真・女神転生SEVENTEENU
                              大根メロン



第二話 ―欺瞞―




「はァ――!」
「RYYYYYYYYY!?」
つぐみの拳が、外道オールド・ワンを吹き飛ばす。
さらにつぐみは蹴りを打ち込み、
「SYAHHHHHHHHHHHH!!?」
オールド・ワンを、絶命させる。
「ふぅ……」
つぐみはオールド・ワンが持っていた魔貨マッカを拾うと、先にある街に向け歩き出した。



つぐみはその街――カイーナの飲食店で、もぐもぐ食事を摂っていた。
まずつぐみは、ここで悪魔や魔界人に聞き込みをした。結果、つぐみはここが魔界である事を知ったのである。
そして、帰り方が分からない事や人を捜している事を告げると、優しい者達はつぐみにある場所へと行くよう教えてくれた。
「…万魔殿パンデモニウムの城下町、か」
武も、人の多い場所に向かうに違いない。つぐみはそう確信した。
「――よし」
つぐみは目的地を決めると、店から出て行く。
その少し後に、銀の巨犬を連れた男がその店に入っていった。



「その悪魔ひとを捕まえてくださ〜いッ!!!」
つぐみが街中を歩いていると、突然そんな大声が響いた。
つぐみや周囲の者達が何事かと眼を向けると、
「ぼ、僕のサイフ〜!!!!」
そこには、サイフを持った屍鬼首なしライダーを追い駆ける、1人の少年の姿。
(――ひったくり?)
『魔界にもひったくりはあるのね』とか『まぁ、それはそうか』とか一通り考えた後、
「はっ」
「――ぐはぁ!?」
つぐみは自分の方に走ってきた首なしライダーにラリアットをかまし、バイクから叩き落とす。
そして、サイフを奪い取った。
「お、おいテメェ!」
首なしライダーがつぐみに食って掛かるが、
「――何?」
「ヒッ!!?」
つぐみの一睨みで、黙り込んだ。
「な、何でもございません!」
首なしライダーはバイクを残したまま、逃げ去って行った。
「…あいつ、首がないのにどこから声を出してるのかしら?」
つぐみがそんなどうでもいい事を考えていると、
「あ、あの、ありがとうございます!」
さっきの少年が、つぐみに頭を下げた。
「このサイフはあなたの物ね?」
「はい」
つぐみが、少年にサイフを渡す。
「あぁ、あなた。1つ訊きたい事があるんだけど――」
「はい? 何ですか?」
「私、これから万魔殿パンデモニウムの城下町に行きたいんだけど、道がよく分からないの。地図か何か持ってたら、見せて欲しいんだけど……」
少年は眼をパチクリさせた後、
「地図は持っていませんが… 僕はこれからそこに行くんです」
「――え?」
「宜しければ、今の御礼もかねて僕が案内しましょうか?」
「…………」
つぐみは少し考えて、
「そうね、お願いするわ」
そう答えた。
「それで… あなたの名前は?」
「あっ、そういえばまだ名乗っていませんでしたね」
少年は無邪気な笑顔で、名を名乗った。
「――僕は、テトラっていいます」



つぐみは首なしライダーが置いて行ったバイクを売って魔貨マッカに変えると、その金で宿をとった。
その宿屋の一室で、テトラは今後の予定をつぐみに説明する。
「それで、テトラ。どういうルートで城下町に向かうの?」
カイーナここから、アンテノーラという街を経由して行くんです。もう1つ、トロメアという街を通るルートもあるんですが… 僕はこっちの方が通り慣れてるので」
「街を1つ通るだけ? なら、そんなに遠くないの?」
「ええ、まあ。道中はかなり危険ですが」
「それなら、問題ないわ」
「――え?」
つぐみは笑いながら、テトラに言った。
「全て、私が叩き潰すから」



