カレノナマエ
                            シュラム


「…これはなかなかね〜」
一口すすって、思わず笑みがこぼれた。
おいしい。
豆の香りが良く引き立っていて、そこらでは味わえない深い苦味とコクを感じる。
これはいい。私、田中優美清秋香菜の秘蔵メモに加えておくとしよう。
「やっぱり、そうなんですか? …苦すぎて、私にはよくわかんないです」
マヨは顔を渋め、カップを見つめている。
無理もない。この子には理解できない味だろう。コーヒーは奥が深いのだ。
私はもう一口すすってから、カップをソーサーの上に戻した。
「やっぱりって?」
「涼権から聞いたんですよ、ここ。
 『”通”の間では穴場として知られているらしい。 …俺には全く理解できんが』って」
微妙に視線を外し、右手を後頭部の辺りに添え、声のトーンを落とすマヨ。
桑古木の仕草を良く捕らえているけど、声の方はさっぱりだった。
あいつにしては可愛すぎる。
「なんだかんだで、うまくやってるみたいじゃない?」
「そんなことないですよ。 なんか、いつもそっけないですし」
「でも、一緒に出かけたりはしてるワケだ?」
ニタリと笑ってみせる。
「世間ではそれを”逢引”って言うのよ」
「…からかわないで下さいよ」
顔を赤らめて、もじもじとするマヨ。
相変わらず可愛い子だ。つい、いじめてみたくなってしまう。
私はよからぬ考えを払拭するように、ひとつ咳払いをした。
「それにしても遅いわねぇ、ホクト」
PDAを見ると、時刻は約束の時間から10分ほど過ぎていた。
定時前には着いて、待っているあの子にしては珍しい。
「マヨは知らない? ホクトのこと」
「お昼過ぎから家を空けてたんで、ちょっと…」
「そっかぁ…。 連絡もしないで何してんのかしらねぇ、あの純情少年は」
カップを口元まで運ぶ。
「…そういえば」
コーヒーを飲んでいた私は、目で『何?』と聞き返した。
「先輩って、いつの間のかお兄ちゃんのこと、『ホクト』って呼ぶようになりましたね」
「変かな?」
「いえ、そういうことじゃなくて。 …いつの間に仲良くなったんだろうな〜、って」
懇願するように、上目づかいで見つめてくるマヨ。
…つくづく、私はこの子に甘い。
そう考えながら言葉を返した。
「…もしかして、聞きたいの?」
「それはもちろん!」
「…まぁいいわ。 ホクトが来るまで暇だし、ここを教えてもらったお礼も兼ねて話してあげる」
カタリと音がして、ソーサーのくぼみにカップは収まった………。





…………………………





「苦いよ、これ…」
顔をしかめ、カップを見つめる少年。
テーブルの脇にある、ミルクポットとスティックシュガーに手が伸びた。
「まだまだねぇ、少年は。 甘さ重視のブレンドも満足に飲めないなんて」
「ユウが『一口目はそのまま飲むこと。 それがお店に対しての礼儀ってものよ』
 とか言うから、そうしたんじゃないか」
少年は不純物をなじませるように、スプーンでかき混ぜる。
それから、気を取り直すように、一口喉から胃へと運んだ。
「…やっぱり、こっちの方がおいしい。 あれじゃ、苦瓜を生でかじるようなものだよ」
「少年はかじったことあるの、苦瓜」
「…ないよ」
「だったら、コーヒーと野菜を一緒にしないでよね」
「…すいません」
私の軽口に対し、少年は真面目に謝った。
律儀というか、純情というか、バカ正直というか…。
「…まぁ、初心者じゃ無理もないわね。
 とりあえず、ひとつ助言するとしたら”添加物ナシ”になれること。
 これが、真のコーヒー好きになる近道よ」
「…覚えておくよ、先生」

今日は、お気に入りの喫茶店に少年と来ていた。
少年が『美味しいコーヒーが飲みたい』なんて言い出したからだ。
鳩鳴館の”豆の伝道師”と謳われた私が、わざわざ秘蔵メモから選別して連れてきた。
あの事件以来、少年は私の周りの物に興味を持つことが度々あった。
マヨの兄上くんを無下にはできないし、自分の好きなことを教えるのは楽しいので、
ちょくちょく付き合っているわけだ。

