エバセブ闘牌伝 ー代打ち集団LeMU− 鳴きの虎 |
ー大会当日ー 優春:「皆さん、第17回東西対抗麻雀大会へようこそ! 司会は私、田中優美清春香奈と、茜ヶ崎空で務めさせていただきます。」 空:「皆さん、今日はお忙しい中お集まり頂き、ありがとうございます。 それでは、私の方から、大会の内容及びルール、注意点などについて 説明させていただきます。」 東西対抗麻雀大会ルール ・それぞれの卓に、東西から2人ずつの面子が集まって勝負を行う。 (東西各16名、合計32名) ・トップには、トップ賞として20000点が与えられる。 ・最終的に得点の多いコンビの勝利となる。 大会の流れ 1回戦:合計32名で、8つの卓に分かれて半荘1回の勝負が行われる。 (勝ち残るのは計8組) 2回戦:合計16名で、4つの卓に分かれて半荘1回の勝負が行われる。 (勝ち残るのは計4組) ※2回戦以降は、ルール変更の可能性有り 準決勝:2回戦を突破した4組で勝負を行う。 決勝:準決勝で残った2組が最後に勝負を行う。 空:「ルールは基本的に、ピンフツモ、鳴きタンヤオ、裏ドラなどを含む 何でもありのルールです。 なお、今大会はあくまでも公式のものとして行われる大会として、 牌のすり替えや握り込みなどの不正行為に関しましては、発覚した際 厳しいペナルティーが課せられます。 万が一、不正行為を確認した場合に関しましては、同じ卓にいる東及び西の メンバーの方と共に連帯責任を負うこととなり、同時に2人とも脱落となります。 同時に、今大会以外の麻雀大会への参加にも制限が加えられます。 くれぐれも不正行為のないよう、公平な気持ちで大会に臨んで下さいね。」 優春:「それでは、今大会の主催者及び来賓の方を紹介させていただきます。 東西戦の主催者であり、現役裏プロ最強と呼ばれる原田克美さん、 麻雀の闇を支配すると呼ばれる怪物、僧我三成さん、 そして裏麻雀会の生きた伝説、赤木しげるさんです!」 原田:「・・・・・。 (確かこいつらは、あの時のガキ共・・・。 何でこいつらが、東のメンバーに? 天・・・!俺を嘗めてるのか!?)」 僧我:「ゴホッ!ゴホッ! (何やらえらく場違いな連中が揃っとるようやが・・・。) まあ、今日は遠路はるばる、ご苦労やったな・・・。 今回は赤木の全快祝いやさかい、大いに楽しんでくれや・・・。」 赤木:「・・・・・。 何か食うもん、ねえのか?」 空&優春:「・・・・・・・・。」 ココ:「おじちゃ〜ん。 おなか空いてるなら、ココの持ってきたお菓子あげるよ〜。」 一同:「・・・・・・・・。」 空:「・・・・というわけで、開会式を終了します。」 ー東西戦開始ー 武:「ロン!リーチ、白、ドラ1!」 つぐみ:「ツモ・・・。ピンフ、、イーペーコー・・・、 ドラ2で満貫・・・。」 ー大方の予想通り、武とつぐみのコンビは危なげなく予選を通過。 続いて、空・沙羅コンビは流れを掴んでクリアし、 天・ひろゆきは当然の如く予選を突破した。 ココ・桑古木コンビは独特のペース(ココの)に相手を引きずり込み、 勝ちを収めることに成功した。 しかし、ホクト・秋香奈とのコンビは麻雀における 経験不足から、苦戦を強いられる・・・。 西山:「ロン!タンヤオ、イーペーコー、ドラ2で親満!」 ホクト:「う・・・。」 秋香奈:「(ちょっと!何やってるのよ!まだ東1局目なのに・・・! これじゃ負けちゃうじゃない!)」 ホクト:「(ご、ごめん・・・、優・・・。)」 つぐみ:「苦戦してるわね、ホクト・・・。」 武:「無理も無いさ。ホクトはまだ麻雀を覚えたばかりなんだ。 おまけに相手はプロ、簡単には勝たせてくれない・・・。」 