2017年、5月1日。海洋テーマパーク「LEMU」に数人の男女が閉じ込められた。
BW(ブリックヴィンケル)、即ち第三視点が目にした世界において、この事実は厳然たるものとして存在していた。
閉じ込められたのは、「倉成武」「小町つぐみ」「茜ヶ崎空」「田中優美清春香奈」「八神ココ」記憶喪失の「少年」・・・、
どの世界においてもこの6人が存在していたことは同じであった。もしその中の一人でも欠けていたのなら、世界は大きく変わっていたに違いない。
しかし、一つだけ、違う世界も存在していたことが明らかになった。
閉じ込められた人数は「6」ではなく、「7」だったとしたら・・・?
刻一刻と、僅かずつ、しかし確実に迫る死の恐怖・・・
人が抱くは生への渇望・・・
そして人に非らざる青き悪鬼は今生を食い尽くさんと牙を剥き、襲いかかろうとしている・・・
それは底知れぬ絶望と共に、押し寄せる機会を待っている・・・
そうした塊を、一人薄ら笑いを浮かべて凝視する男がいた・・・!
何だ!?この男は・・・!命が惜しくないのか!?
生あるものとして余りに異端、そして異形なるその精神・・・!
「不合理」以外の何者でもない・・・!
「不合理」・・・!それこそその男が求めてやまぬ究極の愉悦・・・!
神域の男と呼ばれ・・・!裏社会を震撼させた・・・!あの「アカギ」だった・・・!

アカギ IN LEMU 
−深海に降り立った天才ー

                              鳴きの虎

第1章 遭遇

(武視点)
優、ココ、つぐみ、俺、そして記憶喪失の少年が一通り自己紹介を行っていく中で、最後の一人が自己紹介を始めた。
長身の、白髪の男。ある程度年配の人かと思えるけれど、顔立ちは30そこそこといったところだろうか?
しかし、不思議な人だな。独特の凄みを感じるが、それでいてさざ波一つ無い海面のような静かさを感じる・・・。
「・・・俺はアカギ・・・、赤木しげるだ・・・。」
「赤木さんか、宜しく。」
「・・・倉成・・・だったな・・・。・・・堅いのは抜きだ・・・。アカギでいい・・・。」
「あの、お連れの方は他にいらっしゃいましたか?」
空がアカギに尋ねる。
「・・・いや・・・、俺一人だ・・・。」
一人だって?・・・、ここはテーマパークだ。この男が一人で訪れるには少し場違いな気がする。
・・・何と言うか、・・・俺はこの人から得体の知れない何かを感じ取っていた・・・、
アカギと名乗ったこの男は、少なくとも「カタギ」と呼ばれる人間の類では無いだろう。
ヤクザ・・・?そんなことも頭に浮かんだが、それが的を射た答えだとは思えなかった。
「・・・ん?・・・何だ?」
「あ、いや、何でも・・・。」
「・・・・・・・・・。」
アカギは俺を見て笑みを浮かべた。まるで、俺が何を考えていたのかを知っているかのようだった。
この人に見据えられると、一切の隠し事は不可能のようにさえ感じられた。
しかし、不思議と嫌なものは微塵も感じなかった・・・。


