B−T−B
                             HELLCHILD作

type=3


「さ、桜井さん・・・・・・・・・・お・・・・・・お願いですから、そこは・・・・・・」
空の腹と首に、アツシの細く長い指が絡まっている。ゆっくりと刺激するように、なぞる。
「何だよ、オレじゃ不満?それともやられるなら倉成武の方がいいとか?」
「そ、そんなんじゃないですぅ!」
「じゃあいいじゃん。」
「い、いや、そういう問題じゃ・・・・・・・・・・・あ、ああっ・・・・・・・・・」
空のドレスのボタンを外していく。透けてしまいそうなほど白い肌が露わになる。
首筋を、後ろから唇でなぞっていくアツシ。
「なんかさ・・・・・・・・・・・もう我慢できないよ、オレ・・・・・・・・・」
「は、はぅ・・・・・・・・・・・・・んっ・・・・・・・・・・・・はああっ・・・・・・・・」
アツシの手が空の胸元に入り、太股の内側をまさぐった・・・・・・・・・・
―――――――――――――とその時、

ガンッ!!

「ぎゃいん!!」
「なに真っ昼間から仕事場の情事ぶっこいてんだテメーは!!」
トールの正拳突きが、アツシの後頭部を直撃した。
ただでさえB−T−B最強の腕力を誇るトールだ。常人なら頭蓋骨粉砕骨折モノだろう。
しかしそこは桜井 敦。ちょっとだけ頭をさすりながら起き上がるだけだった。
「んだよぉ・・・・・・・・・・・・・ちょっとぐらい良いじゃん。」
「よくないわっ!!空もさっさと現場に戻って仕事せぇ!」
「は、はいっ!!」
勢いよく起きあがり、胸のボタンを直すと、すぐに駆け出していった。
「オレらの所有物なんだから、別にどうでもいいじゃん?」
「もう彼女は人間だ。立派な人権があんだよ。お前のやってるのは、ある種の人権侵害だぞ。」
「ふぇ〜い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?!?」
急に腹がゴロゴロと鳴りだした。肛門では自我と本能の壮絶な闘いが繰り広げられていた。
「さっき突いたところはな、思いっきり胃腸の働きを増進する箇所だ。早くトイレ行った方がいいぞ。」
トールがその言葉を発したときには、アツシはもう既に尻を押さえながら駆け出していた。


「ぜえ・・・・・・・・・・・ぜえ・・・・・・・・・・・・」
胃の中の物全てを出し尽くした。これでは腹の減りも大きいだろう。
「ったく・・・・・・・・・・・・・・・・」
近くのベンチに座る。ゆっくりと呼吸を整える。そして、こんな事を呟くのだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悪いな、ガキ共。」
彼等二人がライプリヒに捕らえられ、非人道的な実験を繰り返されているのは知っていた。
しかし、放っておくしかなかった。見て見ぬフリをするしかなかったのだ。彼等5人、特にアツシ達4人にはその苦しみが十分に理解できたはずなのに。
アニイの言葉を信じざるを得なかった。彼の予知は見事に当たり、彼等を驚かせていた。そして、様々な超能力を目の当たりにしてから、彼の言葉が真実味を帯びはじめた。
(もうすぐだぜ・・・・・・・・・・・・・待ってろよ、双子のガキ)

「どうだ、LeMU内の様子は?」
「5人以外は、全員脱出が完了した模様です。緊急避難口も爆破が完了いたしました。」
「なるほど、あとは勝手にやってりゃいいってわけか。」
一応B−T−Bが関わることでもなかったのだが、全てがこの計画のためにあったとなれば、見逃すわけにもいかない。
そう思い、トールは他の4人を召集し、この島へとやってきた。
(ゆっくりと木陰で昼寝するとでもしますかね)
そう思い、彼は近くの気に座り、背を預けた。
(こんなに開放的な気分も、久しぶりだな)
14年間、ずっと緊張と隣り合わせで生きてきた。いつ殺られるかも解らなかった。
しかし、それももうすぐ終わる。真の自由はすぐ目の前にあるのだ――――――――。

