サバイバルゲーム 刀華 |
ハアハア、、、 かなり息があがっているのが自分でもわかる。 そりゃそうだ、かなりの距離を走ったからな、、、 あのスピードで、あの距離を走れば追いつけるはずが無いだろう。 辺りに気配が無いことを確認して、大木を背にして腰を降ろす。 「ここまで逃げれば、、、しばらくは時間稼ぎになるだろう、、、」 呼吸を整え、息を殺す。 そしてPDAに視線を落とす。 生体反応:2 2、ってことは、俺とあと一人ってことか。 生き残っているのは誰だろうか、、、 まあ、、、関係ないか、、、 ここまできたら、絶対に負けるわけにはいかない。 がさがさ、、、 一瞬、ほんの一瞬だけ、気を抜いたのが命取りになったか、、、 明らかに、目の前の茂みに気配を感じる。 (ちっ、奇襲するつもりか、、、あの位置なら俺は丸見えだな、、、) 回避行動をとろうにも、さっきの疲労が抜けきっていない。 かといって、この位置から発砲してHITするとも思えない。 要するに、、、万事休すってやつだな。 仕方ない、、、観念するか、、、 今更ジタバタしてもカッコ悪いしな、、、 「まいった、降参だ。もう俺には逃げる体力も無い。あ、別に罠のつもりはないぞ?ほら。」 そう茂みに向けて喋りかけると、右手握り締めていた拳銃を、ぽ〜ん、と目の前に投げ捨てた。 「この通りだ。だから、、、一思いにやってくれよ。」 そう言って、静かに瞳を閉じた。 あ〜、おれも結構がんばったんだけどな〜。 でもまあ、男には覚悟も必要だ。 静かに、時が流れた。 ん?早く撃ってくれないか?この間は結構イヤだな。 しかし、流れる時。 と、がさがさ、と茂みを掻き分けるような音。 思わず目を開けてみる。 「なんだ、お前が生き残りか、、、ちょっと意外だな。」 時は、少し遡る 生体反応:9 よしよし、こっちの気配には気付いていないでござるな、、、 しゃがむとちょうど自分がすっぽり隠れる大きさの岩を背に様子をうかがう。 岩の向こう側には、明らかに誰かの気配。 だれだろう?おにいちゃんや、お母さんや、なっきゅ先輩やお父さんじゃなきゃいいな、、、 そんな考えが頭をよぎる。 ダメダメ!!誰であろうと、絶対に負けらないんだから!! 意思を一層硬くする。 右手には拳銃。 ホントは手裏剣とかが良かったんだけどな〜。 「ふ〜っ。」 岩の向こうから溜め息。 ビクッ!っとした。 集中しないと、、、 「誰もいないものね〜、、、」 この声は、、、なっきゅ先輩のお母さん、、、だね。 良かった〜、ちょっとだけやりやすいでござるよ〜。 がさっ、がさっ、と歩き回るような音。 こちらにはまだ気付いていないようだ。 でも、なっきゅ先輩のお母さんは用心深そうだから、油断はできない。 ここは慎重に、、、忍法で!!! 音を立てないように、上着を脱ぐ。 よし、、、!!!いくでござるよ!!! 3、、、2、、、1、、、、、、ゼロ!!! 「おばさん、覚悟するでござる!!!忍法!!分身の術〜!!!」 脱いだ上着を上から投げつけ、そして私は横から!!! これぞ忍法分身の術!! 「よし!!もらったでござる!!!」 絶妙のタイミングで回り込み、そして高速三連射!!! バババンっ!!! 「誰がおばさんよ?」 「えっ、、、!?」 カチャ。 背後から声。 そして背中に何か突きつけられる感触。 目の前にあったのは、なっきゅ先輩のお母さんではなく、、、PDA。 「やりますね、、、おばさん。」 「だから、おばさんって誰のことかしら?」 「おばさんはおばさんです。」 「もう一度言ったら、、、わかってるわね?」 