけられる。運よく着地したのは土の上。多分、花壇だろう。
 
 だが、そのような分析など、最早トムの頭には無かった。
 自身の腕の中にある、力を失った身体。
 目を開けようとする。が、多分破片がかすったのだろう。視力が戻らず、極僅かな範囲しか見えない。その僅かな視界の中に。
 唇から血を流した、妻の顔があった。
「…どうして、なんだよ。どうして、よりによって…今日なんだよ…」
 その言葉に反応したのか、ジュリアが僅かに目を開く。微かに唇が動くが、声は出ない。

(ト ム だ い じょ う ぶ だっ た)

 読唇術で、妻の言葉を読み取る。二人だけの暗号。あえて日本語で覚えた読唇術。
「馬鹿。こんな時まで、僕の心配をするんじゃない!!!」

(よ かっ た)

「だから、何でだよ。46年間、苦労だけ掛けてきてどうして最後がこれなんだよ!!!
 僕なら分かる。…だけど、何でジュリアなんだ!おい、神様よ、あんたは僕の最後の宝物までを不幸にする気か!」

(わ た し の こ と は き に し な い で)

「頼むから、そんな事、言うな…頼むから、生きてくれよ…。
 おい、神様だろうが悪魔だろうが誰でもいい!ジュリアを、返してくれっ!何でもするから、僕の出来ることなら何でもするから。だから、だから…」
 



     「死ぬんじゃない!!!ジュリアーーーーーーーーーー!!!!!!!」



       肺腑の全ての空気を吐き出した絶叫が木霊し―――








            「聞いたからね、トム。男に二言はないんでしょ?」





 一瞬にして、舞台は変転した。


「な、な、な………」
「ほら、手を貸しなさいよ。相変わらず粋とは無縁ね、トムは…ごほっ、ごほっ」
 上半身を起こしかけて、火がついたように咳き込む。
「―――強がるのは大概にするんだね」
 ゆっくりと背中を抱え、上半身を起こしてやる。
「はあ、はあ…全く。助かったのはいいけど、あばらの一、二本は持っていかれたかも。本当に無茶苦茶させてくれるわ」
 少しずつ、視力が戻ってくる。ジュリアの上半身は、醜く黒こげて…
「なんで、そんな有様で生きている?」
「ああ、これね。外すの手伝ってくれる?」
 前半分を吹き飛ばされたサマーコートを脱がせる。その下には…
「ほら、さっさとバックル、外してくれないと」
 強化ケプラー製のベルトを止めている、強化チタニウム製のバックルを外してやる。

 ガラン…
 高性能軟性衝撃吸収素材で裏打ちされた、スペースチタン製のブラストプレートが地面に落ちる。表面は焼け焦げてあちこちがへこみ、周囲に硝煙臭を放っている。
「…待て。対人近接信管付の誘導榴弾だぞ?胸当て程度で防げるわけが無い!!!一体どうしたって言うんだ!?」
 トムは、混乱の極致にあった。妻が助かったのは嬉しいが、全く理由不明。いつもの冷静さのかけらも無い。
「ふふっ。いままでトムのご高説ばかり拝聴していたけど。どう?逆の立場の感想は」
 ジュリアが、笑う。いつもの、少しゆがんだ笑い。
「そんな事、どうでもいいだろ…」
「嫌。意趣返しの一つや二つ、しても天罰はこないわよ。種明かし、聞かせてあげる。
 トム、『リアクティブ・アーマードメント』って知ってる?」
「あれは軍用艦船用の防御システムだろうが!それに現代戦において『爆砕防御』なんて旧式な防御手段など間に合わない。なんでそんな事を…ってまさか!!!」
「あら、残念。もうちょっと悩んでくれると思ったのに。つまらないわ」
 心から残念そうにジュリアが呟く。
「その胸当ての目的は、散弾の防御ではなく爆圧の緩衝にあったんだな」
「正解。もう吹き飛んじゃったけど、この胸当の表面には指向性のオクトーゲン爆薬が付けてあってね。タイミングを合わせて点火してあげれば…どかーーん!」
「所詮誘導弾だ。オクトーゲンの爆風を浴びれば、少質量の弾頭など吹き飛ばされちまう。だから、弾片一つ浴びちゃいないと。僕に掠ったのは、吹き戻しのカマイタチか」
「面白くない。ここまで正解されちゃ、優越感に浸る間も無いじゃないの。
 しかし、まあ派手に吹き飛ばされたものね。これで指向性が一番だっていうんだから、さぞ玄関前はすごいことになっているでしょう」
「まったくだ。この状況じゃなきゃ、死体の山が出来てるぞ…」
 着弾点から狙撃点を結ぶ鋭角円錐の範囲に、大量の散弾が散らばっている。幸いそのエリアに人はおらず、人的被害はない。ただ、めりこんだ散弾の処理が終わるまでその場所は使用できないであろう。


