※ ちょっとえちぃ表現があるので、嫌いな方はご遠慮下さい。







「だぁー・・・・・・・・・・・・やっと昼休みだ。」
ここ最近の柔古木は忙しい。
優春が新しい論文を書き上げるために、寝る間も惜しんで研究を続けているのだ。
助手の桑古木は睡眠不足に喘いでいる所だ。
「あーあ・・・・・・・・・ってアレ。タバコ切れてる。」


カコン。
タバコの自販機でマルボロ赤を買っていると・・・・・・・・・・
「ねぇねぇ、どこ行くのー?ヒヨコゴッコしようよー。」
ココの声が聞こえる。誰かと一緒に歩いているようだ。
「ああ、いくらでもやってやるぞ。」
知らない男の声だ。ずいぶん重たく、図太い声だ。
「出来るだけ人気のないところに行こうな。」
「はーい。」
人気のないところ!!??変質者!!!
「オイコラ待て!!ココをどこへ連れて・・・・く・・・・・・・・・・・」
そこまで言って、柔古木は絶句した。
その男のヴィジュアルに驚愕し、戦慄したのだ。
鋭い眼光。そこら辺のチンピラなら土下座して逃げるだろう。
イカツい身体。ラグビーでもやって鍛えているのだろうか。
その身体を、黒のバイカー系ファッションで隠している。
しかし最も震え上がったのはそのヘアスタイルだ。
肩まであろう長髪を全て真上に逆立てている。まるで旧世代のパンクロッカーだ。
「あ?んだよ。」
重たい声で言う。
「あれー,少ちゃん。少ちゃんもヒヨコゴッコやるのぉ?」
「い、いや。そうではなく・・・・・・・・・・・・」
「あ、そうだ!紹介するね。ココのお兄ちゃんだよー。」
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お・・・・・・・・おにい?」
「お兄ちゃんだよっ!ね,アニイ♪」
「ああ。・・・・・・・・ところでテメェ、誰だよ。ショウチャン?」
「か、桑古木 涼権だよ。」
「ほーう。ココの知り合いか?」
「そ・・・・・そうだよ。」
「ふーん・・・・・・・・・・。」
少し舐めたように言う。
しかしその後微笑む。
「フッ・・・・・・・・・ま、いいだろう。俺は八神トールだ。よろしく。」


アニキィ!!!
                             HELLCHILD作


何だったんだアイツは・・・・・・・。
新しく買ってきたマルボロ赤(3本目)をふかしながら桑古木は考えた。
(ココに兄貴なんていたっけ?てか似てなさ過ぎ・・・・・・・・・)
確かに、あの凄まじいインパクトのルックスと、愛嬌たっぷりのココとは似ても似つかない。


数時間前・・・・・・

「じゃあ行くか,ココ。」
「はーい!!」
「ちょ、ちょっと待った!!」
どこへ行くつもりだ?
「?何だよ。」
「ココをどこへ連れてくんだ?」
「人気のないとこ。」
やっぱ危ないぞ、コイツ。
「何しに!?」
「ヒヨコゴッコだよ。なぁ、ココ?」
「うん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
なんでヒヨコゴッコをするのに人気のないとこへ?
「なんでそんな必要が・・・・・・・」
するとトールとか言う奴は、耳元で,
(大勢の前でヒヨコゴッコなんて出来るかよ!)
と囁いた。
「・・・・・・・・・・あ。」
「さあ、行こうぜ。」
「行こう♪行こう♪」

(・・・・・変質者じゃ無さそうだけど・・・・・得体が知れないなぁ、アイツ。)
椅子に座って煙草をくわえている姿は、傍から見ればカッコイイが・・・・・・・

バコン!

「痛って!!」
「サボってんじゃないわよ、桑古木。」
「痛つつ・・・・・・・・・・サボってねぇよ。」
殴られた。ここのところの優春はストレスが貯まっているのだ。
無論、桑古木がそのハケ口になっている事は言うまでもない。
「なあ、優」
「何?」
「あのさあ、ココに兄貴なんていたっけ?」
何気なく聞いてみた瞬間・・・・・・・・・

