※毎度の事ながら壊れSSです。冗談の解せる方のみご覧下さい |
I Wish 〜永遠の愛情〜 レイヴマスター |
その日も、いつもと変わらない一日になるはずだった。 チュンチュンチュン… 雀のさえずりに目を覚まし、俺はゆっくりと起き上がった。 今日も仕事だ。きっとまた優に色々こき使われてヘロヘロになって帰って来る羽目になるのだろう。 そしてそんな疲れた俺を、つぐみは優しく包み込んでくれるに違いない。そして……。 朝からたくましい妄想を爆発させかけた俺は、まだ隣で眠っているであろう愛妻へ目を向けた。 が、そこにいたのは……。 「………へ!?」 俺は一瞬我が目を疑った。そこに眠っていたのは美しき愛妻ではなく、一人の小さな少女であったからだ。 見た目小学3〜4年生といった感じだろうか?安らかな寝息をたて、幸せそうな寝顔で眠っている。 だがもちろん、俺はこんな少女を神聖なる寝室に呼び込んだ覚えは無い。 大体桑古木と同じ趣味(ロ○)は持ち合わせていないし、これから先、一生持つ予定も無い。では、この少女は一体誰なのであろうか? …………(熟慮中) ……………………(推測中) ………………………………(結論をはじき出している) 「……そ、そんなバカな!?まさかっ…!!」 つぐみ。 そう、そこに眠っているのは、小さくなったつぐみであった。 何故こんなことが起きたのか?起き抜けの頭をフル回転させて俺は考える。 考える。 考える。 …考える。 「……わからん」 理由がさっぱり思いつかない。昨日もいつもと変わらぬ夜を過ごし、そのまま一緒に眠ってしまったのだから。 何ともなしに、俺は小さいつぐみの頬をつっつく。 ぷに。 何とも形容し難い柔らかな感覚が、俺の脊髄を駆け巡った。 そのまま俺は続けてつっついてみた。 ぷに。ぷにぷに。ぷにぷにぷにぷにぷに。 「んぅ…?」 と、つぐみがうっすらと目を開けた。 「(そりゃ、あんだけやりゃ目も覚めるわな…)…お早う、つぐみ」 いつもと変わらぬ笑顔で、俺は朝の挨拶をする。が…。 「……やあぁ。つぐみ、まだ眠いぃ……」 そう言って、俺の胸の中に倒れこんでしまった。 「う〜ん…朝に弱いのは変わらないのか…」 俺は失笑しながら、つぐみの髪の毛を撫でる…。 「もお〜、パパ、ママ〜!いつまで寝てる……」 沙羅がノックもなしに神聖なる寝室に入ってきた。 時が、止まった。 「………嫌ぁぁぁぁぁっ!!パパが、パパが、そんな……!!…お兄ちゃん、お兄ちゃん!パパが幼女を連れ込ん」 「違ぁぁぁぁぁうっ!」 その後何とか沙羅を抑えた俺は、ホクトの作った朝食を食べながら2人に事情を説明した。 話の中心であるつぐみは、ハムスターのような愛らしさで一生懸命にトーストを噛っている。 「ふう〜ん、起きたらママが、ねえ…。何でそうなったのか、検討はつかないの?」 「全くだ。昨日もいつも通りの1日だったからな」 「…こういう事はさ、田中先生に聞くのが一番良いんじゃないかな?」 「そうか…どうせ今日も会社で会うし、丁度良いか。…つぐみ、御飯食べたら俺と一緒に優の所へ行こう。な?」 『優の所へ行く』の言葉を聞いた時、つぐみがピタッと食事の手を止めた。 そして、俺の服の裾をチョンとつまむと、プルプルと顔を横に振る。そして上目遣いに俺を見やり、 「ィャ……」 と小さく呟いた。 「何でだ?優に会えば元に戻れるのかも知れないんだぞ?」 「や……優はイヤ。武のこと取っちゃうから…や」 「?どういう…」 「ははぁ…成程成程。そういうことでござるか♪」 「精神年齢も幼くなったみたいだね。言う事がストレートだよ」 兄妹はそう言って顔を見合わせ笑った。 「……?」 俺には何が何だかさっぱり分からなかった。 何とかつぐみを説得(言いくるめるとも言う)した俺は、仕事場である田中優美清春香菜第一研究室へと足を運んだ。 所長であるところの優の部屋は研究室の1番奥にあるわけで……。 