5月2日 朝
民主主義の原則によって(半ば無理やり)朝食係になった俺は、全員の分のタツタサンドを用意し、それぞれに配って回った。
俺は現在、姿の見えないつぐみと空の分のタツタサンドを調理中だ。
「それでね、それでね〜。」
食事中、ココが何やらアカギに何やら話し掛けている。ココお得意の「コメッチョ」というやつだろう。
楽しそうに話すココに対し、アカギは笑顔を浮かべて頷いている。
その光景を横目で見ながら、俺は正直和んでしまった。まるで孫と遊んでいる祖父と言った雰囲気だ。
とはいっても、髪は真っ白にも拘らず、顔立ちからはまだ孫がいる年には見えないというのが正直な感想だが。
ココのコメッチョを、アカギがどの程度理解しているかは不明だが、ココの無邪気さには、あの人も何かしら
安らぎを感じるのだろう。アカギはただ黙って、ココのおしゃべりに相槌を打っていた。
「ところでアカギってさ、奥さんとか子どもとかいるの?」
タツタサンドを食べ終えた優が、唐突にアカギに尋ねる。まるで同年代の人間に話し掛けるような口調だ。
「・・・いや・・・・、俺は一人だ・・・。」
「え〜!そうなんだ。あたしはてっきり、お孫さんと一緒に遊びに着たんじゃないかって思ってたからさ。」
「・・・・そいつはひどいな・・・、まだ俺はそんな年じゃないぜ・・・。」
「あ、ごめん、そんなつもりじゃないんだけどさ。すごく落ち着いて見えるし、その・・・。」
「・・・こいつか・・・?」
アカギが自分の頭を指差して言う。改めて見てみると、見事なまでに真っ白だ。
「・・・まあ・・・、そう見えても無理も無いか・・・。」
そういうと、アカギは苦笑する。
「あ、あの、おじさん。」
「ん・・・?」
優の隣にいた少年が尋ねる。
「あの、おじさんって、普段は何をしているんですか?その、お仕事とか・・・。」
おじさんと呼ばれたことを気にするわけでもなく、アカギが答える。
「・・・そうだな・・・、特に何もやっちゃいねえよ・・・。
 ・・・たまに・・・、人の仕事を手伝うくらいか・・・。」
「ええっ!信じられない!そんなんで生きていけるの?」
優が素っ頓狂な声を挙げる。
・・・ざわ・・・ざわ・・・(笑)
正直、この男がカタギではないと感じていたことは周知の通りだが、少なくとも自分の生業にうしろめたいものを
抱えているとも思えなかった。アカギの言っている事は、凡そ誤っていないだろう。
「・・・まあ・・・、・・・意外とどうにかなるもんさ・・・。」
そう答えると、アカギは手にしていたタツタサンドを口にした。
アカギという男は、家庭とか、学校とか、職業とか、そういったものに束縛されない「自由人」とでもいったところか。
彼が何者であろうと、少なくとも今この状況においては、俺たちの仲間であることに変わりは無い。
「でも羨ましいな〜。あたしの友達の中にも、そんな生き方してみたいって奴大勢いるけどさ、
 実際には、そう上手くはいかないのよね〜。」
「・・・まあ、人それぞれだ・・・。そんな風に生きたけりゃ、生きればいい・・・。
 ・・・楽しむか・・・、楽しまないか・・・、違いはそれだけだ。」
いい終えると、アカギは食べ終えたタツタサンドの包みをクシャクシャと丸め、ポケットの中に突っ込んだ。
「ああっ!汚いじゃんそんなの!服の中汚れるよ!」
「・・・いいんだよ別に・・・、大した服でもないしな・・・。」
「だめだめ!結構上等な背広じゃない!それにアカギも結構渋くていい線いってるんだからさ!
 身だしなみに気を使わなきゃだめだよ!」
優はアカギの食べていたタツタサンドの包みを受け取ると、売店近くのゴミ箱に捨てにいった。
「ところでさ、倉成〜。」
「な、何だよ、優。」
「倉成のタツタサンド、もう一つ食べてみたいんだけど〜。」
「ええっ!今食ったばっかだろ!食いたきゃ自分でやれよ。」
「そういわずにさ〜、お願い〜。」
「・・・俺もお願いできるか・・・?」
「え?」
「・・・倉成の作ったメシを、もう一つ食ってみたくなった・・・。」
俺は思わぬ発言に驚いてアカギを見る。同時に全員が、アカギに視線を向けていた。
戸惑いの色を浮かべる面々に対し、アカギは言葉を投げかけた。
