B−T−B HELLCHILD作 |
「さ、桜井さん・・・・・・・・・・お・・・・・・お願いですから、そこは・・・・・・」 空の腹と首に、アツシの細く長い指が絡まっている。ゆっくりと刺激するように、なぞる。 「何だよ、オレじゃ不満?それともやられるなら倉成武の方がいいとか?」 「そ、そんなんじゃないですぅ!」 「じゃあいいじゃん。」 「い、いや、そういう問題じゃ・・・・・・・・・・・あ、ああっ・・・・・・・・・」 空のドレスのボタンを外していく。透けてしまいそうなほど白い肌が露わになる。 首筋を、後ろから唇でなぞっていくアツシ。 「なんかさ・・・・・・・・・・・もう我慢できないよ、オレ・・・・・・・・・」 「は、はぅ・・・・・・・・・・・・・んっ・・・・・・・・・・・・はああっ・・・・・・・・」 アツシの手が空の胸元に入り、太股の内側をまさぐった・・・・・・・・・・ ―――――――――――――とその時、 ガンッ!! 「ぎゃいん!!」 「なに真っ昼間から仕事場の情事ぶっこいてんだテメーは!!」 トールの正拳突きが、アツシの後頭部を直撃した。 ただでさえB−T−B最強の腕力を誇るトールだ。常人なら頭蓋骨粉砕骨折モノだろう。 しかしそこは桜井 敦。ちょっとだけ頭をさすりながら起き上がるだけだった。 「んだよぉ・・・・・・・・・・・・・ちょっとぐらい良いじゃん。」 「よくないわっ!!空もさっさと現場に戻って仕事せぇ!」 「は、はいっ!!」 勢いよく起きあがり、胸のボタンを直すと、すぐに駆け出していった。 「オレらの所有物なんだから、別にどうでもいいじゃん?」 「もう彼女は人間だ。立派な人権があんだよ。お前のやってるのは、ある種の人権侵害だぞ。」 「ふぇ〜い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?!?」 急に腹がゴロゴロと鳴りだした。肛門では自我と本能の壮絶な闘いが繰り広げられていた。 「さっき突いたところはな、思いっきり胃腸の働きを増進する箇所だ。早くトイレ行った方がいいぞ。」 トールがその言葉を発したときには、アツシはもう既に尻を押さえながら駆け出していた。 「ぜえ・・・・・・・・・・・ぜえ・・・・・・・・・・・・」 胃の中の物全てを出し尽くした。これでは腹の減りも大きいだろう。 「ったく・・・・・・・・・・・・・・・・」 近くのベンチに座る。ゆっくりと呼吸を整える。そして、こんな事を呟くのだった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悪いな、ガキ共。」 彼等二人がライプリヒに捕らえられ、非人道的な実験を繰り返されているのは知っていた。 しかし、放っておくしかなかった。見て見ぬフリをするしかなかったのだ。彼等5人、特にアツシ達4人にはその苦しみが十分に理解できたはずなのに。 アニイの言葉を信じざるを得なかった。彼の予知は見事に当たり、彼等を驚かせていた。そして、様々な超能力を目の当たりにしてから、彼の言葉が真実味を帯びはじめた。 (もうすぐだぜ・・・・・・・・・・・・・待ってろよ、双子のガキ) 「どうだ、LeMU内の様子は?」 「5人以外は、全員脱出が完了した模様です。緊急避難口も爆破が完了いたしました。」 「なるほど、あとは勝手にやってりゃいいってわけか。」 一応B−T−Bが関わることでもなかったのだが、全てがこの計画のためにあったとなれば、見逃すわけにもいかない。 そう思い、トールは他の4人を召集し、この島へとやってきた。 (ゆっくりと木陰で昼寝するとでもしますかね) そう思い、彼は近くの気に座り、背を預けた。 (こんなに開放的な気分も、久しぶりだな) 14年間、ずっと緊張と隣り合わせで生きてきた。いつ殺られるかも解らなかった。 しかし、それももうすぐ終わる。真の自由はすぐ目の前にあるのだ――――――――。 ユータは海を眺めていた。 彼は、海と青空が大好きだった。 