*お読みいただく前に*
前作からの続編的要素も交えてあるため、前作をお読みいただくことを推奨いたします。

「社長、部長と係長がいまだに帰ってきません。」
「何してるのかしら!依頼がたまっているというのに!」
「この際、コストが増えるのは不本意ではありますが・・・」
「仕方ないわね・・・。」

怪傑キュレイ団
                              作者:やまちゃん

〜松永沙羅の誤算〜



★新入社員★

『地上最強を誇る愛と正義の秘密結社キュレイ団本部』

「入社おめでとう。私たちがあなたたちに期待することは任務の達成。それだけです。社命を握るのはあなたたちです。期待しています。」

かくして、人員補給のために、3名が入社した。

「部長 代理  松永沙羅」
「平 社 員  倉成ホクト」
「平 社 員  八神ココ」

ちなみにこれまでの全社員は・・・

「社   長  倉成つぐみ」
「専   務  田中優美清春香菜」
「部   長  倉成 武 」
「課   長  茜ヶ崎空 」
「係   長  桑古木涼権」

の5名から成立っていた。

名刺が専務から手渡される。
「これを全部配ってくるのよ。」
「2034枚も・・・?」
ホクト社員が不安そうにつぶやく。
「大丈夫だよ〜。だってココ、ちょーのーりょくしゃだもん♪」
「じゃあ、拙者の分もお願いね♪」
こっそり囁く部長代理。この狡猾ぶりが彼女を部長代理の地位までのし上げたのだろう。

★課長の最期!?★

ジリリリリリン!ジリリリリリン!

「電話が鳴ってるわね。」
「私、今タツタサンド食べてるから・・・。」
「私もコーラ飲んでるの。課長!早く出なさい!」
「・・・やっぱり、私の仕事なんですね。」

ガチャッ「はいもしもし、こちら地上最強を誇る正義の秘密結社キュレイ団本部です。・・・はい。・・・はい、はい。はい、それではすぐに社員を向かわせますので、よろしくおねがいします。」ガチャン

「社長、仕事ですよ。」
「私にどうしろって言うの?」
タツタサンドをくわえながら不満そうに訴える社長。

(何で、私が責められなきゃならないんです!!)

口にすると後が恐いことは百も承知、二百も合点なのは分かりきった話なのは最早定説である。

「専務、仕事ですよ。」
「電話に出たのはあなたでしょ!?」
(この会社、もうすぐですね・・・)
「中間管理職はこれだからつらいわね〜」
(それは私のセリフです!!)

半ばあきらめかけたその時である。課長はもう一人上司がいることに気が付いた。
(でも、なんで入社してすぐに私より上にいるのよ!)
ハッキングされるのも恐いので、これも敢えて言わない。日々、課長は気苦労が耐えないのだ。

「部、部長代理、仕事の依頼が入りましたが・・・。」
「あなた何年この仕事やってるの?」
(あなたもですか!?松永さん!)
「そのくらい、自分で考えなさい、と言いたいところだけど、今日は拙者に任せるでござる。それで仕事内容は?」
「えーと・・・・・・」


10分後・・・


「分かったわ。課長、任せるわ。」
「え!?」
「この仕事は拙者には無理でござる。」
「・・・・・・」
「課長〜コーラまだ〜?」
「・・・タツタがきれてるわよ・・・課長・・・」
「・・・・・・」

「・・・・・・う〜ん・・・・・・システムニイジョウハッセイ・・・・・・」
バタッ
「課長、どうしたの?」
「過労によるシステム異常ですね。」
「・・・・・・仕方ないわね、今回の仕事は新入りに任せることにしましょう。」
「え〜〜!?」
「・・・・・・社命がかかってるのよ!?」
「・・・・・・お引き受けいたします。」
(いっそこんな会社潰しちゃえよ!)
宇宙から部長の声が聞こえた気がした。
・・・おそらく気のせいである。

★部長代理出撃!★

「仕方ないでござるね。拙者の出番がついに来たでござるか。行くでござるよ!兄者!」
「え!?ちょ、ちょっと待ってよ沙羅!僕も行くの!?」
「当たり前でござる。」
「嫌だよ!僕は絶対に行きたくない!」
「上司の命令が聞けないの・・・!!」
凄まじい狂気を感じたホクト(平)は上司の命令は絶対であるというこの会社の社訓にようやく気付いたのであった。