小さいつぐみを連れた俺は、他の所員からの注目を浴びたい放題だった。 「どうしたんですか倉成さん、その子?」 「ん、ああ…親戚の、子供さ…!」 つぐみにこっそりとつねられたが、我慢する。 「いや〜ん、可愛い〜♪」 若い女性所員に抱きしめられ、困惑するつぐみ……。 俺はその光景を、成す術も無く見つめるだけだったり……。 紆余曲折を経て、俺とつぐみはようやく優の居る部屋の前まで来た。 さて、いざ中へ入らんとドアをノックしようとした時、ズボンを引っ張られる感覚。 見ればつぐみが潤んだ瞳で俺を見ていた。 ここまで来て、朝の不安が戻ってきたのだろう。俺はしゃがんでつぐみと視線を合わせると、 「大丈夫だよ。優が悪い奴じゃないって事は、つぐみだって分かってるだろ?そんな顔するなって」 そう言ってつぐみの頬に手を添えた時…… バサバサバサッ!! 背後から何やら大量の紙の束が落ちる音……振り向くと、そこには。 「か…桑古木………」 呆然と俺達を見つめる桑古木。だが、その表情に変化が起こりつつあった。 最初は驚きに染まっていたその表情が、徐々に緩んでいき…… ……ん?って何故俺をそんな潤いを帯びた目で見る!? 桑古木の視線はこう俺に語ってきた。 『いらっしゃい。武がこっちの世界に来るなんて……歓迎するよ』 「か、かかかかかか桑古木!!勘違いすんなよ!この子は……」 「いや…いいんだ、武。そうか、とうとうつぐみに愛想つかされて……分かる、分かるよ!やっぱり最後は幼女だよネ!!」 「いや…だから……」 「今日その子を連れてきたのは……はっ!そうか、優に自分の今の気持ちをはっきり伝える為か!くぅっ…流石俺が尊敬する漢(ヲトコ)なだけあるぜ!!」 ああ……桑古木が壊れた。 俺に出来たのは、作者が背後から刺されるのを祈る事と桑古木が優の部屋のドアを開けるのを成す術なく見つめることだけであった。 その後暴走した優を説得するのに17分を要した。 「ふぅ……成程。事情は良く分かったわ」 事情を聞いた優はそう言い、ため息をついた。 「治そうにも原因が分からないからな。優、何か案はないか?」 「そう言われてもねえ……私は元々考古学専門でやってたわけで、ライプリヒに入社するために医学・薬学も学んだけど…幼児に退化するなんて現象は初めて見るわよ」 「なあ、優。阿師津さんに頼んだらどうだ?」 顔面がボコボコに腫れ上がった桑古木が突然、俺の知らない人物の名を上げた。 「彼に?ああ、確かにこういうのは得意そうよね。それに倉成に会ってみたいとか言ってたし……丁度良い機会かもね」 「なあ?阿師津さんって誰なんだ?」 「ああ、倉成は知らないのよね。『阿師津 隆文』っていってね、ライプリヒに入社するためにその人の下で医術・薬学を学んだの。特異な病気の研究・解明を専門としている人でね」 「正にうってつけの人物って訳か。それなら、頼む。一刻も早くつぐみを戻してやりたいからな」 そう言って俺は、つぐみの小さな手を握った。つぐみもしっかりと、それに答えてくれる。 「……ふう。仲が良いのは結構だけどね。そうしてると変態趣味を持ってると勘違いされるわよ?」 「何だ優、嫉妬か?」 優の裏拳が桑古木を沈めた。 「待ってて、今地図書くから」 「あ、今日の仕事は明日にちゃんと…」 「そんなのは気にしないの。今日のあなたの分はそこの転がってるのにやらせるから」 「う…そ、そうか…?」 哀れ、桑古木。 俺は心の中で合掌し「なぁ〜む〜」と唱えた。 「ここか…?それにしても随分真新しいな…」 優の書いてくれた地図に従って着いた場所は、優の研究室に勝るとも劣らないほどの大きさを誇る巨大な研究施設であった。 しかもライプリヒをゆすって施設を手に入れた優と違って、正攻法で稼いだ(と桑古木からこっそりと言われた)それは、光り輝いているように見えた。 (ここなら、つぐみを元に戻せるに違いない) 俺は視線を落としつぐみを見た。と、つぐみの顔がどこか沈んでいるように思えた。 「ん?どうしたんだ、つぐみ?気分悪いのか?」 つぐみはフルフルと首を横に振る。だが、その表情は相変わらず映えない。 「優が……」 「ん?優がどうかしたのか?」 そういえば研究所を離れる前に、優がつぐみに何か耳打ちしてたような……。 それと関係してるのだろうか? だが待ってみてもつぐみは何も言わなかった。 俺はため息一つつくと、研究所の呼び鈴を押した。 『はい?どちら様ですか?』 「あ、あの。倉成と言いますが、阿師津先生にお会いしたくて…」 『はい、お伺いしております。少々お待ちください』 「どうぞ、お入り下さい」 研究所のドアが開き、中から一人の女性が姿を現した。恐らくは助手の方なのであろう。 「あ、はい。お邪魔します…」 「お邪魔しま〜す♪」 さっきまでの陰鬱な感じはどこへやら。つぐみは元気良く挨拶をかました。 「…もしかして、この子ですか?本日の用件は」 「ええ…まあ、そうです。本当はこんなちみっちゃくはないんですがね…!」 またしてもつぐみに抓られたが我慢する。 「ここですよ。先生は中にいらっしゃいますので」 そうこうしている内に目的の場所に着いたようだ。女性は静かに立ち去っていった。 深呼吸一つ。俺はゆっくりと扉を開けた。 ガチャリ……。 そこには、一つの大きなルームチェアに腰掛けた一人の男性が居た。 「…やあ、いらっしゃい。君が倉成武くんだね?」 「え、ええ。もしかして、貴方が…?」 「ああ。僕が『阿師津 隆文』だよ」 少なからず驚いた。何せ目の前に居る男性は見た目20代後半と言った感じで、とても17年前に優に勉学を教える様な感じの年齢ではなかったからだ。 「ん?…どうやら僕の見た目に驚いているようだね?だが、それも当然だよ。僕もまた、キュレイのキャリアなんだから」 阿師津さんの話はこうだった。 17年前、当時大学院生だった阿師津さんの元に、優が訪れた。当時から医学会のホープとして期待されていた彼に狙いを定めたのがきっかけだったらしい。 ある日、動物を使った解剖実験中、優がミスをして怪我をしてしまった。 その時手当てをした阿師津さんも偶々指に怪我をしていたため、傷口から感染してしまった……ということだ。 「当時は驚いたがね。そんな話信じられるかって。でも、12年前から変化の少ないこの体をしてみれば、ハルの言った事を肯定せざるを得なくなったがね」 「後悔…してないんですか?」 「後悔?そりゃあ最初はしたさ。『どうしてこんな体になっちまったんだ』って。だけどね、今は感謝すらしてるよ。こうして生き永らればより発展した医術を編み出せるかも知れないんだから」 そう言うと阿師津さんは指で眼鏡の位置を整えると、ひどく真面目な表情になって言った。 「さて、雑談はまた今度と言う事にして……今回の用件について、詳しく聞かせてもらおう。ハルからの電話だけでは何分情報が少なすぎるからね」 「う〜ん…実は俺にも良く分からないんです。つぐみに聞いてもさっぱりだと…」 「つぐみ?もしかして…その子が小町つぐみくんかい?」 「え?え、ええ…そうですけど…?」 「そうか…いやね、ハルの電話では君の名前しか聞いていなかったから、その子は君の子供なのだとばかり…あいたたたた!」 つぐみが阿師津さんの右腿をふくれっ面で抓っていた。 「ふう…それなら何とか出来るかも知れないな」 「本当ですか!?」 「ああ。完全には言い切れないが…キュレイキャリアならではの症状かも知れないしな。とりあえず身体検査を行いたいんだが…良いかな?」 つぐみと目線を合わせ、穏やかに微笑を浮かべる阿師津さん。この手の対処法には随分と慣れているようだった。 「……ぅん」 つぐみは小さくも、しっかりと返事をした。 検査中、俺は気に掛かっていた事を、阿師津さんに聞いてみた。 