「わかってますよ、おばさ」 パンッ!!! 乾いた破裂音と共に背中に痛みが走る。 「うう、、、やられたでござる、、、流石はおばさんでござる、、、、ガクッ。」 生体反応:8 「まさか、あなたと対決することになるとはね。」 「そうですね。でも、私、前から小町さんと勝負をつけたいな〜、と思ってたんですよ。」 「そう?ま、でも私もちょっとあなたと勝負つけたかったかも、空。」 二十メートルほどの距離で対峙する。 バチバチと効果音が出そうなほど、互いに睨み合う二人。 「覚悟してくださいね、小町さん。」 「それはこっちの科白よ、空。」 更に一層、二人の視線が濃厚に交わる。 『決着をつけましょう!!』 二人の声が、見事にハーモニーする。 サラサラとした風が流れる。 緊迫した空気。 と、ポケットから一枚のコインを取り出すつぐみ。 「わかっているわね、、、空。」 「ええ、、、クイック&ドローですね。」 一瞬だけ微笑み会う二人。 そして、、、 親指でコインをピン、と宙に弾く。 くるくると弧を描いて宙で舞うコイン。 コインの軌跡が、、、終わる!!! バンッ!!! 重なり合う銃声。 決着は瞬間だった。 「、、、やるわね、、、空、、、」 「小町さんこそ、、、やりますね、、、」 「な、なんじゃこりゃ〜!!!」 下腹部についた赤い液体を見て、絶叫する空。 「空、、、それ、ネタ古すぎ。」 「、、、倉成さんに教えていただいたのに〜、、、ガクッ。」 生体反応:7 「鴨が一匹、、、」 木の陰から気配を殺し、照準を定める。 「っていうか、あれは、、、なにしてるのかな、、、?」 ピンク色の髪の少女、八神ココはなにやら不思議な動きをしている。 どうみても怪しげな宗教の儀式にしか見えない。 う〜ん、困ったな〜。 撃っちゃっていいのかな〜。 もしかして罠、なんてことは、、、絶対ないわね。 でも、、、なんだか悪い気がしちゃうな〜。 え〜い、でも勝負事に負けるのは私のプライドが許さないし、、、 ココ、ごめん!! バシュ!! 「う〜、、、コメッチョが〜!!、、、コメッチョが〜!!、、、ガクッ」 なんだか罪悪感、、、 生体反応:6 ホクトも、、、なかなかやるな。 かなりの苦戦。 ホクト一人にこんなに苦戦するとは。 「ホクト、お前、なかなかやるな!」 お互いに相手の姿は見えていない。 が、気配は痛いほど感じる。 「桑古木さんこそ、なかなかやるね。」 どう考えても、実力ならホクトのほうが上だ。 生身でキュレイの運動能力についてきている。 さすが、、、武の子だな。 はぁはぁ、、、 桑古木さん、、、強すぎる、、、 動きにムラが無い。 僕のほうはなんとかすべてかわしているが、、、体力が持たない。 だけど、、、僕は負けられない。 負けるわけにはいかないんだ!! まだホクトは動かないか、、、 困ったな〜。 あれだけ動きが良いと、距離をとっての射撃ではあたらない。 ここはやっぱり接近戦でまず無力化しなきゃならないか、、、 ホクトを殴るのは気が引けるが、、、 俺は負けるわけにはいかないんでね。 本気でやらせてもらうぜ!!! やっぱり接近戦しかないかな、、、 無駄に撃っても弾を浪費するだけだし。 桑古木さんに勝てる自信はないけど、やるしかない!! 「いくぜ!!」 「いくよ!!」 声と共に木陰から飛び出す二人。 射撃を警戒して、木の陰伝いに前進するホクト。 それとは対照的に直線的に突進する桑古木。 あっという間に距離がゼロになる。 「おりゃー!!」 機先を制したのは、、、桑古木!! シュッ!! 空気を切る音。 