施設に収容されていた頃は、ただ想像するしかなかった。 海の透き通るような青も、深海の深い濃紺も、澄み切った青空の輝きも―――――――。 トールに連れられて、世界が変わった。外の景色は想像以上だった。 (みんなここがキライって言うけど・・・・・・・・・・・・オレはここが大好きだ) 緑も、水色も、青も、濃紺も、全ての色が跳ねている。 ユータにとって、ここは本当の『天国』だった。 (ホント、これが終わったらどうすっかねぇ・・・・・・・・・・) ヒデは迷っていた。 アニイに着いていってもいいし、一人で世界中ブラブラしてるのもいい。 ここからどうやって生きていくかが、彼にとって一番の問題だった。 別に目的があって生きてるわけじゃない。アツシのように生きることを楽しんでるわけじゃないし、アニイのように誰かのために生きたいとも思わない。ヒサシのように何かを極める気も更々ない。 そもそも自分の意志でこの戦いに身を投じたわけではなかった。アニイへの借り、他の3人の意思のせいもあった。 (・・・・・・・・・・・・・・・まあ、この計画が終わったら考えっか) 出来るなら、生き抜いてみたいと思う。アニイのように、強く。 この闘いが終わったら、その術を探してみたいと思う。時間は掃いて捨てるほどある。 本当の意味で生きるのは、計画が終わってからでも遅くはないはずだ。 ヒサシは―――――――――――― 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 何も考えていなかった。 5月3日 AM9:20 「会長、会長!」 「んあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」 トールは、スタッフに頬を叩かれて目を覚ました。 「通信が入っているようです。B−T−B専用の通信ですが・・・・・・・・・・」 「んん・・・・・・・・・・・・日本支社でなんかあったのか?」 「解りませんが、とにかく現場へ。」 ピー、ピー、ピー・・・・・・・・・ ノートパソコンにも似た機械が、着信音を鳴らし続けている。 「んだよ・・・・・・・・・・・・・支社長からか。何かヘマこいたのか?」 この通信機には、限られた所からしかアクセスできない。ドイツ本社と、その他各国の重要な支社からしか通信が出来ないのだ。その中でも、重要人物だけがこの通信機を通じて、連絡を取り合えるのだ。 このコードからして、どうやら日本支社の社長のようだった。 だが画面に映ったのは支社長ではなく、一人の少女だった。ほんの少しだが見覚えがある。 「あ、どうも〜八神トールさん。お久しぶり〜。」 「!! テメエは・・・・・・・・・・・・・・柊 文華!?」 過去14年間、テロ活動を行う課程で、何度か戦闘を繰り広げたこともあった。 というより、それは正に『戦闘』ではなく『戦争』と呼んだ方が相応しいのかもしれない。 それほどまでに人員の動員数と重火器類の装備が、半端ではなかったのだ。 4年ほど前、アメリカのアリゾナ州にあるライプリヒの研究所に、攻撃を仕掛けた。世界的に見て、最大規模の研究所が設立されていたのだ。 しかし、研究所を爆破した後、米軍が一気に攻め立ててきた。それも一個師団を丸ごとだ。ライプリヒは各国軍隊とも強いコネクションがあるらしい。 中隊クラスの軍隊との戦争ならば経験済みだが、今回のは今までの中で最大の攻撃だった。人員は1万人を下らない。特殊繊維の戦闘服に体中を包み込み、マシンガンやバズーカを構える姿は、本当に一国を相手にしているかのようだった。 だが、彼等5人は抵抗した。持てる力の全てを振り絞って、米軍を退けようとした。 累々と焼死体が転がっている。その傍らに、静かにアツシは佇んでいた。 『く、くそっ!とにかく集中砲火で殺すんだ!!奴らも銃弾と砲弾の雨に打たれては生きられない!!』 隊長らしき男が叫ぶ。だが、それも無駄だ。通常のバズーカ程度では、彼等を殺すことなど出来はしない。 猛スピードで突進するアツシ。