エバセブ闘牌伝 
ー代打ち集団LeMU−

                              鳴きの虎

第1章 前哨戦


ー作戦会議より数日後ー

    優春:「今日は、大会参加の組み合わせを編成するわ。」

 武&ホクト:「はあ・・・。」

    沙羅:「パパ、お兄ちゃん、二人ともどうしたの?」

 武&ホクト:「嵐が来る・・・。」

    沙羅:「???」

    優春:「それじゃ、各自組みたい人を選んで!」

   つぐみ:「私は武と・・・。」

     空:「倉成さんと・・・。」

    沙羅:「お兄ちゃんと・・・。」

    優秋:「ホクトと・・・。」

   桑古木:「俺はココと・・・。」

    優春:「・・・やれやれ。やっぱり収集つかなくなってきたわね。
        じゃあ公平に、クジ引きで決めるのはどう?」

   つぐみ:「それは戦略上、正しいやり方とは言えないんじゃない?
        コンビによっては、力を発揮できない組み合わせもあるわけだから。」

    優春:「それもそうね・・・。じゃあ、戦略上有利と思われる組み合わせを幾つか
        紹介するわ。」

コンビ打ちによる特殊能力

武&つぐみ
つぐみの圧力によって、他の2人が和了しにくくなり、
武が和了しやすくなる。
また、つぐみがロンされた場合、武が高確率で頭ハネし、
コンビの失点を防ぐ。

沙羅&ホクト
二人の特殊能力を最大限に活用し、
全局を通じて4人の手牌を透視することが出来る。

武&空
空が「天使の微笑」を利用し、他の二人から武のロン牌を
高確率で引き出すことが出来る。

ホクト&優秋
ホクトが親番でBWを発動することで、優秋に対し他の二人のテンパイ、
当たり牌を教えることでアシストする。

優春&桑古木
優春が桑古木に半ば強制的にサシコミをさせることで、
自身がトップに浮上しやすくする。

ココ&桑古木
ココがテンパイしたとき、桑古木が優先的に
ロン牌をサシコミする。

武&桑古木
ダブロン有りのルールの場合、他の二人からダブロンできる。

武&ホクト
ホクト&優秋のときと同じ

武&沙羅
沙羅が赤外線透視能力を利用して武をアシストする。
また、武が沙羅にサシコミをする。

    優春:「ざっとこんなところね。
        でも、私は大会の運営で何かと忙しいから、今回は秋香奈に任せて
        参加メンバーからは外れることにするわ。
        それに、私が抜ければ、残りは8人で、丁度4つの組み合わせが
        できるわね。」

     武:「ところで、今日来てないひろゆきはどうするんだ?」

    優春:「本人はもう、組む人が決まってるらしいわ。
        確かあの男らしいから、心配ないと思うけど。
        彼からの伝言だけど、明後日までに組み合わせを
        決定してほしいって。
        さて、組み合わせの話に戻るけど、とりあえず、桑古木とココは
        決定ね。」

     武:「あの男?」

   桑古木:「やったぜ!」

    ココ:「え〜、ココはお兄ちゃん(BW)といっしょにやりたいな〜。」

    優春:「ごめんね。今回は彼は忙しくて来れないらしいから、我慢して。」

    ココ:「むぅ〜。じゃ、少ちゃんでもいいや。
        少ちゃん、よろしくね♪」

   桑古木:「あ、ああ!よろしくな、ココ。」
       (嬉しいけど複雑な気分・・・。) 

    優春:「さて、問題は倉成とホクトの組み合わせをどうするかよね・・・。」

     空:「・・・小町さん。お願いがあるんです。」

   つぐみ:「お願いって何よ、空・・・。
        ま、大方予想はつくけどね。」

     空:「今回、倉成さんのパートナーを、私に務めさせていただけませんか?」

   つぐみ:「ダメ。」

     空:「ダメですか?」」

   つぐみ:「ダメと言ったらダメ。」

     空:「そう言わずに、お願いします・・・。
        そうです!優勝賞金半額・・・、いや、全額でも構いません!
        何とか、了承していただけませんか?」

   つぐみ:「あのね・・・。
        私と武の絆はそんなもので計れるようなものじゃないのよ。」

     空:「わかってます・・・。
        でも、お願いします。」

   つぐみ:「・・・あなた、そうまでして武と組んで、何か意味があるの?」」

     空:「それは、私が倉成さんのことが好きだからです・・・。
        もちろん、倉成さんには小町さんがいることは承知の上です。
        でも、ほんの少しの間だけでもいいんです。
        倉成さんと、私だけの時間を共有したい・・・。
        いけませんか?」」