つぐみ:「それにしても、相手側の方から親だなんてツキが無いわね。 ホクトは西家だから、東三局にならなければ特殊能力が使えない・・・。 その前に、東二局・・・、いえ、この局で決められる可能性もあるわ。」 新川:「リーチ!」 ホクト:「(ど、どうしよう・・・!もう残り一万点を切ってるし・・・。) 新川:「(フン・・・、一目見たときに分かったで・・・。 今回の東は5割がド素人集団・・・。 東場で潰すなど、容易いことや・・・。)」 ー四巡後、ホクト三色手をテンパイ・・・− ホクト:「(何とか満貫手をテンパイ・・・、これを和了れば原点に近づける・・・。 でも・・・、相手のリーチに五萬は危ない・・・。 ここは、現物の二萬を切って・・・。)」 赤木:「・・・死ねば助かるものを・・・。」 ホクト:「(え・・・?)」 ー赤木、ホクトの後ろを通り、部屋を出て行く・・・。− ホクト:「(今のは赤木さん・・・。“死ねば助かる”だって・・・? もう、何だよそれ・・・!矛盾した言い方だな・・・。 でも、ここで安手にして和了ったところで、次に大物手を直撃されたら、 こんどこそ本当にハコテン(点棒がなくなること)だ。 それは今も次も同じ・・・! おまけに相手はこの道のプロばかり・・・。 僕が元々太刀打ちできる相手じゃないんだ・・・! あれこれ考えてたって、勝てっこない・・・。 こうなったら、行けるとこまで行くだけだ!)」 ホクト:「リーチ!」 ーホクト、五萬切り・・・、リーチ、タンヤオ、三色の満貫確定ー 新川:「(チッ・・・)」 ーそして2巡後・・・− ホクト:「ツモ!リーチ、タンヤオ、三色! 裏ドラも一つでハネ満!」 秋香奈:「おおっ!やるじゃんホクト!」 ー東3局、ホクトの親番ー ホクト:「(よし・・・!ここからが僕の本領発揮だ・・・! BW、発動!)」 ーホクト、配牌で中ドラ3の満貫確定+リャンシャンテン・・・、 そして5巡後、この手をツモ和了り・・・ー ー東3局、一本場ー 西山:「(小僧がちょっとツイたくらいで、調子に乗りおって・・・。 まあええ・・・、プロの恐ろしさ、とくと見せたるわ・・・。)」 ー7巡後、西山混一色ドラ2のテンパイー 西山:「(へへ・・・、こいつは調子がいいで・・・、 ドラの西と五筒、八筒の三面待ち・・・。 リーチをかければ、ハネ満確定や・・・・。)」 西山:「リーチ!」 西山:「(この小僧の捨て牌から、テンパイはまだ・・・。 おまけに手牌からは、筒子が溢れてくる公算大・・・。 調子に乗るのも。ここまでや・・・。)」 ホクト:「・・・・・・。」 ーホクト、四筒切りー 西山:「(な・・・・!そんな一番危なそうな牌を・・・、なぜ・・・?)」 ー次巡、ホクト三筒切り、次いで七筒切り・・・− 西山:「(な、何で次から次へと、そんな危険牌を切れるんや・・・! 俺の捨て牌からは、筒子の混一色気配が濃厚やぞ・・・!)」 秋香奈:「(えーと、やっぱりこのドラの西は要らないよね・・・、 じゃあ、次はこれを・・・。)」 ホクト:「(だめだよ!優!それは相手のリーチの当たり牌だ! ここはそれを抑えて、慎重に回すんだ!)」 秋香奈:「(ええっ!?マジ!?じゃあ、これにしよっと・・・。)」 ー秋香奈、一萬切りー 秋香奈:「(ありがと、危なかった・・・。 ホクトの能力は、ほんと助かるわ・・・。)」 ホクト:「(うん・・・。ただ相手の手牌を読むだけじゃなくて、 こうして優の心に語りかけて、助けることもできるからね・・・。)」 ーホクト、2巡後ー ホクト:「ツモ!タンヤオ、ドラ1!」 西山:「(ぬうう・・・!そんなセコい手で、俺のハネ満が・・・!)」 