もうひとつの覚醒
                             刀華


拝啓  

倉成さん、お元気ですか?
私は元気です。毎日お仕事でちょっと大変ですが、元気です。
桑古木さんも毎日大忙しみたいです。
うふふ、桑古木さんカッコいいですから女性の社員さんに大人気です。
なんだかますます倉成さんに似てきたような気がします。

あれからずいぶん経ちましたね。
あの事件がまるで夢のように思われちゃいます。

倉成先生、私白状しちゃいます。
ちょっと不謹慎かもしれませんが、私はあの事件が起きた事にちょっぴり感謝しています。
あ、小町さんや田中さんたちには内緒にしていてくださいね、先生。
怒られちゃいますから(笑
ゆびきりげんまんです、うふふ。

茜ヶ崎空ーそれが私という存在

LeMUにいたときの私はLeMUのシステムーLM-RSDS-4913-Aというプログラム
LeMUを管理し、お客さんをおもてなしするのが私の仕事、でした。

LeMUにいたころの私はそれが当たり前だと思っていました。
そのために産まれてきたのだと思っていました。
それが私の幸せだと、思っていました。

でも、もっと幸せなことが、そして私の存在する理由を教えてくれた、私にとってとても大切なひとがいます。

そのひとは私に「恋」することを教えてくれました。
行けの反対でも、薄いの反対でも、池にすんでいる魚さんでも、ワザとでもありませんよ(笑。

私は初めて「恋」することを知りました。

恋をすると、ココロがキュンとすること。
恋をすると、優しい気持ちになれること。
恋をすると、不安になること。
恋をすると、幸せな気持ちなれること。

いっぱいいっぱい教えてもらいました。

私は、大切なひとに、恋をしました。
私は、茜ヶ崎空は、生まれ変わりました。

これも恋の力ですよね、倉成先生(笑。

大切なひと。
うふふ、だれだと思います、倉成先生?





私、倉成さんのことが、好きです。

怖くて、
苦しくて、
脅えてしまうけど
それでも、
私、あなたが
好きです。

うふふ、言っちゃいました。
倉成さんの困った顔が目に浮かびます(笑。
びっくりしましたか?倉成先生。

叶わぬ恋なのは、わかっています。
いけないことだ、っていうのもわかっています。
倉成さんには小町さん、、、つぐみさんという最愛のひとがいます。
家庭もあります。

でも、、もう一度、、、もう一度だけ、、、この想いを、、、倉成さんに伝えたかったんです。

これで私の初恋に、キッチリけじめをつけることができました。

ふ〜、スッキリしました。




あれ、、、

どうしてでしょうね、、、

涙が、、、

止まりません、、、




えへへ、、、泣いてたら倉成先生に怒られちゃいますね。

私の大切な初恋はココロのポケットにしまっておきます。

倉成さん、ステキな「恋」をありがとうございました。




、、、くらなりせんせ〜、、、

涙が、、、、止まりません、、、




これも、、、恋ですね、、、

   私の初恋の人  倉成さんへ         
                                                 
                        倉成先生の生徒より         

青い空の下で





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