ユータは海を眺めていた。
彼は、海と青空が大好きだった。
施設に収容されていた頃は、ただ想像するしかなかった。
海の透き通るような青も、深海の深い濃紺も、澄み切った青空の輝きも―――――――。
トールに連れられて、世界が変わった。外の景色は想像以上だった。
(みんなここがキライって言うけど・・・・・・・・・・・・オレはここが大好きだ)
緑も、水色も、青も、濃紺も、全ての色が跳ねている。
ユータにとって、ここは本当の『天国』だった。

(ホント、これが終わったらどうすっかねぇ・・・・・・・・・・)
ヒデは迷っていた。
アニイに着いていってもいいし、一人で世界中ブラブラしてるのもいい。
ここからどうやって生きていくかが、彼にとって一番の問題だった。
別に目的があって生きてるわけじゃない。アツシのように生きることを楽しんでるわけじゃないし、アニイのように誰かのために生きたいとも思わない。ヒサシのように何かを極める気も更々ない。
そもそも自分の意志でこの戦いに身を投じたわけではなかった。アニイへの借り、他の3人の意思のせいもあった。
(・・・・・・・・・・・・・・・まあ、この計画が終わったら考えっか)
出来るなら、生き抜いてみたいと思う。アニイのように、強く。
この闘いが終わったら、その術を探してみたいと思う。時間は掃いて捨てるほどある。
本当の意味で生きるのは、計画が終わってからでも遅くはないはずだ。

ヒサシは――――――――――――
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
何も考えていなかった。



5月3日 AM9:20

「会長、会長!」
「んあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
トールは、スタッフに頬を叩かれて目を覚ました。
「通信が入っているようです。B−T−B専用の通信ですが・・・・・・・・・・」
「んん・・・・・・・・・・・・日本支社でなんかあったのか?」
「解りませんが、とにかく現場へ。」


ピー、ピー、ピー・・・・・・・・・

ノートパソコンにも似た機械が、着信音を鳴らし続けている。
「んだよ・・・・・・・・・・・・・支社長からか。何かヘマこいたのか?」
この通信機には、限られた所からしかアクセスできない。ドイツ本社と、その他各国の重要な支社からしか通信が出来ないのだ。その中でも、重要人物だけがこの通信機を通じて、連絡を取り合えるのだ。
このコードからして、どうやら日本支社の社長のようだった。
だが画面に映ったのは支社長ではなく、一人の少女だった。ほんの少しだが見覚えがある。

「あ、どうも〜八神トールさん。お久しぶり〜。」

「!! テメエは・・・・・・・・・・・・・・柊 文華!?」


過去14年間、テロ活動を行う課程で、何度か戦闘を繰り広げたこともあった。
というより、それは正に『戦闘』ではなく『戦争』と呼んだ方が相応しいのかもしれない。
それほどまでに人員の動員数と重火器類の装備が、半端ではなかったのだ。

4年ほど前、アメリカのアリゾナ州にあるライプリヒの研究所に、攻撃を仕掛けた。世界的に見て、最大規模の研究所が設立されていたのだ。
しかし、研究所を爆破した後、米軍が一気に攻め立ててきた。それも一個師団を丸ごとだ。ライプリヒは各国軍隊とも強いコネクションがあるらしい。
中隊クラスの軍隊との戦争ならば経験済みだが、今回のは今までの中で最大の攻撃だった。人員は1万人を下らない。特殊繊維の戦闘服に体中を包み込み、マシンガンやバズーカを構える姿は、本当に一国を相手にしているかのようだった。
だが、彼等5人は抵抗した。持てる力の全てを振り絞って、米軍を退けようとした。