「・・・なあ、この世で一番美味いものって、何だか知ってるか・・・?」
アカギを除いたあたしたち全員が、顔を見合わせた。
「・・・倉成・・・、お前はどうだ・・・?」
「お、俺か?俺は庶民だからな・・・、そんなもの分からねえよ。」
「・・・おいおい、仮にもお前大学生だろうが・・・、もうちっとマシな答えは出ねえのか・・・。」
次にアカギは、少年のほうに目をやる。
「ぼ、僕もわかんないなあ〜。僕はお腹が空いてる時に食べられるんなら何でもいいや。」
「・・・倉成よりはマシか・・・、で、あんたは・・・?」
次に優に視線を向ける。
「そ、そうだな〜、あたしは友達なんかと一緒に食べに行くハンバーガーあたりが美味しいんじゃないかって思うよ。
 そういうのって、楽しいからさ。」
「・・・ふむ・・・、で、お嬢ちゃんは・・・?」
最後にアカギは、ココに視線を向けた。
「え〜と、ココはねえ〜。ママが作ってくれるハンバーグが一番おいしいと思うなあ〜。
 それでね、それでね、ココがもっとおっきいのが食べたいっていえば、ママがおっきいのととりかえっこしてくれるんだあ〜。
 ママの心のこもったハンバーグが、世界で一番おいしいとおもうなあ〜。」
「・・・上出来だ・・・。100点満点だぜ・・・、お嬢ちゃん・・・。」
アカギが、軽く拍手してみせる。
「わ〜い、ココ、100点だあ〜。」
ココが無邪気に喜ぶ姿に、アカギは優しい目を向ける。
そして、再び俺の方に視線を向けた。
「・・・おい・・・、倉成・・・、お嬢ちゃんは今、何て言った・・・?」
「え、ええっと、ママの作ったハンバーグが一番って・・・。」
「・・・一番肝心なところが抜けてるぜ・・・。お前・・・、本当に大学生か・・・?
 ・・・小学生・・・、いや、幼稚園児の間違いか・・・?」
「そうそう!倉成って、頭の中身は幼稚園児と大差ないもんねえ〜」
優が納得した表情で頷く。それを見てると、俺は無性に腹が立った。
「くおらぁ〜!優〜!」
「きゃ〜、倉成が怒った〜。」
「・・・話を戻すが・・・、いいか・・・?」
俺と優のやりとりに、アカギの台詞が終止符を打った。
「・・・おい少年、お嬢ちゃんは、何て言った・・・?」
「ええっと、心のこもったハンバーグって・・・。」
「・・・そうだ・・・。中々見所あるぜ・・・、お前・・・。」
アカギが少年の頭をポンと軽く叩く。
「・・・大事なのは、その人の心ってヤツだ・・・。・・・お嬢ちゃんがママの作るハンバーグが美味いっていったのは、
 心ってヤツがあるからだ・・・。・・・ママがお嬢ちゃんのために手間隙かけて作った料理・・・。
 ・・・だからこそ、お嬢ちゃんにとっては、何よりも美味く感じられるってことだ・・・。
 料理ってやつは、皆そういうもんだ・・・。人の心がこもるから美味い・・・。
 随分と話がずれちまったが、俺なんかのためにもう一つ倉成がメシを作ってくれるから食ってみてえんだよ・・・。」
「アカギ・・・。」
「・・・分かったら、用意してくれねえか・・・?おしゃべりが過ぎて、また腹が減ってきた・・・。」
「あ、ああ・・・。」
何か上手く言いくるめられた感じがするが、あの男の言うことは、全てが的を射ている気がする。
アカギという男は、なにか常人では計れない世界を自分の中に持っているのかもしれない・・・。
そんなことを考えながら、俺は新たにタツタサンドの準備を始めた。
そして向こうからは、ココとアカギの会話が聞こえてくる。
「ねえねえ、おじちゃん。」
「ん・・・?」
「ココが100点なら、ほかのみんなは何点になるのかなあ〜?」
「・・・そうだな・・・、少年が30点・・・、そこの姉さんが・・・、まあ、70点ってところか・・・?」
「それでそれで、たけぴょんは何点なの?」
「・・・そうだな・・・、3点だ。」
「にゃははははは♪たけぴょん3点3点!♪」
ぐおおおおおおおおっ!!!!!!!ありきたりで0点と言われるよりよっぽど腹が立つ!!!!!!!
俺はアカギの分を作るのをやめようかと思った。
「倉成〜!おそ〜い!」
優がカウンター越しに文句を言う。
「へいへい、もうすぐできますから。」
そんなやりとりの中、朝食の時間は過ぎていった。