 その時、遠くからサイレンの音。だれかが通報したのか、救急車が敷地内に入ってくる。
「あらら、やっとご到着か。新国連の危機管理も落ちたものね」
「…信用しないんだろ」
「当然。第一、既に対応してるんでしょ」
「緊急ビーコンは送信済み、返信有。RFTLだからジャミングの可能性も無い。今ごろ…ほらな」
 花壇の脇の2人が伏せる。
 救急車のドアが開き、救急隊員が駆けつけようとした時。
 突然彼らはよろめき、ばったりと地に伏した。
 首には、麻酔弾。
「…善良な人たちだったらどうするの?」
「全身の健康診断付きで帰してやるさ。労災のおまけを付けて」
「結局、一時間も保たなかったわね。『無位無官の一般人』は」
「一時の事だ。また直に一般人に戻るさ」
 剣呑な会話を平然と続ける2人の周りに完全武装した新国連の武装警護兵の一団が現れ、周りを取り囲む。
「ボス。制圧完了。防衛陣、既に構築終了しています。スナイパーは追跡中…どうされます?」
 リーダーと思われる人物がトムに近寄って耳打ちする。
「今捕まえても服毒自殺されるのがオチだ。泳がせろ…どうせ敵方と接触する。―その時は、しくじるなよ」
「了解。『月女神の猟狼』の力、見せて差し上げましょう」
「その台詞は後任に言ってくれ。僕が命令するのは、これが最後だからね」
「で、この後どうされます?」
「せっかくの救急車だから利用させてもらう。医療兵と通信兵を借りるよ。発信機その他の特定は?」
「特定済です。撹乱、欺瞞工作準備も完了しています」
「さっそくやってくれ。本物は僕の家に。暫く死んだ振りをさせてもらうよ」
「…了解しました。その方向で」
 何時の間にか、新国連ビルの窓は全て防弾・防爆シャッターが降りている。恐らく爆発と同時だろう。二流の要人が保身だけは長けているのは、何時の時代も同じである。
 それ故、この顛末を見届けた者はほとんどいないはず。監視カメラの映像も既に欺瞞工作で偽造されていることだろう。
(この状況なら、全貌が見えるまで死んだことにするのが一番だ。死者は殺す必要はないからな)




2051年8月16日(日)午後8時00分 フェイブリン家



 フェイブリン家は、高級住宅街にある。
 職権を乱用することはなかったトムであったが、利殖の才には長けていた。
 法律や道義則に従った真っ当な投資により、彼自身は十二分な富を築いている。その中から定期的に福祉事業やキュレイ保護・同和事業へ寄付を行っていることもあり、この点で彼が攻撃されたことは無い。
 建物こそそれなりだが、華美な装飾等は控えられている。そんな建物の中でもっともお金がかかっている部屋。
 医療セクションのベッドに、ジュリア・フェイブリンが横たわっていた。
 既に信頼できるキュレイの医師の診察が終わり、ジュリアには鎮痛剤が投与されている。ジュリアが言ったとおりあばら骨を3本骨折していたが、幸い肺にダメージは無かった。
 口から血を流していたのは、衝撃で口内を噛み切ってしまったためと、吹き戻しのカマイタチで唇を切ってしまったためだった。
 「キュア」のキュレイシンドローム持ちなら、2・3日もすれば完治する。そんな医師の診断と処置に、トムは心から安堵したのであった。


 テレビでは、トム・フェイブリンの襲撃事件がニュースになっている。その中で本人は面会謝絶の状態であると明言され、犯人も背後組織も不明という形の報道が繰り返されている。
 通常なら特別番組もあるかもしれないが。この日は『ノア』の話題で持ちきりであり、トムがこの日辞任したこともあってあまり大きなニュースとして扱われていない。
 そんな状況の報道をBGMにして。

「…ジュリア、答えてくれ。なんであんな真似をしたんだい?」
 ベッドサイドの椅子に腰掛けたトムが、訊いた。
「ああ、あのリアクティブ・アーマーね。…実は、あれは私が準備したものじゃない」
「!」
 驚きの表情を浮かべるトム。
「あら。あなたも驚くことがあるのね。これだけ長い間傍にいても、気づかなかったわ。
 トムが後任者と話している間に、トイレに行ってたんだけど。その時、ある女性に話しかけられたのよ。
『貴女、今のままだと死ぬ』ってね。
 で、その女性に行き先を指定されて。その場所で、別の人間からあのブラストプレートを受け取って使用法のレクチャーを受けた訳。
 不思議なひとだった。こんなことを言っていたわ。
『初めて、身内以外の死で7日間がループした。…あなたが生きるのは、私達に必要な決まり事。だから、死なないで』って」
「…ループ?時空能力者なのか?」
「知らない。だって聞いてないから。あの時点では私の味方、それで十分よ」
「………そう、だな。『彼女』のお蔭でジュリアが生きて此処に居る。それ以上、詮索は無用だね」
 トムの表情に、曇りの無い微笑が浮かぶ。
 それに合わせて、ジュリアも微笑み、