「…そういえば、さぁ」
少年が私に向かって話し掛ける。
「ユウは、なんでぼくのことを少年って呼ぶの?」
『今は、空だってホクトって呼ぶのに』と少年。
「少年がそう呼んでって言ったからよ」
「ぼくが?」
目で『何のことかさっぱりわからない』と言っている。
「忘れちゃったの? きみの名前が”ホクト”だって分かった時に、
 『ぼくは街中でその名前を呼ばれても、振り向かないと思う』とか言ってさ。
 ほら、イルカは名前に頼らずに、それが誰なのか特定できるって話よ」
『そう言えば、そんなことも…』と目が語っていた。
「そもそも、きみにこんなかっこいい名前は似合わないと思うのよね。
 ”北斗”じゃ、必殺技みたいだし」
「なにそれ?」
「なんか『北斗骨砕打ッ!』って感じがするのよ。 追加効果で戦闘不能みたいな」
剣を振り下ろすような仕草をしてみせる。
「…ぼくの骨を砕くため”だけ”に、あるような技に聞こえるんだけど」
「よかったじゃない。 それはきみに自覚が出てきたってことだよ」
それまで、呆れたように聞いていた少年の表情に影が落ちた。
「…あれは”彼”と意識がつながっていたから、自覚出来なかっただけで、
 今はそんな風に思ってないよ。
 ぼくは、お母さんやお父さんが認めてくれた名前を大切にしたいんだ」
私よりも、複雑な家庭環境に置かれている少年。
色々と考えた上での結論なのだろう。
表情は暗く、おぼつかないが、その内側には力強い決意が見えたような気がした。
「…安心してよ。 きみの名前は”ホクト”。 これは私も理解してるわ。
 ”少年”って呼ぶのは、あだ名みたいなものよ」
「…うん、わかってる。 …ありがとう、それとごめんね。 辛気臭くなっちゃってさ」
”ホクト”の名を背負う少年は、『ははは』と渇いた笑いを漏らした。










「嬢!」
ウィンドウショッピングをしていた私達に、声をかける女性ひとり。
身長は私よりも若干高く、
デニムのブーツカットジーンズに、赤のVネックロングTシャツを着ている。
当り障りのない、肩にかかるくらいの長さの黒髪で、大人びた印象を受ける切れ長の目。
その女性には見覚えがあった。
「あれ、蓮じゃない!?」
彼女がこちらへ近寄って来た。
「久しいな。 実に半年振りか」
「そうね〜。 引退の日以来だから、そうなるわね。
 …今日はどうしたのよ。 貴方が街を出歩くなんて珍しい」
「私とて、休日を家で過ごすばかりではない。 外に出ることもある」
「よく言うわ。 『チャンバラ小説が友達』の名言はどこへ行ったのよ?」
「君の記憶は混濁している。
 私はそんなことを言った覚えはないし、そもそもそんな稚拙なものは見たことがない。
 私が愛読しているのは”武侠小説”だ」
相変わらず彼女は飄々としている。私にはそのことが嬉しく思えた。

「…ねぇ、ユウ。 この人は?」
隣にいた少年が、私の肩をちょんちょんと叩く。
それを見ていた蓮は、『失礼』とばかりに一歩進み出た。
「私の名は、古河蓮<ふるかわ れん>。
 ”古”い、さんずいの”河”、ハスの”蓮”と書く。
 八代目”真紅の王”を名乗っている者だ。 挨拶が遅れてすまなかった」
ぺこり、とお辞儀する蓮。それを見た少年は、
「…あ。 く、倉成ホクトです。 よ、よろしく」
どもりながら、彼女同様に頭を下げた。
「何かしこまってんのよ、少年! この子、きみと同い年だよ」
「…ほ、本当に?」
驚いた顔で私を見つめる少年。
無理もない。私だって、いまだに信じきれないし。
「ああ、桜巳高校付属の2年に在籍している。 間違いない。
 なんなら、生徒証を見せるが?」
「い、いえ! 結構です…」
財布を出そうとしている蓮に対し、体全体で遠慮する少年。
なかなか面白い構図だ。

少年は首をぶんぶん振り、畏縮をしていた意識を元に戻す。
「あの、さっきの八代目”キングクリムゾン”ってなんですか?」
「苦麗無威爆走で、代々の主宰に継承される”称号”のようなものだ。
 そこにいる君の知り合いも、半年前まではこれを名乗っていた」
そこで大事なことに気がついた。私はあわてて少年の方に向き直る。
「いや、”くれないばくそう”って言うのは、生徒会に対抗する反組織のことでね…!」
とりあえず、適当にでっち上げる。
少年には私の過去について、詳しく話したことがなかったからだ。
でも…、
「…沙羅の言ってた、”七代目総長”って本当だったのか…」
すでにマヨ経由で話は伝わっていたらしい。
「…君は知らなかったのか。 これは私の失言に帰結する。 すまない、嬢…」
「…まぁ、別にいいわよ。 どうせその内に分かることだしさ」
手をひらひらと振って、返してみせる。
知っていたのならそれで構わないし、いずれ話すつもりのことだった。
『いい顔はしないだろうな』と考えていたんだけど、
驚きを見せた後、『はぁー』と素直に感心している少年を見て、
ただの杞憂だったことに気付かされた。
この子と妹のふたりは微妙に似ている、と改めて思う。

