注:本作は『ほのぼの(?)エバー拾七』を読んでいただいた方を対象に書かれています。お時間があれば、そちらを先にお読み下さい。
  尚、『ほのぼの(?)エバー拾七』以上にキャラが壊れています。危険な発言があるかもしれません。洒落の分かる人だけお読み下さい。






ほのぼの(?)エバー拾七反省会
                              制作者 美綾


  その壱(出演者:つぐみ、ホクト、沙羅、優春、桑古木)

春「……な、な……なによ、これえぇぇ!」
つ「……どうしたのよ優、パソコンの前でそんな大声……お願いだからカカト落としはしないでよ……」
春「しないわよ!  これよ、これ!  なに、この『ほのぼの(?)エバー拾七』って!  私、ホクト君に手、出し掛けてるわよ!」
つ「……マイナーカップリング、という奴ね……いいんじゃない?  ユウと血みどろの争奪戦を繰り広げれば……」
春「……達観してるわね……あなたの息子の話よ……?」
つ「……私、あの子達を今まで育てられなかったから……せめて、孫を育てようかなって、最近思うのよ……今の武とつくったらキュレイになりかねないし……」
春「ちょ、ちょっと、本気?」
つ「……まあ、ホクトにそんな度胸があればだけどね……沙羅は相手がいないし……」
沙「母上どのー、その物言いはさみしいでござるよー」
つ「でも事実でしょう?」
沙「そんなことはござらん。拙者とて、兄君を虎視耽々と狙っている一人でござる」
春「さ、沙羅……そういうことを言うのはまずいわよ」
つ「……そうよ、沙羅……キュレイサピエンス種同志の混血は、純キュレイ種を生む恐れがあるわ……」
春「そっちじゃないでしょ!」
桑「……ぶつぶつ……ココがいない回……ココがいない回……ココが――」
春「ん?  桑古木、何、落ち込んでるの?」
つ「……そうそう、言い忘れてたわ……全員集合だと収拾がつかなくなるため、本作品ではパートを前半と後半に分けています……前半部は、倉成沙羅、倉成ホクト、田中優美清春香菜、桑古木涼権、そして私、倉成つぐみでお送りします」
沙「ああ、なるほど。ココがいないから桑古木はヘコんでるのね」
つ「……まったく……いい歳して……本当に真性のあれね……」
春「でもつぐみ。あなた最近四十一歳になったわけなんだし、二十歳の倉成と結婚しちゃったのはどうかって意見が多数――」
つ「ああ゛!?」
ホ「お、お母さん、落ち着いて。キャラ変わりすぎると、作者の命が危ないし」
つ「……私に関係ないと思うけど……まあいいわ……」
桑「……それで……おれらは何をすればいいんだ?」
沙「タイトルは反省会……?  私達が何を反省するの?」
春「……違うわね。どちらかと言えば、作者を反省させるのが主目的ね」
つ「……私としては言いたいことはたくさんあるけど……最後でいいわ……」
春「じゃあ、年齢が低い順に意見を言っていきましょう。先ずは沙羅ね」
沙「私?  そうね〜……出番が少なかった、かなぁ……?」
ホ「ああ、沙羅は視点も無かったしね」
春「出番は、つぐみ、桑古木、ユウ、倉成の四視点……でも出番の無さでは、視点無しの上、倉成視点しか出番の無いココや、私視点と倉成視点にかろうじて出てくるものの、刺し身のつま的に扱われていた空には勝てないわ」
つ「……まあココは物凄く扱いが大変だから、全般的に敬遠されているわね……」
ホ「沙羅や空が少なかった理由はなんなんだろう?」
春「……聞いたところによると、この話、始めは多視点構成じゃなかったらしいの。倉成家の日常を面白おかしく描こうとして……でも何故か全員出そうと、ホクト君の視点を書いた時に思い立ったらしく、強引に修正した結果、沙羅に深く絡む前に、次行っちゃったわけね。だから、私やユウがそれなりに出てるのはただの偶然ね……」
