Ever17−裏御伽ノ草子
                              作 タカシ


平安編〜少年サイト〜

第一章〜僕は誰?〜


キャラクターの名前(こっちの方が正しいです)
倉雅ノ武志(くらがのたけし)二十歳(武)
小埜亜夜(おのあや)外見十七歳(つぐみ)
蒼衣空(あおいそら)二十四歳(空)
涼冥(りょうめい)十五歳くらい?(桑古木)
茲美(ここみ)十四歳(ココ)
夕菜(ゆうな)十八歳(優春)
火紅(ほく)十六歳らしい(ホクト)
夕璃(ゆうり)十八歳(優秋)
紅葉(くれは)十六歳(沙羅)

時は平安、この時代表の世界では歌や文学などが栄えた・・・・・・・・
夜の道、すべてを包み込む漆黒の闇――――――ここに一人の少年がいた。
「はぁはぁはぁ」
今僕は逃げている。
誰から?あの男から、あいつに捕まればまた暗い所へと連れて行かれる、
いやだ、そんなのはいやだ!
そのために闇夜の中を駆け抜ける逃げるために、そして生き延びるために・・・・・・・どれぐらい走っただろう?足の皮膚は削れ、とても痛い。
ついに足がもつれ倒れてしまった。
「・・・くっ・・・・」
必死になって起き上がろうとするがもう起き上がる気力はない。
意識が遠のいていく・・・・・・
「お兄ちゃん・・・・お兄ちゃん・・・・」
・・・・・ダレノコト?ダレヲヨンデイルノ?ダ・レ・・・・ヲ・・・・・・・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――「逃げられないぞ」
やめろ・・・・・
「貴様がいくら逃げようとも所詮俺の手のひらの上で踊っているに過ぎん」
やめてくれ・・・・・
「貴様が逃げてもこいつの命は常に俺の手中よ」
お願いだやめてくれ・・・・・
「もっともこいつを置いて逃げるかな?まぁ、逃げなくとも死ぬことには変わりあるまい」「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ガバッ!!!
「あ、あれ・・・・・?」
どこだろうここは、・・・・家の中?
その時後ろから足音がした。
「あら、やっと起きたの?」
「だっ誰だ!?」
振り返ると一人の女の子が立っていた
「ちょっと失礼ね、家の前で倒れてたのを保護したって言うのに。」
彼女は少しばかり顔をしかめた
「・・・・た、倒れ・・・てた?」
「そうよ、家の前を掃除しようと外に出たらこんな寒いのに薄着で裸足のあなたが倒れていたんだから。」
「薄着で裸足?」
「うん、てっきり引剥ぎにあったのかと思っちゃった。」
ちょうどそのときもう一人部屋に入ってきた。
「あら、彼起きたの?」
「・・・・・え!?、君がもう一人?」
そこにはもう一人同じ顔の女の子が立っていた。
「ああ、私達は双子なのちなみに私は姉の夕菜。」
「そして私は妹の夕璃よ。」
なるほど、双子だったのか・・・・でも性格は夕菜さんのほうが大人びてそうだ。
「なに?まだ自己紹介してなかったの?」
「だって、この子ついさっき起きたばかりなんだよ。」
「この子って名前も聞いてないのね?・・・・あっきれた。」
いかにもというような呆れ顔だ。
「う・・・・と、とにかく君の名前は?」
そうだよね僕も自己紹介をしなきゃ・・・・・
「僕は・・・・僕は・・・・・・」
「・・・・・僕は?」
「僕は・・・・誰?」
「えっ!?」
「僕は誰なんだ?何も・・・思い出せない。僕は今まで何をしてきたんだ?確か・・・・
僕は・・・うっ」
何か思い出しかけたその時頭痛が走った。
「ち、ちょっと君!どうしたの!?」
「あ、頭が・・・・」
「ちょっと夕璃どきなさい。」
夕璃をどかせると僕の肩をつかんだ。
「あなた何も考えないように、無理に思い出そうとしないで。そうすれば頭痛もひくわ。」
「・・・・・あ・・・」
言われたとおりに何も考えずにいると頭の痛みがひいてきた・・・・・
「どう?さっき言ったこと・・・・いいわね?」
「・・・・・」
僕は無言でうなずいた。
「ちょっとどいうこと?全然わかんないんだけど?」
「要するに彼は記憶喪失よ、無理に思い出そうとすれば頭痛がするみたい。よほど怖い思いをしたのかしら・・・・・?」
夕菜は手を額に当て考え込んだ。
「記憶喪失・・・・・?」
記憶喪失って今まで覚えていた記憶がすべて無くなる・・・・
「もっともすべて忘れたんじゃなくて、自分に関係する一部の記憶を忘れたみたいね。」
「ふ〜ん・・・・それじゃあどうするの?」
「な、なんのこと?」