   つぐみ:「・・・こうはっきり言われると、怒る気にもなれないわね。
        気持ちはわかるけど、それは私だって同じ・・・。
        私も、武とはもう絶対に離れたくない・・・。
        少しの時間でも、武が私の前からいなくなってしまうことは、耐えられないのよ・・・。」

     武:「(つぐみ・・・、空・・・、ちょっと照れるな・・・。)」

    沙羅:(小声で)「相変わらずラブラブでござるな♪ニンニン♪」

    
     空:「お願いです!私も少なからず、倉成さんのお役に立てるはずです。」

   つぐみ:「空の特殊能力は、確かに便利だけどね・・・。
        でも、空と同じように、相手からロン牌を引き出すことぐらい、私だってできるわよ。」

     空:「(それは、小町さんの視線で脅して、無理やり当たり牌を引き出すというやり方では?)」

   つぐみ:「空、今の沈黙は何?」

     空:「あ、いえ、何でも・・・。」
   
    優春:「まあまあ二人とも・・・。
        つぐみ、空の健気な想いを汲んで、何とかチャンスを与えてやってくれないかしら?」

   つぐみ:「仕方ないわね・・・。
        ・・・勝負は半荘1回。
        南四局終了後、点棒の多い方の勝ち・・・。
        それでいいわね?」

     空:「で、私が勝ったら?」

   つぐみ:「あなたのお願いを、聞いてあげないこともないわ。」

     空:「本当ですか?ありがとうございます!
        では、早速準備を・・・。」

     武:「・・・予想通りの展開になってきたな・・・。」

   ホクト:「やれやれ、結局こうなるんだね。」

    沙羅:「熾烈(?)な女の戦いでござるな。」

   ホクト:「ところで沙羅、結局僕達の組み合わせはどうなるのさ?」

    沙羅:「う〜ん。こうなることは私も予想してたしね・・・。
        私はこれ以上面倒なことになるのは嫌だったから、
        なっきゅ先輩とは公平にジャンケンで決めてきたでござるよ。」

   ホクト:「・・・偉いぞ沙羅。
        で、結果はどうなったの?」

    沙羅:「うう・・・。
        残念だけど拙者の負けでござる。
        だから、今回はお兄ちゃんを先輩に譲るでござるよ。」

   ホクト:「あ、ありがとう・・・、沙羅。」

    沙羅:「・・・ホントはお兄ちゃんも、先輩と組みたかったんでしょ?
        だから、今回は多分空殿と拙者が組むことになるであろうと
        初めから予想していたでござる。」
   
   ホクト:「ごめん、沙羅・・・。
        でも、僕も決して沙羅と組みたくなかったわけじゃないから・・・。」

    沙羅:「お兄ちゃんの気持ちは、十二分に心得ているから
        気にする必要はないでござるよ♪ニンニン♪」

   ホクト:「沙羅、ホントにありがとう・・・。
        今度、何か埋め合わせするから。」

   つぐみ:「沙羅、ホクト、面子が足りないから、
        ちょっと入ってくれる?」

     空:「待ってください、小町さん。
        もしかして、お子さん達にお手伝いさせようとか考えてませんか?」

   つぐみ:「勘違いしないでくれる?
        ただ単に面子が足りないから、あの子達を呼んだだけよ。
        ・・・いいわ。
        あなたが納得できないなら、優(春)と桑古木に入ってもらうことにするけど、
        それでいいわね?」

     空:「・・・ええ、構いません。」

ー対局開始ー

     空:「ロン!白ドラ2・・・、5800点です。」

    優春:「さすが空、早いわね・・・。」

   桑古木:「まだ5巡目だぜ・・・。これで3連荘か。」

   つぐみ:「・・・・・。」

ー東二局 三本場ー

   つぐみ:「ポン!」

    優春:「(早和了りで、空の親を流す気ね・・・。」

     空:「(小町さんはこれで三副露、役はタンヤオが濃厚ですね・・・。
         ならば、この牌は・・・。)」

   つぐみ:「ロン・・・、中のみ・・・。
        3本場で1000点は1900点・・・。」

     空:「残り1枚、しかもドラ表示牌の中での和了ですか・・・。
        さすがですね、小町さん・・・。」

   つぐみ:「・・・・・・。」

   桑古木:「次はつぐみの親番か・・・。」

ー東三局 つぐみの親番ー

   桑古木:「うっ・・・!この圧迫感は・・・。」

    優春:「つぐみの特殊能力、“黒き圧力”ね・・・。」

ー 十一巡目 ー

     空:「(くっ・・・、まだ面子が一つだけ・・・。
        テンパイには遠い・・・。
        おまけに、小町さんの捨て牌は明らかな筒子の混一色狙い・・・。
        なら・・・。)」