「…でも、ふたりとも全然そう見えないよ。 本当に、その…そうなの?」
言いよどむ少年。
確かに『あなた、暴走族なんですか?』なんてまともに言える方がおかしい。
「無論だ。 そこにいる七代目は、正に”真紅の王”相応しい実力の持ち主だった。
 今でも私の目には、赤の特攻服をなびかせる嬢の姿が残っている」
「ち、ちょっと! そんなこと、どうでもいいでしょ!?
 …て言うか、さっきまでの”ごめんなさいモード”はどこに行ったのよ!?」
「それについては謝罪を明言したし、嬢も納得しただろう。 これとは別件だ」
蓮は、腕を組んでニヤリと効果音が付きそうな笑みを見せた。
「…もしかして、さっきの『チャンバラ小説』に怒ってるの?」
「それこそ別件だ。
 …しかし、私の心が傷を負ったことについては、無視できない事実でもある」
…結局、ムッとしてるんじゃない。










それから、『夕飯の支度があるから』と少年は家に帰っていった。
私と蓮は、夕焼けに照らされた家路への道を、ふたりでとことこと歩いていた。
「嬢も相変わらずだな」
なんの脈絡もなく、蓮が口を開く。
「世間で言う所の”可愛い”人間に、君は滅法弱い」
「…そうかしら?」
自覚はあったけど、とぼけて見せた。
ここで認めてしまったら、説教が始まりそうな気がしたからだ。
「そうだ。 …彼は君の新しい恋人なのか?」
「違うわよ〜。 少年は…。 少年はね…」

表現に詰まる。
…あの子は、私のなんなのだろうか?
こんなことを聞かれたのは初めてだったので、深く考えたことはなかった。
可愛い弟だろうか? …それはきっと違うと思う。
大切な仲間だろうか? …確かに、そういった一面もあるかもしれない。
けど、答えからは遠い気がした。
それじゃあ、なんなのだろうか…?

「…まぁ、君が連れて歩くにしては、抱えているものが大きすぎるな。
 子犬のような”媚の塊”の方が君に似合っているし、何よりも長続きする」
「…分かるの?」
そう遠くない、過ぎ去った日を、私は思い出していた。
「ああ、君が”しつけ”をしている姿が目に浮かぶ」
「そうじゃなくて! …『抱えているもの』って所」



『彼は、潜在的に”危うさ”を内包しているように感じるわ』
少年が、初めて私の家に遊びに来た日のこと。
彼が帰った後、夕日に照らされた居間でお母さんはポツリと呟く。
『年頃の”少年”が持つにしては、不相応なモノよ…。 異質とも言っていい』
これが、あの人が少年に対して持った印象だった。
お母さんは、『私の気のせいよ』とはぐらかしていたけど、私の中ではしこりとして残った…。



「…表面上は落ち着いているように見えるが、内面に潜んでいるのは”獅子”だ。
 本質がどちらにあるかまでは分からないがな」
八代目”真紅の王”を名乗る女性は、目を細めて呟くように言った。
その彼女が私の目を見据えて、言葉を継ぐ。
「”こちら側”の人間として忠告しておく。 あの少年には気を許すな」
「…はい?」
意味が理解できない。彼女は何を言いたいのだろうか。
「彼は危険だと言う事だ。 何時、君に牙を剥くか分からない。
 覚悟くらいしておいた方が無難だろう」
「…いくら貴方でも、言って良い事と悪い事があるわ」
私の大切な人を侮蔑した、旧友を睨みつける。

沈黙が辺りを支配する…。

それを打ち破ったのは、喉を鳴らすように笑う蓮の声だった。
「…なるほどな、それが先程の答えか。 やはり君は素直じゃない」
「…は?」
「鈍いな。 『彼は君の恋人か』という奴だ。 明確な答えは聞いていないからな」
そこで、彼女の意図にようやく気付く。
「ア、アンタ、からかってたのッ!」
「随分と熱が入っているようだな。 後輩としては嬉しい限りだ」
蓮は笑いを堪えながら喋る。
「こんの、チャンバラマニアは…!」
「いや、悪かったよ、嬢。 しかし、君が彼を大切に思っていることは良く分かった。
 それと、彼の”牙”はそこまで不安定な物じゃない。 だから、存分に気を許してくれよ」
普段なら、ドロップキックを喰らわせている所だが、私の中にあった憤りは霧散しつつあった。
『彼女とはこういうやり取りが基本だったな』、と思い出してしまったからだろう。
…からかわれて嬉しいと思うなんて、どうかしている。
出来るだけ表面に出さないように、私は友人を見遣った。
「…貴方は本当に変わらないわね」
「それは君に対しても言えるな」
本気とも、冗談とも取れるような笑みを見せる蓮。
『意地が悪い所も相変わらず』と冗談めかした私の声は、男の罵声によってかき消された。