翌日。
つぐみとテトラはカイーナを後にし、荒れ果てた道を歩いていた。
「そういえば… テトラはどうして城下町に行くの?」
テトラは笑いながら、
「そこに、僕の『旧友』が住んでるんですよ」
「じゃあ、その『旧友』に会いに行くのね」
「いえ、違うんです」
「……え?」
テトラは喜んでいるような、悲しんでいるような表情で、
「彼が今どうしているか、確かめたいだけです。会うつもりはありません」
「……そう」
つぐみはそれ以上は聞けず、言葉を止めた。
テトラは小さな声で、
「彼はともかく、彼の部下達は僕の事を――」
と、何か呟く。
「……え? 何か言った?」
「あ、いえ、何でもありません」
テトラが笑って誤魔化した、瞬間。
「――っ!」
つぐみはテトラを抱え、思い切り駆け出した。
「な、何ですかっ!!?」
「賊よ!」
テトラが後方を見ると、巨大な鬼が迫って来ている。
「――シュ、酒呑童子シュテンドウシっ!!?」
「確か、大江山に棲んでいた鬼よね……」
酒呑童子はつぐみ達の頭上を軽々と跳び越えて先廻りし、
「オオオオオオオオ!」
雄叫びと共に、その鋼鉄のような腕を振り下ろした。
つぐみはそれを、僅かに身体をずらし躱す。腕はテトラの鼻先を掠めた後、地に叩き込まれた。
だが。
「シャアアアッ!」
「――っ!?」
突如、背後にもう1体悪魔が現れ、その手に握った剣を横に振る。
つぐみはしゃがんでそれを避けると、その悪魔の脇を抜け、2体の悪魔から距離をとった。
「テトラ、あいつは何?」
「…邪鬼ラクシャーサ――人を喰う鬼の一族です」
つぐみはその言葉を聞きながら、一瞬にして間合いを詰めて来たラクシャーサの剣撃を回避する。
「つ、つぐみさん!? どうするんですっ!!?」
「そうね、こうするわ」

ドシュ……ッ!

「ガァァアアア!?」
つぐみの貫手ぬきてがラクシャーサの胸に穴を開け、その心臓を裂く。
そのまま、つぐみはラクシャーサが持っていた剣を取ると、それをナイフのように投じた。

――ドスッ!!

その剣は、寸分の狂いなく酒呑童子の額に突き刺さる。
「グァアア……ッ!!?」
呻き声と共に酒呑童子は倒れ、2度と動かなくなった。
「……えっ!? 勝ったん、ですか?」
「ええ」
つぐみはテトラを降ろすと、マグネタイトと化した2体の悪魔が残していった物品を回収する。
「す、凄いですっ! 人間であるつぐみさんが、こんなにあっさり悪魔を斃してしまうなんてっ!!」
「人間の世界にも、いろいろあるのよ」
つぐみはそう言うと、歩き出す。結局、とったのは魔貨マッカだけのようだ。
「そう言えば… つぐみさんは、どうして城下町へ?」
「私? 私はね、人を捜してるの」
「人…ですか?」
「ええ、私と一緒にこの魔界に送られて来てると思うんだけど… どこにいるか分からないの。だから、とりあえず人の多い所に行こうと思って」
「へぇ… そうだったんですか」
「あなたは見てない? この辺りで、人間を」
テトラは少し考えた後、こう答えた。

「――いえ、見てないです」




あとがきだと伝わるもの・2
…何か短いなぁ。まぁ、その分あとがきを長くしますか(オイ)
という訳で、第二話です。たけぴょんはまだウェンディゴ1体しか斃してないのに、つぐみんはすでにオールドワン、酒呑童子、ラクシャーサを斃しちゃってます。しかも素手で。
ちなみに、ウェンディゴのレヴェルは20前後くらい。オールドワン、酒呑童子、ラクシャーサのレヴェルは50前後。何だ、この差は。
それと、前から気になってたんですけど、このシリーズに出て来る悪魔って、オリキャラに分類されるんでしょうかね。『オリジナル』ではないと思うんですけど… 微妙。
…まぁ、そんな事はどうでもいいや(は?)
そして、謎の少年テトラ。この名前だけで彼の正体が分かった人がいたら、大根メロン賞を差し上げます。そして、今後は真っ当な人生を歩んでください。
さて、今回もアリスやゴーストQは出せなさそう。せめて、リトル・ラマでも出しますか(もっと無理)
ではまた。


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