   つぐみ:「ロン!白、中、ドラ2、親満・・・。」

     空:「(八巡目と十巡目に切った西を雀頭として残しておけば、ハネ満に届くのに・・・。
         それを切って、七萬、九萬を残してのカンチャン待ち・・・。
         間違いありません・・・、完全に私を狙い撃ちにしているようですね・・・。)」

    優春:「(つぐみの本領発揮といったところね・・・。
         つぐみは親番の時、一色手の大物を引き寄せる・・・。
         明らかな一色狙いと分かるからこそ、他の3人はその圧力に
         押し切られ、ベタオリもしくは他の2色の牌を切るしかなくなる・・・。
         さらにつぐみは、それを狙い撃ちにする・・・。
         そして場が進めば、つぐみの手が一色系か否か・・・、
         疑心暗鬼に陥って自分の麻雀ができなくなる・・・。
         そうなってしまえば、もうあとはつぐみの思惑通り・・・!
         直撃を避けられてもツモ和了で場は進んでいく・・・。)」

ー東3局 2本場ー

     空:「(まずい・・・、このままだと小町さんの流れで押し切られる・・・。
        小町さんの親番の時は、特殊能力も使えないし・・・。)

   つぐみ:「リーチ!」

     空:「(北切りのリーチ・・・、萬子の混一色、いえ、この流れなら
         清一色の多面待ち・・・!
         これを和了されたら、多分もう勝ち目はありません・・・。)」

   桑古木:「通れば・・・、リーチ!」

     空:「(桑古木さんもリーチですか・・・。
         桑古木さんは中張牌の切り出しが多い・・・。
         おそらくチャンタ系・・・。」

    優春:「(二人とも役は大物・・・。
         直撃されたら浮かび上がるのは難しいわよ・・・。
         さて、空、あなたはどうするのかしら?)」

ー2巡後、空三萬切りー

    優春:「(な・・・、何考えてるのよ空!
         それ、二人の本命牌じゃない!)」

   桑古木:「ロン!リーチ、東、チャンタ、ドラ2!
        裏ドラも2丁で倍満だ!」」

    優春:「(やっぱり・・・。これで空は残り一万点を割った・・・。
         これじゃ、この勝負は・・・、え!?)」

   つぐみ:「・・・・・・。」

    優春:「(空が大物を振り込んだっていうのに、まるで自分が和了されたような
         顔をしてる・・・。
         なるほど、空の狙いが分かったわ。
         例え大物を直撃されても、何が何でもつぐみの親番を終わらせること・・・。
         しかも、多面待ちでつぐみに振り込む可能性の大きい萬子をあえて切り、
         桑古木にサシコミをした・・・。
         そして、南場に持ち込んで自分の親番で逆転を狙うというわけか・・・。
         結果的に振り込んだとしても、この局は空の読みと、勝負に対する決断が
         つぐみに勝ったということね・・・。)」

     空:「(小町さん・・・、今回倉成さんのパートナーの座は渡しませんよ。
         ここからが本番です。)」

ーその後、流れは空に傾き、南二局四本場まで空が和了を独占・・・
空とつぐみの点差は2万点以上まで広がった・・・−

   つぐみ:「・・・・・・・!」

     空:「(発動させましたね、小町さん・・・。
         黒き圧力を・・・!
         予想通り、配牌はバラバラ、手が重い・・・。
         でも、まだ手はあります・・・。
         残念ながらこの勝負、多少の不確定要素は
         あるとしても、私の勝ちは決まっていたんです・・・。」

ー空、南切りー

   桑古木:「ポン!」

   つぐみ:「・・・・・・。」

     空:「(小町さんはもう気付いているでしょうけれど、この勝負、
        そもそも卓を囲んだ面子の中に、問題があったんです・・・。
        それは、桑古木さんの存在です。)

ー空、九萬切りー

   桑古木:「チー!」

     空:「(小町さんの黒き圧力は、他の3人の運気を押さえ込み、同時に
        自分の中に運気を引き込む能力・・・。
        でも、桑古木さんには生来運が無い・・・。
        そのため黒き圧力を発動したところで、桑古木さんには
        殆どその影響は無いのです・・・。
        本来誰もが動けなくなる黒き圧力の中で、鳴けることが
        何よりの証拠・・・。
        私が和了らなくとも、桑古木さんに差し込んでしまえば
        何の問題も無い・・・。
        しかも、桑古木さんの手はダブ南、チャンタの3900止まり・・・。
        ドラは五筒ですから、桑古木さんの手の中にドラが入っていることも
        まずありません・・・。)