「苦麗無威爆走のヘッド、古河蓮だな!」
目の前には『ぼくらは社会不適格者だよ』と言わんばかりの、
ヤンキーのお兄さんが3人、猫背で突っ立ている。
蓮の『後ろ』の意を含んだ目配せに気付くと、背後にはもうふたりイカツイお兄さんがいた。
「あのー、どちら様ですかー?」
なんとなく分かっていたけど、聞いてみた。
こういう『襲撃ッ!』みたいなシーンでは、お決まりのパターンだからだ。
「オレたちは”添付兎裸亜撃滅疾走”! 古河蓮! ちっとツラかせやぁ!」
「…テンプラ?」
「違うぞ、嬢。 ”テンピューラー”だ。 微妙な発音だが、間違いない」
「なんか安眠器具みたいじゃない?」
「うむ。 私も新しい枕が欲しい所だ」
「こ、このアマぁー!!! ちょーしクレてんじゃねーぞぉー!!!」
赤髪の男が地団駄を踏んで悔しがる。
多分、リーダーだと思うけど、あれでよく勤まるなぁ。
「ちょっと、蓮…。 あの人怒ってるじゃない…。 どーすんのよ…!」
「君のせいだろう。 君の口は、人を傷つけることが多々ある。 少しは自覚したまえ」
「がぁー、メンドクセぇー! シバイチマエー!」
逆上したお兄さん達が向かってくる。
「…ねぇ、どっちが多く片付けられるか勝負しない?」
「面白いな。 何を賭ける?」
「私はブラックコーヒーがいい」
「では私が勝った暁には、レモンティーにするとしよう」
蓮は悠然と構えを取った…。





「ち、ちっきしょー! 覚えてやがレー!!!」
「3日間までならば自信がある。 そのことを留意しておくんだな」
敗者のお約束に対して、なんとも微妙な返しをする蓮。
5人のヤンキーさん達はバタバタと駆けて行った。
「…ふうー。 なんだったのかしらね、アイツら」
「対峙している最中に思い出したのだが、あれは最近この町に出来た新しい組織だ。
 なんでも、東北の方から集団で都心に移り住んできて、
 この地区を拠点にしようと胎動しているらしい。
 大方、ここの番をしている私への挨拶といった所か」
「集団で移って来たって?」
「『地方の過疎化の原因は、田舎が舐められているからだ』と、宣っているらしい。
 いやいや、殊勝な心がけだ」
なんだ、それ…。
私は呆れてモノが言えなくなった。

「…迷惑をかけたな、すまない」
突然、謝る蓮。
先程もそうだったが、この子の言動は突発的すぎて、ついて行けない事が多すぎる。
「な、なによ。 一体どうしたの?」
「今回の件に関しては君に非はない。 明らかに私が巻き込んだものだ」
何かと思えば、そんなことか…。
「別にいいわよ。 久しぶりに運動できたから、気分がいいし。
 大学に進学すると動き回る機会がなくて、結構困るのよね」
「…気遣い、感謝する。 しかし気を付けてくれ。
 今後、奴等が君に手出しをしないとは言い切れない」
「心配はご無用。 七代目”キングクリムゾン”は伊達じゃなくてよ」
彼女の気持ちを汲んで、心配させないように自信たっぷりと言い放つ。
「そうだな…。 それでは帰るとしよう」
再び帰路を辿ろうとする蓮に対し、私は先程からあえて避けられている事実を突きつけた。
「一応私の勝ちなんだから、今度ブラックのおいしい所に連れてってよね?」
「…君もなかなか図太いな」
「よく言うわ。 わざと話を逸らしてたくせにさ」
「…降参だ。 やはり、七代目は『伊達』じゃないな」
蓮は本気とも、冗談とも取れるように笑った。










「ああ〜…眠い」
関数論の問題集が広げてある机に突っ伏す。
現国のレポートに手間取ったために、深夜まで起きている羽目になった。
しかも、関数論の進行状況は約30%。
夜更かしは、美の対して最大の敵なのに…。
「世知辛い世の中だなぁ…」
愚痴ってみても事態は好転しない。
ため息をついて、右手でシャーペンを握り直すと、PDAから着信を知らせるメロディが流れた。
表示部を見ると、苦麗無威爆走時代の後輩の名前がある。
私は意気揚揚と、空いた片手で通話ボタンを押した。
「もしもし〜。 どうしたのよ、こんな時間に〜」
「田中優美清秋香菜だな!」
耳をつんざくような怒声が聞こえる。
「…アンタ、誰」
「忘れたとは言わせねェぞ! ”添付兎裸亜撃滅疾走”の番をはってるモンだよ!」
良く聞いてみると、昼間のイカツいお兄さんの声だった。
「…なんでアンタが、私の後輩のPDAを持ってるのよ」
「んなもん自分で考えろ、ダボ!」
知らないうちに、右手に持っていたシャーペンは握り潰れていた。
高ぶった心を落ち着かせるように、深呼吸をしてから言葉を継ぐ。
「…それで? 一体何の用なの? 眠いから早くして欲しいんだけど」
嘘だった。今、布団の中に潜り込んでも、朝まで起きている自信がある。
(…ああ、最悪だ)
はらわたが煮えくり返るとは、正にこのことだろう。
電話越しの聞こえる男の声を半分聞き流しながら、そう考えていた。
男の話を、要点だけ理解した私は、
「今すぐ行く」
と、短く告げて部屋を後にした…。










