※この作品には若干の暴力表現が含まれています。 予めご了承の上でお読み下さい。 【前回までのあらすじ】 ある日武が桑古木から渡された1つのカードデッキ。それによって武は『仮面ライダー』として戦う事に。 自らの手で幼き少女を殺め戸惑う武をよそに、戦いは終焉へと向かい急速に加速していく。 次々と消えゆく命。残るライダーは後5人………。 武には、どうすることも出来なかった。 ただ腕の中で冷たく、消えゆく彼女達に語りかける事しか出来なかった。 涙が零れても、それは彼女達の体を何事も無く通り抜け、地面に跡を残すのみで…。 そして、彼女達は同じ言葉を、最期に切なく微笑みながら告げる。 『貴方は…生きて。生き残って…?』 |
仮面ライダー武〜17人の戦士達 終焉の鮪 |
飛翔するが如くに、素早く移動する影。 その影を狙う、鈍く輝く凶器。 シュタンッ!ザザッ、カカカンッ! つぐみといづみの戦いは、全く先に進まない状況にあった。 「流石ここまで生き残ってきただけあるわね……私の投撃がことごとく避けられるなんて少しショックだわ」 「そんな飛び道具じゃ私は殺せないわ……いかに貴女がキュレイといえど、所詮は優からの派生。真のキュレイである私には勝てないのよ」 「あら。私がキュレイだと何故わかったの?」 「簡単な事よ…。貴女のその狙撃能力、カードも使ってないのに明らかに高すぎる。それでも、私の移動スピードには敵わないけど」 「今のは余裕の台詞なのかしら?調子に乗れるのも今のうちよ」 「貴女こそ。余裕が無いのはそっちじゃないの?」 「…貴女は、私の切り札を使うにふさわしい相手だわ」 不敵に、いづみが笑う。つぐみとの距離を持ち、静かに話しかける。 カードを、引き抜く。 風が、吹いた。 「このカードはね…余りに強力すぎるのよ。だから今まで使った事はなかったの」 「使った事が無い…?なら、なんで強力だ、なんてことが分かるんだよ?」 「判るのよ…このカードは常軌を逸しているっていうのが、持ってみればね」 春香菜の周囲に、ちろちろと赤い閃光が煌く。 「倉成…これでしばらくはお別れね……でも安心して。私が勝ち残り願いを叶えられれば…貴方は私の夫として蘇らせてあげるから」 そう言う春香菜の目は、圧倒的な圧力を武に掛けてくる。 (何だ…優の様子が変だぞ…?) 武が春香菜に持つイメージは、こと恋沙汰にかんしては意外と奥ゆかしい所があると思っているからだ。 (操られている…?) だが、武に考える余裕はそれ以上与えられなかった。春香菜を取り巻き、煌いていた閃光は徐々に激しさを増し、遂に紅蓮の炎となって高速回転を始めていたからだ。 「これが…『SURVIVE』」 大きな火柱が昇り、春香菜の姿を一瞬消し去る。そして武が感じたものは…… 体の芯まで凍てつく様な寒気を伴う、野獣の気配。 「二匹の強大なる野獣…遂にその拘束をを解かれたか…」 桑古木は目を閉じ、ミラーワールドの風を身に浴びていた。冷たく、生気を感じない風。 だが、今の桑古木にはそれで充分だった。 自分の役目は、もうすぐ終わる。その事を、理解しているから。 「俺は……の為に働けた。それで充分さ」 足音が聞こえた。振り向けばそこに…… 愛しい人が、立っていた。 目の前に立っている春香菜は、先程と見た目は何ら変わってはいない。 だが、全身からにじみ出ている『殺気』が桁外れに強く放出されていた。 武の体は無意識の内に距離をとり、カタカタと震えていた。 「くそっ!何だってんだよっ!」 「本能が伝えているんでしょ。絶対なる力の差を、ね」 春香菜の目に光は無く、武を写しているのかどうかすら分からない。 「でも…怯えなくていいのよ、武。私がすぐに眠らせてあげる」 武が目を見開いた時、『死神』はすでに這い寄っていた。 つぐみの視界を塞ぐ風が止んだ時、そこにいづみの姿は無かった。 「!?どこへ…」 「ここよ」 「!!」 背後に寒気を感じたつぐみは、半ば無意識の間に刀を振るう。だがそれは虚しく空を切るのみであった。 「遅いわね。まるで蚊が止まっているようよ」 いづみがつぐみの死角から手を伸ばし、無防備なつぐみの腕を掴み。 