累々と焼死体が転がっている。その傍らに、静かにアツシは佇んでいた。
『く、くそっ!とにかく集中砲火で殺すんだ!!奴らも銃弾と砲弾の雨に打たれては生きられない!!』
隊長らしき男が叫ぶ。だが、それも無駄だ。通常のバズーカ程度では、彼等を殺すことなど出来はしない。
猛スピードで突進するアツシ。砲弾が当たっても、その速度を緩めない。
そして、舞うように大剣を振るう。それが当たるたび、真っ黒な爆炎が巻き起こる。
『ぬああああっ!!』
『ひ、ひいいいいいいっ!』

地面が抉れている。何が爆発があった後のようだ。そしてその周りには、身体に大穴の空いた人間が横たわっている。
『ちきしょう!!火炎放射器で焼き尽くせ!!』
真っ赤な炎がヒサシを包み込む。だが、一筋の光線が炎を切り裂いた。
そしてそれは人間の身体を貫通し、地面に触れて大爆発を起こした。
『ち、ちっきしょう!!あんな武器がこの世にあるなんて・・・・・・』

無数のパーツが転がっている。人間の身体のパーツだ。そしてその周りには、血の海が出来ている。
『う、撃て!撃てええ!!』
しかし、銃弾は全て彼の持つ刀で叩き落とされてしまう。信じられないほどのスピードだ。
『な・・・・・・・・・・・・そ、そんな馬鹿な!!』
その言葉が終わらないうちに、ヒデは攻撃に出た。物凄いスピードで人間がバラバラになっていく。

焼き豚、冷凍マグロ、スライスチーズ。様々なディナーがそこかしこに転がっている。
もっとも、焼き豚は真っ黒な消し炭状態、マグロは液体窒素を振り掛けられたかのよう、スライスチーズは細かすぎる。
『そ・・・・・・・・・・・・そんなことが・・・・・・・・・・・・・』
隊員は皆、信じられないといった表情だ。その通り、信じられない現象が目の前で起こったのだ。
そして、また「それ」が起こった。人々は「それ」を目の当たりにし、ただ驚愕するだけだった。

片腕が落ちている。その近くで、無くなった腕を押さえながらのたうち回る男が居た。
『ぎぃやああ〜〜〜!!お、オレの腕がああ〜〜〜〜〜!!!』
『ち、ちっきしょう!!』
何十人もがマシンガンを乱射する。だがそれも、トールの反射神経の前では無駄だ。
巧みに銃弾を買わし、次々と相手の身体を素手で切り裂いていった。
『ぎゃあああ!!!』
『ぐえええっ!!』

『はあ、はあ、はあ・・・・・・・・・・・・・・・・』
何とか敵を全滅させた。しかし、5人も無事というわけではなかった。
あれだけの人員と武器を前に戦ったのだ。全員が重傷を負っていた。
特にアツシの状態がひどかった。通常のキュレイ種なら、とっくに死んでいるところだ。砲弾と銃弾の雨を体中に浴び、その中で獅子奮迅の活躍をしたのだ。アツシでも、これだけのケガを回復させるのは相当な時間が掛かるはずだ。
アツシを背負ってジープで撤退しようとしたところに「彼等」が現れた。

『しかしまあ・・・・・・・・・・・・・とんだケチャップパーティーだ。』
『ローストビーフにハム、デザートのシャーベットまであるとは、豪勢なディナーパーティーだな。』
『バリエーション豊かです〜、きっと凄腕のコックさんが料理してるんでしょうね〜。』
『居るよ。あそこに5人の「コックさん」がね。もっとも、一人はお疲れのようだけど・・・・・・・』