5月2日 夜
第3視点(BWではない)
停電の中、メンバーはココの提案した「ヤミオニ」をすることになった。
「ねえねえ、おじちゃんもやろうよ〜。」
ココが壁にもたれかかって座っているアカギの袖を引っ張る
「・・・悪いなお嬢ちゃん・・・、ちょっと疲れてるんだ・・・。」
「むぅ〜。」
「まあまあココちゃん、赤木さんはお疲れのようですから、今日の所は休ませてあげて、ね?」
渋るココを優しくなだめる空。
「じゃあ、明日はあそんでね、おじちゃん?」
「・・・ああ、疲れてなければな・・・。」
そう言うと、アカギは目を閉じた。
「おじちゃん、眠っちゃった・・・。つまんな〜い。」
「まあまあ、また今度遊んでもらえよ。」
何とかココを説得すると、「ヤミオニ」は開始された。

(つぐみ視点)
暗闇の中、私と白髪の男だけが取り残された。
私と武を含む全員がLEMUに閉じ込められたなかで、何度か意味の無い会話を交わすことはあったけれど、
この男とだけは一度も話していない。目線を合わせたことも無い。
いや、合わせられないのだ。この男とだけは目を合わせたくない。無論、話し掛けることも話し掛けられることも真っ平だ。
しかし、何故かこの男を嫌悪する気にはなれない。何なの・・・!?一体、この男は・・・。
私は彼の姿が視点に入らない位置で休んでいる。しかし、あの男の存在が気になって仕方が無い。
だったら、この部屋とは別の部屋で休めばそれで済む事・・・、しかし、それも余りに無意味に感じた。
私がどこにいようと、あの男は存在する。あの男がどこにいても、私は存在する。
そう、この「LEMU」という、閉じ込められた空間に・・・。
私達がどこにいようと、同じ「LEMU」という空間を共有していることに変わりは無いのだ。
意味の無い思考が頭の中を回転し、そして堂堂巡りを繰り返す。
この上ない苛立ちを、私は感じ始めていた。
そんな折、男が立ち上がった。休んでいた場所から離れていく。
トイレにでも行くのだろうか。考えを巡らせたが、私には関係の無いことだった。
そのことに気付いた自分に、私は余計に苛立ちを感じるのだった・・・。