「阿師津さんは、優の事を『ハル』って呼んでますよね?どうしてなんですか?」 「私は秋香菜ちゃんとも面識があるからね。『優』って呼び方じゃマズいだろう?だから親愛の意味も込めて『ハル』と呼んでいるのさ」 「へえ〜…」 納得納得。俺も近いうちに呼び分けをした方が良いかもしれん。いつまでも『優の娘』ってのもアレだしな…。 「ちなみに桑古木の事は『リョウ』と…何のひねりも無いが、一番しっくり来るからそう呼んでいるよ。…そうだ、いつまでも『君』なんて呼び方もアレだしな、今から倉成君の事を『タケ』と呼ばせてもらうよ。いいね?」 「俺は別に構わないですけど…」 「それじゃ決定だ、タケ。君も僕の事を『タカさん』なんて感じで気楽に呼んでくれよ」 そうこうしているうちに検査は無事終了した。 「検査結果から診断してみたんだが…まずは今のツグの状態から報告しよう」 いつの間にやらつぐみの愛称は『ツグ』に決まったらしい。単純というか何と言うか…。 この人単に面倒臭いから2文字で呼んでるんじゃないか?と本気で思った。 「まず記憶についてだが、自分の周りの人間関係以外は忘れているようだ」 それにはすぐ納得した。幼児化しても今までの辛い過去を覚えているなら、ここまで無邪気になれろうはずもない。 「そして、肉体年齢は11〜12才…これは彼女がキュレイに感染した時と合致しているな。次に精神年齢は…7〜8才」 「肉体年齢と随分差がありますね?」 「ああ。そこがポイントだな。何故精神年齢がそんなに幼いのか?」 (お子様口調にするにはそれ位の年齢がいいんだよっ!深く考えるなっ!) 「ん?タケ、何か言ったかい?」 「いいえ、別に?それよりも…根本的な原因は分かったんですか?」 「ああ、やはり予想通りだったよ。キュレイウイルスが関係していた」 キュレイウイルスが肉体に無限の時間を与えるのは承知だと思うが……。 衰える事を忘れた細胞は、その行くべき方向を見誤ったようだ。 つまり…『年老いる』のではなく『若返る』方向へと。その能力を発揮してしまった…。 「少々乱暴な解釈ではあるがね。つまりはそういう事さ」 「不老の力が与えた、行き過ぎた若さ…それで、何とか出来るんですか?」 「もちろん。ちゃんと発見したさ」 「本当ですか!?一体どうすれば…!」 「キス、するんだ。しかもとびっきり、ディープなやつをね」 「………はいっ!?」 俺は一瞬我が耳を疑った。タカさん、今貴方何と仰いましたか!?も、もしかして… 「あ、ちなみに突っ込んでおくが魚のキス…ではないよ?」 …読まれていた。 「性的刺激により放出されるホルモンの中のある物質が、この症状を沈静させる効果がある事が判明している」 「ホルモンッ!?だったらそのホルモンを注射すれば…」 「残念ながら現代の地球の技術力ではそのホルモンを人工生成出来ないんだ。てっとり早く症状を治すのであればツグに性的に興奮してもらうのが一番なのさ……」 何だかタカさんの言葉が遠く聞こえた。今の状態のつぐみにキス…小学生なつぐみにキス…それって…それって……。 その時不意に、俺の脳内に映像が流れた。 『いらっしゃい…』 笑顔の桑古木が。 『いらっしゃい……』 その瞳を煌かせて。 『いらっしゃい………』 手招きを、していた。 「何じゃこりゃあーーーーっ!!」 とんでもない幻覚を見てしまった俺は、今の画像を脳内から消し去るため頭を大きく振るった。 嫌すぎる。桑古木と同じラインに立つということが、とてつもない恐怖感を伴い俺を圧迫する。 「武……」 キュッ、と俺のズボンにしがみつくつぐみ。 「いいよ…つぐみは…」 「良いよっ!?そ、それは…」 キスOKって事ですかい!?い、いやしかし、他に方法は無いのか…? 俺がタカさんに聞こうとした時、つぐみがまた口を開いた。 「いいよ…つぐみは…このままでも…」 「……え?」 