「じゃあ約束、守りなさいよ。『僕の出来ることなら、なんでもする』って、あなたは確かに言ったわよね?」



 決定的な特大爆弾を、投下した。



「…おい、それは…」
「男に二言は無いんでしょう?それとも、トムは私にだけは嘘を付くのかしら」
「くっ…」
 笑いを吹き飛ばされたトムに対し、猫のようないたずらっぽい笑いで追い討ちをかける。

「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「…負けだね。いいよジュリア、好きにしてくれ。あの時そう心から思ったのは事実だ」


 無言の言葉の応酬の末、遂にトムは敗北を認めた。


「そう。分かった。それじゃあ、一つだけお願いするわ」
「一つでいいのか?」
「ええ」

 いったい何を言われるのやら。そう危惧していたトムの安堵の混じった応えに。



「じゃあ、お願いするわ。今後46年間、ずっと私の命令を聞きなさい」
「な、なにっ!」

…とんでもない願い。流石のトムが驚愕に顔を歪める。

「なによ、その顔。初めて見るわね、そんな表情は」
 極上の微笑みを湛えたまま、ベッドからトムを見上げるジュリア。
「2005年のあの日から、今日まで。私はトムの為だけに生きてきた。トムの枷にならないように、トムの力であるように、トムの夢を叶えられる様にと。
 でも、それもさっきでお終い。46年間の我慢の代償を払って頂戴、トム・フェイブリン。
 46年間の代償だから、46年間かけて返してもらうの。いいかしら?」






「…分かった。好きにしていいよ」
 永い永い沈黙の末。トムは…首を縦に振った。

「ふふっ。取り消しは利かないからね」
「男に二言は無い。どうせ無位無官の無職だ。時間だけはたっぷりあるし、付き合うよ」
 そして二人、顔を見合わせて

          「「ははっ、はははっ、はははははっ!!!」」

 盛大に、笑ったのだった。





「で、最初はどうしたいんだい、ジュリア」
 共に笑い疲れて肩で息をしながら。トムが優しく問いかける。
「そうねえ…世界のあちこちを、廻ってみたいわ。ただの一般観光客として、トムと…」
「ほう。思ったより…」
 ジュリアの言葉にトムが応えかけて…
「子供達と一緒に」


 今度こそ、トムの時間は停止した。


「って、何を」
「『って、何を』じゃないわよ。言葉のままじゃない」
「だって、僕らには」
「今は居ないけど、私が産めばいいじゃない。私達は、夫婦よ?」
 今日一番の、ジュリアの笑み。思わず逃げ出したくなるような、そんな笑み。
「私はね…本当は羨ましかったのよ。ツグミやユウが。家族が居て、子供達が居て、孫が居て。
 2005年のベッドの中で夢見ていた、私の夢の未来。小さい未熟な女の子のちっぽけで見果てぬ夢はね、今のツグミみたいな未来だった。
 もう手足も伸びきって、子供みたいな純真な心なんて無くしてしまったけれど。
 そんな私は、幼い夢は追ってはいけないのかしら?」
 ジュリアは笑っている。…見捨てられた幼い女の子の目で、笑っている。
 そんな妻を前にして。



「―――僕の野望は実現したから、次はジュリアの番だ…これもまた、大きな野望だね」

「ええ、大きな野望。だから46年間、付き合って頂戴」



 最低限の照明のみが施された部屋の中で。二つのシルエットは、一つに重なった。



                                        ― Epilouge 1 End ―
後   書


 エピローグ集の一番手。事実上のオリキャラ化していた、トムとジュリアの夫妻のお話。

 ちょっと、自分の作風とは違う導入をしてみました。彼らには、ああいう事も十分ありえると思いまして。

 二人揃って、『労多くして功少なし』を地で行っている存在です。縁の下の力持ち的存在ですので。


…最後は、恥ずかしいくらいベタになりましたが。まあ、ハッピーエンド主義者が書くとこうなると割り切ってくださいな。


 次のEP2は…不遇な『彼』の出番です。


 最後に、ここまで読んでいただいて、有難うございます。


 2006年7月15日  あんくん


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