「…ぃぐわあああぁあああぁっ!?」 つぐみは渾身の力を込めいづみを蹴り飛ばし、ゴロゴロと地面を転がりながら乱暴に距離を取った。 「あ…ぐううっ……」 この不条理な世界においては何故か、キュレイの治癒能力のみ制限される。 その状況下の中において、左腕を折られたのはかなりの痛手だ。 「あらら、残念。足の一本のついでに奪おうと思っていたのに」 ウフフ、と笑ういづみにつぐみは、嫌悪以外の感情を持った自分に気づいた。 「あ…がぁっ……」 派手に吹き飛び、廃ビルに激突した武。呼吸音がどこかぎこちなかった。 「この呼吸の仕方…武、肋骨が折れたようね?」 語尾を上げ、愉快そうに呟く春香菜に武は『恐怖』を覚えた。 武を痛めつける事を躊躇するでもなく、むしろ楽しんでいるその様は正しく『死神』…。 「(いや…むしろ…)」 堕天使。二対の翼を黒く染め上げた、天使の顔を持つ悪魔。武にはそう思えた。 「(だがま、どちらにせよ…)」 遅かれ早かれ、自分はもうじき死ぬであろうと、武は腹を括っていた。 「もう…死ぬ事に恐怖は無いわ…」 つぐみは流れ出る額の血を拭い、折れた刀を握りしめながらそういづみに言った。 「でも…叶うなら、最後に教えて?何故それをもっと早くに使わなかったの?」 「『それ』っていうのは…『SURVIVE』の事よね?」 「ええ…最初からそれを使っていれば、余計な手間は省けたはずよ。だって、もう時間はあまり無いのよ?私と戦う時間も惜しいだろうに、どうして…」 「そうね。最初から使えれば、ね…でも、世の中そう全部行かないのよ」 「……?」 「いいわ。教えてあげましょう。『SURVIVE』の使用者に対するリスクを、ね」 「私の力を持ってしても、厄介なものよ。『SURVIVE』は」 「…じゃあ、何故そんなカードを創造したんだ?……がやられたら意味は無いんじゃ…」 「必要だったのよ。目的の為には、ね」 「……強大なる精神の育成」 「ビンゴ。勝ち残った者の精神が水準以下なら意味は無いもの」 「その為にあんな危険なカードを…よりによって優といづみさんに渡すなんて……」 「それも仕方が無いのよ。『SURVIVE』を使いこなせる可能性があるのは、あの2人だけなんだから」 桑古木はスッと立ち上がった。 「でも…優は上手く行かなかったようだが?」 「それでもいいわ。力に振り回され、その身が破滅しても。私に不利益は無いもの」 どこか遠くを見ながら、それはクスリと笑いを漏らした。 「武…私の愛しい武…今、楽にしてあげるから…」 ゆっくりと武に近づき、その首に手を掛ける優。 「……誰、だ?お前は?」 武の一言に眉を顰めながら、優は囁く。 「何を言っているの?たけ…」 「俺の知る『田中 優美清春香菜』はなぁ…俺の事を『倉成』って呼ぶんだぜ?お前…『優』じゃないだろ?」 『優』の顔はにたりと、唇の端を吊り上げて笑った。 「ああ…そうだ…私は本物の『田中 優美清春香菜』ではない。彼女の体を支配した『SURVIVE』の意識体だ」 『春香菜』の声のまま、『SURVIVE』はそう武に告げる。 「彼女は激情に流されるまま、私の封印を解き放った…結果私はこうして今彼女の体を拝借して動いているという訳さ」 「激情…?」 「この世界は君達が普段生活している世界とは違う…ほんの少しの心の変化が、自制心を飲み込み増幅する事も無いわけでは無い。君の娘…沙羅と言ったかね?彼女の様に元からの気が強い子ならなおさらさ」 「沙羅…?沙羅がどうかしたのか!?」 「おや、君は知らなかったのかい?彼女がこの戦いに参戦した理由は、実兄であるホクトと結ばれる為だったんだよ」 「なっ…!」 「…まあ、彼女はすでに脱落したようだが…私はね、この世界にいるライダーの気配が読めるんだ。生き残りは君と私、君の妻、つぐみ…ほう、相手はもう一人の『私』を使いこなしているようだ。精神を強く保っている証拠だな」 「もう一人の…お前?」 「私はもう一人存在するのさ。正確には若干違うがね。私は『烈火』、彼は『疾風』という呼称がつけられている」 「つけられて、いる…?」 