数分後、男は戻ってきた。手にコップを持っている。喉の渇きから、水分を補給しに行ったのだろう。
しかし、気になる点があった。男は、コップを二つ持っている。それを、私の近くに置いたかと思うと、
何も言わず、また壁にもたれかかった。
私の前に、異様な存在が2つあった。「アカギ」と名乗った男と、男の用意した飲料の入ったコップ。
男が異様なら、男が用意したコップも異様だった。いや、この場所が、この部屋が、そしてこの男が存在する空間、
「LEMU」全てが、私には異様に思えた。
どうしたらいいのか、分からない。しかし、何もしないでいる自分に、苛立ちは高まり続けている。
このままでは、自分の中に貯まった何かのせいで、自分が破裂しそうだ。
もはや我慢ができず、私は言葉を発した。
「誰が・・・、喉が渇いたなんて言った?」
「・・・そう・・・、あんたは言ってない・・・。だが・・・、あんたが飲まなきゃ・・・、他の誰かが飲む・・・。」
「・・・誰が飲むの?」
「・・・戻ってきたヤツの内の、誰かだろうな・・・、まあ・・・、大方あのお嬢ちゃんか・・・?」
「・・・ココが飲まなかったら?」
「・・・倉成って兄ちゃんかな・・・。」
「・・・武も飲まなかったら?」
「・・・妙な名前の姉さんか・・・。」
「・・・誰も飲まなかったら?」
「・・・その時はその時だ・・・。」
「・・・そう、つまりあなたは、場合によっては何の意味も無いことをしたってわけね。」
「・・・そうだ・・・。」
「つまり、あなたの手で用意されたこのコップとその中身は、その存在意義が失われるって事ね。
 用意した、あなた自身の手で。」
「・・・そうかもしれねえな・・・。・・・だが、そいつとその中身は飲まれるってことにならねえ限り飲み物ってヤツとしての
 存在意義は無え・・・。だが、こうして俺たちの前にあり、言葉の中でそいつのことを話している限りは、
 そいつに存在意義はある・・・。」
「随分と下らない話ね。」
「・・・ああ、そうだ・・・、下らない話だ・・・。
 ・・・だが、そのコップを下らないものにしたのは・・・、間違いなくあんた自身だ・・・。」
「・・・・・!」
沈黙が流れる・・・。一秒とも・・・、一分とも・・・、一時間とも言えない沈黙が続いた。
その長さは関係ない・・・、ただ、私自身が押しつぶされそうな異様な空間の中に身も心も押しやられていることは確かだった。
「ハハハッ!何だ何だ?押し黙っちまって・・・?」
不意に、男は笑い出した。
一本取ったつもり・・・?馬鹿馬鹿しい・・・!
「いったいあなた、何が言いたいの・・・?」
「・・・そうだな・・・、初めてあんたを目にしたときから、感じていたんだ・・・。」
「え・・・?」
「・・・淀み・・・!真っ直ぐ生きていない・・・!淀みを感じた・・・!」
「な・・・!?」
この言葉が引き金となって、私の中の何かが、ついに弾けた!
「ふざけないでっ!一体、あなたに、あなたなんかに、私の何が分かるっていうのよっ!」
・・・という言葉が私の口から飛び出そうとした瞬間、私は、射竦められた。
アカギと名乗った、この男の視線に・・・!
アカギの目・・・、通常、普通、そのような視点からは到底計り知ることのできない世界に生きる者の目だ。
私と同じか、それ以上の地獄をこの男は見てきたに違いない・・・!
しかし、この男にとって、その「地獄」と呼ばれるものは「地獄」ですらなかったのかもしれない・・・。
いや、むしろ、それを当然のものと受け止め、楽しんでいる・・・!
キュレイである私は最早異端の存在でしかない。しかし、そんな私にさえ、この男は異端に見えた。
異端・・・!異様・・・!異常・・・!正真正銘の「狂人」・・・!
単なる独善者や偽善者の言葉に動揺するほど、私は愚かでは無い。
この男が私にすら計れない領域で生きていることを、この場で確信していた。
「・・・勝手に・・・、決めて欲しくない・・・。印象でしょ?ただの・・・。」
私の口から発せられた言葉は、それだった。何と弱弱しい台詞だろうか。
生まれてこの方、これほど自分自身が情けなく思えてくる言葉を、私は発したことが無い。
「・・・そう・・・、あくまで俺の印象だ・・・。
 だが、それは概ね、誤らない・・・!」
私には、これ以上言う言葉が無かった・・・。
「・・・決めるなよ・・・。」
「え・・・?」
不意にアカギが口を開いた。
「・・・幸せになれないなんて、決めるなよ・・・。」
アカギはさらに言葉を続ける。
「・・・お前さんが何を背負って生きてるかは、俺には分からない。何を望んでいるかも分からない。
 ・・・だがあんたは、自分が望むものと、現実との板ばさみのなかで、立ち止まっている・・・。
 保留し続けている・・・その淀みの中で・・・。だが望みを持つこと・・・それは悪くない、決して悪くない・・・!
 生きることそのもの、・・・その中で感じられる熱こそが・・・実ってヤツだ・・・。」
私の望むもの・・・?
「そういや・・・」
アカギが更に続けた。
「倉成・・・あの兄ちゃんのことを“武”って呼んでたのは・・・あんただけだったな・・・。」
そういってアカギは目を閉じた。

・・・つぐみ視点、終了





あとがき(?)
初めまして、鳴きの虎といいます。何と、「Ever17」の世界にあのアカギの登場です!
福〇伸〇ファンの皆さん、及びアカギ信者のみなさん、本当に御免なさい!
(焼き土下座12秒達成)
私自身はパロディにするつもりは無く、至って大マジメに書いているつもりです!
「Ever17」のキャラクターたちは背負っているものが大きいため、苦悩することが多いですね。
それだけに、ココED後の大団円は本当に救われますが、(実はつぐみグッドエンドしか見てません!)
「天ー天〇通りの快男児」に登場するバージョンのアカギならば、少しは彼等を癒してくれるのではないかと
考えて、ここに登場させました。
もちろん、あくまで傍観者です。このSSにおけるアカギの位置付けは、究極のBWとでもいったところです。
年代については、思いっきり無視してます。(アカギは1999年、9月26日死去、享年53歳)
このSSにおけるアカギの年齢は、36.7歳といったところです。何故アカギが30代なのかについては
後々ご理解いただけるようにストーリーを設定していきますので、勘弁してください。
なお、苦情に関しても勘弁してください。アカギ及びEver17のキャラクターを歪めることの無いように
努力していきますので。


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