ー空、一筒切りー

    桑古木:「ロン!ダブ南、チャンタ!」

      空:「(これで点差は17400点・・・。
          私からハネ満を直撃するか、倍満をツモ和了るしか
          勝ち目はありませんよ、小町さん・・・。)」

ー南四局、オーラスー

    つぐみ:「・・・・・・。」

      空:「(小町さんから、中張牌の切り出しが多い・・・。
          やはり国士無双狙いですね・・・。
          でも、そう簡単にはいきませんよ。」)」

ー優春、四萬切りー

ー桑古木、六筒切りー

      空:「(皆さん、固くなりましたね・・・。
          小町さんへの振込みを避けるため、手元に一九字牌を置き、
          真ん中の牌を切っている・・・。
          すべて、私の思惑通りです・・・。)」

ー残り4巡ー

      空:「(田中先生の手が、ある程度まとまってきたようですね・・・。
          先生のことですから、暗刻が二つ位は入っているはず・・・。
          まあ、先生が和了ってくれるなら、それで問題はありませんが・・・。)」
          

ーその時、卓上のある様子に気が付く空・・・!

      空:「(そういえば、卓上に九筒が一枚もありませんね・・・。
          誰かが、全部持っているのでしょうか?)」

    つぐみ:「(確かに、桑古木が入ったことは私にとってマイナスではあったけど・・・。
          優が入っていることは、私が逆転する上でチャンスになっているのよ。
          もし、私の考えが正しければ・・・。」)

ー優、九筒をツモるー

      優:「(九筒が4枚か・・・。
          私の手配に、七筒と八筒は無いから、ここは・・・。)」
    
    つぐみ:「(優、やはり4枚目の九筒を引き寄せたわね・・・。
          おそらく、優の次の手は・・・。」)

      空:「(!?
          小町さんのあの顔・・・。ということは、先生、まさか?
          ああっ!ダメ!先生!その牌は・・・!)」    

     優春:「カン!」

    つぐみ:「・・・暗カン和了り、有りだったわね・・・。
         国士無双に限り・・・!」

     優春:「え?」

    つぐみ:「ロン!国士無双!」

    桑古木:「こ、国士和了りってことは・・・。」

     優春:「つぐみの逆転勝ち・・・!」

    つぐみ:「私の勝ちね。空・・・。」

      空:「ふう・・・、負けてしまいました。」

    つぐみ:「・・・納得いかないって顔してるわね。
         まあ、当然ね。点差は逆転したけど、あなたから直撃を奪ったわけじゃないし、
         ツモ和了りしたわけでもないんだから。
         終盤になっても卓上に九筒が切れていないことから、優が暗刻で持っているとは確信していたけどね。」         

      空:「でも、負けは負けです・・・。
         お約束通り、今回の倉成さんのパートナーは、小町さんに決定ですね。」

    つぐみ:「ま、当然の結果かしら?」

      空:「・・・小町さん、一つだけ約束してくれますか?」

    つぐみ:「・・・言われなくても、分かってるわ。
         “必ず優勝してください”っていうんでしょ?」

      空:「・・・その通りです。」

    つぐみ:「心配はいらないわ。私と武の間には、絶対の信頼と愛情がある。
         それがある限り、私達は誰にも負けないと信じてる。」

      空:「かないませんね、小町さんには・・・。
         さすが、倉成さんの選んだ女性です。」

    つぐみ:「ふふ、ありがとう・・・。
         でも、私達の勝負はこれで終わったわけじゃないわ。
         私に勝ちたければ、決勝までいらっしゃい。」

      空:「はい、望むところです・・・。」

     沙羅:「というわけで、予想通り空殿は拙者とペアを組むことが
         決定でござるな。」

      空:「はい・・・。沙羅ちゃん、よろしくお願いしますね。」

     沙羅:「こちらこそよろしくでござるよ、ニンニン。」

  武&ホクト:「嵐(?)が去った・・・。」

    つぐみ:「武、それじゃ当日は頑張ってもらうわよ。」

      武:「あ、ああ・・・。
         よろしく頼むぜ、つぐみ。」

    つぐみ:「武・・・。いいわね?
         私と組む以上、負けることは許さないわよ?
         もし負けたら、少なくとも10年はローン地獄が続くわけで、
         あなたのお小遣いも当分UPは無しよ?」

