---第三視点の解釈--- | |
月守蒼輝 |
Ever17最大の謎である第三視点BWについて、2パターンで考えてみました。 4次元世界の解釈は、ゲームの内容を忠実に分析して、矛盾点を徹底的に消してみました。 キュレイ解釈は、製作者の意図から飛躍することで、矛盾だらけですが面白い内容になっております。 どちらも『正解』ではなく『可能性の一つ』としてご覧ください。 |
4次元世界の解釈 |
まず最初に、3次元と4次元について整理してみます。 3次元というのは「縦」「横」「高さ」の三つが同時に存在する世界で、空間を自由に移動できます。 その世界に存在する者は2次元的な視覚を持っています。 この場合の視覚とは五感のことであり、五感が二次元ということは「直接触れることによってのみ認識できる」ということです。 視力は直接光を感ることで認識でき、聴力なら空気の振動によって認識しているという感じです。 立体的感覚は平面2つの差異によって立体と錯覚して認識しています。 視力なら2つの目で奥行きを感じることで、聴力なら2つの耳で「3Dサウンド」で場所を特定することなどです。 また、時間は1次元の直線で、3次元世界はその中の点が連続することによって時が進みます。 4次元というのは更に時間軸も同時に存在する世界で、時空間を自由に移動できることになります。 その世界に存在する者は3次元的な視覚を持っています。 空は、「第三視点とはサイコロの6面を同時に見ることが出来ること」だと言いました。 つまり、2次元的視覚では遠くに感じられる事象に直接干渉することが出来ます。 透視や千里眼能力、テレパシー、念動力など「超能力」と言われるものがこれに当たると思います。 時空の感覚は空間の差異によって時空間と錯覚を起こして認識していると予想できます。 これは歴史の差異を比較して移動できることを指します。 また、時間は2次元の平面で、4次元世界はその中の直線が縦横無尽に突き進むことによって成り立っています。 ここで、時間についてもっと詳しく書くと…… 時間1次元は「進む」のですが、時間2次元のもう1本の時間軸は『広がる』と言ったほうがいいかもしれません。 3次元世界の時間は線なので、4次元世界内で「広がる」ことが可能になった時間は「線の分岐」という形をとります。 これがYの字の連続で樹形図のように見えたとき、その先端が『パラレルワールド』になっているのだと思います。 3次元人の時間は点の連続なので、『歴史』を認識できても『分岐』は認識できません。 4次元人の時間は線が平面上を移動しているので、パラレルワールドも自由に見ることが出来ます。 また、線が移動しているいうことは過去にも戻れるということです。 では次に、第三視点について整理してみます。 ホクトやココの「第三の眼」は超能力のようなものだと思います。 事実、ココは念動力でスプーンを曲げることが出来ると言っています。 そして「視点を借りる」とは「他人と五感をシンクロさせる」と同じ意味だと思います。 BWも同じ能力を持っているためホクトと容易にシンクロをさせることができたのでしょう。 そして「第三視点そのもの」とは、4次元の存在そのもののことです。 つまり、視点を借りることが出来るだけでなく時間も移動できることになります。 ちなみに、3次元人は立体の認識が限界で、時間的感覚などは全くありません。 それ故に、ココは未来を知ることが出来なかったと思います。 「ココが何でも知っている」のは、BWとのシンクロによって知る情報のみを指すのでしょう。 では、そろそろ本題に入ります。 武とココを救うため歴史を変えるにはどうしたらいいか? 時間軸が1つのとき、点である存在は為す術がありません。 時間軸を2つにする同時に時間平面を移動できる存在の力を借りる事によってのみ過去に干渉できます。 そのためには、4次元世界を作り出し4次元人間を呼び込む必要があります。 これは2つの時代『2017年』と『2034年』をそっくりにすることによって錯覚を起こさせることでした。 時間軸上の二つの点の距離をゼロに圧縮することで1つの点となり時間の概念を無限大に変換、時間平面上に存在できるようになります。 