プシュン。

誰か入ってきた。
「! 八神さん!?」
「よぉ、優。久しぶりだな。チョクで顔会わせんのは2年振りか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・!!?!?!??!?!」
さっきのヴィジュアル系男がそこにいた。
しかも優春と親しげに会話している。
「いつ帰国したんです?」
「一週間前。計画が終わったらすぐ来るつもりだったんだけどな。
3ヶ月も遅れちまった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
唖然となった。まさか優春と知り合いだったとは。
「空にはもう会いました?」
「ああ、まだだ。今度挨拶に行かねぇと。」
「アレ・・・・・・・?お前確か昼に・・・・・・・・・・・・」
こっちを睨んできた。
「え?八神さん,もう桑古木と・・・・・・・・」
「おお。ついさっき。」
「あ、そういえば桑古木には紹介してなかったっけ。
この人は八神トール。ココのお兄さん。」
・・・・・・・・・・・・・・・
(それは知ってる。さっき聞いたよ)
つくづく信じられない話ではあるが。
「BW計画の事後処理に色々と手を貸してくれた人よ。」
「え?それは聞いてないぞ。協力者の名前は全て知ってるが・・・・・。」
「まあ、隠密に動いてもらったからね。」
「ああ。・・・・・・・・ん?」
ココ兄が優春の手の機材を見る。
「ああ。新しく論文を描くための研究をやってるんだっけか。」
「ええ。でもまだまだ突き詰めていかないと・・・・・・。」
「んー・・・・・。」
少し考えた後,
「よし、俺も手伝おう。」
「え?そ、そんな・・・・・・悪いですよ。」
「!?!?!???!!?」
このパンク野郎と一緒に仕事する!?
「なあに,時間はたっぷりとあるからな。・・・・・・・・・・オイ、なんてツラしてやがる。」
・・・・・・・・・・・・開いた口が塞がらない。
何かとてつもないことをしそうだ。
下手するとキレて暴れ回るんじゃないか。
「心配すんな。俺と優の二人でやっから、お前はどっか行ってろ。」
「!?!??!?!!?!??!?!!?!?!?!?」
・・・・・・・・・・・・・・・もっとタチが悪い。
この男と優春を二人っきりにさせたら何が起こるやら・・・・・・・・・・・
恐ろしくて身震いがする。


この部屋で作業を煮詰めているようだ。
あの男、何をしでかすか分かったモンじゃない。
外見で人を判断するのは良くないが,ちょっとアイツは得体が知れなかった。
(うーん、ちょっと声が良く聞き取れないな・・・・・・・・・・・おっ、ここからならよく聞こえる、なになに・・・・。)
・・・・・・・・・天井の排気口から様子をうかがう桑古木だった。


視点は変わって、田中優美清春香菜。
「ホントに大丈夫なのに・・・・・・。」
「まあ、そんなに遠慮すんな。こっちも好きでやってんだからよ。」
昔からこの人はこんな感じだ。
こっちが遠慮してても、何らかの手で援助してくれる。
BW計画の時も、色々と援助してくれた。この人無しでは計画の発動は無理だったろう。
しかも,頼んでないのに事後処理の時も色々と手伝ってくれた。桑古木が知らないのもそのためだ。
そしてこっちが礼を言うと,本人は笑いながら(好きでやってんだから気にすんな)とか(ココのためなんだから当然!)とか言う。
本当に人は見かけによらないのだ(昔からこの格好だった)。
「・・・・・・・・・・・・・なぁ、優。」
「え?」
「お前、本当にこのままでいいのか?」
いきなり問いかけてきた。
「このままって・・・・・・・・・・・・・・」
「その想いを抱えたまま,永遠に生きていけるのかって事だ。」
「その・・・・・・・想い・・・・・?」
「倉成武とか言う奴のことだよ。」
「!」
何故、知っているのだろうか。
「俺達キュレイキャリアは永遠の時を生きていく。その無限の時を,そのままで生きていけるのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「俺の‘能力’なら、その想いを消してやれる。お前も知ってるよな?もう叶わない願いに苦しむこともなくなる。・・・・・・・・・・・・本当にいいのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・ええ,いいんです。」
本当の気持ちだった。
「永遠に苦しみながら、生きていけるのか?」
「・・・・・・・・・いいえ,苦しんでなんかいません。」
「・・・・・・・・・・・?どういうことだ。」
「私、確かに倉成のことが好きです。それは八神さんの言うとおりです。」
「だったら・・・・・・・・・・」
「でも、つぐみと倉成が結ばれて良かったとも思っているんです。つぐみと倉成を結ばせてやりたかった。それも事実なんです。だから・・・・・・・・・・・だから良いんです。それほど苦しくはありません。」
「・・・・・・・・・・・・」
「それに・・・・・・・・・・・・・・・・」
「それに?」
「この想いがなくなってしまったら・・・・・・・・・・・それはもう私じゃない。
倉成のことが好きだから、今の私があるんです・・・・・・・・・・だから・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・そうか,すまんな。」
「いいえ・・・・・・・・・。さて、もう一仕事しない・・・と。」
突然足がふらついて転びそうになった。
幸い、八神さんに肩を受け止められた。
「大丈夫か?」
「え・・・・・・・ええ、平気です。」
「疲れたんだな・・・・・・・。」
優しく、囁くように言う。
「あ!そうだ。久々に例のアレ、やらんか?」
「え・・・・・・・・・・?そ、そんな、恥ずかしいですよ・・・・・・・・。」
「いいからいいから。遠慮すんなよ。」
「ええっ・・・・・・・・・・・キャッ!」