「遅かったじゃねーかよ! 七代目総長!」
「…これでも急いできたんですけどね」
自宅から17分程の距離にある、今は使われてない廃工場へ私はやってきた。
無論、ここにいるバカ共を叩き伏せるためだ。
「…それで? 私の可愛い後輩はどこにいるのかしら?」
「安心しな! あの嬢チャンは無事だよ。 コイツは掠め取ってきただけだ」
リーダー格らしき赤髪の男が放り投げたPDAを、私は片手でキャッチした。
「…どういうことよ?」
「俺達の流儀は”男気”だ! 女に手を出したとなりゃ、末代までの恥につながるからな!」
「それじゃ、昼間のあれはなんだったのよ…」
破裂寸前の浮き袋を針で刺したかのように、私の怒りがしぼんで行くのが分かった。
バカバカしすぎる。と言うより、関数論の問題が気になる。
余計な時間を使ってしまった。早く帰らないと…。
私はきびすを返し、出口へと歩き始めた。
「オイ! どこ行くんだよ!」
「帰るのよ。 私は貴方達と違って忙しいの」
「帰ってもいいがなぁ! それじゃ、オマエの大事なヤツラに何かあるかもしれないぜ!」
足を止め、半身だけ振り返る。赤髪は下卑た笑みを見せていた。
「これ以上、足止め喰らってるわけにはいかねーんだ。
 なりふりなんぞ構っちゃいられねぇ。 今度はマジで手を出すぜ?」
「…脅しているつもりなの?」
「別に。 ただ、オレたちの手伝いをしてもらいたいってだけさ。
 その見返りが、後輩の”ボディーガード”ってわけだな」
「それを、”脅し”って言うのよ」
「何でもいいんだよ! どっちにしたって、選ぶのはテメェだぜ!」
蓮や後輩達の顔が浮かぶ。
彼女達が本気になれば、こんなバカ連中に遅れを取ることなんかないだろうけど、
学校の友達ならば話は別だ。
マヨみたいな子達を巻き込みたくはなかった。
「…分かったわよ。 手伝ってやればいいんでしょ」
昔の仲間達に『ごめん』と一言呟いて、赤髪の下へ歩いていった…。
その時…。



「ユウッ!」
その場にいた全員が、出入り口の方へ目を釘付けにされる。
そこには、灰色のYシャツを着た、金髪の少年が肩で息をしながら立っていた。
「し、少年! どうしてここにいるのよ!?」
「ぼくのことはどうでもいい! 無事なの!?」
会話とは呼べそうにないやり取りの後、ようやく周りのゴロツキ達が我に返る。
「チッ! これからって時によ! オイ、このガキをつまみ出せ!」
ふたりがかりで少年を羽交い絞めにする。
「このッ! 放せ!」
「ガタガタうるせえんだよ、ガキ!」
身動きが取れなくなった少年の鳩尾に、3人目の男の拳が決まった。
「くは…ッ!」
「コイツは…オマケだ!」
男の拳を左頬に喰らった少年を、ゴロツキふたりは出入り口へと放り投げる。
2,3回、転がって少年は地面に伏してしまった。
「少年ッ!!」
駆け寄ろうとした私の手を、リーダー格の男が掴み取っていた。
「ちょっとマテや! アンタには、やってもらいたい事があるんだよ!」
「あの子に手荒なことはしないでよッ!」
「悪ィが、野朗に容赦するほど、お人よしじゃないんでな!
 それに、昼間やられたうっぷんを晴らしたい奴もいるみてぇだしよ。
 あのガキには、付き合ってもらうぜ」
「…少年! …痛ッ!」
間接を極められた右腕に衝撃が走る。
「モノわかりが悪いねーちゃんだなッ! …安心しな、ちょいといたぶるだけだからよ」
赤髪は見下すように笑う。

もう、だめだった。
これ以上は黙っていられない。
今まで怒りを抑えようとしていたけど、もう無理だ。
とりあえず、このバカ野朗は叩きのめしてやる。
そう考えていると、視界の片隅で少年がよろよろと地面から這い上がった。



「…ああ、そうなんだな…」
うつむいたまま、ボソリと一言。
「おまえ達も、あいつらと変わらないっていうんだな…?」
念仏のように、少年は独り言を喋り続ける。
「そうやって、ぼくから大事なモノを奪って、傷つけようっていうんだな…?」
辺りが異質な空気に包まれるのが分かった…。

「…だったら」
「何をガタガタぬかしてんだ!!!」
「”オマエ”は」
「構うことはねぇ! 袋叩きにしろ!!!」
「”オレ”の」
「こんのぉ、ガキがぁーッ!!!」
「”テキ”だ」

彼が顔を上げる。

「がぁッ!」
次の瞬間、ゴロツキの頭を右手で地面に叩き付ける少年の姿があった。
「…ヒトツ」
「テメェ!」
殴りかかるゴロツキの拳を掴んで、突き飛ばす様に蹴る。
「…フタツ」
近くにいたゴロツキを背負い投げ、倒れた所に正拳突き。
「…ミッツ」
「何してんだ! さっさと片付けろ!」
軽く地面を蹴り、浮き上がった体勢で延髄蹴り。
「…ヨッツ」
「ちょーしのんなぁ!!!」
屈むようにして拳を避け、そのままカウンター。
「…イツツ」
その場で左足を軸にして、後ろ回し蹴り。
「…ムッツ」

