田中先生シリーズ
アナザー田中先生 0430

                              かぱちゃぱ


 ――― 2034年4月30日 第401研究室 ―――

「例の計画は変更よ、涼。」
「な・・なんだと?そりゃどう言う事だよ、優!」
  優春の突然の言葉に驚く桑古木。
  17年前の事故を再現するの計画。その為の準備も
 完璧に整え、全てを懸けた計画を明日に控えた今、
 どうして変更などするのか桑古木にはどうしても納
 得出来なかった。
「優が・・・今朝、突然倒れてね。」
「―――!? 秋香菜がか? おい、大丈夫なのか?」
「ええ、只の過労だから心配はないって木野が言って
たわ。でも、例の計画には――――。」
  悔しそうに言葉を紡ぐ優春。しかし、桑古木は更
 に悲壮な表情で拳を握り締めていた。
「じゃあ・・・俺たちの17年は? ココは?武は?!」
「落ち着きなさい、桑古木涼権!私は中止とは言わな
かった筈よ。」
  その言葉にハッと、する桑古木。確かに優春はさ
 っき中止ではなく変更と自分に言った。
「・・・・どうするつもりだ?」
  真摯な眼差しで優の言葉を待つ。そして思い詰め
 たように優春が口を開く。
「私が―――――」
「―――!?」
  優は一泊置いて、言葉を続けた。
「この私、優美清春香菜が優美清秋香菜を演じるわ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(はい?)」
  とんでもない事を言い放った優春を只、見つめる
 桑古木。
  確かに17年前と比べ、外見が別人の様に大人びた
 自分と違い、目の前の優春は髪がショートからセミ
 ロングに変わった以外、当時と殆ど変わりは無い。
『ま、確かに髪さえ何とかすれば、外見はいいんだけ
どな〜。(汗)』
  しかし、というか何と言うか、勝って知ったる姉
 の様なこの優春を相手に17年前の武の役割を演じる
 のは桑古木にとって相当の負担だった。

  恐らく、自分が何か失敗すればその場でキュレイ
 アタック(+凶器)のツッコミがくるのが目に見え
 ているからだ。

  嫌な沈黙が二人の間に流れる。

「何よ、そのイヤそうな、かつ気の毒そうな眼は?」
「ふ〜〜〜。どうせ他に選択肢が無いんだろ。なら、
俺が我慢すればいいだけの事さ。」
「は? 何いってんのよアンタは?」

  そう、優春だったら完璧に自分の役割をこなせる
 だろう。なら、自分ひとりが、俺一人が犠牲になれ
 ばそれでいい。それでココも武も、そしてつぐみや
 あの双子達も幸せになれるんだ。そうさ。  
  そう考えると、なんか心が晴れ晴れとしてくる桑
 古木だった。

   多分錯覚だろうが――――。(オイオイ)
  



  【 あとがき 】

 忙しかったり病気だったりで調子が狂ってしまい
リハビリのつもりで書いてみました〜。
 位置的には田中先生番外編のさらに番外ですね。
 パートパートで書いていきたいと思っております
ので、あまり考えないで読んでください。(笑)
 あらゆるツッコミ所を田中先生が力押しで解決し
ていく結構お馬鹿な設定なので。(笑)
 この設定を思いついたときに先ず頭に浮かんだのが
つぐみの呆れる顔。
 
     感想をおまちしております〜。


 BGM『謎の円盤UFO - メインテーマ - Barry Gray』
    「IBF撃退の準備は出来た。」


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