「はい、じゃあ2人にパスポートを渡しておくわ。」
「ということは・・・」
「外国なのね・・・。」
専務からパスポートを受け取った二人は早速空港に向かわねばならなかった。徒歩で。

3時間後・・・

「ふう、ふう、さすがに疲れるわね。」
「はぁはぁ・・・・・・」
「ふぅふぅ・・・・・・」
部長代理よりも疲れた様相の平社員ホクト。
「すはぁーーーっ、ふぅーーーっ」
「ぷはぁーーーっ、ふぅーーーっ」
「ひっひっふぅーーーっ、ひっひっふぅーーーっ」
「安産祈願、ぽんぽこぽん。」
謎の深呼吸を繰り返す。
「?」
怪訝そうな面持ちの部長代理。
「なにつぶやいてるの?」
「?いや、何となくこんな言葉が勝手に出てきたんだ。」
(やはり血は受け継がれているな。お父さんは嬉しいぞ!)
宇宙から部長の声が聞こえた気がした。
・・・おそらく気のせいである。
「バカなことやってないで早く行きましょう♪」
「楽しそうだね、沙羅。」
「だってただで外国に行けるのよ?楽しいに決まってるじゃない♪」

ただほど高いものはない。先人はこのような偉大な言葉も残していたことを2人は知っていたのかどうか?

17時間後・・・

「ようやく着いたね、お兄ちゃん。」
「もう僕はクタクタだよ〜。」
「確か依頼主が空港で待っているはずなんだけど・・・。」

「すみません、地上最強を誇る愛と正義の秘密結社キュレイ団の社員の方でいらっしゃいますか?」
後ろから1人の男が声をかけてきた。
「ええ、そうでござる。拙者地上最強を誇る愛と正義の秘密結社キュレイ団部長代理の松永沙羅と申す者でござる。」
「やはりそうでしたか。忍者の格好をしているのですぐに分かりましたよ。私、こういうものですが」
男は名刺を内ポケットから取り出した。
『飯田コンツェルン副社長飯田億彦』
「裏にも何かあるわね。」
『腎臓戦』
おそらく続きもあるのだろうが、そこまで読んで底知れぬ悪寒を感じた部長代理は途中で見るのをやめて表に戻した。
「早速依頼の件なのですが・・・」

7時間後・・・

「まさかこんな依頼を受けるなんて・・・」

飯田億彦氏の依頼とは『最近発見された洞窟の奥深くに隠された財宝を探して欲しい』というものだった。なんでもその財宝は強力な熱を発している「何か」らしい。

「この洞窟ってまだあの飯田さんって人以外には知られていないんでしょ?」
「秘密にして財宝は独り占めにするそうよ。そこで秘密結社の我がキュレイ団にお声がかかったって訳。発見したらうちにも財宝の3分の1を渡すということで決まったそうよ。それにしても、赤外線視力がこんな形で役に立つなんて思ってもみなかったわ。」

灯りのまったくない洞窟内では微量の熱から周囲を感知出来る赤外線視力能力は大いに役立つのである。

「にしても沙羅、さっきからずっと同じ所をぐるぐる回ってるような気がするんだけど・・・」
「忍者の勘を信じるでごわす。」
「ごわすって・・・、もしかして沙羅、迷ったの?」
「ダイジョウブデゴザル。イガリュウニンジュツメンキョカイデンミコミマツナガサラヲシンジルデゴワス。」
「会話がカタカナになってるんだけど・・・。」

★未帰還者多数★

・・・日本『地上最強を誇る正義の秘密結社キュレイ団本部』

「あ、タツタが切れた。」
「コーラないんだけど。」

横でヒヨコごっこをしているのは平社員のココである。

「ハ〜、自分でやるしかないわね」

2人の落胆する姿を見て、もう少し故障中のふりをしていようと決めた空だった。





つづく





あとがき

今回も読んで下さりありがとうございます。
続編書くかもとか言ってかなり遅れました。そこで、今回続編を書いたことを期にシリーズ化することを決定しました(ぉ
まだ秋香菜も登場していませんし(汗)
続編誠意取り組み中ですので、しばらくお付き合いいただけると嬉しいです。

それでは♪


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