      武:「分かってるって。俺の小遣いはともかく、
         一家の大黒柱として、これ以上お前に苦労は掛けさせないぜ。」

    つぐみ:「・・・・・・・。(僅かに微笑を浮かべている。)」

     優春:「これで、組み合わせは武ーつぐみ、優秋ーホクト、桑古木ーココ、
         空ー沙羅で決定ね。
         それじゃ、私達でベスト4までを独占するわよ!
         みんな、気合い入れて!」

     一同:「おーーーーーーーーーっ!」

ー数分後ー
   ひろゆき:「すみません、お待たせしました。」
      
      武:「お、ひろゆきか。遅かったな。」
   
   ひろゆき:「すみません・・・。色々と大会の件で忙しくて・・・。
         あ、ところで田中さん、大会の組み合わせはどうなりました?」

     優春:「さっき丁度決まったところよ。」

   ひろゆき:「わかりました、早速登録しておきますので・・・。」

      武:「ひろゆき、ところであんたは誰と組むんだ?」

   ひろゆき:「ああ、僕でしたら・・・。」

ードアの前でドサッと誰かの倒れる音が・・・−

    ???:「ひろ・・・、悪いが肩貸してくれ〜。」

     一同:「???」

   ひろゆき:「もう!だから言ったじゃないですか!
         天和九連宝灯は止めとけって!」

    ???:「んなこと言われてもよ〜。
         それが、俺の流儀だからなあ〜。」

      武:「ああっ!天じゃないか!」

      空:「倉成さん、ご存知なのですか?」

      武:「知ってるも何も・・・、近所のアパートに住んでる人だよ。」

    つぐみ:「うちに色々とおすそ分けしてくれたり、
         時々沙羅やホクトの面倒も見てくれたりして、
         彼には何かとお世話になってるのよ。」

      天:「ど、どうも・・・。皆さんこんにちは・・・。
         天貴史です。今後ともよろしく・・・。」

     沙羅:「それにしても、またまた派手にやられたでござるな〜。」

    ホクト:「だめだよ天さん!体は大切にしなきゃ!」

      天:「はは・・・、こんなもの日常茶飯事だから、
         心配いらねえよ。」

      空:「それにしても、ひどいお怪我ですね・・・。
         一体、何があったのですか?」

      天:「なあに、麻雀でイカサマやって殴られただけですよ・・・。」

   ひろゆき:「まったく〜!大会までもう3週間前なんだから、それまでに
         身体を壊されちゃ困りますよ・・・!」

     ココ:「ねえねえだいじょうぶ?
         ココ、すぐバンソウコウ持ってきてあげる!」

      天:「ハハ・・・、ありがとう・・・。」

      空:「あ、私もお手伝いさせていただきます。」

      天:「いやあ、助かりますよ・・・。
         こんな可愛い子とあんたみたいな美人に手当てしてもらえるなら、
         怪我した甲斐があるってもんだ・・・。」

ー天、医務室へー

      武:「ところで、天が麻雀できるのは知ってるけどさ。
         あいつ、本当に大丈夫かな?」

     優秋:「え?あの天って人、麻雀弱いの?」

      武:「ああ・・・。たまに俺とやるんだけど、あいつ俺に一度も勝ったことが
         ないんだよな。」
     
     優春:「倉成・・・。あんた何も分かってないようね。」

      武:「え?」

    つぐみ:「武・・・、あなた意外と鈍いのね。」

      武:「え?ええっ?」

    つぐみ:「あの人、負けた後最後に必ず何て言ってるか覚えてない?
         “これで、沙羅ちゃんやホクト君に美味いものでも
         食わしてやってくれ”って・・・。」

      武:「・・・・・・。」

     沙羅:「天殿は、ホントに優しい方でござるよ。」

    ホクト:「うん・・・。だから僕達も大好きなんだ・・・。」

     優春:「ま、今度の大会しっかりと見ておくことね。
         本当の“天貴史”の姿を・・・。」

      武:「本当の“天貴史”ねえ・・・。」





あとがき
相変らずの作風ですが、自分はこの路線で行こうと思います。
タイトルが「闘牌」で、しかもコンビ打ちとなれば、武のパートナーの
座を巡って、つぐみと空の対局は避けられないと思い、書く事にしました。
あと、沙羅と優秋まで争うと、面倒なことになるので二人には仲良しでいてもらうことに・・・
読んで下さったら、幸いです。
今回登場する福〇ワールドのゲストの天は、連載初期の人情話の頃のイメージです。

 天:おい、前回もちょっとだけ出てるぞ。作者。
作者:でしたね・・・。
 天:しかし、ヘタクソな闘牌シーンだな・・・。こんなんで、この先大丈夫か?
作者:まあ、とりあえず頑張るって事で・・・。

あと、感想も送ってくれたらなお嬉しいです。


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