砲弾が当たっても、その速度を緩めない。 そして、舞うように大剣を振るう。それが当たるたび、真っ黒な爆炎が巻き起こる。 『ぬああああっ!!』 『ひ、ひいいいいいいっ!』 地面が抉れている。何が爆発があった後のようだ。そしてその周りには、身体に大穴の空いた人間が横たわっている。 『ちきしょう!!火炎放射器で焼き尽くせ!!』 真っ赤な炎がヒサシを包み込む。だが、一筋の光線が炎を切り裂いた。 そしてそれは人間の身体を貫通し、地面に触れて大爆発を起こした。 『ち、ちっきしょう!!あんな武器がこの世にあるなんて・・・・・・』 無数のパーツが転がっている。人間の身体のパーツだ。そしてその周りには、血の海が出来ている。 『う、撃て!撃てええ!!』 しかし、銃弾は全て彼の持つ刀で叩き落とされてしまう。信じられないほどのスピードだ。 『な・・・・・・・・・・・・そ、そんな馬鹿な!!』 その言葉が終わらないうちに、ヒデは攻撃に出た。物凄いスピードで人間がバラバラになっていく。 焼き豚、冷凍マグロ、スライスチーズ。様々なディナーがそこかしこに転がっている。 もっとも、焼き豚は真っ黒な消し炭状態、マグロは液体窒素を振り掛けられたかのよう、スライスチーズは細かすぎる。 『そ・・・・・・・・・・・・そんなことが・・・・・・・・・・・・・』 隊員は皆、信じられないといった表情だ。その通り、信じられない現象が目の前で起こったのだ。 そして、また「それ」が起こった。人々は「それ」を目の当たりにし、ただ驚愕するだけだった。 片腕が落ちている。その近くで、無くなった腕を押さえながらのたうち回る男が居た。 『ぎぃやああ〜〜〜!!お、オレの腕がああ〜〜〜〜〜!!!』 『ち、ちっきしょう!!』 何十人もがマシンガンを乱射する。だがそれも、トールの反射神経の前では無駄だ。 巧みに銃弾を買わし、次々と相手の身体を素手で切り裂いていった。 『ぎゃあああ!!!』 『ぐえええっ!!』 『はあ、はあ、はあ・・・・・・・・・・・・・・・・』 何とか敵を全滅させた。しかし、5人も無事というわけではなかった。 あれだけの人員と武器を前に戦ったのだ。全員が重傷を負っていた。 特にアツシの状態がひどかった。通常のキュレイ種なら、とっくに死んでいるところだ。砲弾と銃弾の雨を体中に浴び、その中で獅子奮迅の活躍をしたのだ。アツシでも、これだけのケガを回復させるのは相当な時間が掛かるはずだ。 アツシを背負ってジープで撤退しようとしたところに「彼等」が現れた。 『しかしまあ・・・・・・・・・・・・・とんだケチャップパーティーだ。』 『ローストビーフにハム、デザートのシャーベットまであるとは、豪勢なディナーパーティーだな。』 『バリエーション豊かです〜、きっと凄腕のコックさんが料理してるんでしょうね〜。』 『居るよ。あそこに5人の「コックさん」がね。もっとも、一人はお疲れのようだけど・・・・・・・』 黒いコートを着込んだ、日本刀を持った男。 3m以上ある、腕が改造されている大男。 背の低い、舌足らずな言葉遣いの少女。 純白の髪と肌を持った、美形の男。 4人とも、ただならぬ雰囲気を漂わせていた。今までの奴らとは格が違うのが解る。 5人の中で一番軽傷のトールが迎えに行った。だが、彼も馬鹿にならないほどの傷を負っていた。 『テメーら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何モンだ?』 彼がそう尋ねると、彼等はこう答えた。 『ライプリヒ過激派第187番部隊、カリヤ・霧神・アーヴィング。』 『同じく、アルバート・ビッグズ。』 『隊長の、柊文華です〜。』 『百々凪 庵遠。よろしく。』 聞いたことはあった。ライプリヒの過激派の中でも、最凶と呼ばれた4人組だ。 何度か過激派の連中と戦ったことはあったが、戦闘能力は高かった。これが1万人集まれば、さっきの米軍以上の部隊が出来上がるのではないかと思うほどだ。 