「なんのこと、じゃなくて今後どうするのって聞いてるの。」
「あ、そうか・・・・・」
確かに家も分からないから帰ることもできないしこのまま居座ることも・・・・・
「簡単よ、ここに住めばいいわ。」
「ぶっっ!!!??」
意表を突かれた答えが出てきたため思わず吹き出してしまった。
アナタ正気ですか?・・・・まぁ夕璃が反対するだろう
「あ、それいいかも」
夕璃も賛成か、うんよかった・・・・って!
「ち、ちょっとまった!」
「どうしたの?なんか不満でも?」
「不満って僕・・・・男だよ?男を簡単に住まわせるなんて・・・・・」
「ああ、それなら大丈夫よ。もう一人男いるもの。」
なんだ・・・・そうか両親がいるよね。
しかしその安心感はすぐさま壊されることになる。
「ワンワン!」
「あ、タロおいで。ちなみにこの子が我が家の男の子。」
ズガーーーーーン!!!!
そ、それって男じゃなくて雄ではーーーーーー!!!!????
ちょっとしばらく放心状態になったことは言うまでもない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――「う〜ん・・・・私は気我苦くんがいいと思うんだけどなぁ」
「嫌だよ、それって記憶忘れちゃったくんの略でしよ?」
それに名前の字も当て字だし・・・・・僕の名前で遊んでない?
ちなみに今は僕の名前を占ってもらうために占い師の所へと向かっている。
なぜこんな事になったかというと・・・・・・
「それじゃあ名前を決めた方がよさそうね。」
「僕の名前・・・・・?」
「そうね、記憶を思い出すまで仮の名前決めなきゃ。」
「僕名前か・・・・・」
どんなのがいいだろ?
「それじゃあゴンベェで。」
は?何かいま不可解な単語が出てきたような・・・・
「ちょっとそれはかわいそうよ。遊びじゃないんだから・・・・・」
すかさず助け舟が出される。ありがたいです・・・・・
「それならお姉ちゃんは?」
「・・・・トンキチ。」
え?それが僕の名前?・・・・勘弁してください。
「あ、それもいいね。じゃあトン吉でいいかな?」
そう言って言い寄ってくる。
本気で言ってるの?
「・・・・これって新手のイジメ?」
泣きそうになった。
その後もいろいろ考案されたけどどれも悲惨極まるって言うか・・・・・
結局占い師のところへ占ってもらうということになった。
・・・・それが一番妥当だ。僕のためにも
ちなみに夕璃達の両親は早くに亡くなったらしい。
「よっ」
考え事をしていると見知らぬ男が夕璃に話しかけてきた。
誰だろう?・・・・・なにか不思議な感じがする・・・・・・
「あっ武志じゃない、どうしたの?」
驚いた表情を見せた。武っていうのか・・・・・・
「どうしたじゃなくてその少年はどうした?」
そう言って僕を指差した。
「あ、この子?この子朝私の家の前で倒れていたのよんで保護したんだけど記憶喪失でなにも覚えてないの。」
「ところでその子は?」
そういうと武の隣にいた少年を指差した。年は僕と一緒ぐらいかな?
武志「十年前に俺の家の前で倒れていたところを保護したのだが記憶喪失だったからそのまま弟子にした。名前は涼冥」
・・・・彼も僕と一緒で記憶喪失なのか・・・・・
なんだか親近感が沸いた。
「・・・・マジで?」
「うむ、本気と書いてマジと読む」
も涼冥をちらりと見た。・・・・・さては僕と似たようなこと考えたな
「んでどうする気だ?・・・・まさかとって食う気・・・・」
「今度言ったら殺すわよ?」
「・・・・・ごめんなさい。」
武志を睨みつけると萎縮してしまった・・・・
ものすごい殺気だ・・・・・1000万パワー?
「まぁそんなのはいいとして、この子に名前つけるのに占い師のところへ行こうかと思ってるの。」
「なんだ名前つけてないのかよ。」
「だってなるべくいい名前を付けたいでしょ?でも占い料高いのよね〜」
ほんとは自分達がいい名前思いつかなかったくせに・・・・
「そうだな・・・・なら俺が占ってやる。」
「え〜あんたがぁ〜〜〜?」
なにか期待してなさそうっていうかホントにあんたできるの〜といった声だ
「なんだよ悪いのか?」
「だめよあんたが名前を付けるなんて少年の人生がどん底まで落とされてしまうわ」
なんかすごい言われようだな・・・・そんなに評判悪いの?
「お前の意見はどうでもいい、問題は少年の意見だ。どうする?」
そういって僕と向き合ってきた。
「別に・・・・いいけど」
さすがに夕璃程じゃないだろう。
「・・・・・だとさ。」