桑「……裏事情を知ると、とんでもない奴だな、この作者は……」
春「……でも面白いじゃない……空、沙羅、ココ……共通点は何、桑古木?」
桑「んあ?  いきなり言われてもなぁ……」
春「答:あなたとの噂が取りざたされている人達……やっぱり、目立たない人の相手は目立たなくなるのね」
桑「ちょ、ちょっと待て!  他の書き手さんのSSでおれと一番絡んでるのは、優、お前だぞ」
沙「うわー、絡むとは、また大胆でござるなー」
ホ「??」
春「……私は別格よ……存在感というものが違うもの」
桑「……よくもぬけぬけと……だけどなぁ、おれと沙羅はどちらかと言えばマイナーだぞ。いくらお互いに相手がいないからって書く奴は少ない」
春「……仕方ないでしょう……2017年にココ(最年少)、2034年で沙羅(最年少)に走ったら、あれだってことを強調してるみたいなものじゃない」
桑「んがが」
春「桑古木、欲望に負けて暴走しちゃ駄目よ。その時は私に言って。お金あげるから、そういうお店に行くこと」
桑「……うじうじ」
つ「……話を戻すわよ……次はホクト……あなたの意見は?」
ホ「え……そうだなあ……結局、何でぼくは田中先生に襲われ掛けたの?」
春「襲われるって……」
つ「……そうね……作者の思考パターンからして、ダブル優に絡まれるホクトをインスピレーションでイメージして……その延長なんでしょうね、あの一件は」
ホ「……それだけ?」
つ「その程度の思考力しか持ち合わせてないわよ……あいつは……」
春「……私が桑古木と同列に見られるのは、すっごい迷惑なんだけど……」
沙「でも、パパや桑古木以外に男の人、お兄ちゃんしかいないわけだし、田中先生の相手として奇をてらうにはこれしかなかったんじゃない?」
つ「そこよね……女性同士、男性同士と言うのも、あまりに安直だし……」
桑「オリジナルキャラと言う手もあるが、今回はただでさえ九人と二匹の大所帯だったからな……」
ホ「……はぁ……必然みたいに言わないでよ……」
桑「まあ、心配するな、優。おれはこの十七年の間に築き上げた人脈を駆使し、あるプロジェクトを実行に移すことにした」
春「?」
桑「題して『みんなが幸せになるために!』  要するにだなぁ。原作終了時に相手がいない可哀相で哀れで惨めな優、お前のために――」
(ぱこおぉぉん。どこから取り出したのか、優は金ダライで桑古木の頭を叩いた)
春「……続けて」
桑「……倉成武のクローンを造ってあてがってやろうと……これを応用すれば、空とつぐみの泥沼三角関係も万事解決」
つ「……はぁ……どこかで聞いたような話ね……」
沙「私は?  一人だけあまるんだけど……」
桑「沙羅はファザコンでマザコンで、ブラコンだから当分問題ないだろう」
沙「……(ピキッ)」
桑「こ、こら沙羅。笑顔で首を絞めるんじゃない!  ぐ、ぐおぉぉ……ど、どうしてもやるってんなら、クヴァレ内部でだなぁ……」
ホ「……大分……混乱してるね……」
春「話が逸れてるけど……倉成のクローンね……悪いけど、遠慮しておくわ」
桑「……何でだよ?」
春「あのね……冷静に考えてよ。新しい倉成が成人する頃、私、少なく見積もっても五十五か六なのよ」
桑「夫婦円満のコツは姉さん女房だと言うぞ」
つ「……限度があると思う……」
春「ああ、もう!  分かったわ……墓場まで黙ってるつもりだったけど……言うことにする。あのね、17年前、あの計画を立てた時点で私も考えたのよ……倉成のクローン……」
つ「……はい?」
春「……いや、もしBWを発現できなかった時の保険として、倉成のクローンを造っといて……ついでに私や空の分を造っちゃえば万事うまくいくかなぁと……もちろんココもだけど……」