つぐみは俺のズボンに顔を押し付け、続ける。 「いいよ…つぐみは…この姿のままでも……だって、このままならずっと武と一緒にいられるでしょ……?ヒック、グスッ……」 「つ、つぐみ…」 ポリポリと、タカさんは頭を掻いた。そして、俺を見て言い放つ。 「なあ、タケ。お前はツグのどこに惚れたんだ?どうして一緒に居てやりたいと思った?」 「…い、いきなり何を…」 「白く美しい肌にか?豊満な若い肉体にか?違うだろう!?お前はツグのそんな所に惹かれたんじゃないだろう!?」 語調を荒げたタカさんの言葉が、俺の意識を解放した。 「そう…だ…。何を躊躇してたんだ?俺は?」 俺は泣きじゃくるつぐみを抱え上げ、抱きしめる。 「体が小さくたって、幼児退行してたって…つぐみはつぐみじゃないか…」 つぐみの顔を俺の真正面に持ってくる。 「武…?」 涙でぐしょぐしょになったその顔も、綺麗で、俺の愛しているつぐみだった。 「俺は…つぐみの…」 全てが好きだ。 そんな思いを込めて、優しく、深い、キスを交わした。 「…お世話になりました、タカさん」 夕暮れ時。俺はタカさんの研究所から帰る事にした。 隣には……黒い日傘を持った、昨日までと同じ姿のつぐみが。 いや…正確には服が違う。 無事に元の姿に戻れたはいいが、何せ今日のつぐみはお子様だったわけで…。 タカさんの研究所に女性が居て本当に助かったと感じた。 「なぁに。僕がしたのはあくまで手伝い。ツグを元に戻せたのはタケの愛情さ。永遠に忘れるなよ、その愛情を」 「ええ。分かってますよ。ありがとうございました」 俺とタカさんは夕日をバックに、熱い握手を交わした。 「今度はホクト君や沙羅ちゃんにも会ってみたいもんだね。それじゃ」 タカさんはそういい残し、研究所へと戻っていった。 俺とつぐみはしっかりと手を繋いで、ゆっくりと我が家への帰り道を歩いた。 「ただいま〜」 俺がそう言うと同時に、ドタドタドタと奥から桑古木が現れた。 「桑古木っ!?お前、何でここに?」 「ああっ、武!つぐみ、元に戻ったんだな!」 「ああ。タカさんのお陰でな」 「頼む!助けてくれ!!」 「うわわっ!?」 そう言うと桑古木は俺の手を掴み、居間へと引っ張った。 「な……何じゃこりゃーーーーーっ!!?」 居間に入った俺の目に飛び込んだもの。それは……。 「あっ♪た〜けし〜☆」 俺に飛びつく…小さくなった優だった。 ゴロゴロと、俺の脚に擦り寄ってくる。 「あの後、優も急に小さくさっちまってな…どうしたらいいか分からなくて、ホクトと沙羅に頼ってたんたが…」 ふと視線を向ければ、居間の隅で白く燃え尽きているホクトと沙羅が座り込んでいた。 「中々手に負えなくってな…早いことつぐみみたいに治してくれ!」 「な、治せって……」 この小っちゃい優に、ホクトと沙羅と桑古木が見ている前で、KISS? そんな事したら…確実にロ○決定だ。 その時、背筋に殺気を感じた。恐る恐る振り向くと、そこには……。 「…どうするの?た・け・し?」 愛するつぐみの、鬼の形相があった。 直後に、近所に響き渡る巨大な破壊音。 今夜も倉成家は、騒がしかった。 |
あとがき Nenojiさんの小つぐみんに影響を受けたのが書き始めの理由です。 一応TTLL的作品ですが、う〜む……にんともかんとも(爆)。 なんだか今まで以上に作品的にまとまりが無くなってしまいました。要修行です。 しかし、今回のこのSSを書く目的は果たしました。 それは…『オリジナルキャラクター・阿師津隆文の存在の確立』という事! 彼のお陰でこの夏の新作が展開出来るというものです♪ おそらくその予告編も同時掲載されていると思いますので、一読してみて下さい。 ではでは♪ 口ずさみソング 『Believe』 (玉置成美) |
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