再び桑古木視点。
(能力・・・・・・・・?ココと同じく、アイツにも何か超能力が・・・・・・?
俺達って・・・・・・・・・奴もキュレイキャリアだったのか。・・・・・・・・・・!キャッて今・・・・・)
「ちょ、ちょっと八神さ・・・・・・・・・・・あっ。」
「まあまあ。疲れがとれんぞ。」
「う・・・・・・・・・・・・あん・・・・・・はっ」
なにやら甘いような切ないような、喘ぎ声にも似た声が聞こえてくる。
「痛いけど、気持ちいいだろ?」
「は・・・・・・はい・・・・・・・」
なんか少し声が上ずっている。なんか掲載不可のSSになってしまいそうだ。
作者よ、‘掲載の条件’を読んだのか?
「じゃあ・・・・・・・・・・・・次はここか。」
「あっ!・・・・・・・・・つ・・・・っ・・・・・・・・・・・あぅ」
「昔っからここが気持ちイイって言ってるよな、お前。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・返事はない。頷いているのか・・・・・・・・それとも快感のあまり声も・・・・・・・・・
(チョットマテ!!!昔っからって・・・・・・・・何年も前からこんな関係だったのか!?武のことが好きだったんじゃねぇのかい!!自分の身体を慰めるためだけに・・・・・)
急に情けなくなってきて泣いた。
こんな男に何年も前から抱かれ続けてるなんて・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・んじゃ、そろそろ入れるかな。いいか?」
「え・・・・・・・・・・あ、はい・・・・・・・・。」

________________ブチリ。
桑古木の中で何かが切れた。
そして次の瞬間、排気口の網をパンチで壊し、下に降りていった。

ドンガラガッシャン!!!
機材を壊しながら、桑古木は天井から降りてきた。
「テメェ、優に何やってやがるこのクソビジュアル系パンクヤロオオオオーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
思わず叫びながら掴みかかって・・・・・・・・・・・・・・・と思ってたら。
「あ・・・・・・・・・・あれ?」
別に優春は、顔は紅潮させてないし、はぁはぁ言ってはいないし、汗だくでもないし、眼も潤んでないし、もちろん服も脱いでない。
その代わり椅子に座って、ココ兄に背中を指で押されていた。
「あのー・・・・・・・・・それって・・・・・・・・・」
「ああ、ツボ押し?」
「え・・・・・・・・・・・・だって今まであうあう言って・・・・・・・。」
「だから恥ずかしいのよね。気持ちいいとそういう声上げちゃうから。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・い、入れるって・・・・・・・・・」
「おお、じゃあ入れてやろうか?」
と言いながら、ココ兄が背中に回り込んできた。
「とりゃっ!!」
指を桑古木の背中に思いっきり突き立てた。と同時に、背中に激痛が走った。
「・・・・・・・ぐおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?」
「どうだ?ちょっとは体が軽くなっただろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・あ、本当だ!」
なるほど、秘孔を思いっきり突くのか。
「・・・・・・・・・・・・・・・今までとんでもない事を想像してたんじゃねぇだろうな。」
「___________________あ。」
またまた開いた口が塞がらない。
「ところでお前、さっき天井から降ってこなかったか?」
ギクゥ!!!!
「・・・・・・・・・・・・お前今まで排気口にいただろ。服が埃だらけだぞ。」
ギクギクギクゥ!!!!!!
「ってことは・・・・・・・・・・・・・・今までの会話全部まる聞こえ!?
・・・・・・・・・・・・・かーぶーらーきー!!!!!!」
次の瞬間、桑古木は秒速の世界にいた。
「逃がすかコラぁ!!!!!」
負けじと優春も追いかける。


続いて八神トール視点。
一人取り残されたココ兄は・・・・・・・・。
「ぷっ・・・・・・・・・・くははは・・・・・・・・・・・面白い奴だ。」
一人笑っていた。
(・・・・・・・・・・・・・・・なんであんな事を言ったんだ、俺は・・・・・・・・・・
彼女をただ助けるのが俺の役目だ。あの時、自分にそう誓ったはずじゃねぇのかよ。)




to be continued・・・・・・・・・・



あとがき

どうでしょう。人生初のSSですが・・・・・・・・・・楽しんでいただけたでしょうか。
割とえちぃのが好きなようです、自分は(苦笑)。
批判でも誉め言葉でも良いですから感想待ってます。
BGM:BUCK−TICK「残骸」

追記:彼のモデルがわかった人、どれだけ居るんでしょうね?


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