ここまで1分かかったか、かからないか。
気がつけば、この場に立っているのは、私と赤髪の男と少年の3人だけだった。
「このぉ、黙ってヤラレるかぁー!!!」
私の腕を放し、懐から出したバタフライナイフを手に、少年へと襲い掛かる赤髪。
「…コレでナナツ」
水平に薙いだ男の腕を、上から叩きつけるように殴り、凶器を地に落とさせる。
一瞬だけ屈んで凶器を拾った少年は、男を押し倒しマウントを取った。
彼はナイフを逆手に持ち、無言で腕を振り上げる。



―――――引き伸びる刹那の時―――――

私はそこでようやく我に返った
まずい
彼は”アレ”を振り落とす気だ
それはまずい
彼に殺めさせてはいけない
止めないと
どうやって
ここからじゃ、走っても絶対に間に合わない
だったらどうするんだ
…名前
名前を呼んで止めればいい
いつものように呼べば、彼は眩しいくらいの笑みをみせてくれる
…いや
それじゃあ、ダメだ
今、そう呼んでも彼が『振り向く』ことなんかないだろう
…それならば
こう呼んでやればいい
彼が背負っている名を
彼が共に歩んで行くと決めた名を
彼の本当の名を

―――――針は時を刻む――――――



「ホクトーーーッ!!!」

『時間は残酷』なんて、誰が言った言葉なんだろう。
思考に手間取りすぎた。
声を発した時、刃は放たれた後だった。
あの位置から勢いを止めるなんて不可能だ。
考えたくはないけど…。
あの軌道ならば…。
…”喉”に突き刺さる。



ズガァ!!!



「…よく、聞け…クソ野朗…」
ホクトは肩を上下に揺らし、苦しそうに息をしている。
「多分、次は止められない…。 ぼくには…止める自信がない…」
彼の腕にはバタフライナイフが突き立っていた。
「だから、いいか…。 2度と…彼女に、近づくな……ッ!」
吐き捨てるように呟いて、立ち上がったホクトは自分の腕からナイフを引く抜く。
呪縛から解放された赤髪の男は、『ひぃぃ!』と叫び声を上げてこの場を後にした。

どさ!

不覚にも、腰が抜けてしまった。

―――結局、ホクトは途中で少しだけナイフの軌道を変え、
男の肩を押さえつけていた、自分の腕に突き刺して止めたのだった―――

力が入らない。
一体誰なんだ、『七代目は伊達じゃない』なんて言った奴は。

「ユウ!」
だらしなく地面にへたり込んでいる私に気がついたホクトが駆けて来る。
…幸いな事に、私の右腕は動いてくれそうだった。
ホクトは目線を合わせるように屈み、両手で私の肩を掴む。
「ユウ! 大丈夫、どこか怪我はない!?」

ばしん!

思い切り彼の頬を叩いてやった。
腰が抜けているなんて情けなさ過ぎるが、四の五の言っていられない。
「アンタ、何考えてんのよッ!!! 自分が何しようとしたか分かってるの!?」
一瞬だけ呆けていたホクトだったが、眉間にしわを寄せて切り返してきた。
「君こそ何考えてんだッ! ぼくが来なかったら君はどうなってたんだよ!?」
「バカにも程があるわ! ひとりでこんな所にノコノコと!」
「君がバカな真似しなきゃ、こうはならなかったんだよ!」
会話にならない。お互いに言いたい放題、叫んでいるだけだ。
「アンタには関係ないでしょう! そんなことより自分の心配をしたらどうなの!」
「関係ない…!? 君は本気でそんなこと言ってるのか!!?」
彼の目がキラキラと輝いて見えた。
「一体、どれだけ心配をかければ気が済むんだよ…! あの時だってそうだ…。
 ひとりで自暴自棄になって…。 ひとりで背負っている気になって…」
「…何、泣いてるのよ」
「気のせいだろ…!」
ポロポロと涙をこぼしながら、ホクトはそう言った。
滅茶苦茶だ。泣きながら、『泣いていない』なんて言い訳にもならない。
…まったく、手のかかる子なんだから。
「…怖かったの?」
「ぼくは泣いてなんかいない…!」
「きみらしくないなぁ」
私は”少年”をそっと胸に抱き寄せた。
無理もない。人ひとり、手にかけてしまう所だったんだから。私だってゾッとする。
彼はその罪の重さに怖くなってしまったんだろう。
私はそう思っていたんだけど…。
「もいちど、聞くよ。 怖かったの?」
「…ああそうだよ、畜生! 怖かったんだ、君がいなくなってしまいそうで!」
「え…?」
「もうあんな思いはたくさんだ…! 
 大事な人が遠くに行ってしまうのなんて、見ていられないんだよ…!」
他に喩えようがないくらいの、純情。
寂しくて泣くなんて、子供そのものじゃないか。
私は胸の中にとどまっている、”子犬”のような少年の頭を優しく撫でてやった。
それが口火になったのか、少年は小さな声でひっそりと泣き始めた。