黒いコートを着込んだ、日本刀を持った男。
3m以上ある、腕が改造されている大男。
背の低い、舌足らずな言葉遣いの少女。
純白の髪と肌を持った、美形の男。
4人とも、ただならぬ雰囲気を漂わせていた。今までの奴らとは格が違うのが解る。
5人の中で一番軽傷のトールが迎えに行った。だが、彼も馬鹿にならないほどの傷を負っていた。
『テメーら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何モンだ?』
彼がそう尋ねると、彼等はこう答えた。
『ライプリヒ過激派第187番部隊、カリヤ・霧神・アーヴィング。』
『同じく、アルバート・ビッグズ。』
『隊長の、柊文華です〜。』
『百々凪 庵遠。よろしく。』
聞いたことはあった。ライプリヒの過激派の中でも、最凶と呼ばれた4人組だ。
何度か過激派の連中と戦ったことはあったが、戦闘能力は高かった。これが1万人集まれば、さっきの米軍以上の部隊が出来上がるのではないかと思うほどだ。
その中でも、最凶と呼ばれた4人組・・・・・・・・・・・・・・今の彼等には少々きつい相手だった。
『まあでも、俺達もそろそろ逃げた方がいいんじゃない?』
『何故だ?』
『上、見てみなよ。』
そう言われて、トールは上空を仰ぎ見た。
1キロほど先の空には、100機ほどの空軍の消音ヘリがこちらに猛スピードで向かっていた。目的は判りきっていた。
『早く行った方が良いよ。ここに居たら、今度は君たちが彼等の仲間入りだ。』
そう言って、庵遠は死体の山を指差した。
『・・・・・・・・・・・・・何故見逃す。今なら俺達を殺れるかも知れないんだぞ。』
クスリと笑いながら、庵遠は答えた。
『勘違いしないで欲しいな。俺達は命令でここに来た訳じゃない。君たちの戦い振りを見たかっただけさ。』
『へっ・・・・・・・・・・・物好きな野郎だな。』
『まあね。でも、いつかは君達の実力を試させてもらうよ?』
庵遠は笑みを浮かべた。だがその笑顔は、身の毛がよだつほどの狂気を湛えていた。
装甲しているうちに、ヘリはもう目前に迫っていた。射程距離内に彼等が入るまで、あと少しだろう。
トールは急いでジープに戻り、運転席に座っているヒデに声を掛けた。
『早く出せ!逃げるんだよ!!』
『あ、ああ!!でも奴らは!?』
『この状況じゃ戦ってもつまらないと、見逃してくれた。それよりも早く!!』
急いでエンジンを入れ、アクセルを踏むヒデ。爆弾の雨を紙一重で避わしながら、速度をどんどん上げている。
『ちっきしょーーーーーーーー!!絶っっっっっっっっっっ対ぇ逃げ延びてやる!!!!』


あの時は間一髪で逃げ延びた。一歩間違えれば、あの場で全員死んでもおかしくはなかったはずだ。
「何故テメエが、この通信機にアクセスできる?」
『ふふふ・・・・・・・・・・・・ちょっと強引な手を使わせてもらいました〜。』
「何・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか、キサマら!!」
『カリヤさん、あれ持ってきてください〜。』
『あいよ。これか?』
そう言って、文華は何かを受け取った。恐らく声の主、カリヤからだろう。
『パスワード入力制にしておかなかったのが仇になりましたね〜。』

そこには、日本支社社長の首があった。恐怖に目を皿の如く見開いている。
社長室まで来たと言うことは、会社にいた人間は一人残らず殺されているだろう。
『田中研究所の電話には、盗聴器を仕掛けておいたんです〜。ライプリヒ本社も、最近彼女に不審な動きがあるとして、マークしてましたから〜。
その結果、貴方との通話がしっかりと録音されていました〜。それが貴方だと気付くのには、少々時間が掛かりましたけど〜。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・何故こんな事をする必要がある。」
『警告をしに来たんです〜。』
「警告?」
『はい〜。これからライプリヒは春香菜達を裏切り者と見なし、総攻撃を仕掛けます〜。でも、いま降伏すれば命だけは助けてあげるそうです〜。どうですか〜?』
ニコニコと笑う文華。傍から見れば無邪気な笑顔だろう。しかし今のトールには、その笑顔がとてつもなく醜く見えた。
ゆっくりと顔を俯けるトール。そして、こう言い放った。
「・・・・・・・・・・・・・・・ッざっけんじゃねえよ、クソガキャあ・・・・・・・・・・・・・・・・」
『は?』
素っ頓狂な声を上げる文華。予想外の返答だったようだ。
「テメェらごとき外道に降伏するくらいならな、舌ぁ噛み切って死んでやるよ。」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふふふ』
不気味な笑い声。そして、さっきよりも醜悪に歪んだ笑顔をトールに向けた。
『いいでしょう。でも、覚悟しておいた方が良いですよ〜。そちらに向かうのは、ただの兵隊じゃありませんから〜。』
「何?」
『現在用意できるだけの「ラビット」、「アラベスク」、「マンアフター」を用意します〜。
彼等の戦力は正に一騎当千だということは、あなた方も知っているでしょう〜?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ。知っているさ。」
数々の研究所で見てきた、哀れなる者達。理性を失い、ただ苦しみ続ける、生きた兵器。
もはや殺戮道具でしかない『元』人間。幾度となく葬ってきた彼等ならわかる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・上等だ。皆殺しにしてやるよ。」
『ふふっ・・・・・・・・・・・大した自信ですけど、少なくとも1000匹ずつは導入しますよ〜?いつ来るかもわかりませんからね〜。』


