一応、事件解決後のショートショートですが、特に時期にこだわる必要はありません。




エバセブショート
                              PUL


1.へんざいする空。
2017年。
LEMU内で。
「私はあらゆる所に存在し、あらゆる所に存在しない。私は遍在する」

2034年。
路上で。
「あ、武さん、こんにちは」
「よう空! こんな所で合うなんて珍しいな」
ライプリヒ社内で。
「あ、奇遇ですね武さん、こんなところでお会いするなんて」
「いや、ここなら珍しくないと思うが」
○○で。
「武さん今晩は。またお会いしましたね」
「って、ここ俺ん家なんだけど?」
「ちょっと、何であなたがここにいるのよ!?」
「私は、武さんいる所ならいつでもどこでもどんな時でも存在します。私は偏在する」
「…帰って」

遍在する:あまねく存在すること。どこにでも存在すること。
偏在する:かたよって存在すること。ある所ばかりに存在すること。


2.悩める沙羅
「むむむ…」
「どうした、沙羅?」
「あ、パパ。ちょっと気になる事があって」
「気になること?」
「もし、なっきゅ先輩(秋香菜)がパパと結婚したら、なっきゅママになるんだよね」
「はい?」
「でも、なっきゅ先輩にはママがいるから、なっきゅママが2人になっちゃうし、
やっぱりその時はなっきゅママはなっきゅグランマになっちゃうのかな? 
でも、見た目20代前半でその言い方は可哀想だし…」
「…お、おい」
「そうだ! なっきゅ先輩はなっきゅママ2号が良いや」
「さ、沙羅…」
「何、パパ?」
「そういう事は家では話さない方がいいぞ」
「へ?」
沙羅は背後に忍び寄る、大魔神と化したつぐみと北斗の気配に気付いていなかった。


3.私の名は…
「そう言えば、まだ一度も優のフルネームって聞いた事がないんだけど…」
「そうね、少年にはちゃんと言ってなかったわね。私の名は、田中優美清秋香菜」
「え? 優美清…秋香菜?」
「そうよ。『優』しく『美』しく『清』らかな『秋』『香』る『菜』の花」
「………」
「ん? どうしたの?」
「…菜の花って春の花じゃなかったっけ?」
「……」
「そうか、促成栽培なんだ」
「…おい」


4.俺は帰ってくる1
「武、行かないで!」
「つぐみ…」
「私を一人にしないで!」
「心配するな、つぐみ。俺は必ず帰ってくる」
「武ぃ…」
「…お父さん、早くしないと遅刻するよ」
倉成家の朝の風景だった。


5.あなたはどこ?
「うふふ…これはあなたじゃない」
武の写真を眺めながら、妖しげな笑みを浮かべるつぐみ。
「くすくす…。ここにもあなたは居ない」
空ろな表情で、武の服を抱きしめる。
「…あなたはどこ?」
「ママ、仕事で会えなくて寂しいのは解るけど現実逃避しないで。…怖いから」


6.じっと見る
「……」
鏡に映る自分の姿をじっと見詰める北斗。
「……」
かつてBWが自分の体に乗り移っていた時を思い出しているのであろうか?
「お兄ちゃん、何してるの?」
「…美しい」
「止めい!」


7.戦略的撤退
遠い目をして目の前の光景を見る桑古木。
「このままで良いの?」
「悔しいが、今は戦略的撤退なんだ」
「わーい! たけぴょん大好き!」
「武なんて嫌いだー!」
…敵前逃亡?


8.歳月は…
LEMUで1週間と思っていた時間。実際は17年の歳月を費やしていた。
その現実を武はまだ受け入れられなかった。
「……」
朝、目を覚ます武。
「あ、おはよう、おじいちゃん」
「…何年寝てたんだ?」


番外編(NEVER7より)
9.私、無いから(1)
デート中の誠と遙。
「……」
不意に立ち止まる遙。
「どうした、遙?」
「私…無いから」
「え? 無いって、何が?」
「…財布」
「……」
「……」
「奢って欲しいのか?」
「ご馳走様〜♪」


10.私、無いから(2)
デートの帰りの誠と遙
「……」
不意に立ち止まる遙。
「どうした、遙?」
「私…無いから」
「え? 無いって、何が?」
「…月のもの」
「……」
「……」
「マジ、ですか?」
「おめでとう、パパ♪」




後書き
初めまして、PULと申します。infinity系のSSは今回が初めてになります。
本当はもう少しちゃんとしたものを書きたかったのですが、投稿するといった手前
時間を空けるのも良くないと思い即興で思いついたショートショートを投稿させて
いただきました。
infinity系のSSはこれからも書いていく予定ですので宜しくお願いします。


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