(…ああ、なんてことだ)

その時…。

不覚にも、私はこの子を…。

『かわいい』なんて思ってしまった…。





…………………………





「『かわいい』ですかぁ〜?」
マヨは顔で『え〜』と批判していた。
彼女の目の前には、イチゴパフェが置かれている。
『口直しに』と、私が注文してあげたものだった。
「…変?」
「変ですよッ! そこは『カッコイイ』じゃなきゃ話が締まりません!」
尺の長い、デザート用のスプーンをぶんぶん振って力説するマヨ。
「そんなこと言っても、助けられた後に目の前で泣かれちゃったんだよ?
 そんな”白馬の王子様”がいたら、貴方どう思う?」
「…引いちゃいますね、多分」
「でしょ? これでも良い方なんだよ」
3杯目のブラックコーヒーを口に運ぶ。
ああ、やっぱりおいしい。
『人は甘いものを食べると幸せな気分になる』って言うけど、あれは絶対に嘘だ。

「ひとつ、気になったんですけど、お兄ちゃんってどうしてあの場に来れたんですかね?
 なんか都合よすぎじゃありません?」
「ああ…。 実はね、これのせいなの」
私は自分のPDAを指差した。
「これに仕掛けがしてあったのよ。 お母さんの仕掛けが」
マヨは首を傾げ、『?』と目を丸くする。
「あの事件。 結局、お母さんが糸を引いてたって前に話したでしょ?
 その時にね、私が予定外の行動に出ないように監視してたのよ。
 このPDAって『大学の進学祝だ』ってお母さんがくれたものだったの。
 新機種だったから、喜んで使わせてもらったんだけど、
 これの中には発信機が仕掛けられててね。
 私が今どこにいるか、全部筒抜けになってたのよ。
 それをあの人、『取り外すのを忘れてた』とか言っちゃってさ。
 自分の娘をなんだと思ってるのかしらね?」
「それでも、まだパズルは完成しない気がするんですけど?」
「残りのピースは”蓮”。
 後輩のPDAが狙われたって事にきな臭さを感じて、
 私に連絡を取ろうとしたんだけど、それがうまくいかなかったのよ」
「どうしてですか? 先輩、話の途中でPDAを手放したりしてないじゃないですか?」
「廃工に向かう途中で着信があったんだけど、その時の私、機嫌が悪くてね〜。
 ポケットに入れたまま、ず〜っと無視してたのよ」
「うわ…」
「私に連絡が取れないから、ホクト経由でどうにかしようとしたんだけど、
 ホクトったら、ひとりで突っ走っちゃってね。
 あてもないのに私の家に来て、たたき起こしたお母さんから情報を聞き出したら、
 ひとりでどっか行っちゃった…ってわけ」
「お兄ちゃんも、めちゃくちゃだなぁ…」
「滅茶苦茶なのはこれからよ。
 この話を聞いた蓮がマジギレしちゃってね〜。
 プラス、お母さんまでそれに便乗しちゃってさ」
「うわ〜…。 史上最悪のコンビじゃないですか…」
「でも、このふたりよりも凄かったのが桑古木よ。
 『敵に情けはかけないし、かける気にもならない』とか、いつもの口調で言うんだもん。
 怖いを通り越して気味が悪かったわよ」
「…へ〜。 涼でもそんなこと言うんですね〜」
「で、結局その3人で解体しちゃったわけよ、わずか1日で。
 おまけに、しっかりと全員田舎に帰して、更生までさせちゃってさぁ。
 この前なんか、『残暑見舞いです』って無農薬野菜の詰め合わせを贈ってきたのよ。
 『偉大なる、田中大先生様へ』って」
感心したのか、呆れたのか、マヨは『はぁー』と呟く。
先程から、そんな感じの返答ばかりだ。
まぁ、突拍子もない話だったし無理もないか。



「…ふ〜、ごちそうさまでした」
パフェを空にしたマヨは、紙のナプキンで口の周りを上品に拭く。
「はい。 おそまつさまでした」
私が4杯目を口に運ぼうとすると、マヨは席を立つ。
「それじゃ、私もう行きますね?」
「へ? まだホクト来てないじゃない? それに映画はどーすんの?」
「拙者、もうじゅ〜ぶん過ぎるくらいに、堪能させてもらったでござるからなぁ〜。
 今、何を観ても、なっきゅ殿のあつぅ〜い”らぶろまんす”にはかなわないでござる。
 というわけなので、拙者は涼権殿の御住まいに赴き、
 『仮面シノビー紅影』を観賞するでござるぞ」
”仮面シノビー”はマヨがお気に入りの忍者映画だ。
1年くらい前に公開された映画なんだけど、『忍者が題材のクセに現代劇』に始まり
『忍者のクセにバイクに乗ったり』、『忍者のクセにPDAを持ってたり』、
挙句、『忍者のクセに、PDAを使ってコンバットスーツを着用したり』と、
なんだかよく分からない『忍者映画』だ。
彼女の中では、歴代ナンバー1に輝くらしい。
…私も彼女に付き合わされて4,5回は観た、被害者のひとりだったりする。