勢いを殺さずの、回転蹴り。 ホクトの頭部を寸分違わずに狙う。 (もらった!!!) が、桑古木の蹴りは空気を切っただけだった。 (チッ!!) 読んでいたのか、姿勢を低くしての回避行動。 そして、、、その姿勢から立ち上がりと同時の肘鉄!!! (クッ、、、避けきれない!!!) ヒュン!!! ホクトの肘鉄が桑古木を襲う。 ガスッ!! クリーンヒット!! 桑古木の身体が宙を舞う。 (よし!!!もらった!!!) 当たった瞬間、勝利を確信した。 今の一撃、普通の人間なら昏倒してもおかしくない一撃だ。 普通の人間なら、、、 「え、、、!?」 宙を舞う桑古木、、、その右手には、、、拳銃。 刹那、 バンッ!バンッ!!バンッ!!! (ちっ!!!) 弾がホクトをかすめる。 なんとか身体が反応したが、、、さすが桑古木さんだ。 吹っ飛ばされてなおかつカウンターを狙うなんて。 (やっぱり当たらないか、、、) 吹き飛ばされる瞬間に拳銃を構えてのカウンター射撃。 グットアイディアだと思ったんだけどな〜。 と、体制を立て直して着地。 「やるじゃないか、ホクト。」 「桑古木さんこそ。」 一瞬だけ、時が止まる。 「行くぜ!!!」 そして時は動き出す。 一気に距離を詰める桑古木。 そのまま姿勢を落としての足払い。 たっ、と半歩下がり紙一重で足払いを回避する。 そしてクイック&ドロー。 ダン!ダン!!ダン!!! 横に転がりながら回避行動をとる桑古木。 (今だ!!!) 三弾目を撃ち終わると同時に桑古木めがけて飛翔するホクト。 そのまま桑古木めがけてのジャンプキック!!! ガスッ!!! ホクトの一撃は大地をえぐる。 バック転でホクトの攻撃をかわす。 間髪入れず、そのままの姿勢から一足飛びで桑古木に突進。 そして、、、コンビネーションアタック!!! シュン!!シュン!!シュン!! コンパクト且つ素早い拳が空を切る。 (ちっ!さすが桑古木さんだ、、、全部紙一重でかわしている) 放たれるホクトの拳。 防戦一方の桑古木。 シュ!!シュ!!シュ!! すべてギリギリでかわす。 シュン!!! 「やるな、ホクト。だが、、、ここまでだ!!!」 ホクトが放った右の拳を桑古木の左手が受け流す。 そして、、、 「悪く思うなよ!!!」 シュ!!! 桑古木の音速拳がホクトのボディーを捕らえる。 ゴスッ!!! 「カハッ、、、!!」 完全に捕らえた。 「手加減しなくて悪かったな、ホクト。」 、、、動かない。 ホクトの反応は、ない。 (気絶したか、、、悪いことしたな、、、) ホクトの水月にめり込んだ右手を引き離す。 が、、、 (!?離れない!!?) 「桑古木さん、、、油断は禁物だよ、、、」 がっちりとホクトの左手に掴まれた桑古木の右腕。 そして、、、ホクトの右手には、、、銃!! 「勝つのは、、、僕だ!!!」 カチャン 乾いた音が響き渡る。 「弾、、、切れ、、、?」 がっくりと肩を落とすホクト。 もう身体には力が入っていなかった。 「残念だったな、ホクト。勝利の女神は俺に微笑んだようだな。」 バンッ!!! 生体反応:5 |
あとがき 読んでいただいた方、ありがとうございますです〜。 いつもとは趣向を変えて書いてみました。 アクションの練習も兼ねていますが、、、全然アクションになっていません、、、 技量不足ですね〜(涙 後半パートもバリバリ盛り上げていく予定なので、お楽しみに〜(だれも楽しみにしていなかったり、、、) |
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