ホクト:「(よし!流れは掴んだ!優、次は一気に行くよ!)」 秋香奈:「(OK!)」 ー南3局三本場、7巡目、秋香奈、七対子ドラ2のテンパイー 秋香奈:「(よし!あたしも能力が発揮できてきたわ・・・。 ここはさっそくリーチを・・・。)」 ホクト:「(待って!優、その手はまだ伸びるよ! もう少し待てば、多分大物手になるから、ここは回して!)」 秋香奈:「(ホント?それじゃ、リーチは保留ね・・・。)」 ー秋香奈、7巡後四暗刻単騎テンパイー 秋香奈:「(信じられない!七対子の手が、こんな大物に化けるなんて! さてと、後は西がこぼれてくるのを待つだけね。」) ー西山、西切りー 秋香奈:「ロン!四暗刻単騎!ダブル役満!」 西山:「な、何やと・・・!?」 ホクト:「これで、僕達の勝ちだ!」 秋香奈:「やったあ!一回戦突破ね!」 ー終了後、秋香奈と優、会場の外へ・・・− ホクト:「優、疲れたでしょ?何か飲み物買ってくるよ。 何がいいかな?」 秋香奈:「そうね・・・。それじゃ、オレンジジュースでも買ってきて。」 ホクト:「わかった、すぐに戻るよ。」 ーホクト、自販機へー ホクト:「あっ!赤木さん・・・。」 赤木:「・・・ん?倉成んトコの坊やか・・・。 どうだ?勝ったか・・・?」 ホクト:「え、ええ・・・、一応・・・。 もし、あの時赤木さんの一言が無かったら、僕の負けでした・・・。 赤木さん、本当にありがとうございました!」 赤木:「・・・別に礼を言われるようなことは、何もしちゃいねえよ・・・。 ただ、思った通りのことを、口にしただけだ・・・。」 ホクト:「でも、あの一言が、僕の迷いを振り払ってくれたんです。 そういえば、あの時赤木さんは僕の後ろをそのまま通り過ぎただけで、 僕の牌を見ていなかったはず・・・。 なのに、どうして僕が迷いを抱えて心の中で現物の二萬を切ろうとしていたことが 分かったんですか?」 赤木:「・・・そんな大層なことじゃない・・・。 麻雀に限らず、勝負時で迷ってる奴の気配なんてのは、誰でも分かる・・・。 背中に、勝とうとする意思が無く、ただ怯えている・・・、 そういう奴が、最後に求めるものといったら、“安全”・・・! 負けが込んでる時に、そんなものを欲した瞬間、そいつは死ぬ・・・。 その安全に流されようとする心こそ、プロからすれば、格好の餌食・・・! 安全ってのは、言わば安楽死の別名・・・! あとは口を開けて、流されてきたところを一気に呑み込んじうのを待つだけだ・・・。」 ホクト:「そうですか・・・。じゃあ、僕はあの時、勝つか負けるかの 瀬戸際に立たされていたんですね・・・。 あの時安全を選んでいたら・・・。」 赤木:「ああ、多分振り込んでただろうな・・・。 実はノーマークの西山が、本当はテンパイしていたのさ・・・。 新川のリーチは言わば撒き餌・・・。 奴のリーチに怯えてお前が現物を切ったところを、狙い撃ちするはずだったに違いない・・・。 まあ、振り込んでも安手だろうが、 あの時のお前を揺さぶるのには、十分な手だった・・・。 そうなれば、例えお前が親番になっても、本来の力など発揮できるはずがない・・・。 あとは、ゆっくりと潰していけばそれでいい・・・。」 ホクト:「僕はまだ、勝負事ってのはよく分からないけど・・・、 いわゆる、“安心”や、“安全”ってのを追ってしまうことがここ一番の 勝負では絶対にやってはいけないことなんだということが、今回で分かりました・・・。 でなければ、あの大逆転も起きなかったんですからね・・・。」 赤木:「だがな、坊や・・・。 今回お前はちょっとまずい勝ち方をしたな・・・。」 ホクト:「え・・・!?