「…お喋りが過ぎたな。そろそろ楽にしてあげよう」 武の首に掛かる『烈火』の握力が一気に増した。 「あ…ぐがぁぁぁっ…!?」 気道を直に潰される様な苦しみに、武の体は無意識のうちにビクンビクンと跳ね上がる。 「さよなら……っ!?」 武の息の根が止まる、正にその時。『烈火』の力が急速に失われていった。 「!!う…らああっ!!」 武は一息吸い込むと、今出来る最大の力を込めて『烈火』を弾き飛ばす。その距離は2mに及ばなかったが、武が呼吸を整えるには充分な距離だった。 「はあっ…はっ…はっ…」 呼吸を整えた武が『烈火』の方を見ると、彼は頭を抱えてうずくまっていた。 「ぐ…うあぁっ…ゆ、『優』…何故、何故今になって……!?」 冷や汗を流し、荒い呼吸を繰り返した後…顔を上げたのは… 「く…倉成……」 「ゆ…優?優なのか!?」 「あら…?『烈火』の意識が…へえ、優ちゃん土壇場で盛り返した様ね…」 「盛り返し…?」 「今説明したでしょう。『SURVIVE』のコントロールには強靭な精神力が必要となる。しかし優ちゃんは激情に流された不安定な状態で使用した為『烈火』の精神支配から逃れられてなかったのよ」 「それが今になって突然意識を取り戻したと?」 「そういう事♪…これは楽しみね、早く彼女と戦いたいわ〜」 恍惚とした表情で語るいづみに、つぐみは吐き気を覚えた。狂っている、と。 「そういう訳で…貴女との戯れは、ここまで」 スッ、といづみの表情が黒く染まり、殺気がさらに膨張する。そして… 「さようなら、つぐみさん……」 瞬く間に距離を詰めたいづみは、鈍く輝くナイフを、つぐみの腹に突き入れた。 「お願い倉成…私を殺して…」 「なっ…!何言ってやがる、優っ!?せっかく正気に戻ったっていうのに…!」 「これは一時的なものに過ぎないわ。私は…間違っていた。貴方を手に入れたいなんて邪な感情を持ったばかりに…『烈火』に心を奪われて…その結果、私は自分の手で貴方を殺しかけた」 「………」 「私は貴方が好き。これは本当。だからこそ…これ以上貴方を傷つけたくはないの。…お願い、武。私が私でいるうちに…」 「…何で…こうなっちまったんだろうな」 武はデッキからカードを引き抜く。 「さぁ…?これも『運命』なのかもね…」 バイザーにカードが装填される。 「…『運命』なら、俺が変えてみせる。絶対にだ」 武の右腕に、新たなストライクベントが装着される。 「ええ、貴方ならきっと出来るわ。私は信じてる…!」 春香菜の体が一瞬止まる。『烈火』の力が再び彼女の心を焼き尽くそうとしている。 「…今は、こんな事しか出来ない俺を…」 武は身を屈め、春香菜のデッキに狙いを定めて。 「…許してくれ」 拳を、放った。 「がっ…!」 つぐみの口からおびただしい量の血が流れ出た。腹部からも流れ出ているそれは、つぐみの下腹部を真っ赤に染め上げている。 「ふふ…なかなか楽しかったわ…」 いづみがゆっくりとナイフを抜き取ろうとした時、異変は起こった。 「……え?」 がっくりと、膝から崩れ落ちるいづみ。起きあがろうとするが、何故か力が入らない。 「ど、どうして…?」 訳が分からない、といった表情を浮かべるいづみに向かって、つぐみは震える自分の右手を差し出した。 そこには、つぐみの血で紅く濡れた、折れたソードベントの先端部が握られていた。 「自分の…体を、良く、調べてみなさいよ…」 つぐみが苦しげに微笑む。いづみの顔面が蒼白になる。調べるまでもなく、分かった。 歪んでいた。 ベルトに装填されているはずのカードデッキが。つぐみの一撃で無惨にも破壊されていた。 「…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?」 いづみの言葉にならない叫び声が、辺りに響いた。 「あ…ああ…そんな…いつの間に……」 「油断しすぎたのよ、貴女は。自分の実力に溺れて、状況を把握する事を怠った」 いづみの体が、徐々に霧散していく。 「嫌…嫌よ…死ぬのは……嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!」 