ホ「ココは個性的だから、遺伝子同じでも似た様な性格になるかなぁ?」
沙「……お兄ちゃん……突っ込むところはそこじゃないと思う……」
春「ええ……私は知性派で理知的だから根源的な解決になってないって、すぐに気付いたけど……どこかの誰かとは違うわ……」
桑「……だけどなぁ……お前はこれでいいのかよ?  一生――って言っても何年になるかはわかんねえけど、八百比丘尼みたいに一人で想い続ける気か?」
春「……いいのよ……それで……」
つ「優……」
春「既に結ばれている男を、それでも尚一途に思い続ける……或いは、奪取に向け暴走する……どちらにせよおいしいわ……」
つ「……一瞬だけでも同情して損したわ……」
ホ「そ、それじゃ気を取り直して。次は桑古木の番だよ」
桑「おれか?  うーん……おれはどうあがこうと、ああいうポジションから抜け出さない運命だからなぁ……まあ、シリアスに誰かを落とそうとして、女性キャラファンに恨まれるくらいなら、反対にギャグ路線の方が気楽かも知れん」
つ「……自虐的ね……」
桑「……どうせ、男性陣で公式に相手がいねえのはおれだけだからな……ドラマCDは微妙な反応だし……」
沙「それ以上は大人の事情もあるし、喋っちゃ駄目だよ」
桑「わあってる。次は優、お前だぞ」
優「……一つだけはっきりさせておきたいんだけど……私、この話の中での職業って何?」
沙「……あ……」
優「ライプリヒ製薬が潰れた今、お抱えの研究者では当然無いわけで……でも研究室にいる……大学にでも復帰したの?  それとも、ライプリヒの後始末?」
桑「……盲点だったな……おれは何で優の部屋に行ってるんだ?」
沙「ついでに空まで」
つ「……勢いだけで作った反動ね……」
ホ「あ、えーっと……それに関しては、作者から資料を預かってるんだけど……」
春「資料?」
ホ「うん、この作者オリジナルの、その後のみんなの職業。ドラマCDとかは全く無視だし、公式設定でもないのであしからず、だって」
つ「……それで……誰がどうなってるの?」
ホ「あ、えーと先ずはお父さん――倉成武はスタントマン。何をやらせても壊れない頑丈な体と、度胸の良さで、結構監督さん達のお気に入りみたい。顔もいいし、アクション俳優の道も薦められてるみたいだけど、これ以上自分を露出したくないのが本音みたい」
つ「……まあ武はああ見えて照れ屋だから……」
ホ「次はお母さん――倉成つぐみは兼業主婦。ただし、何を職にしているのかは謎(正確には作者が考えてない)。
  ぼく――倉成ホクトは近くの県立高校二年生。
  倉成沙羅も同じ県立高校の二年生。鳩鳴館は辞めちゃった」
沙「あそこはライプリヒの息がかかってたしね。それにお兄ちゃんと一緒にいたいから」
(しぺとっと、ホクトの腕に抱きついてきた)
ホ「つ、次行くよ。田中先生――田中優美清春香菜は鳩鳴館女子大学に教授として招かれる。
  ユウ――田中優美清秋香菜は変わらず、鳩鳴館女子大学教養学部人文科学科一年生」
桑「おれは?」
ホ「桑古木涼権は事件終結以来、田中先生の助手として働いている。……ただ、これはつなぎらしく、何かこの後やらかすための助走期間、って書いてある」
桑「……何やらせる気だ……?」
ホ「茜ヶ崎空は現在、ライプリヒに関係した全企業、法人、個人のシステムをチェックしてまわっている。もちろんこれは事件終結前に何度もやってるから、最後のけじめみたいなものらしい。
  八神ココは公立中学三年生。誰もついてこれなかったあのテンションも、現在学校で大ブレイク。全校を上げてひよこごっこ大会が行なわれてるとかいないとか。
  ピピはココのもとに返される。チャミは倉成家でのんびりしてる」
つ「……私の職業が謎って……そういえば取扱説明書にも、職業、不明って書いてあったわね……」