何なんですか? まずい勝ち方って・・・。」 赤木:「その、大逆転ってやつだよ・・・。 西山と新川は、お前等のことをガキだと思って甘く見てた・・・。 だから、雀力に劣るお前等にもつけ込めるスキがあった・・・。 だがな・・・、お前は親番になったとたん、とんでもない力を発揮しただろ・・・。 さっきまで、怯えて打ってたお前が急に強気になり、まるで当たり牌が読めるかのように 危険牌を切りまくった・・・。 そして、終いには必然に導かれたように、坊やの彼女がダブル役満を和了ったと聞いたぜ・・・。 あんな派手な勝ち方をすれば、当然目立つ・・・! 特に西側は、俺達の時代ほどではないにせよ、名うてのプロばかりだ・・・。 初めて相対したとき、お前らの凡その力量など、察しがついたはず・・・。 いくら、お前が和了ってきっかけを掴めたとしても、あんな大勝利は有り得ない・・・! 例えイカサマをした気配が無いとしても、必ずお前に何かあると踏んだはずだ・・・。 そうなったら、奴等は毛ほどもお前等を嘗めたりはしない・・・。 どんな手を使ってでも、お前を全力で潰しに来るぞ・・・!」 ホクト:「・・・・・・。」 赤木:「この勝負は、昔ほどじゃないとしても、結構な大金が掛かった大勝負だ・・・。 だから、最初からブンブン飛ばす奴はバカか素人だ。 それが分かってるからこそ、お前の親父も本来の力を極力抑えて打った・・・。 なのにお前は、最初から自分の力を見せつけてしまったんだ・・・。 ここから勝ち上がるのは、厳しくなるぜ・・・。」 ホクト:「・・・・・・。」 秋香奈:「ホクト!おそ〜い!何やってんのよ!」 ホクト:「あ!優!ご、ごめん!」 赤木:「・・・俺はどうやら邪魔なようだな・・・。 それじゃこの辺で失礼するぜ。」 ホクト:「あ、赤木さん!」 秋香奈:「ん?確か今の、赤木さんだよね? ホクト、赤木さんと何の話してたの?」 ホクト:「な、何でもないよ・・・。 2回戦は厳しくなるから、頑張れって・・・。」 秋香奈:「ふうん・・・。 ま、それに越したことはないしね。 ホクト!次もよろしくね!」 ホクト:「ああ!頑張るよ!」 2回戦進出 東:5組 西:3組 ー大会本部ー 僧我:「今回、西は苦しいな・・・。 勝ち上がったのは3組だけとはの・・・。」 原田:「今回は、東西戦とは名ばかりの遊びに過ぎん・・・。 西が勝とうと東が勝とうと、俺にとっては大した問題ではない。」 僧我:「だが・・・、今回東側の妙なガキ共には、何か得体の知れない力があるようやな・・・。 見世物としては、なかなか面白い・・・。」 原田:「ふん・・・。所詮は素人・・・。 メッキが剥げるのも、時間の問題だ・・・。」 |
あとがき やはり出ました!赤木しげる! やっぱり解説と説教じみた話には、彼は欠かせないので。 それからひろゆき、原田に加え、僧我も登場させちゃいました! (でも、あんまり活躍しないかな?今回赤木、原田、僧我は参加しません。 ・・・って、この御方達の闘牌など、私如きに書けるわけありませんので。) 今後、さらにゲストは増えるかも? というわけで、ますます鳴きの虎の「Ever17」と福〇キャラの クロスオーバーワールドは膨張を続けます! (毎度ながら、ホントすみません。両作品のファンの皆様、ごめんなさい!) まだまだ勝負は続くわけですが、細かい勝負まで書いているとネタと時間が足りなくなるので、 厳選して面白そうな勝負を書くようにしていこうと思います。 読んでくださった方は、是非とも感想をお聞かせください。 |
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