一応2034年の事故後のことです。すっごくシリアスです。田中先生の一人称です。キャラ壊れてるような気がします。というより壊れています。そういうのが嫌な人は遠慮してください。 |
心に秘めた私の気持ち 〜田中優美清春香菜〜 水桃華琳玖 |
「ふぅ………。」 2034年の事件が終わり、倉成とココが助かったのに、以前として、このため息が止まることはない。 「ふぅ………。」 事後処理がとてつもなく溜まっているから、だとか、目の前の仕事がどうしても片付けられない、というわけではない。 「ふぅ………。」 “何か”が私の心に引っかかっているのだ。その“何か”と言うのもよくわかっているつもりだ。 そう………倉成武のことである。 2017のLeMUの浸水事故、私と倉成はそのときであった。あまりに可笑しな出会い方だったと、今でも思う。その時私は、倉成の生き方に心を打たれて恋に落ちた。今でも思い出すことのできる、その時の熱い燃えるような想いは、決して偽物ではなかったはずだ。人は極度の緊張に落ちると、その時側にいる異性に恋愛感情に似たものを感じるというけれど、たとえそうだったとしても、私の“想い”は本物であった。倉成の言葉にあふれる“生きる”という信念は、心臓を患っていた私にはとても重いものに感じられたから……。余命があとわずかだと伝えられたとき私は、“生”に執着しすぎるあまりに大きな過ちを犯してしまった。それに似ているはずの倉成の“生きる”には、私とは違ったものを感じさせたのだ。だから惹かれたのだって、私は考えている。 恋をしたことがある?って聞かれたら「ある」ってはっきり言えると思う。けど、いま恋をしてるの?と聞かれたら「分からないわ」としか答えられない。 倉成が好き。その気持ちが私に2034年の事件を起こさせる原因となったに違いないって私は考えている。BWに倉成とつぐみの間に子供ができたことを聞いたときに感じた気持ちは、今でも目を伏せたくなるような、どろどろとして汚れている感情だった。醜くって仕方がないような感情をつぐみにぶつけたくなる。自分が欲しかったものをつぐみか全部持っていってしまったから…………。 どんな恋をしたの?って聞かれたら「激しい恋をしたわ。」って答えたい。けど、今もそんな恋をしてる?って聞かれたら「波のない静かな恋をしてるわ。」と答えるかもしれない。 倉成のことが好き。2017年の事故から助かって、桑古木とBWをだます計画を立て始めてから、私はそのことについて、あまり考えないようにしていたと思う。考えることが沢山あるからと思って後回しにしていた。そんなつもりでいても、暇があれば倉成のことを考えていたようにも思う。好きなのだ。誰が何を言おうと私は倉成のことが好きなのだ。一緒にいたい、ムダ話がしたい、抱きしめてもらいたい。感じること、思うことは、やっぱり恋する女の子のようなたわいないこと。倉成を助けても叶うかどうかも分からない想いを胸に秘めながら、計画を実行した。 どんな思いで17年間暮らしたの?って聞かれるなら「言葉では表せないわ」って答えるわ。 幸せ。人を愛すことを考えていくうちに、私は一つに考えにたどり着いたの。最愛の人の幸せを願うこと。そのときまでの私は、倉成が与えてくれることしか考えてなかったから………。その考えは私にとって、大切な発見だったのよ。 どんな思いで計画を実行したの?って聞く人がいるとしたら「倉成を助けたいから」って答えるかもしれない。けど、本当にそうなの?って聞かれたら「倉成に幸せを与えたいから。」って答えるのでしょうね。 求め合う恋もあれば、与えるだけの恋がある。自分の心を形だけで満たそうとしないで、本当の感謝という気持ちで満たしてもらったのはすごく嬉しいことよね。片思いなのかもしれないけど、倉成は応じてくれないかもしれないけど、それでも私の想いを知って欲しい。でもね、一方的な想いは相手に負担しか与えないし、自分も苦しくなるの。だから、想うの。私はたとえ自分が辛くて、悲しくて、涙していたとしても、あなたが幸せそうに笑っているなら、それだけで嬉しくなるから。 好きなのよ、あなたを。だからあなたに幸せになって欲しいの。あなたが幸せなのが嬉しいのよ。ましてそれが私の力によるものなら。 ねぇ…………人魚姫のお話って知ってる? 人魚姫は人魚の女の子。 ある晩、嵐の海で王子様を助けます。 王子様に恋をしてしまった 人魚姫はおきてを破り 美しい声と引き換えに、 魔女に薬をもらい人間になりました。 ただし、2度と人魚には戻れないことと 王子が他の女性と結ばれたなら、 次の朝に泡になってしまうことが 条件としてありました。 薬によって手に入れた足は痛み 想いを口にすることもできず 王子はとうとう隣国の姫を 妻に迎えました。 そこへ人魚姫の姉達が ナイフを手にしてやってきました。 このナイフで王子を刺し殺せば、 人魚姫は生きていられると……。 死なずに済むと………。 けれど、人魚姫はナイフを捨て、 次の朝、 泡となりました。 ねぇ、どうして人魚姫はナイフを捨てたの?って昔から考えてたわ。けど、最近になってその気持ちを理解できるようになったのよ。 私はこう思ってるの――『“愛すること”を知ったから……………。』 たとえ自分が水の泡になってしまうとしても、私はあなたを殺せないわ。あなたは信念の強い人だから、自分の心を簡単に変えることはないだろうから、私の恋は実らないだろうけど、だからせめて祈らせて、手伝わせて、あなたの幸せへの道を。辛くても祈るわ、この想いが最後になるまで。あなたが幸せそうに笑っているならそれだけで、私も幸せになれるもの。 好きなのよ、あなたを。だからあなたに幸せになって欲しいの。あなたが幸せなのが嬉しいのよ。ましてそれが私の力によるものなら。 「ふぅ…………。」 もう日は暮れに暮れ、仕事場には私一人しかいなかった。 「ふぅ…………。」 本日何度目か分からないため息とともに、私は心を決める。 「よしっ。」 頬をたたき、気合をいれ、私はかばんの中にあったPDAを取り出した。覚悟を決めてけじめをつけなきゃいけない気がする。結局、私はそのために倉成を助けたのかもしれない。 プルルル………プルルル……… 電話をかける。私は深呼吸をして、息を整えた。…………倉成が出た。 「あ、もしもし、私、優だけど…………。」 そう、私の恋も、もう終わりにしなくちゃね。 |
あとがき 田中先生の恋愛感を考えてみようと思い立ち、書き始めたのはいいのだが、なんか支離滅裂だ。とくに、先生にキャラが、台詞が壊れすぎているような気がするし(涙)。修行がたりんなぁ。 内容を簡単に言えば、側にいて欲しいとか、抱きしめたいなどの気持ちよりも先に、例えば相手の幸せ、成長などを想えると言う恋の仕方が、何となく先生にあってる気がしたから書き綴ったんだけど………気持ち届いたかな? まぁ、次は他の女性のを書くつもり。さてどんなのができるやら。 |
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