その中でも、最凶と呼ばれた4人組・・・・・・・・・・・・・・今の彼等には少々きつい相手だった。 『まあでも、俺達もそろそろ逃げた方がいいんじゃない?』 『何故だ?』 『上、見てみなよ。』 そう言われて、トールは上空を仰ぎ見た。 1キロほど先の空には、100機ほどの空軍の消音ヘリがこちらに猛スピードで向かっていた。目的は判りきっていた。 『早く行った方が良いよ。ここに居たら、今度は君たちが彼等の仲間入りだ。』 そう言って、庵遠は死体の山を指差した。 『・・・・・・・・・・・・・何故見逃す。今なら俺達を殺れるかも知れないんだぞ。』 クスリと笑いながら、庵遠は答えた。 『勘違いしないで欲しいな。俺達は命令でここに来た訳じゃない。君たちの戦い振りを見たかっただけさ。』 『へっ・・・・・・・・・・・物好きな野郎だな。』 『まあね。でも、いつかは君達の実力を試させてもらうよ?』 庵遠は笑みを浮かべた。だがその笑顔は、身の毛がよだつほどの狂気を湛えていた。 装甲しているうちに、ヘリはもう目前に迫っていた。射程距離内に彼等が入るまで、あと少しだろう。 トールは急いでジープに戻り、運転席に座っているヒデに声を掛けた。 『早く出せ!逃げるんだよ!!』 『あ、ああ!!でも奴らは!?』 『この状況じゃ戦ってもつまらないと、見逃してくれた。それよりも早く!!』 急いでエンジンを入れ、アクセルを踏むヒデ。爆弾の雨を紙一重で避わしながら、速度をどんどん上げている。 『ちっきしょーーーーーーーー!!絶っっっっっっっっっっ対ぇ逃げ延びてやる!!!!』 あの時は間一髪で逃げ延びた。一歩間違えれば、あの場で全員死んでもおかしくはなかったはずだ。 「何故テメエが、この通信機にアクセスできる?」 『ふふふ・・・・・・・・・・・・ちょっと強引な手を使わせてもらいました〜。』 「何・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか、キサマら!!」 『カリヤさん、あれ持ってきてください〜。』 『あいよ。これか?』 そう言って、文華は何かを受け取った。恐らく声の主、カリヤからだろう。 『パスワード入力制にしておかなかったのが仇になりましたね〜。』 そこには、日本支社社長の首があった。恐怖に目を皿の如く見開いている。 社長室まで来たと言うことは、会社にいた人間は一人残らず殺されているだろう。 『田中研究所の電話には、盗聴器を仕掛けておいたんです〜。ライプリヒ本社も、最近彼女に不審な動きがあるとして、マークしてましたから〜。 その結果、貴方との通話がしっかりと録音されていました〜。それが貴方だと気付くのには、少々時間が掛かりましたけど〜。』 「・・・・・・・・・・・・・・・・何故こんな事をする必要がある。」 『警告をしに来たんです〜。』 「警告?」 『はい〜。これからライプリヒは春香菜達を裏切り者と見なし、総攻撃を仕掛けます〜。でも、いま降伏すれば命だけは助けてあげるそうです〜。どうですか〜?』 ニコニコと笑う文華。傍から見れば無邪気な笑顔だろう。しかし今のトールには、その笑顔がとてつもなく醜く見えた。 ゆっくりと顔を俯けるトール。そして、こう言い放った。 「・・・・・・・・・・・・・・・ッざっけんじゃねえよ、クソガキャあ・・・・・・・・・・・・・・・・」 『は?』 素っ頓狂な声を上げる文華。予想外の返答だったようだ。 「テメェらごとき外道に降伏するくらいならな、舌ぁ噛み切って死んでやるよ。」 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふふふ』 不気味な笑い声。そして、さっきよりも醜悪に歪んだ笑顔をトールに向けた。 『いいでしょう。でも、覚悟しておいた方が良いですよ〜。そちらに向かうのは、ただの兵隊じゃありませんから〜。』 「何?」 『現在用意できるだけの「ラビット」、「アラベスク」、「マンアフター」を用意します〜。 彼等の戦力は正に一騎当千だということは、あなた方も知っているでしょう〜?』 