「まず家に帰還し、初回限定版”ですく”の回収に向かうでござる。
 それでは、あでゅー!」
「ああ、ちょっと…!」
私の横を通り過ぎる、マヨを呼び止めようとして気がついた。
死角になっている背後の出入り口から、ホクトが歩いてくる。
ちょうど向かい合わせた時、彼女は何かをささやき、この場を後してしまった。
「マヨ、何だって?」
マヨの代わりに席に着いたホクトに尋ねる。
「…『代金よろしく』だってさ」
「それだけ?」
それしては長すぎた。怪しい。何か隠しているに違いない。
「…恥ずかしくて言えないよ」
さっきの話の流れからして、これは私にとっても恥ずかしいセリフに違いない。
そう読み取った私は、意図的に話を替えた。

「まったく、それもこれも貴方が遅刻するからよ。 一体、何やってたの?」
「街中で迷子を見つけちゃってさ。 ずっとその子の連れを探してたんだよ」
「『探してた』って、交番に行かなかったの?」
「…連れて行って”お終い”、にはしたくなかったんだ」
使い捨ておしぼりで、手を拭くホクト。
「あのねぇ〜。 待ち合わせしてるの、忘れてたの?
 大体、そういうのは”おまわりさん”の仕事でしょう?」
「…あの子が『おにいちゃん』なんて叫んでなきゃ、ぼくだってそうしたよ」
呼称名『お兄ちゃん』を持つ少年は、手を止めて意味ありげに呟いた。
「…シスコン」
「なんだよ、それ」
「べっつにぃ〜」
そこでホクトはテーブルに置いてある、マヨが飲み残したコーヒーに気がついた。
『おいしそうだ…』と好奇心を匂わせ、それを口に運ぶ。
こういうところが、いまだに理解できない。
兄と妹だからって、同時に同じ食器を使うのはどうかと思う。
お母さんは『アレは絶対に遺伝ね!』と力説していたけど。
「お味の方は?」
「…だめだ。 砂糖とかが混じりすぎて、正確に掴めない」
「今のきみじゃ、それが限度ね」
私の方を見る少年。
いや、正しくは私の目の前にあるカップを見ているようだ。
「飲みたいの?」
「それはもちろん」
「…どうぞ」
『やった』と目を輝かせる。
彼はそれを口元まで運び、一息ついた。
「では、再び少年さんに問いましょう。 お味の方はいかがですか?」

「おいしいよ。 深い苦味とコクを感じる」

彼は私に、眩しいくらいの笑みを見せてくれた。




あとがきのまえがき

桑:はーっはっ! 全国のモニター前のクソガキ共、元気にしてたかーッ!?
  クワコギ兄さんの、あとがきコーナーだよッ!
  それではさっさく行ってみよぉう! 『わん つー どー…』!
秋:クワコギ骨砕打ッ!
桑:アバビョーッ!!!

追記のようなあとがき

秋:はい、あとがきですよ〜。
蓮:…先程の男はなんだ?
秋:蓮ちゃんッ! そんなこと触れちゃいけないですわよ!
  これは作者さんのご都合なんです!
蓮:…まぁ、私としてはどちらでも構わないが。
秋:よろしい。 それじゃ、挨拶お願いね。
蓮:なかなか素早い変わり身だな。
  …ゲストキャラの古河蓮だ。 苦麗無威爆走の八代目を務めている。
  度重なるが、ここに名乗りを上げておく
秋:よろしく〜。 と言うわけで、「カレノナマエ」でした。
  いや〜、それにしても今回は滅茶苦茶だったね。
蓮:全くだ。 何故、嬢があれ程までに腕が立つのか、激しく疑問だな。
秋:あらあら。 貴方がそんなこと言っちゃダメでしょー。
  貴方の知り合いの『秋香菜さん』は、喧嘩の強い人なんだから。
  と言うか、それ以外の『秋香菜さん』のことを、知ってるわけないんだから〜。
蓮:…また、『作者の都合』という奴か?
秋:せーかい! 頭のいい子、お姉さん大好きよッ!
  …ところで、どーして秋香菜さんのことを『嬢』なんて呼ぶのかしら?
蓮:本編では触れなかったが『名前がお嬢様っぽいから』と設定集にある。
  …心外だな。 私はそんなに単純ではない。
秋:蓮ちゃんッ! また作者さんを困らせたいの、貴方は!?
  そんな、我がままな子に育てた憶えはなくてよ!
蓮:私も君に育てられた憶えはない。
秋:きぃ〜! くやし〜いッ!

だだだだだ!

蓮:…いい加減、長くなりすぎたな。
  また、いつもの様に『感想、意見等待っている』とのことだ。
  それでは、これにて失礼する。


/ TOP  / BBS / 感想BBS








SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送