〜SANTA AND ANGEL〜
                              作 BREAKBEAT!

エピローグ 約束の星

ココとのお別れしてから、5年後・・・リョウは結婚していました。
奥さんはユウという名の優しい氷の精霊です。
そして・・・今日は記念すべき日なのです。

「生まれたの、グフ!?」
「もぉー。あなた、なにやってるのよ?」
荒々しく扉を開け、その拍子にリョウは転んでしまいました。
慌てるのもそのはず、今日は、リョウの赤ちゃんが生まれた日なのです。
「オギャー!オギャー!」
籠の中から元気いっぱいな泣き声が聞こえました。
「あぁ、起きちゃったでしゅか〜。ごめんなしゃいね〜。もう、あなたが大声出すから、赤ちゃん起きちゃったじゃないの」
頭から身体まで、布で包まれた赤ちゃんを抱き起こし、あやすユウ。リョウはその姿を幸せそうに見つめます。
「女の子なのよ。抱いてみる?」
「もちろん!」
さっきから頭の中は赤ちゃんでいっぱいだったリョウは、嬉しそうに赤ちゃんを抱き上げます。
「この娘が、俺とお前の娘か・・・」
「えぇ・・そうよ」
新しい命の芽生えに感謝し、リョウは赤ちゃんに高い高いをしてあげました。
「ほ〜ら!たかいたか〜い!お父さんでちゅよ〜」
「もう、あなたったら」
楽しそうな一時を過ごす三人・・・
そのとき、赤ちゃんの頭を覆っていた布が外れました。
「え?」
頭にうっすらと生えたピンク色の髪・・・
「あ、その子ね、なぜか右手を開けようとしないの。どうしてかしら?」
「みぎ・・・て?」
確かに、赤ちゃんは右手をしっかりと握っています。
まるで・・・大事なものを握るかのように・・・
リョウは赤ちゃんの右手に触れました。すると、赤ちゃんはゆっくりと手を開きました。
右手の中の四つの小さな光・・・
あの日、リョウがココにあげた四つの小さな星・・・
「その子の名前も決めなくちゃね。可愛い名前がいいよね・・・?」
「・・・ココ・・・」
「へ?」
「ココ!」
リョウは赤ちゃんを抱きしめました。瞳に涙を溜めながら・・・
「ありがとう、ありがとう!」
「ちょ、ちょっと。あなた?」
「ありがとう。会いに着てくれて・・・ありがとう。覚えてくれてて・・・ありがとう!」
リョウはもう一度、しっかりとココを抱きしめました。もう二度と離さないように・・・もう二度と離れないように・・・
ココは・・・まだ開ききっていないその小さな瞳から、うっすらと涙を流していました。

外には、ゆっくりと雪が降っていました。
あの日とは違う、どこか嬉しそうな雪だったそうです。

〜Fin〜


あとがき

う〜ん・・・これがBB的にはナイスな終わり方です。
個人的にこんな終わりかた好きです!
はい、個人的趣味です!

いや〜涙もろい自分は話を想像中(構成中)に自分の話で泣いてました。
自分にもっとしっかりした文章力があれば、皆さん泣いていたかな?

ではでは〜♪


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