妄想覚醒劇
                             HELLCHILD作

プロローグ

「・・・・・・・・・・・・ここで良かったのよね。」
つぐみは廃工場の前に立って呟いた。



数日前_______

「おーい、つぐみー!お前宛に手紙が来てるぞー?」
なかなか起きないつぐみに武が叫んだ。
「ん・・・・・・・・・・・手紙・・・・・・・・・・・・?」
手紙なんて、一体誰が寄こして来るというのだろうか。
遠くにいる知り合いなんて居るはずもないし、親しい付き合いすらあまり居ないのだ。
近所の人なら、直接声を掛けてくるだろうし・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・誰から?」
「わかんねー。差出人の名前が書いてないみたいだ。」
「ふぁぁ・・・・・・・・・・・ありがと、武・・・・・・・・・・んじゃもっかいおやすみ。」
「ええ!?ま、またかい!!」

「なになに・・・・・・・『小町つぐみ様』・・・・・・・・・・・?」
封筒を破いて中身を出してみると・・・・・・・・・・
「手紙・・・・・・・・・・・果たし状?」

手紙にはこう書いてあった。
『果たし状 6月18日午後4時。XX工場跡』

「・・・・・・・・・・・・どういうこと?」



「ここでこの私とタイマン張ろうっての?上等じゃないの・・・・・・・。」
昔のヤンキー共が血を流し合いそうな場所だ。
「あれ,つぐみ。どうしたの?こんな所で。」
「優?」
声のした方を振り返ってみると,そこには白衣を着た優春が立っていた。
「もしかして,貴女が果たし状を?」
「え?あなたももらったの?あの訳わかんない手紙。」
つぐみの問いは,疑問系で返された。
「え?じゃあ,貴女も果たし状をもらったの?」
「うん,差出人は書いてなかったけど・・・・・・・・・つぐみじゃないようね。」
つぐみの時と同じだ。彼女も果たし状をもらったようだ。
「私と同じ・・・・・・・・・・・一体誰が?」
「とりあえず,中に入ってみましょう。」

埃だらけだ。相当長い間放置されていたのだろう。
「勝負するんでしょ!?出てきなさい!!」
つぐみが叫んだ。もう既に戦闘モードのようだ。

「へっ・・・・・・・・・・・・・気が早いな。まぁ待てよ。」

頭上から声がした。
「誰!?」
優春が声の主を見つける。
そこには長めの頭を四方八方に立てた,ジャン・レノが愛用してそうな鼻黒メガネをかけた,学生服っぽい服(夏服)を着た男が立っていた。

「女の人だけど,相当手強いっぽいよ?蛮ちゃん。」

また声がした。
もう一人は短めの逆立てた金髪を前だけ下ろし,ラフな格好をした童顔の男が立っていた。
「そりゃそうだろ。キュレイキャリアとか言う奴等の身体能力は,常人を遙かに上回ってるわけだからな。」
蛮と呼ばれた男が答える。
「貴方達は誰!?ライプリヒの仲間!?」
もしそうなら,生かしてはおけない。つぐみは拳を握りしめた。
「ライプリヒとはカンケーねぇ。‘ブリックヴィンケル’とやらから頼まれたんだよ。」
「BWに?」
「ああ。どうやらそいつ,最近鬱病気味で妄想もままならないらしい。そこで,ここでオレ達とあんたらのバトルを繰り広げさせ,さらに‘ある事’をさせて妄想を取り戻す。そのためオレ達はBWの力で,この世界に召喚されたのさ。」
「オレたちのいた世界はまだ2003年だからね。」
「2003年から・・・・・・・・・?あなた達,一体何者?」
優春が問いかけると

「『奪(と)られたら奪り還(かえ)せ』が信条の‘奪還屋’GetBackersだ!」

「オレは御堂蛮。」
「オレは天野銀次!」
「BWとやらの妄想と健康を取り返す。おい銀次!お前は田中優美清春香菜の相手をしてやれ!オレは小町つぐみと勝負だ!!」
「OK,蛮ちゃん!!」
「やる気ね!?」
「かかってこいやぁ!!」
両方ともヤル気満々だが・・・・・・・・・。
「!?な,何!?身体が・・・・・・・・・・・。」
「つぐみ!?わ,私も・・・・・・・・・・・・・」
みんなの体が,どんどん透明になっていく。
「どうやらやるからには,2グループで,サシで勝負させたいらしい。」
「どっか別の場所に移っちゃうみたいだね。」
「おい銀次!」
「なに?」
「負けんじゃねぇぞ。」
「わかってるよ!」
そして,それぞれが消えた・・・・・・・・・・。


つぐみ編


あとがき

PIERROTトリプルA面シングル発売記念として(笑)。
A/Zさんが毒●ネタでSSを書いていましたが,俺の場合はまんまです(笑)。
いかがでしょうか。感想待ってます。

OPENING:『SUPER STRING THEORY―remix―』PIERROT


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