春「……ねえ、つぐみ。大学来る気ない?  学校での授業ってほとんど受けたこと無いでしょう?」
つ「遠慮しておくわ、今更だし……それに今は時間があるなら家族と過ごしたいもの……」
春「……それもそうね……」
沙「……ああぁぁ!!」
ホ「ど、どうしたの、沙羅?」
沙「へっへへ〜。私、ママにぴったりの仕事思い付いちゃった〜」
つ「?」
沙「ずばり!  『保母さん!』  いいでしょ?」
春「……」
桑「……」
ホ「あぁ、なるほど。それいいね」
つ「ちょ、ちょっと沙羅……私、あまり多くの人と接する仕事は――」
沙「大丈夫、大丈夫。美貌の高卒保育士って設定にして、資格さえ取っちゃえば、どうとでもなるって。決定!  『ほのぼの(?)エバー拾七』でママは資格試験のための勉強中」
春「……決まっちゃったわね……」
桑「……ますます、適当さが浮き彫りだな……この作者……」
つ「……まあ、そういうことになっちゃったから……でも作者分かってるのかしら?  これで、作者自身全く知識の無い、保育士について勉強しなくちゃならなくなったのよ……」
春「……」
ホ「……」
桑「……遠くで悲鳴が聞こえたが……気にするのはやめておこう。最後だ、つぐみ。お前の意見は?」
つ「……そうね……原作のイメージを保持しろとまでは言わないけど……せめて、統一だけはしてもらいたかったわね……特に私――ファンに刺されるわよ……」
春「……酔いどれつぐみね……でも、キュレイが酒に強いという仮説は間違ってないと思うのよ。だけどつぐみ自身がお酒に弱そうと言うのも分かるし……結局、この設定は個人の好みね」
桑「ココばりにテンション高くなったり、武に艶めかしく絡んだり、いきなり攻撃的になったり……まさか毎日こんな漫才繰り返したりしてないだろうな?」
つ「……大丈夫よ……普段は、蜂蜜漬けにした角砂糖くらい甘い生活だから……」
春「……それもどうかと思うけど……」
沙「それでは!  一通り意見も出揃ったということで、終わりにしましょう。後半パートに続きます」
春「お疲れ様」
つ「お疲れ……」
ホ「……はぁ……つかれた……」
沙「あ、お兄ちゃんだけは残ってね。後半も登場するから……」
ホ「……はい?」
                                            その弐に続く。

  その弐(出演者:ホクト、武、優秋、空、ココ)

ホ「……本当にぼくだけ連投なんだ……なんで……?」
武「うむ、それについては、この倉成武がお応えしよう」
ホ「あ、お父さん」
武「ノンノン、ホクト少年よ。倉成先生と呼びたまえ」
ホ「(諦めたかのような面持ちで)……はい、倉成先生」
武「よろしい。では、君のみ連戦な理由だが、これは極めて矮小な理由に起因する」
ホ「……矮小……ですか?」
武「その壱を終えた時点で、残りの人員を考えれば自ずと答は出る。おれ、優の娘、空、ココ。男一人に、女三人ではどうにもバランスが悪い。そこで君が召集されたわけだ」
ホ「……だったら桑古木でも良かったんじゃない?  あんなにココに会いたがってたんだし……」
武「……若いな……若すぎるぞ。それを実行できない理由も、恐ろしく小さな原因があるのだ」
ホ「……はぁ……?」
武「おれと桑古木……作者が明確な書き分け出来ない」
ホ「……ものすごーく、どーしようもない話なんだね……」
武「ああ……しかし、世の中にはもっと信じ難い話があるのだ」
ホ「……?」
武「実はな、今まで黙っていたが、おれはお前の父親なのだ」
ホ「(二、三秒考えた後)……ええぇぇ!!  そうだったんですかぁ!?」
武「済まなかった、済まなかった。今まで苦労を掛けて」
ホ「お父さん!」
武「息子よ!」
(ガシッ、と二人は固く、きつく抱き合ったのでした)