つまり「アルファでありオメガである」とはこういう意味だと思います。 この時4次元存在の介入によって擬似的な4次元空間になり、2017年と2034年の両世界は時間を共有し相互干渉します。 それが生体反応センサー、闇鬼、ホットドックの消失に関わっているのでしょう。 更に、4次元世界ということで他の3次元世界のパラレルワールドとも干渉できるようになります。 それは銅像の傷が複数あったことから証明できます。 BWが第三の眼を持つホクトに降臨した瞬間、新たな4次元的世界として歴史の分岐が発生します。 この時、この世界の記憶を持たないBWは記憶喪失になり、その干渉によって桑古木少年も記憶喪失になります。 そこから世界の相互干渉によって僅かながら自動的に誤差の修正が行われます。 記憶喪失になった桑古木は、引き続きホクト少年と干渉して行動パターンをトレースしたり予知をしたりします。 これは優秋や空、つぐみにもわずかながら見られます。 2034年の桑古木が2017年の武の行動を真似できたのも、少しはこの影響があったのかもしれません また、確率的に同じような自然現象なども発生しやすくなります。 2034年のLeMUの至る所に2017年と同じことが起こるような仕掛けをしてあるのでしょうが…… そしてBWは、これから数日間のさまざまな分岐によって生み出された全ての世界に遍在します。 これは非減数分裂であり、いわばコピーのように増えます。 世界が分岐する理由…… それはタイムパラドックスを解決するためでもあります。 BWは時空間移動できるので、過去にも未来にもパラレルワールドにも自由に行くことが出来ます。 しかし、もし過去を書き換えてしまったらその歴史はBWの中からも消えてしまい矛盾が発生します。 それゆえに、過去に戻って歴史を変えたとき、元の歴史も分岐した別世界として残ります。 この場合、BWの存在する時間平面上では両方の歴史が存在するため、BW自身の記憶や歴史が消えることはありません。 だからBW自身にタイムパラドックスは起きないのです。 では最後に、誰が最初に2034年の事故を計画したのかを考えたいと思います。 BWは自分の力で3次元世界に干渉することは出来ません。 ならば、優春が最初ではないかと思います。 まず最初の2017年をAとします。 この世界では2034年とリンクしないため、おそらく桑古木少年も記憶喪失ではないでしょう。 LeMU脱出時につぐみか八神岳士から真相を知って、その後第三視点について知ります。 そして何とか2017年の事故を再現することに成功し、BW召喚を実現させます。 しかし、この世界ではすでに過去が決定しているため、BWが召喚された世界は新たな分岐の一つ「B」です。 「A」2034年そのものは何も起こらず過ぎていき、優春は別世界で武とココが救われるのを祈るしかありません。 「B」2017年と2034年はBWが降臨しているため、ここからBWの存在する世界がさまざまに分岐します。 ただし、BWの記憶が無くなった影響で第三視点の能力は部分的にしか発揮されないということです。 仮に「B」2034年の優春に会っても「私が計画した」と言うでしょう。 BW降臨後に分岐した世界をいくつも見ることでBWが完全覚醒できる状態になり、武とココが救われていない事実に気づきます。 そこでBWは、2017年の優春に計画のことを伝えます。 ここで分岐した新たな世界を「C」とします。 「C」2034年では優春が「全てあなたの指示に従っただけ」発言が出来るため、ゲームの時間軸と捉えることが出来ます。 仮にこれがココ編だったとするならば、BW(C)は過去を変えにいきます。 そして、武とココが人工冬眠している「D」に分岐します。 この「D」で初めてグランドフィナーレが可能になります。 ただし、「D」2034年に騙されたBWは(D)ですが、グランドフィナーレに現れているのはBW(C)です。 理由は、自分がいる歴史ですでに決定された過去を変えることが出来ないからです。 パラレルワールドに入ることで初めて「歴史が変わっている」と実感できるということです。 そしてBW(D)は「E」世界のグランドフィナーレへ…… これ以降、他世界のBWがまるでループのようにこれを繰り返していると思われます。 以上で、4次元世界の解釈を終わります。 |
