9時をお知らせします 歩 |
「はい、みなさんこんばんは。この番組は私、田中優美清春香菜と」 「アシスタントのホクトでお送りします」 「この番組は視聴者様からのご質問、要望にお答えしちゃおうというものです」 「ではさっそく一枚目のお葉書行ってみましょう」 「東京都にお住まいの恋するAIさんからいただきました」 「え〜と『ドラマCD2035で私……いえ空さんにちょっかいを出した20歳ロリコン男を何とかしていただけませんでしょうか?』だってさ」 「あ〜、桑(ピー)ね。……ってあら?」 「先生、実名はまずいみたいだよ」 「なるほど。じゃあクワコギリョウケン(仮名)とでもしておきましょう」 「うわ……」 「つまりこの人はクワコギを成敗してほしいってことね」 「いや別に成敗しなくても」 「ユウ〜、ちょっと来て〜」 「聞いちゃいない……」 「ん〜?お母さん、何?」 「ちょっと桑(ピー)を呼んできてくれない?」 「うん、わかった」 ・ ・ ・ 「おう、優。なんか用か?」 「来たわねクワコギ。」 「クワコギって誰だ?」 「あなた」 「俺は桑(ピー)だが。……あれ?」 「番組の都合上本名は出せないみたいなのよ。だから仮名でね。はい名札付けてあげる」 「付けるな!俺は幼稚園児か!で、何だって?」 「これを読みなさい」 「ん。……ってなんじゃこりゃあ!?異動通知書?」 「うん、今日付けであなたは田中商事(仮)南極支部に異動よ」 「いやいやいやちょっと待て。俺の記憶では確か支部はロスとロンドンにしか無かったはずだぞ」 「…………」 「…………」 「…………ちっ」 「『ちっ』って何だ、『ちっ』って」 「まあいいから行きなさい。飛行機は一時間後よ」 「いち……アホか!一時間で何ができる!」 「カップラーメンが20個作れるわよ」 「ふ、甘いな。今は4、5分かかるのもあるぞ……ってそうじゃない。俺は異動なんてごめんだぞ」 「却下ね。これは社長命令だから」 「ぐっ、職権乱用しやがってぇ〜……」 「わかったわかった。カップラーメン40個分の猶予をあげるから」 「せめて日単位にしてくれよ」 「じゃあ四十八分の一日ね、ハイ決定!退場〜!苦麗無威の諸君、連行開始!」 「押忍!」 「こ、こら、何だそりゃ!あ、これヤラセだろ?ガ○ンコ並にわかりやすいんだよ!だって恋するAIってどう考えてもそ……ぐふっ!」 「はい、連れてって。クワコギ、ペンギンと雪男によろしくね〜」 「たぶん聞こえて無いよ……」 ・ ・ ・ 「嗚呼……桑(ピー)が……」 「ホクト、小さいこと気にしてちゃ強くなれないわよ」 「…………」 「はい、というわけで恋するAIさんの願いは叶いました!これにて一件落着!あっはっは〜!」 「……悪魔だ」 「ん?なんか言った?」 「いえ、何も」 そのころクワコギは…… 「いつのまに俺は南極に着いたんだ……?恐るべし21世紀の科学力……ってかさみぃ〜」 「では続いて二枚目……東京都の17年間冬眠男さんからいただきました」 「ん?もしかしておと……」 「それ以上言ったら命が無いわよ」 「はひ……」 「『どうか田中先生のひよこごっこを見せてもらえないでしょうか?見逃しちまったんだよちくしょぉ〜!』ということですが……先生?」 「…………ok、わかったわ。ホクト、ユウに伝言お願い。『倉(ピー)を誘拐……もといお連れするように。対つぐ(ピー)用に準備は怠らないで』って」 「ええ!?何でまたそんな。ここでやればいいじゃないですか。全国ネットなんだし」 「わかってないわね〜。そのままちょっと体の自由を奪ったりして拉致監禁しちゃえば……」 「カメラさんストップストップ!」 『しばらくお待ちください』 「しまったしまった……つい本音が」 「先生……」 「まあいいわ。ホクト、ユウに伝言してきて。私はこのまま続けるから」 「ほ、本気だったんですか!?」 「ええ。はい、行った行った」 「知りませんよ〜」 「と、いうわけで17年間冬眠男さんにはあとでゆっくりと私のひよこごっこを見せてあげるとしましょう」 そのころクワコギ(以下略 「吹・雪・い・て・き・た……死ぬ〜」 「三枚目は……東京都の伊賀忍者軍団第289代目頭目兼現役女子高生さんからいただきました……ってこの名前は私に喧嘩を売ってると見ていいのかしら?どうせ私はさんじゅ……」 「待った!先生、局のほうには23で通してるんだから暴露はまずいですって」 「ええ〜い、うるさ〜い!……あら、早いわね」 「ええ、ユウ、勇んで出て行きましたよ。……族員50人ぐらい連れて……」 「つぐ(ピー)相手にはそれぐらいいてもいいのよ」 「お母さんって一体……」 「まあそれは置いといて葉書きを……『私の両親が家の中でいちゃいちゃしてて見苦しいのですが何とかなりませんか?はい、あ〜んとか言っちゃってもう見ていられません。……お兄ちゃんにやってあげようとしても逃げるし……』」 「…………」 「…………」 「ホクト」 「は、はい?」 「これ、本当?」 「え〜と」 「ほ・ん・と・う?」 「ほ、ホントですぅ〜!」 「そう……本当なんだ……」 「せ、先生?」 「ふふ……」 「(びくっ)ど、どうしたんですか?」 「許すまじ……つぐ(ピー)!」 「モザイクのせいで迫力も何もあったもんじゃないですね」 「黙れ、実の妹に対して兄の威厳も示せない男のくせに」 「先生!言葉の暴力って想像以上に心を傷つけるんですよ!そんな毒舌だから未だにどくし――」 間。 「ちょっとあなたの家に行ってくるわ。あのタヌキに天罰を与えないと」 「……どうぞ、もうご勝手に……」 「……その必要は無いわよ、優。ここにいるから」 「お、お母さん……」 「な、何でここに……!?」 「私たちもこの番組を見てたのよ。だからもうばっちりと」 「で……でもここに来たってことは途中でユウに会ったはず。ユウはどうしたの?」 「倒したわよ、50人まとめてね」 「あわ……あわわ……」 「さあて……覚悟はいい!?」 「いーーやーー!!」 ・ ・ ・ 「こ、この番組ではお葉書を募集しております……葉書に住所、氏名、年齢を明記してこちらのあて先ま、で……ぐたっ」 「先生……プロ根性だ……」 そのころ(略 「こ、これが本場南極のハイバネーションか!17年経ったら誰か起こしてお、く、れ……がくっ」 |
あとがき ココが出てこないのに深い意味はありません(笑)単にネタが思い浮かばなかっただけです。 にしても書くのは久しぶりですね。 マイメリのほうが完成するまで他のSSは書かないと心に決めてましたから時間がかかってかかって(苦笑) まあこれ自体はゆっくり新たなネタを考えながら書いても2日で完成しちゃったほど短いものですが。 ギャグはこれぐらいのほうが読みやすいかもしれませんけどね。 では。 2003 水無月 歩 |
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