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジかよ。オレ達の名前が割れたってのか?」
「ああ。恐らく、ラディックのデータベースにハッキングしたんだろうな。」
「生物兵器を多数導入して来るって?」
「そうだ。今までの中でも最大規模の闘いになるだろうな。」
ヒデとユータが一番驚いていた。この計画に結構自信を持っていたのだろう。
「ったく、元はと言えばこの女が不始末をしなきゃ、んな面倒な事態にはならなかったんだよ!」
思いっきり軽蔑した眼で、優春を睨むヒサシ。気の強い優春も一瞬で萎縮してしまう。
「よせよ、ヒサシ。誰の責任でもないだろーが。それに今更彼女を攻めたって、何も変わらん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ケッ!!」
「アニイの言うとおりだ。まずは、この現状をどう打破するかを考えようぜ。」
意外にも、アツシが一番落ち着いていた。一番に取り乱しそうだったのだが。
「腹ぁ括ろうじゃねえの。対キュレイ用の装備はどうなってる?」
「時間がないから、中国からヘリで輸送させてる。あそこにもそれなりの武器はあるはずだ。」
「どのくらい時間が掛かる?」
「約2時間半ほどだ。あいつらも1000体ほどの生物兵器を集めるには、それなりに時間が掛かるだろう。
だがそれを考慮しても、いつ来るかわからない。そう考えて、最短距離で強力な兵器のある中国から運んできてる。」
「どんな装備を注文した?」
「ハンドガン10丁に、ショットガン、ガトリングガン2丁とマシンガンを5丁。グレネードランチャーも一つ。弾はありったけ用意されてる。」
「どのくらいだ?」
「約3000発ほど。弾が切れたら、あとは自力で戦うしかないな。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・いいじゃん、面白え。」

アツシはニヤリと笑った。本能が、狩人の性が疼いているのだ。
そしてそれは、他の4人も一緒だった。トールですら、武者震いがする。
「悪いけど、オレは負けないよ。」
「ま、なるようになってやろーじゃん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
他の3人も乗り気らしかった。なんのかんの言って、彼等も楽しみなのだ。
「ったく、みんな心の底から戦闘狂だな・・・・・・・・・」
トールは苦笑した。『みんな』とは、トールのことも含まれている。

「つーわけで、やってやろうじゃねえの。目に物見せてくれるぜ、ライプリヒよぉ!」







あとがき

バトルスタートです。かなり凄まじくなってきますよ。
銃声と悲鳴(オイ)と怒号(?)が響き渡る(かもしれない)ので、どうぞお楽しみに。
「ラビット」と同じく、「アラベスク」「マンアフター」もガレリアンズアッシュの敵モンスターです。
あ、大根メロンさんから許可は頂いてますからね。
二つ返事でOKを頂きました。本当にありがとうです。
3人の出番はもうちょい先です。彼等との闘いが一番メインなんですけどね。

BGM『限りなく鼠』BUCK−TICK


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