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ。知っているさ。」 数々の研究所で見てきた、哀れなる者達。理性を失い、ただ苦しみ続ける、生きた兵器。 もはや殺戮道具でしかない『元』人間。幾度となく葬ってきた彼等ならわかる。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・上等だ。皆殺しにしてやるよ。」 『ふふっ・・・・・・・・・・・大した自信ですけど、少なくとも1000匹ずつは導入しますよ〜?いつ来るかもわかりませんからね〜。』 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジかよ。オレ達の名前が割れたってのか?」 「ああ。恐らく、ラディックのデータベースにハッキングしたんだろうな。」 「生物兵器を多数導入して来るって?」 「そうだ。今までの中でも最大規模の闘いになるだろうな。」 ヒデとユータが一番驚いていた。この計画に結構自信を持っていたのだろう。 「ったく、元はと言えばこの女が不始末をしなきゃ、んな面倒な事態にはならなかったんだよ!」 思いっきり軽蔑した眼で、優春を睨むヒサシ。気の強い優春も一瞬で萎縮してしまう。 「よせよ、ヒサシ。誰の責任でもないだろーが。それに今更彼女を攻めたって、何も変わらん。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ケッ!!」 「アニイの言うとおりだ。まずは、この現状をどう打破するかを考えようぜ。」 意外にも、アツシが一番落ち着いていた。一番に取り乱しそうだったのだが。 「腹ぁ括ろうじゃねえの。対キュレイ用の装備はどうなってる?」 「時間がないから、中国からヘリで輸送させてる。あそこにもそれなりの武器はあるはずだ。」 「どのくらい時間が掛かる?」 「約2時間半ほどだ。あいつらも1000体ほどの生物兵器を集めるには、それなりに時間が掛かるだろう。 だがそれを考慮しても、いつ来るかわからない。そう考えて、最短距離で強力な兵器のある中国から運んできてる。」 「どんな装備を注文した?」 「ハンドガン10丁に、ショットガン、ガトリングガン2丁とマシンガンを5丁。グレネードランチャーも一つ。弾はありったけ用意されてる。」 「どのくらいだ?」 「約3000発ほど。弾が切れたら、あとは自力で戦うしかないな。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・いいじゃん、面白え。」 アツシはニヤリと笑った。本能が、狩人の性が疼いているのだ。 そしてそれは、他の4人も一緒だった。トールですら、武者震いがする。 「悪いけど、オレは負けないよ。」 「ま、なるようになってやろーじゃん?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 他の3人も乗り気らしかった。なんのかんの言って、彼等も楽しみなのだ。 「ったく、みんな心の底から戦闘狂だな・・・・・・・・・」 トールは苦笑した。『みんな』とは、トールのことも含まれている。 「つーわけで、やってやろうじゃねえの。目に物見せてくれるぜ、ライプリヒよぉ!」 |
あとがき バトルスタートです。かなり凄まじくなってきますよ。 銃声と悲鳴(オイ)と怒号(?)が響き渡る(かもしれない)ので、どうぞお楽しみに。 「ラビット」と同じく、「アラベスク」「マンアフター」もガレリアンズアッシュの敵モンスターです。 あ、大根メロンさんから許可は頂いてますからね。 二つ返事でOKを頂きました。本当にありがとうです。 3人の出番はもうちょい先です。彼等との闘いが一番メインなんですけどね。 BGM『限りなく鼠』BUCK−TICK |
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