もうひとつの覚醒
                             刀華


それは、壊れそうなほど空が青い朝に、起こった、、、

春の暖かい風。
降り注ぐ太陽。

時に、倉成家ー

「パパ〜!今日こそ手裏剣村に連れて行くでござるよ〜、ニンニン!」
ぐいぐい
「ダメだよ、沙羅。パパは毎日仕事で疲れているんだから。ね?パパ」
ぐいぐい
「そうだぞ、沙羅。ホクトの言うとおりだ。ほら、ここのとこ毎日残業続きで疲れてるしさ。」
「う〜、、、でもでも〜、、、」
「わぁ〜い!じゃあパパ僕と遊ぼう!!」
「なんでそうなるんだよ!!!」

と、いつもと変わらない平和な日常の朝。
あの事件からは想像も出来ないほどの幸福があった。

パタパタパタ、、、
「武、沙羅、ホクト、朝食、できたわよ。」
食卓にまったりとした良い香りが立ち込める。

「「「はぁ〜い」」」

そして、つぐみの手作りの朝食。

コトッ、コトッ、コトッ、、、
「お、今日も朝からうまそうだな〜」
「そう?いつも通りよ。」
カチャ、カチャ、カチャ、、、
テーブルに色とりどりの朝食が配膳されていく。
「ママ〜、今日はパエリアでござるか〜。」
「そ、たまには変わったものも良いかな〜、なんてね。」
サフランの良い香り。鮮やかに色付いたパエリア。
「さすが俺の自慢の妻だな、うんうん」
「も、もうっ!!なに言ってんのよ、バカ、、、」
赤面するつぐみ。ニヤニヤする沙羅。
「あ〜あ〜、朝から熱いでござるな〜、ニンニン」

と、その時ー

ドンッ!!!カシャ!!カシャ!!
テーブルに衝撃。音を立てる食器。

「、、、もう、、、いやだよ、、、」

「お、おい!!ホクト!!どうした!!?」

「もう、、、いやなんだよ、、、」

「ホクト!?どうしたの!?」

ガシャァ〜ン!!!ひっくり返される食器。散乱するパエリア。

「、、、ぼくは、、、ぼくは、、、」

「お、おにいちゃん!?」

「、、、僕は、、、僕は、、、白いご飯が食べたいんだよーーー!!!」

「「「・・・・・・・」」」

それが、ホクトのちょっと遅い反抗期の始まりであった、、、

                   END





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