そして絶叫を残し、いづみは完全に消え去った。 「…やっぱり、最期は本音が出るものね。だって…私も、死にたくはないもの」 つぐみはそう呟くと、力なくその場に倒れこんだ。 『仮面ライダーいづみ』脱落 ――――― 残り4人 ――――― 温かい感触で目を覚ました。視線の先には、愛する人の顔があった。 その顔は、涙に濡れていて―――――。 だから彼女―――優美清春香菜は震える手で彼―――倉成武の頬を伝う涙を拭った。 「……どうして、泣いているの?」 「馬鹿野朗……こういう時に泣かないで、いつ泣くってんだ?」 「そっか……そういえば、はじめてだわ。貴方のそんな表情(かお)見るの」 「…男は必要以上に泣くもんじゃないからな」 「ふふ…格好良い事言っちゃって。……似合ってるから良いけど」 「……そりゃどうも」 「武…また泣いてる」 「良いんだよ。泣きたい時は、思いっきり泣いた方が良いんだよ。そうしないと…いつまでもひきずっちまう」 「……そうね。いつでも『未来』を見据えなくちゃね。貴方には後悔なんてして欲しく無いし。……ねえ、これを持っていって?きっと貴方の役に立つから」 春香菜は一枚のカードを掴もうとする。だが、その手は虚しくカードをすり抜けるのみだった。 「あれ…?おかしいな?もう一回……」 再びカードを掴もうとする春香菜の手を、武が遮った。 「……いいんだ。無理しなくて…いいんだ……」 「…もうダメなんだね、私。だって今…貴方の手の温もりが感じられないんだもの……」 粒子に変わりつつある中、春香菜の瞳から雫が零れ落ちる。 それは僅かに、だが確かに、ミラーワールドの大地を濡らした。 「ねえ…武……貴方は…生きて。生き残って…?」 「ああ…俺は生きる。生き残って…必ずあの平穏な日々を取り戻してみせる」 「うん…期待してる。それじゃあね、武…………」 そう言い残し、春香菜は、静かに、消えていった。 『仮面ライダー春香菜』脱落 ――――― 残り3人 ――――― 「………優が、死んだ」 桑古木は呟くように『彼女』に話しかけた。 「そう」 『彼女』は冷たく、機械的にそう返すのみだった。 「つぐみももう駄目だな。消えるのは時間の問題だ…」 「という事は……残るは彼1人か……彼の強さについてはどう思う?」 「充分だろ。元々武は強い。体も、心も」 「そうか…それなら、君の出番は無いね?」 「ああ…なら、俺の使命は後1つだけだな。出来れば手早く済ませてくれ」 「良いだろう。私にここまで尽くしてくれたせめてもの情けだ。苦しまずに逝かせてやろう」 今、『彼女』はいつもの『彼女』の口調では無かった。迫りくる終焉の時に対して精神が高揚しているのだろう。 しかし、それでも桑古木は構わなかった。 『彼女』の手で殺されるなら『死』というのも案外良いものかも知れないと思うほどに。 彼は、壊れていた。 「……やっと見つけたぞ」 「……武」 血の海に横たわるつぐみに近寄り、武は彼女の体を抱き上げた。 その体は驚くほど細く、軽くて………。 武は、自分は無重力の世界に居るのでは、という錯覚さえ起こしかけた。 「ねえ…武。もっと顔を近づけて?目が霞んであまり顔が見えないの……」 言われるがまま、武はゆっくりとつぐみの顔に近づく。 そして、2人の距離がゼロになる……。 武の口いっぱいに、鉄の味が広がる。それは不思議と不快ではなく、むしろ心を落ち着けるものだった。 「……私は、武とずっと一緒に居たい。例えもうすぐ消え逝く身でも」 「俺だって……つぐみと離れるなんて、嫌だ。だって…ずっと一緒だって言ったじゃないか」 「…今の私は、自分の力で貴方に何もしてあげられない。今の私が貴方にしてあげられる事は…これだけ」 つぐみは血にまみれた手で二枚のカードを差し出した。 「御免なさいね…もう、これしか手元に残ってなくて……」 「何言ってんだよ……きっとこれは役に立つ。俺が保障する」 「…根拠は?」 「ない。だがきっとだ。俺が嘘ついた事あるか?」 「……武が無いと言えば、私は信じるわ。それが夫婦…でしょ?」 