どこか勝ち誇ったような顔だ。
「う・・・・少年がそういうのだったらいいけど・・・・」
なんか残念そう・・・・ちょっと悪かったかな?
「んじゃ面と手見せてみ・・・・・よし次は頭を見せなさい。」
僕は言われたとおりにした、ホントにこんなので占うの?
「・・・・・・よし、こう出た。普段は静かで大人しいがその内側に熱く燃え盛るような激情を秘める。いざというときの行動は目を見張るものがある。
・・・・・・・・名前は・・・・赤く火のような情熱を秘めると書いて
火紅(ほく)ってのはどうだ?」
「火紅か・・・・いいんじゃない?」
「火紅・・・・それが僕の名前・・・・・」
「気に入らないなら変えるけど?」
「いや、いいよとても気に入った・・・・・火紅、かぁ」
なんていい名前だろう!なんだか救われたような気分だ。
「ちょっといいかな?」
さっきまで見守っていた涼冥が話しかけてきた。
「いいけど?・・・・涼冥くんだよね。」
「うん、けど涼って呼んでくれよ、その代わりと言っちゃ何だけどこっちも火紅って呼ばせてもらうからさ。」
初めて人に僕の名前を呼んでもらった・・・・なにかくすぐったいような気分。
「わかった、今度から涼って呼ばせてもらうよ。・・・・それで何か用?」
「まぁ、君も僕と同じように記憶喪失みたいだから、なにかあったら助言するよ。
記憶喪失の先輩としてね。・・・・・威張ることじゃないか、はは」
「ありがとう何かあったらね、それなら一つ聞きたいんだけどあの武志って言う人は?」
「武志?、武志は僕の陰陽師の師匠なんだ。実力も都の中では三本指に入るほどの。」
「・・・・なんかそうは思えないね。」
「はは、よく言われるよ。実力と容姿が合わないって、以前なんて必死の顔した依頼人に冗談言ってひんしゅく買ったんだから。まぁ本人は和ませようとしただけなんだけど。」
それでも時と場合があると思うんだけど・・・・・
「一応実力は昨日あの人を盗賊から助けたときでもかなりの物だって分かると思う。」
「え?夕璃って盗賊に襲われたの?」
それは初耳だ。
「なんでも一蹴して蹴散らしたらしい。」
「すごいね・・・・それは。」
「ああ、自慢の師匠だ。僕の名前も意味があって付けられたらしいし・・・・」
「・・・・どんな?」
僕の名前も意味ありでついたから興味がある。
「そうだなぁ、僕にも陰陽の素質があったんだ。それで名前には言霊ってのがあって、
文字によってその者の力などが左右される、それで陰陽の力を引き出すにはこの名前が一番よかったらしい。」
「なにか難しくてよくわかんない。」
「そうだろうね、僕も武志の受け売りだし。」
それからしばらく話した後帰ることになった。
「あ、ごめん。ちょっと寄る所あったんだった。さき帰っててくれる?」
「うん、いいけど・・・・どこ行くの?」
「買出しよ、住人が一人増えたから家にある食材足んないのよ。」
「あ・・・・ごめん。」
「別にいいわよ、出かけるのって結構好きだから。」
「でも・・・・そうだ、なら僕が行くよ。」
「いいの?別に無理しなくてもいいのよ。」
「いいって、働かず者喰うべからずってね。」
うーんと悩んだ後仕方ないと言ったように
「ならお願いするわ、場所とか買ってくるものはこの板に書いてあるから。」
「まかしといてよ!」
意気込んで走っていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「よし、これでいいな。」
買ったものを腕に抱えて帰路につこうとした。
「辺りも少し暗くなってきたな。早く帰ろう」
さすがに夕璃の二の舞は・・・・ねぇ?
さくさくと軽快な足取りで家に向かった。
家が見えたところで家の中から何か声が聞こえてきた。
「・・・・それであなたは火紅の妹っていうの?」
「そうです。お兄ちゃんはどこですか?」
僕の・・・・妹!?なんだよ、それ!?
僕は思わず駆け出していた。そう僕を知っている家族に会うために・・・・・・
少年サイト一話終了



あとがき
やっとでました、少年編!
今回はギャグをはぶいて少しシリアスにまとめてみました。
書くのにずいぶん苦労しました。武編は結構思いつくのに・・・・・
まぁ一話目二話目は大体人物を出現させて、三話目から話を展開するといった方式なので
結構時間かかるかも・・・・・
ここまで読んでくださりありがとうございました!ではでは〜


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