優しさとは、人を守るのではなく、人を支える感情。
正義とは、正しい事では無く、誰かを助けるために信念を貫いた事。
しかし、その事に気づく者は少ない。
この二人は、どの様にして成長をしたのだろう?
それは、誰も知る由が無い。


〜優しさのかけら〜
                             武村 渉


ここは、とある田舎町
僕達は今、ここで暮らしている。

ここに来てから一ヶ月が経った。
海底アミューズメントパーク「LeMU」
僕はそこで事故に会い、その事故で生き別れた双子の妹と出会えた。
その妹、沙羅は僕の隣でぐっすり眠っている。
沙羅とは昔、研究所に連れて行かれたのだけど
僕だけは先に研究所から解放された。
多分、僕の能力に見限られたのだと思う。
その後、僕は研究所の場所を調べようと必死に頑張った。
でも、調べれなかった。
力に、ねじ伏せられていたから。




             自分が情けなかった。
             悔しかった。




そして、僕は何故か「LeMU」にいた。
今でもその部分の記憶は無い。
でも、それでも良いと僕は思う。
そこで、沙羅に会えたのだから。
そして、僕と沙羅は「LeMU」から抜け出した。
奴らの目を欺くために
本当の自由を、手に入れるために。

「お兄・・ちゃん。」
隣にいる沙羅から、寝言が漏れる。
昔と変わらない笑顔で。
僕はその笑顔を見て、何となく安心感を覚える。
だけど、それと同時に罪悪感と空虚感に襲われる。
何故僕が助けに行けなかったのだろうか?
自分が今までいた時間は何だったんだ?
・・・・やめよう。
そんな事を考えても
今、この時の沙羅の笑顔があれば
過去など気にする必要はないんだ。
「君と、僕が、かつて見た景色は・・・。」
僕は、昔好んだ歌を口ずさんだ。
切なさの中に、優しさがある歌。
パソコンで作ったらしいけど、凄いよなぁ・・・。
「ん・・・。」
そうしていると、沙羅が目を覚ました。
「お兄ちゃん・・・。」
「起こしちゃった?ごめん。」
「ううん、別にいいの。」
「そう?それならいいんだけど・・・。」
そう言って、僕は夜空の月を見た。
夜空の月は神秘的に輝いている。
「お兄ちゃん。」
「ん?何?」
振り向くと、沙羅は何となく悲しそうな目をしていた。
誰かを待っている、そんな感じがする目。
「お兄ちゃんは、もう何処へも行かないよね?」
突然の言葉。
その言葉に僕は一瞬戸惑った。
だけど、僕はすぐに笑顔を作る。
「当たり前だよ、もう何処へも行かない。約束する。」
「本当?」
「ああ、沙羅は僕が守るって決めたんだから。」
僕は精一杯の優しさで答えた。
そう、この笑顔を二度と失わないためにも。
「(くすっ)」
その言葉に、沙羅は微笑んだ。
「何か、前にも言ってたよね。」
前にも?
「もしかして、施設にいた頃の事?」
「うん、そう。」
「よく覚えてるね、沙羅。」
「あの時、お兄ちゃんが追い払ってくれたんだよね。」

昔、施設で沙羅がいじめられていた時があった。
その度に僕が前に出て沙羅を守った。
だけど、僕は彼らには敵わなかった。
今考えれば、集団には無理がある。
「強いんだね、お兄ちゃんは。」
どうして?
僕は負けたのに

「そういえば、どうしてあの時に強いって言ってくれたの?」
僕は聞いてみた。
ふと思った疑問
その答えは簡単だった。
「お兄ちゃん、私の為に体を張ってかばってくれたでしょう?」
ああ・・・そんな事か。
決して、体の強さではない。
誰かを守る事の勇気。
それが、強さなんだ。
「でも、今は無理しないでね。」
「え?」
どういう意味なんだろう。
僕が首を傾げていると、沙羅は言った。
「お兄ちゃんがいてくれれば、私には幸せだから。」

そうだった
その人にとって、最も大切な事は
共に生きること
共に支えあう事なんだ。
たとえ、その人の為にかばったとしても
死んでしまっては、その人が悲しむ。
最悪の場合、その人も死んでしまう事だってあるんだ。
だから、死んではいけない。
生きなければいけない。

「・・・そうだね。」
僕は、穏やかに答えた。
月の神秘的な輝きが、僕たちを見守るかのように・・・。




                  後書き!
作者「やっと書けたー!」
時瀬「ご苦労さん」
篠月「お疲れ様」
作者「今回わかった事、迂闊な発言はしないことだな。」
時瀬「何じゃそりゃ・・・。」
篠月「でも、全然シリアスじゃ無いような気がしたんだけど。」
作者「(ぐさっ)いや、実はこれに書き加えようと思ったんだけど、文章がめちゃくちゃになっちゃって・・・。」
時瀬「どういうことだ?」
作者「このSSにつぐみや武、桑古木や優春が登場させようとしたのだけど・・・。」
篠月「失敗したのね。」
作者「(ぐさっ)容赦無い言い方するなぁ・・・それにお前達は誰だよ。」
時瀬「そういえば、俺達の自己紹介まだだったな。」
篠月「そうね、この際だからしましょうか。」
時瀬「俺達はこのど下手作者が現在書いているSS「遥かなる永遠の時の彼方」の
   主人公、時瀬勇気(ときせゆうき)と」
篠月「ヒロイン、篠月由希(ささつきゆき)です。」
作者「まあ、こいつらの事はほっといて。」
時瀬「何だよ。」
作者「(無視)今回BBさんの復活記念と言うことで書きましたが・・・。」
篠月「締めをどうするかで迷ってたんだよね。」
作者「ああ、だから大変だった。」
時瀬「途中まで順調だったんだけどな。」
作者「五月蝿い、とにかく出来たんだからそれでよし。」
篠月「それでは、最後に・・・。」
作者「BBさん、復活おめでとうございます。」
時瀬「そして、これを最後まで見てくれた皆さん。」
全員「ありがとうございました!」




2002



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