「そうだな……」 「…武」 「…何だ?」 「私のお願い…聞いて、くれる?」 「…勿論」 「…あなたは…生きて。生き残って?そしてまた…楽しかったあの日々に還りましょう?」 「…ああ。承知した。約束だ」 そう言って武とつぐみは小指を絡める。そして、指を離そうと―――――。 「……つぐみ?早く指きりしようぜ?」 つぐみは目を閉じたまま、動かない。その体が急に、淡い光に包まれていく。 「なあ、つぐみ…指きりちゃんとしないと…約束、結べないぞ?」 武の声は、つぐみにはもう届いてはいない。 「つぐみ…つぐみぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」 武の切ない咆哮は、ミラーワールドの、憎らしいほど蒼い空の中に吸い込まれ、二度と還っては来なかった。 『仮面ライダーつぐみ』脱落 ――――― 残り2人 ――――― 武の体からは、警告を知らせる霧が出始めていた。 だが、武はただひたすらに、何も無い道を歩き続けた。 その瞳に、確かな強き意思を秘めて……。 不意に、霧の放出が止まった。それと同時に、空が黒く淀んだ色彩へと変貌する。 そして武の視界に、2人の人間の姿が入った。 1人は、桑古木だった。 彼は崩れたビルの瓦礫を背もたれにして、微笑を浮かべたまま静かに眠っていた。 瓦礫を彩る紅が無ければ、本当にただ眠っているだけの様に。 彼はもう、目を覚ます事は無い。 そして、もう1人。 別の瓦礫の上に腰を落ち着け、静かに武とは逆の方向を見ていた。 「…生き残ったのがまさか、一番最後に参戦したライダーなんてね……正直、驚きだよ」 突然そう、武に話しかけたのは、武が良く知る少女のものであった。 「こっちだって驚きだ。まさか、最後のライダーがお前だったなんてな……」 少女はクスリと笑うと、瓦礫からそっと地面に降り立った。桃色の髪を、ゆるやかに靡かせて。 「ココ……」 TO BE CONTINED…。 残りライダー:2人 [次回予告] 武「あれ?今回が最終回じゃなかったのか?」 空「そのつもりだったらしいのですが、作者さんがのんびりし過ぎたせいで前回から3ヵ月もたってしまいました。そのため急遽、第3話に変更したようですよ」 武「何じゃそりゃ。計画性なさすぎだぞ、あいつ」 空「この調子ですと、次回は10月末位になりそうですね」 武「ああっ、そうだ!次回予告せんと!ええっと、原稿は…」 空「あ、倉成さん。今回は私が予告をさせて頂いても宜しいでしょうか?」 武「え?本当か?俺は助かるから別に構わないぞ」 空「分かりました、では……『遂にやってきた終焉の刻。対峙する生き残った2人のライダー。この戦いの真の目的とは?そして、この戦いを仕組んだ張本人は?そして皆さんは、どうなってしまうのでしょうか?次回『仮面ライダー武最終回・未来は俺達の手で創るんだよ(仮)』お楽しみに!』です」 武「おお、さすが空!全く淀み無しに読みきったぞ!」 空「ありがとうございます。それで…倉成さん…」 武「ん?何だ?」 空「原稿読んだ代わりと言っては何ですが…一緒に寝てくれませんか?」 武「何でやねんっ!?」 |
あとがき うぃ〜うぃっしゅ!(この挨拶久し振りだなぁ)終焉の鮪です! いやぁ、第2話から空く事約3ヵ月………。 空けすぎだろ!?本当に申し訳ありません…(汗) SS職人の皆様は、こんなのよりもっともっと長くて高品質な作品を作っていらっしゃるというのに………。 自分の不甲斐なさをビシビシ感じました。 で、次回は本当に最終回です。 今回区切ったのは期間空けすぎ〜、というのもあったのですが、次回のココVS武がまた微妙に長いので……ここらで一区切りという感じにしました。 出来れば現在執筆中の『浪漫酢の神様』と同じ時期に終わらせたいのですが……善処します(こればっか) それでは、ここまで読んで下さった方、感謝御礼です♪ ではでは。 口ずさみソング 『Usual place(千葉紗子&南里侑香)』 |
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