秋「(呆れた感じで)あの〜。そこのお二人さん、なーにやってるんですか〜……」
武「うむ、良い質問だ。時たま、こういう小演技をしないと、どうにも親父という実感がわかなくてな」
ホ「まあ、そういうことなんだ」
秋「……ホクト……あなたのお父さんって、変わり者ね……」
空「違いますよ、秋香菜さん。倉成さんはあれでこそ、倉成さんなんです」
コ「そうそう。パパっぽいからたけぴょんなんだ」
秋「……はいはい。それで……私達は何をすればいいの?  ホクト、何か聞いてない?」
ホ「あ、うん。とりあえず前半部みたいに、意見を言っていけばいいんじゃないかな」
秋「じゃあ今度は年上順で行きましょう。ええっと……空から……かな?」
空「そうですね。産まれてからの年数という観点では、倉成さんやココちゃんの方が上ですが、意識を持って生きてきた年月は私の方が上ですから」
武「じゃあ、よろしくな」
空「はい、それでは結論だけ言わさせていただけます。出番が少ないです」
ホ「……端的……というか……切実だね……」
空「しかも数少ない台詞も、私でなければならないものはほとんどありません」
武「うーーむ、たしかに。でもまあ、このページ数で、九人と二匹、全員にスポットを当てるのはかなり難しいからなぁ」
秋「作者はつぐみ派だしね。……というよりつぐみを書きたいから着手したって話も……」
武「……それであの壊れっぷりか……?」
コ「ええ〜、でもココ、ああいうつぐみんも大好きだよ〜」
ホ「……いやね、ココ。作者は最近、本気でお母さんのファンに刺されるんじゃないかって、心配してるんだよ」
武「……自業自得だろ」
秋「で、空の話に戻るけど……仕方ないんじゃない?  だって作者、空の思考ルーチンって言うか、アルゴリズムって言うか、とにかくリアクションパターンをもう一つ把握してないもん」
空「……はぁ……では作者さんがもう一度私のシナリオをクリアするまでは現状維持ということですか……」
ホ「そういうことみたいだね」
秋「ではでは。お次は真・倉成の番よ」
武「……若干、気に掛かる言葉があるが、まあいい。おれはだなぁ……父権を主張する!  おれは断じて、つぐみの尻には敷かれていないぞ!!」
ホ「(小声で)……そんなことないと思うけど……」
武「それはたしかにおれは、食事の半分以上をつくっているさ。掃除も基本的にはおれの仕事だし、食器割って怒られてみたこともある。朝はきちんとゴミ出しして近所の奥さんのちょっとした人気者。つぐみや沙羅の下着を干す時、すこーし嬉しかったり……って何の話だった?」
空「く、倉成さん……その様な生活を送っていらっしゃるのですか……?」
ホ「……まあ大体合ってるかな」
コ「たけぴょん、すっごい幸せそう」
秋「幸せ……かな?」
ホ「でもお父さん、大変ならちゃんと言ってよ。ぼくだって料理や掃除くらいできるからさ」
武「……いや、おれは別に家事をすること自体が嫌なわけではなく……家事をすることにより、軟弱な男と見られることが嫌なのだ。この程度のことで権威が失墜してしまう気がしてならないのだ」
ホ「まあお母さんも沙羅もお父さんのこと大好きなことは大好きなんだけど……何て言っていいのかな……全部任せちゃっていい気がする……かな?  ものすごく信頼してるんだよ、きっと。あ、もちろんぼくもだけど」
秋「あ〜あ、お熱い家族で」
ホ「……ユウだって、田中先生のこと大好きでしょ?  ぼくがユウを想って、ユウがぼくのこと想ってくれてるのと同じ位に」
秋「そ、そんな恥ずかしいこと、言わないでよぉ!  ……全くもってその通りなんだけど……ごにょごにょ……」
コ「(肘でユウをぐりぐりしながら)うりうり、熱いねー、この〜」
空「秋香菜さんは素晴らしい恋に出会えたのですね。それは大変喜ばしいことですよ」