キュレイ解釈 |
この世の全てを知覚できる、1つ上の次元の存在――それは「神」と考えることも出来ます。 古来より第三の眼を持つ神が多いのはそのせいかもしれません。 ここでBW=プレイヤーという仮定を立てると、プレイヤー=ゲームにとっての神と考えることが出来ます。 つまり、 BW=プレイヤー=神 武、少年=ゲームの主人公 LeMU=ゲームの舞台 パラレルワールド=マルチシナリオ ということになります。 3次元の出来事を映像や書物として記録すると、それは2次元的な存在になります。 これをゲームに置き換えると、プレイすることによってよってあたかも3次元のように錯覚させることが出来るということです。 この時プレイヤーがゲームと一体化し、「ゲームの中に降臨」することが出来ます。 もし実体験をゲームにしたら、3次元から2次元に落としたものを再び3次元に高めたように「錯覚」するという意味です。 これは夢や妄想、仮想空間などでも同じことが言えるのですが、ゲームが一番近いでしょう。 では、再び2034年の世界として考えてみましょう。 LeMUにはRSDとイヤホンという素晴らしいものがあるので、これを使ってホクトをゲームなどの仮想現実世界に引き込む事が可能です。 この時、 1:BW(ホクト本人)とホクト(ゲームキャラ)が存在する。 2:ホクトは記憶喪失にされたによって現実とゲームの区別を付けづらくなっている。 3:ゲームはベストエンディングを見なければループする。 と考えてください。 何故ホクトかというと、 1:LeMUの事故が過去に実際に起こっている必要がある(キュレイシンドロームの動機) 2:優春が計画するため、優秋も関わることが可能(LeMUでホクトと出会う) 3:できれば事故の関係者の親戚・知人の方がいい(ホクトはつぐみ・沙羅と血縁) 4:ホクトは一度気を失っている(この時仮想世界に切り替えると違和感が少ない) 4番はクロロホルムなどで用意に実行可能です。 ひょっとしたら、つぐみも計画の関係者で、着替えのときに着ぐるみに仕掛け それをジャコウの匂いによってカモフラージュしていたのかもしれません。 この結果、「キュレイシンドローム」が発生すれば計画は成功です。 妄想の世界がゲームとリンクして、細かな問題は全てクリアしてくれるでしょう。 そしてゲーム終了と同時にそれを現実化できれば、武とココを救うことが可能です。 (※ただし、私の考えではキュレイで現実化した世界は過去を変えたものではなく別の新たな世界だと思います) こう考えると、BWは3次元の存在でしかなく、通常の時間軸に影響されているということになりますが。 プレイヤーは選択肢を選ぶことで主人公を「誘導」出来ますが、直接干渉することが出来ません。 何故なら、ゲームの世界に生きているわけではないからです。 これが「只見ることしか出来ない」ということです。 そして、2週目以降のプレイヤーは予知が出来ます。 これから起こるシーンも記憶として見ることが出来ます。 何故ならすでに経験したことだからです。 これで過去の経験を元に違う選択肢を選べば未来が変わるということです。 更に、プレイヤーとして各エンディングの全ての記憶も持っています。 だから違う世界も認識しているということです。 そうして何度もプレイして、いろいろな謎を紐解く準備が出来たとき―― ココ編へ突入するのです。 当然、プレイヤーはベストの選択肢を知っています。 そして、重要なすべての問題をを意図的に解決することが出来ます。 それらを積み重ねてみんなを救い、武とココを無事救出することが出来ればキュレイ第三の特徴により現実化し、 同時にゲームが終了するということです。 これはキュレイシンドロームによる空間の歪みを検出するシステムをゲームに搭載させれば可能なはずです。 以上で、キュレイ解釈を終わります。 |
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