秋「って、なんで話題が私に移行してるのよ〜!  今は真・倉成でしょ!」
武「……ユウよ」
秋「な、なに?」
武「母親に似て可愛いな。うんうん、息子をよろしく頼むぞ」
秋「(顔を真っ赤にして)な、な、な、なな――」
ホ「ユ、ユウ、落ち着いて」
秋「何てこと言うのよ!!!!  このバカ倉成!!!!」
武「はっはは〜。バカって言う方がバカなんだぞ〜」
秋「ムキ〜!!」
(ユウ、奇声を上げて武に襲い掛かった。武はそれから逃げ出し、ユウはそれを追い掛ける)
コ「あ〜、いいな〜。ココも鬼ごっこする〜」
空「み、皆さん。あまり離れますと、進行に支障が――」
武「おれを捕まえてごらん、ユ・ウ」
秋「キ〜!  そこを動くんじゃないわよ!」
(言ってユウ、地を蹴って飛び蹴りを武に食らわせようとした。武はすんでで躱し、着地したユウの額に人差し指をちょんと突き付ける)
武「う〜ん、ユウはお転婆さんだなぁ」
秋「!」
(刹那――ユウは腰を捻らせ、回転裏当てで武の横面を狙った。それを武は人差し指と中指の二本だけで受け止める)
ホ「……流石はお父さん……伊達にお母さんと毎日渡り合ってないね……」
空「あの……本当に倉成さんはどのような生活を……?」
(二人の応戦は拳の応酬となっていた。目にも留まらぬユウの超速拳を、武は柳の如くしなやかに受け流し続けている)
武「いい筋だ。よしよし、一発でも当てられたら付き合ってあげよう」
秋「何の……話よ〜!!」
(ユウは渾身の力を右の拳に込め、撃ち放った。武はそれを左の手の平で受け止める)
武「……ふう……おれの手を痺れさせたのはこれで三人目だ……あんた……世界を狙えるぜ――」
(ゴオッキ。瞬く間に至近へと詰め寄ったユウの膝蹴りが武の腹部に入った)
武「おげぇ……ゆ、油断した……」
(武、ゆっくりと崩れ落ちる)
空「……決まってしまいましたね……」
ホ「……いつも詰めが甘いんだよね……」
(空、ホクト、二人同時に溜め息を吐いた)
秋「はぁ……はぁ……」
ホ「え、え〜っと、ユウ……とりあえず……お父さんはいいから、ユウの意見の番ってことにしよう」
秋「え?  そ……そうね……はぁ……ふぅ……私は、見事に、酔っ払ってたわね〜」
ホ「うん。分かる人には分かったと思うけど、あの口調はNever7の川島優夏さんがモデルなんだって。暴走分は、他キャラへ分配になったけど」
秋「ごめん、ごめん。私、結構前後不覚になっちゃうみたいで」
ホ「大丈夫だったけど……田中先生とのコンビは結構迫力あったかな。まあ、お酒飲んじゃうと普通、弾けて大変なことになっちゃうからね」
空「(ハイ、と手を挙げて)私、知ってます。酔っ払ってお尻を触ってくるお客さんには『もうやだ〜、源さん(仮)のえっち〜』と返せばいいんですよね」
秋「……」
コ「……」
ホ「……そう教えたの……お父さん……だね……」
空「(満面の笑みで)はい」
秋「……」
ホ「……ま、まあそれはさておいて……」
コ「ねえ、ホクたん、ホクたん」
ホ「ん?  どうしたの、ココ?」
コ「次はココの番だよねえ?」
ホ「そうだね。ぼくでもいいんだけど、その壱で言っちゃったしね。ココは何か言いたいことある?」
コ「う〜〜んっとねえ。ココ、コメっちょ言えなかった」
ホ「(えらく納得顔で)あ〜〜〜。それはね、ココ。作者も考えて、組み込もうとは思っていたんだけど、思い付かなかったらしいんだ」
空「……大人の話ですね……」
武「うむうむ。禁断のトークだ」
秋「うわっ!  もう復活したし」
ホ「(腕時計を見ながら)一分二十秒……やっぱりお母さんの攻撃よりは早かったね」
武「軽量の悲しさだな」
秋「あの〜……それはむしろ褒め言葉のような気がするんですが……」
ホ「……とりあえず今の台詞、お母さんには伝えないでおくね」
武「……よろしく頼む……」
秋「……あれ?  そういえば……」
ホ「どうしたの、ユウ?」
秋「私達、体重や身長の設定って無いわよね?」
ホ「ああ、そう言えばそうだね。まあ作者が不勉強なだけの可能性もあるけど」
武「聞かなくてもスリーサイズまで懇切丁寧に教えてくれるこの御時世に珍しいことだな」
秋「ふむふむ。ではちょっと解析してみましょう。立ち絵やイベントCG等々を見る限りでは、一番背が高いの倉成(桑古木青年含む)かな?」
ホ「次いで、お母さんと空が同じくらいだと思う。ユウと田中先生がその次で、僕(桑古木少年含む)と沙羅、ココの順番みたい。あと、二年後のぼく(但し、異次元)がユウより頭半分くらい上だから、お母さんと同じくらいかな?」
武「体重が一番重いのはおれだって、つぐみの奴が明言してる。まあ、桑古木も同じくらいだろうな」
ホ「あとは身長に大体準じてるのかな?  そんなに体型が個性的な人もいないみたいだし……」
秋「具体的な数値は意味ないから書かないにしても……これで、大体の見当は付くわね」
武「では!  お約束通り、ここで皆さんのスリーサイズについて考察を――」
秋「しないわよ!」
(ぱっこぉん、ユウはどこからともなく取り出した金ダライを武の脳天に叩き付けた)
ホ「あ……田中先生と同じ行動……」
空「BWさんが発現しないといいのですが……」
コ「おにいちゃ〜ん♪」
武「……おれの心配をしてくれ……」
ホ「……あ、ごめんごめん。お父さん、大丈夫?」
武「……あんまり、心配してるようには見えんが……」
空「そ、そんなことありませんよ」
秋「こいつなんてほっとけばいいのよ」
ホ「……そ、それじゃあこれくらいで終わりにしようか。あんまり長くなっても、色々大変だし」
武「な、な、な、なにいぃ!!!  ホクトよ!  お前はこれで終わるというのか!?」
ホ「ど、どうしたの、突然?」
武「まだおれの『もてる男の17ヶ条』コーナーを消化していない」
ホ「……そんなのあったの?」
武「あった。と言うより今、創った」
ホ「……え、ええっと……」
空「御拝聴させていただきます」
コ「ココも聞く〜」
秋「……はぁ……なんか頭、痛いんですけど……」
武「はっははぁ、それでは第一ヶ条――」
(この様にして始まった倉成先生特別講座。ちなみにホクトとユウは途中で抜け出して、デートに出掛けたそうです。
  ま、五人とも満足ならいいんじゃないすかね)
                                              了



  後書き
  お久し振り……というほど間隔が開いてないかもしれませんが、とりあえず、完全おちゃらけもので再登場です。まあSSでさえありませんが。
  この作品は一行一行がその場凌ぎの超綱渡りで出来ています。十行どころか、ひどい時は三行先さえ想定して書いていないので、構成もへったくれもあったものじゃありません。その分、製作期間は比較的短く、読む時は勢いオンリーで読めると思います。まあ、勢いしかない作品ですが。
  全員登場はこれで終わりかもです。自負している通り、空とココが弱点なので、修行のし直し(要するに再プレイ)してから考えます。その弐はその壱の倍くらい時間が掛かったかもしれません。
  次回作は、ホクト、沙羅がメインになると思います。一週間後になるか一月後になるか分かりませんが、頑張りますのでお付き合い頂ければ嬉しいと思います。
  それでは、ごきげんよう(某寡黙系美少女風)。
                                  2003年  4月      美綾


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